「薬屋の独り言」4巻。
アニメ2期後半まで。
楼蘭妃周辺のあれこれが完了するのですが、こういう形になってほしくはなかったというのが正直な感想。
楼蘭妃が何らかの企みと抱えているというのは薄々気づいてはいて、国家転覆というよりも、王朝交代かなと思っていたのです。テューダー朝からスチュワート朝みたいな感じです。
蓋を開けてみれば、楼蘭が小物と評したようにただの画餅でしかなかった結末。この一連の事件を引き起こしたのが、一人の女性の顕示欲かと思うと、納得いかない。
何より、楼蘭=子翠ということなので、猫猫・小蘭・子翠のトリオの姦しさがなくなってしまうのが寂しいです。非日常の後宮の中での日常だったのでね。猫猫は少し壁を作っている部分はあれど、アイス作りの時の心情のようにほぐれてきてはいたので、他愛のない平凡さが後宮にもあるんだよな、と思っていただけに。
ラストシーンもなぁ。中華ファンタジーが舞台設定なので、そこから海を渡った東国というと、日本モデルの国家なわけで。名言はされていないと思うけど、匂わせはあったような。まあ、自分が思い込んでいるだけかもしれない。
その別天地に行くときに新たな自分という意味でつけた名前が、玉藻というのは不穏さを感じてしまうんですよ。玉藻前伝説があるので。楼蘭は結果として傾国の美女にはなれなかったわけですが、それは役割を演じただけで容姿はともかく本人の資質は傾国ではないはず。玉藻の名乗りは、傾国という危うさを感じます。となると、狐面もその暗喩だったりしたのか、とか思う。
いや、玉でできた蝉のブローチ?を買い求めたというのも、玉藻前伝説由来だしね。
もちろん、名乗り=その後の人生を決定させるものではないのです。ただ、やっと家・血筋の頸木から逃れることができた彼女の未来に幸あれと願ってやまないので、もうちょっと違う名前を名乗って欲しかった。
九尾の狐伝説の玉藻はねぇ、余計なこと考えてしまうよねぇ。
さて、後宮の方では玉葉妃が男児を産んだことで、人物の相関図が大きく変わった様子。楼蘭妃を含む子一族の反乱を鎮圧するために宦官壬氏ではなく、皇弟の華瑞月として存在することを決心したのも、大きな出来事でしょう。
その壬氏と猫猫の関係も、一線を越えるようで越えきれないというのは、続いています。しかし、死体置き場でコトに及ぼうとするとか、首筋に噛みつくとか、壬氏さまって案外ケダモノっぽさがあるな。
宦官を装っていた時は、薬で禁欲していたし、年齢も19だったかな、盛りといえば盛りですしね。いろんな状況で昂ってしまったのでしょう。
ロマンスではあるけど、ちょっと引きました。
追記というか訂正というか。
蝉について。玉藻前伝説の蝉を想像したのですが、中国では蝉は再生・不死などの縁起を担ぐ吉祥の象徴とされているようでして。
となると、あのラストシーンは、楼蘭・子翠の新たな人生への祝福の意味があるということだったようです。
自分が感じていたものとはまっっったく違う願いが込められていて、本当に恥ずかしい。余計なことを中途半端な知識で騙ってしまうというのは、いかんいかん。
気をつけることにします。誰が見るわけでもない駄文とはいえ、自分自身のために。