ディック・フランシスのレビュー一覧

  • 血統

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     かなりファンの間では評価は高いのだけど、個人的にはもうひとつ気に入らなかった作品である。

     強い自殺願望(鬱?)を持つ秘密調査員が、上司の個人的な依頼を受けて、休暇を使って名馬盗難事件を捜査する話である。もちろん、事件は解決するし、その過程で主人公は生きる意欲を取り戻す。暗い話だなあという印象を受けるかもしれないが、確かに暗い感じがする。でも、最後はハッピーエンドなんだなと安心されると、安心するなよ、と言いたい。

     わりあいいろんな意味でセレブを主人公にすることが多い作者の作品の中で、この「自殺願望」は異色である。自身も成功者である作者がどういう気分でこういう設定をし、書き進んだのかはよ

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    2010年12月13日
  • 横断

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     数あるフランシスの作品の中でも、もっとも設定に凝った作品ではないかと思う。

     カナダを横断する鉄道の中で進行する、「オリエント急行殺人事件」を思わせるような、ある意味クラシックな舞台であること。

     犯人は誰か、を操作するのではなく、犯人がなにをやろうとしているのかを探り、それを未然に防ぐことが探偵役の目的であること。

     探偵役は自らの正体を隠していて、さらに列車の中ではイベントとして推理劇が行われていくという、トリッキーな仕掛けがあること。

     その他にも、「ハムレット」を擬した逆トリックなど、目を見張る仕掛けに事欠かない。

     正直、最初に読んだときにはその仕掛けに幻惑され、凝ってい

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    2010年12月03日
  • 混戦

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     再読シリーズである。

     今ひとつ印象が強くないのは、フランシスにはまったばかりで1日1冊ペースで既刊本を読んでいた頃に読んだからだろう。飛行機の話、というくらいの印象しかなかった。

     再読して、思いがけないほど派手な話であることにびっくりした。最初の爆破事件、中盤の山場である迷子の飛行機を探すエピソード、そしてラストの見せ場。すごい。

     傷心から心の閉ざしてしまった主人公が再生する物語、というのは、まあ、王道パターンだ。そしてこの小説は、絵に描いたようにそのパターンをなぞっている。ただし、その傷心の原因がわりあい(客観的には)それほど大きなことに見えないので(僕だけだろうか)、なんだか

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    2010年10月26日
  • 度胸

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    最初は、この訳文に慣れなかったけど、今じゃ病みつき。
    一般的には、シッド・ハレーが主人公の話がお勧めですが。

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    2010年07月14日
  • 利腕

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    調査員になった元ジョッキー、義手のシド・ハーレーの元に依頼がよせられる。本命馬が続々と敗れていく。彼の元妻が罪を被せられ詐欺で訴えられそうだ。レースで不正が行われているのではと考える馬主。調べていく内に彼と相棒のチコは脅迫と暴力の中に巻き込まれていく。

    おもしろいんだけど重いんだよね。このシリーズって。人間の根底にある悪意があばかれていくというか。

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    2010年07月11日
  • 大穴

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    競馬シリーズ。落馬事故で騎手生命を断たれたシッドが探偵となり、乗っ取りされかけている競馬場を救う。

    痛快、軽妙、おもしろい。以前からディック・フランシスの競馬シリーズを読んでみたかったから、丁度借りられて良かった。このシリーズ読み始めよっと。

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    2010年07月05日
  • 祝宴

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    シェフがすごく受難な1週間でいろいろ痛そうでした。
    追悼コメントを読みながら、あらためて残念な気持ちに・・・

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    2010年04月22日
  • 決着

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    建築家のモリスのもとに、男爵家の遺産の管財人が訪れてくる。
    男爵家所有の競馬場の再生のために力を貸して欲しいというのだ。
    モリスの母がかって男爵と結婚していたのだが、モリス自身は次の結婚の子で血のつながりはない。
    古い建築を改築しては売るというユニークな仕事なので、そのへんも面白い。
    いやみな一族の面々も個性的。

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    2010年02月19日
  • 血統

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    うつ状態の主人公が次第に立ち直っていく。
    渋い話なので、普通の時に読むと、え~っと思う。
    落ち込んでいるときに読むと、一緒にだんだん引っ張り上げて貰えます。
    可愛い女の子との出会いもあります。

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    2009年10月15日
  • 査問

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    若い主人公の騎手が、不名誉な査問にかけられることに。
    高慢な一家の娘とケンカしつつ、恋に落ちる。
    懐かしい…

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    2009年10月15日
  • 奪回

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    中期の好評作。
    才能ある女性騎手が誘拐され、誘拐対策担当の専門家・アンドルーが派遣される。
    後に同じ手口での誘拐が発生し…
    スリルあります。

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    2009年10月17日
  • 障害

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    会計士でアマチュア騎手のローランド・ブリトンが主人公。突然、何者かに誘拐され…
    女校長先生が素敵。
    フランシスのファンなら必読の一冊。

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    2009年10月15日
  • 帰還

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    競馬シリーズ…読みたいときは一気に読みたくなります。今回の主人公は、予期しない出来事からかつての故郷に一時的に帰ることになった外交官という設定。
    いろいろな場面で機転が利き、頭をめぐらす主人公に、ちょっと出来すぎやしませんかー?とも思いますが、まあいいか(笑)。ともかく競馬シリーズは主人公のいい男っぷりを読みたいのです。
    アメリカで知り合った引退した歌手夫婦の人生を楽しんでいる描写、短い時間で知り合ったケン・マクルアとの会話、ケンの母親と婚約者の親(先の歌手夫妻)のやや気まずくも滑稽な食事の場面といい、この本はかなり楽しかった。本当にいろいろな人間達を描いてくれて。
    絶版ながら、原文のカセット

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    2009年10月04日
  • 再起

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    シッド・ハレー4度目の登場。読まないでいられません。
    今回注目したのはチャールズ・ロランド卿。
    この人は主人公シッドが最初に結婚した妻のお父さんで、退役した海軍将校で、ずっと主人公を友情で支えてくれている人です。
    のはずなんですが。

    なんですかね……あの人はあんなに……
    ……
    ホモっぽかったでしたかねえ…。

    シッドの恋人のマリーナと小さなフラットでシッドの留守を預かる場面は、まるで主人公がマリーナ(本命)と提督(二号)を二股かけた悪い男なのに、両者がそれを許している?……みたいに映ります…。何かの読みすぎ?
    「大穴」でクサっているシッドを侮辱することで、逆に奮い立たせてくれてた鋼鉄の人も、

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    2009年10月04日
  • 興奮

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    高校生の頃、人に勧められて読んだのだが、海外ミステリにつきものの名前がよく覚えられないのと、本書の特色である競馬という競技の背景を理解していなかったので、内容が全然頭に入ってこなかった。もちろん面白さも理解できなかった。
    今は海外ミステリを好んで読むようになったので、面白かった。ディック・フランシスの競馬ミステリの第一弾として邦訳された本書は、ハードボイルドで硬派なミステリです。

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    2009年10月04日
  • 興奮

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    競馬好きの友達は今までいくらすすめても本は読まないので話してもいいかと思い、この本のトリックを話したら、笑われてしまった。読めば面白いいんだけど残念。

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    2011年09月30日
  • 出走

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    短編集。
    いつも事件に巻き込まれる主人公の一人称で書いているフランシスが、犯人の側から書いているのが新鮮。

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    2009年10月15日
  • 密輸

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    初めて読んだ時には地味な印象でしたが、再読した時にすごく感情移入してしまいました。
    大人ならではの味わいのある作品です。
    馬匹運送の会社を経営する主人公。
    自分の会社で起きた謎めいた事件を探るために、運転手として雇った女性は…?
    運転手や地元の人間達の個性も豊かに描き分けられています。

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    2010年02月19日
  • 帰還

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    再読中。

    若手外交官のピーター・ダーウィンが主人公。
    フランシスの競馬ミステリ・シリーズの30作目。

    ピーターが日本での勤務を終え、次の赴任地の本国へ戻る途中、知り合ったクラブ歌手のヴィッキイ夫妻の窮地を助けたことから、娘の結婚式へ向かう夫妻を送っていくことになります。
    行き先は偶然にもピーターが12歳までを過ごした土地。
    娘の婚約者ケンは大きな動物病院の優秀な医師なのに、手術を施した馬が次々に死亡して信頼を失い、病院は火事で半焼という大変な危機に見舞われます。
    友情から、調査に乗り出すピーター。
    事件の鍵は彼自身の幼い頃の記憶の中に…!?

    病院が舞台で緊迫したシーンの多い、事件性の高い

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    2013年06月07日
  • 侵入

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    ふたつの厩舎の間のロミオとジュリエット。
    チャンピオンジョッキィ・キットは妹夫婦の苦境に立ち上がる。
    「周囲の反対を押し切って、先祖代代敵対するアラデック家の息子と結婚した妹ホリイ。ところが、何者かの扇動による中傷記事によって二人が営む厩舎が窮地に追い込まれてしまった。憎悪に満ちた記事を陰で操る黒幕は誰か?チャンピオン騎手のキット・フィールディングは、妹夫婦の唯一の味方として背後関係を調べ始めるが、やがて彼の身にも魔手がのび始めた。徒手空拳の騎手がマスコミ界を相手に奔走するシリーズ第24弾。」書評より

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    2009年10月04日