古屋美登里のレビュー一覧

  • 月の番人
    p74
    パーティが終わってみんなが家に帰っていくのを見てるみたいな感じだ


    ある意味、何か起きそうで何も起きていない内容。
    主人公の現在地は変わっていなくて、それは同じ場所に浮かぶ地球のよう。月を地球から見上げるように、月から地球を見上げる。
    あとがきにも書かれていましたが、横顔を多く描かれる作家...続きを読む
  • 月の番人
    主人公は月のコロニーの安全を守る警察官。しかし、
    過疎化が進み、事件らしい事件は起こらない。
    やがて住人は、彼を残してつぎつぎと地球に
    戻っていき、あたりは月の静寂に包まれ…。
  • 月の番人
    なんとなく寂しい本。紺の二色刷がいい。まんがというより絵本って感じがする。個人的には一人でいてほしかった。
  • 月の番人
    生きるとは、一体どういうことだろうか。此のように、彼のように、とは言えないものだ。
    月で、住む人が減っていく中で、月に残って生きていくべきか。この是非を他人が言うことはできるだろうか。これまでとこれからを自身で考え、決めることに何を言うことがあるか。生きるための自身の決断に栄光あれ。
  • 飢渇の人 エドワード・ケアリー短篇集
    ありえないことをさも当然のように淡々と静々と描かれた物語が散りばめられた、作者だけが知っている空想世界が詰め込まれた短編集。全体的に、理解するものではなく、感じ取る物語たち、というイメージを持ちました。

    どういうことなの?という疑問をまったくほどけない作品もあれば、数奇なひとりの男の物悲しい運命を...続きを読む
  • おちび
    おちびのマリー
    と風変わりなクルティウス先生との運命的な出会いから蝋人形を作る事になる。
    最初は人の臓器、やがて人間の顔を石膏で型をとり
    蝋人形の顔を作る。
    スイスを追われ、パリに行き2人は洋裁店の未亡人とその息子の家に間借りをしまた新たな運命が動きだす。
    フランスの歴史に絡め、おちび事マリーの長い...続きを読む
  • おちび
    マダム・タッソー → マリー・タッソー こと マリー・グロショルツの物語。
    実話ではなく、ケアリーの作り上げたフィクション。
    フランスの蝋人形作家。
    不気味で怖い挿絵だが、あちこちにたくさんあり、わかりやすい。
    幼い頃の話は、グロ恐い。
    恐い話なのか?と思いビクビクしながら読んだが、
    ヴェルサイユ...続きを読む
  • おちび
    フィクションとノンフィクションの中間な
    マダム・タッソーの自伝的物語。
    結構なボリュームで中盤疲れたけど
    読み切ってよかったと思う。

    タッソーの蝋人形館がロンドンにあるから
    勝手にイギリス人かと思ってたけど
    大陸の生まれでフランス育ちだったのか。
    そして、フランス革命の時代を生きた。
    史実をうまく...続きを読む
  • 蜜のように甘く
    ニューヨークタイムズ、ロンドンタイムズ紙絶賛の短編小説家!?という触れ込みを見て読んでみた。

    確かに、ハマる人はハマりそう。
    しかし私はハマりたくてもハマれなかった。

    文化がよくわからない!
    その言葉一つの裏側にある深い意味を読み取ることができなくてやきもきした。

    登場人物の名前に馴染みがなさ...続きを読む
  • 蜜のように甘く
    必要最小限の簡潔な文章が心地よい。
    無駄を削ぎ落とされすぎて
    登場人物たちのつながりや背景がつかめず
    まれに戸惑うものの
    読みすすめるうちにそれらを
    より明確に深く濃く感じることになる。
    あえて書かないことの奥深さ。
    読む人にゆだねる潔さ。
    大きな出来事は何も起きず
    この不幸ではないものの
    何かが足...続きを読む
  • 蜜のように甘く
    日常のさり気ない描写から現れる、人間の心の機微が、最初は何とも思わなくても、もう一度読んだときに、愕然としてしまうような、物語の変貌ぶりが印象に残りました。

    また、物事の見つめ方がニュートラルである分、読者それぞれの感じ方で入りやすかったのと同時に、見えない裏の部分を解釈させる難しさも感じ、短篇の...続きを読む
  • おちび
    18世紀のフランスを舞台に、スイス生まれのマリー・グロショルツが、両親と死に別れ、師のもとで蝋加工や人体について学び、フランス王女の教師となり、革命期には王族や政治家のデスマスクを作り、投獄から生きのび、結婚して、ロンドンに渡って展示室を作る。

    臓器、スケッチ、服、デスマスク…と蝋人形に至る技術と...続きを読む
  • 人喰い――ロックフェラー失踪事件
    パプアニューギニア、未開の地、首狩り族。そこで富豪の息子が消息を絶つというノンフィクション。
    食われたのか?がテーマではない。

    なぜ?食われたのか。そこを理解することが重要。

    それにしても、読みづらい本だった。
    ノンフィクションゆえに、実際の土地や人の名前が似通っていて、対立する村の名前は似てい...続きを読む
  • おちび
    最後の一文に生への執着、もしくはこの場所への執着みたいなものを感じてぞっとした。
    挿絵のせいで5歳児の「これなーに?」攻撃に遭い返答に困ること度々。
  • 人喰い――ロックフェラー失踪事件
    ニューギニアにて、ロックフェラーの御曹司マイケルが消息不明となった事件。
    彼は現地部族によって殺害、更に食されたと報道されました。
    本書はその真相に迫るレポートとなります。
    残虐な描写がありますので、苦手な方はご注意ください。
  • 人喰い――ロックフェラー失踪事件
    1961年、ニューギニアで「プリミティブアート」を蒐集していたマイケル・ロックフェラーの船が座礁し、同船していた者と別れて陸に泳ぐ姿を最後に、彼は行方不明になる。サメに喰われたのか、溺死したのか、首狩り・人喰いの風習があるアスマットに殺されたのか。世界の富豪ロックフェラー家の一員の安否に注目が集まっ...続きを読む
  • 人喰い――ロックフェラー失踪事件
    1961年、世界有数の富豪、ロックフェラー一族のマイケルはニューギニアを探検中に行方不明になった。ロックフェラー家は莫大な財力、政治力をつぎ込んで大規模な捜索を行ったが、マイケルを発見することはできず、彼の消息は未だ謎のままだ。

    実はマイケルがどうなったかについては、当時から結論が出ていたが、ロッ...続きを読む
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか
    主にイラク戦争の帰還兵の生活や家族、心的療法プログラムなどについて、実際に起きたことをまとめ上げた内容で、非常に読むのが辛くなる
    海外には本物のジャーナリストがいるってことが分かる書籍でもある。 カタカナの名前が覚えきれなくて若干相関関係が分からなくなっちゃったりもする
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか
    イラク戦争でPTSDを発症した米兵や遺族のドキュメンタリー。感動的な脚色などはなく、ただ淡々と彼らの苦悩や悲しみを書き記している。登場人物が複数人いるので、散漫的で少し読み難い。心が戦場から帰って来れずにいる彼らの苦しみや、支える家族の不安は解消されそうにない。PTSDの治療法や解決策などもなく、読...続きを読む
  • 堆塵館
    YAとして書かれた作品のようだけど、YAでは売れそうにないので一般向けとして売っている、という印象の本。
    日本の中高生に受けるかは疑問。誕生の品含め、すさまじくたくさん名前が出てくるので、翻訳小説が苦手な人にもおすすめできない。

    絵と設定は魅力的。ディケンズ的でもあるし、ティム・バートンのアニメ(...続きを読む