ディック・フランシスのレビュー一覧
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ネタバレイギリスの作家、ディック・フランシスの競馬シリーズ第三弾。
オーストラリアで牧場を営むダニエルは、イギリス障害レースの理事であるオクトーバー卿から不正の調査を依頼される。幾度とも絶対に勝てない馬が勝ち、勝ち馬は興奮状態にあったが、薬を打たれた形跡もない。ダニエルは厩務員を装い、色々な厩舎を回るが…
前二作と異なり、今作はサスペンス色は薄まり、一方で非常にスパイ小説の色が濃い。これもまた雰囲気が異なり楽しめる。
何より主人公のダニエルは、不行不屈としか言いようがないほどの忍耐強さを見せる。タフガイとはこういうものかと笑。それほどまでに酷い状況に陥るのだが、全ての逆境を耐え切り、乗り越える姿が熱い。ただ、女運は悪い気がする笑
事件の真相も、なるほどと。聞いたことがあるなという程度の仕掛けだが、中々良い。
次作は待ちに待った「大穴」。ほぼ唯一のシリーズキャラクター、ハレーの登場作とのことで非常に楽しみ。 -
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高校生のころ読んで以来の再読。
主人公シッド・ハレーの名まえをかろうじて覚えている程度。
最近『利腕』を読んで前日譚の本書が気になった。
50年近く前の作品であるだけに現代との違いを強く意識しながら読んだ。
携帯電話のない時代、外へ出てしまったあとの連絡の取り方やオフィスにいても
回線が少なく電話をするのに回線の空きを待たなければいけないインフラ環境。
急ぎのレポートを社内で手渡しするだけのためにいる坊やなど、そのころすでに
生まれていた私から見ても、なにか戦前のストーリーのように思えて見えた。
現代の多くの人が感じている生きづらさの理由が我々の身体の態勢が環境変化のスピードについていけないからじゃないかと妙に納得してしまった。
そして、現代のミステリやアクションものを読みなれている小生としては、シッド・ハレーの反応がまどろっこしく、もっとスピーディに動けないのかと何度も思った。
しかし、考えてみると実際にトラブルにあったり暴力を振るわれたりしたときのリアクションはシッド・ハレーのレベルではないだろう。その意味では身近なヒーローが何度も恐怖におびえながら、それに打ち勝っていくリアルミステリとしての価値がシッド・ハレーのシリーズにはあるのだと思う。現代のアクション小説には失われている生身の人間の恐怖や怒りをリアルに展開した必読の一冊。 -
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ネタバレ競馬シリーズ43作目。
アフガニスタンの戦場で右足を失った大尉トマスがイギリスに戻り、
実家である母親の厩舎に戻ったところから話ははじまる。
有名な調教師である母親は、投資に失敗したあげく脱税をネタに脅迫されていた。
不仲な母親だったが、偽の投資話を持ち掛けていた税理士の死や、
脅迫者の正体を探り始めるトマスだったが、
閉鎖された厩舎に縛られて義足を外された状態で取り残され、
死にかける。
もちろん、なんとか逃げ出し、
厩務長のフラットに身を潜ませながら真相にたどりつくが
最後の方では、
年の離れた金のある男と結婚している初恋の相手が、
悪事に加担しているのかどうかが気になって仕方なかった。
まさか最後に「味方による誤射」で亡くなってしまうとは。
文字通りの「死地」を脱しても、事件を解決しても、
恋愛の側面ではハッピーエンドとはならないことの多い、
このシリーズの最後にふさわしいのかもしれない。
競馬シリーズ、最後の作品。
長い旅だった。
賛否はあるだろうが、この漢字二文字のタイトルは、
とりあえずカタカナにしとけ的な今のタイトルと違って、
時代が感じられてとても良かったと思う。
素晴らしい旅だった。 -
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ネタバレ競馬シリーズ40作目。
シッド。
まさかまた会えるとは。
結論から言うと、無事再婚できて良かった。
意図せず前妻に恋人を紹介することになった時はどうなることかと思っていたが、
前妻とのわだかまりも消えたし、銃で撃たれた恋人も助かったし。
(前妻の今の結婚生活があまり幸せそうでなかったので、
もしかしてよりを戻す展開なのか⁈と思ってしまったのは申し訳なった)
さて事件の方は、義父に頼まれて訪れた競馬場で、
シッドは馬主に八百長疑惑について調べるように頼まれる。
すると、その直後疑われていた騎手が競馬場内で銃で撃たれて殺された。
騎手の父親に頼まれて、シッドは犯人を捜すが、
今度は調教師が自殺する。
さらに、政府関係者にはネット・ギャンブルについて調べるようにも、
依頼される。
調べを進めていくうちに恋人のマリーナが襲われたので、
彼女が一人にならないように気をつけていたが…。
騎手と馬主を殺した犯人の動機がいまひとつピンとこなかった。
自分を支配するの父親に復讐するために、持ち馬の八百長を行っていて、
それを知られないために殺したとは。
元義父が、自分の娘とシッドの遭遇にあたふたする場面や、
容疑者の過去を探っていた時に、
有名私立校の元舎監が私怨のために生徒の過去を話す場面が面白かった。
最後にもう一度言うが、シッドが幸せになって良かった。 -
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ネタバレ競馬シリーズ33作目。
今回は映画業界のお話で、
調教師の妻が自殺した事件の映画を撮っている映画監督トマスが主人公。
トマスは祖父が調教師であり、自身も以前障害競走の騎手であった。
そのころからの知り合いだった、
元装蹄師で競馬ジャーナリストの老人から死ぬ間際の奇妙な告解を聞くことになる。
記者の死後にやってきた甥は、トマスが書籍を相続すると聞いて明らかに動揺し、
無効だと騒ぎだす。
一方、映画の撮影中にトマスの元に、
映画の作成を中止しろという脅迫がナイフとともに届き、
さらに、主演男優のスタントマンがナイフで切りつけられる…。
撮影の過程にはあまり興味がわかなかったが、
自分が監督を続けるために会社の経営陣と丁々発止の駆け引きをするところが、
面白かった。
主演男優と監督が上手く行っていない、という記事を否定するために、
テレビインタビューを利用する場面では、
一緒にゴルフをする仲だとにおわせていて面白かった。
ゴルフとは、一緒にプレーをすることにそんなに意味があるスポーツなのか。
ただ、恋愛要素はほとんどなし。 -
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ネタバレ競馬シリーズ26作目。
次から次へと違う主題の話をよく考えつくことができるな、と感心する。
本当に。
主人公イアンの父親の五番目の妻が殺されたところからはじまるが、
その犯人探しよりも、
家や外出先で襲われた父親を守る方に話が進んでいく。
父親は投資家で非常な金持ちとあって、
3人の元妻(1人は事故死した)とイアン以外の8人の子供たちとその配偶者は、
父親の居場所を知りたがっているが、
それは金を求めてのことなのか、
それと殺そうとしてのことなのか。
イアンはアマチュアの障害騎手で調教師の職を辞めたばかり、
父親のガードマンとして、探偵役として、
家族ならぬ部族への渉外役として働く。
父親が馬に興味を持ち始め、競走馬を買って優勝し、
襲撃を逃れるためもあって、
フランス、アメリカ、オーストラリアと競馬場を訪れるようになっていくのが
面白かった。
多分、最も良い妻であった四番目の妻は、
双子の息子の一人と自動車事故で亡くなった。
生き残った方の息子は脳損傷のため病院で暮らしているが、
イアンと父親が会いに行く場面で、
まさかこの息子が病院を抜け出して…と思ってしまった。
よごれている。
父親への襲撃や馬主への道のりにウエイトを置いて、
五番目の妻の殺人事件や、四番目の妻の事故死をぼんやりとさせておき、
最後にスポットライトをあてる手腕はさすが。
家族にむやみに金を与えることは堕落させるという主義だった父親は、
決してケチなわけではなく、
気前よくホテルに泊まったり、イアンに小切手を切ったり、
馬を買ったり、海外逃亡するさまが心地よかった。
イアンの説得に応じてお金を渡したことによって、
子供たちの人生が好転したのが印象的といえば印象的。
テーマは家族かと思っていたが、金だったのか。 -
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ネタバレ競馬シリーズ23作目。
本当に次から次へと、面白い主題を見つけてくる。
しかも、上手に競馬を絡ませてくる。
今回はワイン。
素人でも聞いたことがある銘柄の名前が出てきて、
なんかそれだけで楽しくなってくる。
少年のころから目隠ししたままチョコレートも銘柄を当てられた主人公トニイは、
フランス、ボルドーのワイン商の家にホームスティしたことから、
ワインに興味を持ち、味を識別できる訓練を受け、ワイン商となる。
祖父、父と軍人の家に生まれながら、その道へ進むことがなかったトニイは、
しかも、最愛の妻を亡くしたばかりで、
独りで生きる人生に意味を見失っていた…と、かなり興味深い。
しかも、
冒頭での馬運車の事故からサスペンスに突入かと思わせておいて、
本筋はそこではなかったり、
石膏で頭部を覆い窒息させられるという、
このシリーズでは珍しい猟奇的殺人事件かと思っていたら、
ちゃんと理由があったりと、展開もかなり面白い。
ただ、「戦争ゲーム」と言われて、
そんな世代ではない私でも、うっかりテレビゲームの類を想像してしまった。
戦争のジオラマ?
それと、リンポポ川。
気になって調べたら、
象の鼻がなぜ長いのか、という「象の子供」という短編があるらしい。
イギリスでは有名なのか?
前作に続き、かなり面白かった。 -
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ネタバレ競馬シリーズ22作目。
今回は誘拐がテーマ。
作者によると実在するらしい組織、
誘拐を防いだり解決する会社の社員が主人公だ。
合理的であり我慢強く、誘拐に関する知識も深く、
動揺する家族に寄り添うが感情に流されることはない。
そんなアンドルーが、
イタリア、イギリス、アメリカで誘拐を解決するだけでなく、
誘拐の被害者の女流騎手に恋愛感情を抱いていくところがポイントか。
といっても、
助け出された彼女が当然依存してくるのを利用することなく、
経験からくる理性的助言で体と心の健康を回復するのを助けていく。
その知性的で紳士的な態度が素晴らしい。
元空軍特殊部隊員の同僚トニイとともに、
子供の誘拐事件を推理し、調査し、救出した場面も良かった。
愛する者の誘拐という酷い目にあっている家族を何週間もそばで支え、
かつ情報を収集し、犯人や被害者の居場所を特定するという、
かなりプロフェッショナルな主人公に、
舞台も世界をまたにかけ、それぞれの国の警察官も個性的だし、
最後には危険な目にも遭うし、ロマンスもある。
なぜこの作品を映画化しないのか、不思議なくらい。
そう思うのは私だけではなく、
解説ではキャスティングを妄想していた。
やはり、そうしたくなるか。
だが、主人公が「田村正和」なのには異論を唱えたい。 -
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ネタバレ競馬シリーズ18作目。
「利腕」というタイトルで気が付くべきだった。
ミステリーファンとしては。
障害競馬の元チャンピオンにして、
左腕が義手の探偵ハレーが戻ってきた!
言い訳をさせてもらえば、
この競馬シリーズで今まで主人公が同じ作品は皆無だったので、
全く予想していなかった。
前作「大穴」の最後では、
探偵社を買い取る話になっていたはずだったが、
社長が急死、甥がしゃしゃり出てきて一探偵に戻っていた。
元妻に知らない間に詐欺の片棒を担がせた男を探し、
本命馬が大きなレースで惨敗し、しかも調子を悪くする原因を調査し、
ジョッキィ・クラブの保安部次長を調べ、
と大忙し。
元妻の言動に傷つけられたり、
利腕を奪われる恐怖に打ちのめされるハレーは
かなり痛ましい。
馬を調子を悪くする原因が、
豚の病気のワクチンを作るのに馬を利用していた際に
突然変異で発生した菌で、
不活性化したものが研究所だけに存在したという設定は面白かった。
それと、
手掛かりを求めて気球の船長に会いに行ったはずが、
追われて気球に乗り込みレースに参加してしまうところも面白かった。 -
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ネタバレ競馬シリーズ16作目。
会計士でもあるアマチュア騎手のブリトンは、
大レースで運よく優勝したその日に誘拐され船に閉じ込められる。
なんとか逃げ出し泳ぎ着いた岸で、
一人旅の女性に助けられ、家に戻ることができる。
会計士の仕事で不正を暴いた相手なのか。
馬主にブリテンを乗せるなと言っていた調教師なのか。
さらに再度さらわれ、今度はバンに閉じ込められる。
閉じ込められて殺されなかったことからいって、
身近な人物が犯人だろうなー、
しかも狙われたのは騎手としてではなく会計士としてだろう、
とすると共同経営者が怪しい…と導かれていったが、
その通りだった。
助けてくれた女性が、その後閉じ込められていた船を調べたというのが、
意外な展開だった。 -
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ネタバレ競馬シリーズ11作目。
「骨折」もそうだったが、冒頭の展開が素晴らしい。
いきなり主人公が危険な目に遭っていて引き込まれる。
といっても、
前回の本物の誘拐と違って、
今回は映画のワンシーンだが。
馬に乗ったスタントマンから人気の映画スターになったリンカンは、
母親のように思っていた女性からのお願いで、
南アフリカに不調の競走馬の様子を見に行くことになる。
もちろん映画スターなので、そう簡単にはいかず、
いつもは引き受けないキャンペーンに協力するふりをして、
エージェントや映画会社を驚かせながら。
記者会見の席で録音用マイクの事故が起き、
インタビュアーが死にそうになる。
競走馬の不振とその事故は関係があるのか。
リンカンは金鉱見学で襲われ、爆破に巻き込まれそうになり、
さらには、映画監督たちと野生動物のいる国立公園で、
映画と同じように砂漠で車に手錠でつながれる…。
面白い話だった。
私のイメージでは、リンカンは、ジェームズ・ボンドのような、
世界的に有名でアクションもする、女性に大人気の映画スター。
だが私生活は、浮気もせず、妻と子供たちと静かな暮らしをしている。
プロモーションも記者会見も断って。
娘が事故で障害を負っているせいもあるが、妻を愛しているから。
母親のように思っている女性や、
仕事仲間の映画監督やカメラマンとの人間関係も。
なんだか、競馬は関係ない? -
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ネタバレ競馬シリーズ4作目。
障害競馬のチャンピオンにまでなったハレーは、
レース中に手を怪我をしたために騎手生命を絶たれ、
現在は探偵社競馬課に籍を置いている。
ただし遅刻しても誰も何も言ってこないような働き方で、デスクも無いのに、
たまたま見張りに出かけて銃で撃たれてしまう。
静養に来なさいと言ってくれたのは妻の父、
ただし妻とは別居中、
しかも義父はひどい罠を仕掛けていた…。
競馬場乗っ取りの謎解きもだが、
生きる目的も家庭も失い、
動かなくなった手をポケットに隠して生きていたハレーが、
人生を取り戻す過程が面白かった。
やはり事故で、顔に傷ができ片眼が義眼の女性秘書と出会い、
お互いの痛みを分かち合い、
前向きに歩きはじめるまでが素晴らしい。
片手でできる格闘術を習わないとという話になった時に、
先輩探偵が、自分の通っている道場の日本人ならなんとかしてくれるはず、と答えた時には、
その「日本」の登場の仕方が無性にうれしかった。
といっても、
最後の方の重要なキーワードの「カノ・ジゴロ」が嘉納治五郎とは気づかなかったが。
素晴らしい作品だった。 -
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ネタバレ有名な「競馬シリーズ」だったので。
昔、NHKの海外ドラマで、
この競馬シリーズを見た気がするのだが、
そのドラマとは全然違っていたので少し驚いた。
甘く、若く、華やかだった。
後で調べたら、
ドラマは途中で登場する競馬専門の探偵を主人公にしたものだった。
主人公アランは南ローデシア出身の障害競馬の騎手だが、プロではなく、
貿易会社の社長の息子。
と言ってもボンボンではなく、
十歳のころから父に連れられ、ワニ狩りに行っていたとか。
親友であり、その家庭に住まわせてもらっているトップ騎手が、
レース中に目の前で落馬して亡くなる。
アランは走路に針金を見つけ、警察に事故ではないと届けるが、
針金はなくなっており、検死諮問会では偶然の事故と結論づけられる。
真相を探るべく、事故ではないと吹聴したり、
そのためさらわれ暴力で脅されたりしながら、
真相に近づくアラン。
その最中、美しい馬主とお近づきになるが…。
シャーロック・ホームズの話に脱線しがちな、
アランの数学の教師の授業に出てみたかった。 -
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さぁディック・フランシスだ!
大好きな作家さんでハヤカワ文庫版で全巻持ってたんですよね
本当はブックリストを作りたかったんですが
うろ覚えの状態で3冊選ぶのはちょっと難しいので断念しました
そこでひとまず間違いなくベストの一冊のシッド・ハレー登場作『大穴』を読み直しました
やっぱりすごい面白かったです!
自分がディック・フランシスを読み始めたのは高校生の頃なんですがちょうどその頃競馬にどハマリしてまして(ん?)、もちろん小さい頃からミステリーも大好きで
こんな大好きな競馬+ミステリーって自分のために書かれたようなもんじゃん!と思い手に取ったんですが…自分のために書かれた物語でしたw
とっても面白い傑作ばかりなのでぜひとも色んな人に読んでもらいたいんですが
前提としてイギリスにおける競馬の立ち位置というか置かれている状況みたいなんをちゃんと理解してないと面白さ半減かもです
もちろんギャンブルでもあるんですが文化的な側面もあるんですよね
なので両方の理由で大きなお金が動くし、多種多様な人物が関わっているんですよね
お、そう考えると競馬界ってミステリーにびったりの舞台ですね
競馬界を知り尽くしたチャンピオンジョッキーがミステリーを書く
そりゃあ面白いわけだ
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読んだことはなかったが、二文字の競馬ミステリの背文字は本屋さんでもお馴染みだった。本好き仲間が言うことには「へぇぇ、あれを一度も読んでないの? 一冊も?」
作者は2010年に亡くなってしまったけど息子さんが書き継ぐそうで。
もうそんなになるのか訃報は新聞で読んだが。
まぁ元気を出して!!ミステリは競馬だけでないし、最近は自転車も、宇宙船も、あれもこれも何処もかしこも殺人や詐欺や、誘拐で大騒ぎなのに。と言いながらも、元気づけのために読んでみた。
う~~ん、これはやはり初期作品のハードボイルド。でも読んでいって、いつの間にかフランシスさんの手の内に取り込まれた。
歴史と階級の英国、競馬界も礼儀正しい。でも裏には裏があって、賭け屋が群がるギャンブルの世界も見える。
面白かった。主人公シッド・ハレーに初めてお目にかかった。この元騎手は競馬シリーズに珍しく2作品に登場する愛すべき人物らしい。
彼はチャンピオンジョッキーで名の知れた障碍競馬の騎手だったが、落馬して左手が不自由になった。妻とはうまく行かないが義父とはお互いに心を許す仲、どうも義父が裏で糸を引いたらしく、探偵社に入る。やる気もなかったが、漏れ聞くと気に入った競馬場がどうもおかしい。人気が衰えたところに不動産屋が目をつけたようだ。
馬には走りやすい絶好のターフを持つ競馬場だ。彼はやる気が出た。
闇からピストル、裏にはきな臭い陰謀。怒りと競馬愛は彼を生き返らせた。
読後そんな煽り文句が出るくらい、当時の読者は沸いたのだろう。作者フランシスの略歴では華やかな騎手生活を送り、内情に最も詳しい、背景もいい。
競馬も馬も遠くからしか見たことのない世界だったが、騎手や厩舎の調教師、上流社会に住む馬主たちの息遣いが伝わってきた。
時代の波は少しずつこの偉大な、当時で言う「競馬スリラー」にも寄せてきているようにも思える。それでもただ一人主人公として二作目に登場するのシッド・ハラーに敬意を評して、「利腕」も読んでみよう。