【感想・ネタバレ】蜜のように甘くのレビュー

あらすじ

沈黙を抱える者たちの視線が交差し、気高い光を放つ。胸に刻まれたその残像が、今も消えない。 ——小川洋子さん推薦!

戦争で夫を亡くし、足のケアサロンを営むペイジ。
斜向かいに住む大学教師ボビーの密かな楽しみは、ペイジの生活の一部始終を観察することだった。

ある日ボビーは、意を決し初めて店を訪れる。
足を洗ってもらっているあいだに、ひとり語りを始め、忘れ得ぬ事故のことを打ち明けるボビー。
悲惨な体験を通して、孤独な二人の心は結びつくのだが……(「初心」)。

79歳の作家が贈る、全10篇の濃密な小説世界。

「世界最高の短編作家」(ロンドン・タイムス)
「現存する最高のアメリカ作家による、最高傑作集」(ボストン・グローブ紙)
——なんとまあ大袈裟な、と思う方は、是非とも本書を読んで確認していただきたい(古屋美登里)


【目次】
・初心
・夢の子どもたち
・お城四号
・石
・従妹のジェイミー
・妖精パック
・打算
・帽子の手品
・幸福の子孫
・蜜のように甘く
・訳者あとがき

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

この短編集の雰囲気を豊かさを、わたしの語彙力では表現むり。10篇のうち特に好みな「お城四号」「蜜のように甘く」は萩尾望都、山岸凉子、ヤマシタトモコ、よしながふみのみなさんがマンガ化してくれてほしい切望で、つまりそういう深さ美しさのお話なんです。

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2020年07月05日

Posted by ブクログ

なんなんだろう、この人のよさは。現代の短篇小説家のトップに位置するうちの1人、と言って決して過言ではないはず。
『初心』『従妹のジェイミー』『帽子の手品』が特に◎。しんみりじんわりというよりも、仄かなユーモアが漂ってきながらちょっと皮肉が浮かび上がってくるようなものが好きだな。

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2020年06月11日

Posted by ブクログ

表紙は御本人?いつものように予備知識なく手に取り、なんかヨーロッパっぽいのかなー、と思ったらプロビデンスの人だって。アメリカの超北東。しまった短編(苦手)だよ。これがいい短編だった。沢山この人の書く物読みたいと思わせるし、上手い。皆さん褒めてらっしゃるけど、もうね、嫌いな人はいないだろう。強烈な個性っていうんじゃないんだけど、なんかさ、ぼーっとお茶してる時に、誰か入店してきて、なんとも言えず素敵な人っているじゃん?余裕あって、こっちがジロジロ見てんのに気にしない人。そういう感じがした。うーん駄目な感想。

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2020年11月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

作者は短編小説の名手としてアメリカでは有名らしいが、不勉強で未知、初めて読んでみた。

短編小説ってのは、無駄を省いて研ぎ澄ませるかみたいなとこも勘所だと思うのだが、この作家さんはその研ぎ澄まし方に味わいがあるタイプなのかと思う。訳者古屋さんの腕もあってそのすっきり研がれた文章はくどみがなくて気持ちよい。

残念ながら感情移入できるタイプの話が少なく、印象に残りずらかったが、そこは好みの問題だけだと思う。

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2022年11月20日

Posted by ブクログ

必要最小限の簡潔な文章が心地よい。
無駄を削ぎ落とされすぎて
登場人物たちのつながりや背景がつかめず
まれに戸惑うものの
読みすすめるうちにそれらを
より明確に深く濃く感じることになる。
あえて書かないことの奥深さ。
読む人にゆだねる潔さ。
大きな出来事は何も起きず
この不幸ではないものの
何かが足りないような
光とともに影がずっと漂っている状態こそ
日常というものなのかもしれない。

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2021年01月19日

Posted by ブクログ

日常のさり気ない描写から現れる、人間の心の機微が、最初は何とも思わなくても、もう一度読んだときに、愕然としてしまうような、物語の変貌ぶりが印象に残りました。

また、物事の見つめ方がニュートラルである分、読者それぞれの感じ方で入りやすかったのと同時に、見えない裏の部分を解釈させる難しさも感じ、短篇の内容によって、私の好みも分かれました。

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2020年10月27日

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