ディック・フランシスのレビュー一覧

  • 敵手
    競馬シリーズ34作目。

    シッド。
    この競馬シリーズで三度同じ主人公に会うとは思っていなかった。

    エリスはシッドの騎手時代の好敵手であり、
    現在は、影の中をひっそりとしのび歩き調査を行っているシッドと違って、
    テレビ番組の司会者として自分の魅力をふりまいていた。
    シッドは白血病の女の子のポニーの足...続きを読む
  • 決着
    競馬シリーズ32作目。

    絶対的なハッピーエンド好きとしては、
    登場人物たちの恋愛や結婚生活がうまく行ってほしいと常に願いながら、
    読み進んでいる。

    だが、この著者の場合、事件は解決したとしても、
    ハッピーエンドになるとは限らない。
    それどころか、尻切れトンボな「エンド」になってしまうことすらある...続きを読む
  • 密輸
    競馬シリーズ31作目。

    元騎手で現在は競走馬の運送業を営んでいる男の話で、
    タイトルが密輸とくれば
    馬の輸送で何かを運ぶ話だと何となく見えてくるが、
    それでもありきたりな麻薬とか盗品とか宝石とかではなく、
    面白いのはさすが。

    小さな村だというのに、
    実の父親と、自分の娘として育てている父親がいる...続きを読む
  • 標的
    競馬シリーズ29作目。

    この競馬シリーズの面白さのひとつは、
    何かのできごとによって(殺人とは限らない)、
    人生が変わっていく瞬間を目撃できることだろう。

    今回の主人公ジョンは旅行社に勤めていて、
    サバイバルの技術が必要になるよう名旅行を手配していたが、
    衝動的に仕事を辞めて作家を目指していた。...続きを読む
  • 直線
    競馬シリーズ28作目。

    障害競馬の騎手であるデリックは、
    年が離れていて一緒に生活したことのない兄と偶然街で再開し、
    その後はほどほどにつきあっていたが、
    突然の事故でその兄を失う。
    そして、もっと生前に親しくすればよかったと後悔するところは良かったが、
    経営していた宝石会社や持ち馬とともに、恋人...続きを読む
  • 横断
    競馬シリーズ27作目。

    今回のテーマはカナダを横断する豪華列車。
    カナダの競馬界を盛り上げるため企画された列車の旅で、
    馬主と馬を乗せ、途中の競馬場でレースをする。
    しかも、ミステリーのお芝居つき。

    主人公は英国ジョッキークラブの陰の保安部員。
    幼少時に母と父を続けて亡くし競馬好きの叔母に育てら...続きを読む
  • 連闘
    競馬シリーズ25作目。

    珍しく続編だった。
    もちろん前作「侵入」も読んでいるので、
    冒頭で主人公キットと婚約者ダニエルとうまくいっていないのに、
    心が痛んだ。

    今回はキットが騎乗する馬の馬主、カシリア王女が事件に巻き込まれる。
    夫の共同経営者が、銃の製造に乗り出すべく、
    夫を、カシリア王女を脅迫...続きを読む
  • 侵入
    競馬シリーズ24作目。

    普段、解説は軽く読み流していて
    誰が書いているのかなんて気にしたことがないのだが、
    大河ドラマのロケのために乗馬訓練をしたとあっては、
    誰なのかと読み返した。
    俳優児玉清。
    アタック25の司会者でもあり、ミステリー好き、いや本好きとして有名な方だ。
    川中島決戦の本番で落馬し...続きを読む
  • 名門
    競馬シリーズ21作目。

    この競馬シリーズ、
    氷の海に投げ出されたり、レースで優勝したとたん誘拐されたりと、
    劇的な幕開けは数多いが、
    今回は銀行の幹部が噴水の池の中で立ち、
    水を嫌う白い顔の男たちから逃げるためだよと語るという、
    別方向で驚きの幕開けだった。
    パーキンソン病の薬を変えたために見た幻...続きを読む
  • 配当
    競馬シリーズ20作目。

    前半と後半で主人公が変わる、という珍しい構成。
    前半が物理教師の兄、後半が競馬関係の支配人の弟。
    ある男が開発した競馬に勝つコンピューターシステムをめぐって、
    脅したり、殴ったり、閉じ込めたり。

    兄の話の方が面白かったかな。
    オリンピック選手の腕前で電話の接続箱を狙撃した...続きを読む
  • 試走
    競馬シリーズ17作目。

    とうとう、でました。
    イギリスならではの王室メンバー。
    チャールズ国王の戴冠式と見たばかりだったので、
    「王子」の登場にも違和感なく読めた。

    眼鏡使用が禁止されたため騎手をやめざるを得なかったランドルは、
    王子みずから、
    義弟である伯爵がモスクワでのオリンピックに無事出場...続きを読む
  • 重賞
    競馬シリーズ14作目。

    おもちゃの特許で財を得て、馬主となったスコットは、
    自分が調教師と賭け屋にだまされて、
    大金をとられていたことに気が付く。
    だが、調教師の厩舎から馬を引き上げようとして、
    妨害され、違う馬をつかまされ、悪評を流される。

    恋人に会いに行ったアメリカで、
    そっくりの馬を見つけ...続きを読む
  • 転倒
    競馬シリーズ13作目。

    仲介業者のジョウナは、
    不正を働く同業者に仲間に入れと脅される。
    競り落としたばかりの馬を奪われたり、
    預かっていた馬を放たれたり、
    家に放火されたりと。
    彼らを操っている黒幕は誰なのか。

    ジョウナの口笛に応えた引退した障害馬に乗って、
    逃げた馬を追いかける場面が良かった...続きを読む
  • 暴走
    競馬シリーズ12作目。

    今回も危機的なオープニング。
    ジョッキークラブの調査員ディヴィットは、
    ノルウェーにイギリス人騎手が起こした売上金盗難事件を調査に行く。
    盗聴を避けるために、現地の調査員とボートで話し合っていると、
    船にぶつかられ極寒の海にほりだされてしまう。
    なんとか、二人とも助かるが、...続きを読む
  • 骨折
    競馬シリーズ10作目。

    二組の父と息子の話。
    息子をコントロールしようとする父親たちと、
    父のもとから逃れた息子とその影響下にあることもよくわかっていない息子。

    車の事故で骨折をした父の代わりに、
    厩舎を管理することになったニールは、突然誘拐される。
    経験のない若者を騎手として優勝馬に乗せてダー...続きを読む
  • 査問
    競馬シリーズ8作目。

    騎手のケリイは調教師と共に査問委員会に呼ばれ、
    八百長レースをしたとして、免許をはく奪される。
    調教師の娘が、意気消沈している父親を助けてほしいと言いにきて、
    身に覚えのないケリイは、
    査問委員や召喚された証人たちを調べ始める。

    イギリスの競馬は上流階級からはじまったため、...続きを読む
  • 興奮
    イギリスの作家「ディック・フランシス」の長篇ミステリ作品『興奮(原題:For Kicks)』を読みました。

    「ディック・フランシス」作品は今年4月に読んだ『勝利』以来ですね。

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    〔競馬シリーズ〕
    最近イギリスの障害レースでは思いがけない大穴が十回以上...続きを読む
  • 飛越
    競馬シリーズ5作目。

    ヘンリィは伯爵の跡継ぎでありながら、
    金持ちの娘と結婚させようとする家族への反骨心からか、
    馬と飛行機を愛する気持ちからか、
    周りの反対を振り切って競走馬の空輸に同乗し馬を引き渡す仕事につく。

    貴族階級を敵視し、暴力をふるってくる同僚とやりあいながら、
    仕事を続けているうち...続きを読む
  • 勝利
    イギリスの作家「ディック・フランシス」の長篇ミステリ作品『勝利(原題:Shattered)』を読みました。

    「ディック・フランシス」と「フェリックス・フランシス」の父子共著の作品『祝宴』に続き、競馬シリーズの作品です。

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    真冬の寒い日、レース場で起き...続きを読む
  • 興奮
    競馬ミステリー小説と言えば…
    この方…………!元競馬騎手でもある!

    巨匠ディッッック・フランシス!!

    はいよ〜!シルバぁぁぁぁ〜!!


    あらすじ


    最近イギリスの障害レースでは思いがけない大穴が十回以上も続出した。番狂わせを演じた馬には興奮剤投与の形跡が明白であったが、証拠が発見されなかった...続きを読む