THORES柴本のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレタイトルに出てくる「一冊」は作中に登場したどの一冊のことなのか。読み終えてから少し考えて、この作品そのもののことなんだろうなという結論にすんなり落ち着いた。
たまたまこの本を読み始めたタイミングで私は熱を出していて、身体感覚が鈍って空間認識が危うくなると、物語への没入感もいつもより深くなる。
作中に登場する物語に引き込まれる田中さんの物語に更に没入する読書感。自分の現実までふわふわとした虚構の一部が紛れ込んできたようで、田中さんと同じく久々にこの感覚を味わったななどと思いながらぐいぐい読んでしまった。
うまく言葉に表せないけれど、あとがきに書かれていた影の主人公の話、そしてこのタイトル。私の中 -
Posted by ブクログ
先を失われた物語の構想と大量の用語解説を網羅した、本当に最後の一冊。
見開き数頁に亘るTHORES様の絵は過去と未来を繋ぐトリブラを最大限表現した美麗イラストばかり♡
序盤は、トレスを主軸とした外伝があり、さらにこれには続きもあったという。
R.O.Mの続きとなる物語の序章も掲載されていて、意外な組み合わせというかイオンを入れてくる辺り、やはりエステルが絡むからということなんだろうがこの二人もどうなったのかね…。
中盤では、トリブラの根本であるクルースニクや吸血鬼の始まりなんかは予想出来ない発端があったんだと知れる内容もあり、不運というかこんなきっかけで…っていうのが、改めて読んで確認し -
Posted by ブクログ
オルデン内の仲違いがありーの、アベルとユーグがコンビ組んでたりと、いつもとちょっと違った内容で見られるのが面白い。
途中、R.O.Mでは考えられない魔術師と行動を共にするアベルがいるなんて、どうなっちゃってるの?って所で、これ以上物語が進まないとは…なんとも寂しいことですな。
ゲルマニクスがオルデンとやや噛んでいる所とか、危うい関係やら繋がりやら…ここでも言うけど、短編としないで時間軸の違う一つの物語として成立させれば、もっと読みやすくて分かりやすかったのになぁと思うよ。
外伝は、最後に持ってくれば良いし、あの途中経過にはこんなこともあったんだって想像出来るしね。
中盤のカテリーナ、教授、 -
Posted by ブクログ
小休止的要素で読むなら、レオン&アベルと魔術師&人形使いのお話がいいよ!
これこそ、短編で◎
特に後者の二人が相対して絡むのもそうそうお目にかかれないし、それぞれに飄々としているからね…軽く"お遊び"な感覚がいけすかないけど(苦笑)
オルデンが好きな人には堪らない話じゃないかな。
アベルとカテリーナ…長い付き合いである二人のやりとりというか、カテリーナの人間味がよく出ているお話でもあると思う。
上司というよりは、やはり一人の女性としての一面が出るアベルとの絡みは結構好きだな。
例え、その想いが成就されないとしても、精神的な支えとしての想い人…切ない。
ユーグの話はやっと -
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Ax、長生種、異端審問局、騎士団…混在していても、場面展開がスムーズで繋がりが分かりやすいし、理解しやすい。
カテリーナの登場回数が増える回。
アベルを名指しで呼ぶとこ凄く好き♡なんだけど、その意図が分かるのは過去編ね。
人類に接触してきた長生種イオンとラドゥ。
壊滅騎士=ペテロ率いる異端審問局と衝突しつつ、半ばでラドゥの裏切りに遭ったり、アベルのクルースニク化が80%に上がったり、古代兵器の稼働でヤバイことになるし。
ラドゥの後ろには、騎士団が付いていて、いつからかそちらに引き入れられていたことになるんだけど、やっぱり彼らが一枚も二枚も絡んでいるわけね。
読み直して感じたけど、ぺテロが -
Posted by ブクログ
アイザック!アイザック!と叫びたくなる、どちらかといえばRAM派の私は、アイザックさんが出てくると胸躍っておりました。
ほぼ10年くらい経ての再読の今回、そういえばこの巻あたりからエステルのことがどうにも好きになれなくなってきたこと、カテリーナ様の「私はいやな女だわ」発言に非常に胸を痛めたことを、前回とまったく同じポイントで思い、年月が経っても好きなキャラというのは変わらないのだなとしみじみ。
エステルにしか背負えない宿命というか、キャラクターとしての使命があるのは明々白々なのですが、それでも、どこか新参者にすべてを持って行かれるようで、なんとなく居心地が悪い。特に、アベルのエステルに対する