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「ニューヨーク・タイムズ」紙のベストセラー・リストに選出された、
世界で大人気のマンガ家による、
不思議で、愛おしくて、切ない、SFマンガの新境地!
オール2色刷り!
谷川俊太郎さん推薦!
「無人の月の寂寥がホントで地球の賑わいがウソみたい」
【あらすじ】
「子どもの頃、警官になって月面で暮らすことが夢だったんだ」
主人公は月のコロニーの安全を守る警察官。しかし、過疎化が進み、事件らしい事件はなにひとつ起こらない。最近の重大事件といえば、迷子の犬の捜索だ。やがて住人は、彼を残してつぎつぎと地球に戻っていき、あたりは月の静寂に包まれていく。
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Posted by ブクログ
7/5の夜。
仕事で遅くなって1時間も取れず。そんな中手に取ったのが、トム・ゴールド『月の番人』。絵本です。
本を開いた瞬間に、芳しいインクの香り。月が舞台で、空に広がる宇宙と散りばめられた星が目に飛び込んでくる。月で警官をつとめる主人公は、閑散とした街と、どんどん去っていく住民を見送る側にいる。コンビニが無人化し、住居ユニットがどんどん減っていき、主人公も耐えきれなくなりとうとう異動を願い出るが、受け入れられない。そんなとき、テイクアウト専門の無人ドーナツ屋がドーナツカフェに改装されることを知る。
遅れてやってきた者の取り残された感触。警官という職業を考えれば、住人が最後の一人になってでも必要な存在。そもそも、最後の一人ってその警官自身なのでは、とも思えるけれども。人の小ささと圧倒的に大きな宇宙と閑散とした月のイメージが何度も何度も見せられ、孤独な警官を見守る我々読者までも悲観的な気分にさせる。
でも。
そんなステロタイプな感想をひらりとかわし、じんわりさせてくれるのが、この作品なのだろう。意外な展開に驚いたけれども、とてもすんなりと受け入れることができた。それは、我々ももしかしたら同じ選択をするかも知れなく、その可能性を見たからだろう。それでも、ちょっと現実的なところを見ると、このまま忘れ去られてしまう危険もあるので、手放しで喜べないものではあるけれども。
トム・ゴールドの絵は淡々としていて、でも温かみがある。そして、人の顔はほぼ横顔しか描かれていない。だから、感情をはっきり見る機会がなく、半分は我々読者が補う余地を残してくれているのではないかと感じた。
上司から派遣されるポンコツのセラピーロボットもなんの役にも立たないままに送り返されるが、段差も感知できず転んで起き上がれなくなったり、すぐに充電切れを起こすなど、お約束すぎるドジっ子ぶりを発揮し、実に愛らしい。
月の最初の入植者の一人である老婦人による、月にあったかも知れない輝かしい未来像をおぼろげに感じつつ、本を閉じた。
翻訳を担われた古屋美登里さんの塩加減も絶妙で、この世界観に合った、過剰さの無い、素敵なお仕事でした。
Posted by ブクログ
人類は一旦月に移住したものの、やっぱり地球が良くて次々と帰還していく、そんな状況を設定したディストピア小説のような絵本。
主人公は月面移住者コミュニティの警察官という設定。
セリフは少なめ、紺色と白の2色しか使われない、そして登場人物は常に横顔だけ描くという独特のスタイルだが、創造力を大いに掻き立てられる。
効率化や過疎化について何度も考えさせられた。
モジュール状のパーツを組み合わせた簡易的なつくりのマンションが、ある日突然縮小して、自分の部屋のフロアが変わってしまい、部屋からの眺めも変わってしまう場面は印象的だった。居住者の意志は無視され、合理化が優先されている。
また、自販機が故障したり、ポンコツなセラピーロボが登場するなど、技術が中途半端で、充分なサービスが提供されない点は、まさに過疎化問題を連想させる。
そして、最後のシーンは寂しくも美しさを感じる結末だった。主人公は月に残り続けるのだろうか?
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