ディック・フランシスのレビュー一覧

  • 煙幕
     主人公が映画俳優というのにはかなり意表をつかれた。相当売れっ子の俳優だけど、実に人間的で友達になりたいタイプの男である。スキャンダルを求めたり、広告塔として振る舞うことを求めたりする業界の人たちや、登場人物のキャラクターと俳優の人柄を混同する人たちのおかげで、主人公の魅力が引き立っている。わずかな...続きを読む
  • 審判
    ディック・フランシスによる競馬シリーズの41作目で、息子であるフェリックス・フランシスとの共著2作目になります。
    一度は筆を置いたディック・フランシスが前々作の『再起』で復活しました。
    そして前作からは息子さんと共著となったようです。
    競馬シリーズは主人公の職業は毎回様々で、でも何がしか競馬界と関係...続きを読む
  • 大穴
    今作を最初に読んだのは大学生の頃。この「大穴」と「利腕」に登場する主人公、シッド・ハレーの生き様に痺れたものだった。

    20年近くディック・フランシス作品から離れていたが、気づくとシッド・ハレーは2008年までに4作品に登場しているとの事。これはイカンと読み返す。

    やはり面白い。何というか、隙の無...続きを読む
  • 血統
     かなりファンの間では評価は高いのだけど、個人的にはもうひとつ気に入らなかった作品である。

     強い自殺願望(鬱?)を持つ秘密調査員が、上司の個人的な依頼を受けて、休暇を使って名馬盗難事件を捜査する話である。もちろん、事件は解決するし、その過程で主人公は生きる意欲を取り戻す。暗い話だなあという印象を...続きを読む
  • 横断
     数あるフランシスの作品の中でも、もっとも設定に凝った作品ではないかと思う。

     カナダを横断する鉄道の中で進行する、「オリエント急行殺人事件」を思わせるような、ある意味クラシックな舞台であること。

     犯人は誰か、を操作するのではなく、犯人がなにをやろうとしているのかを探り、それを未然に防ぐことが...続きを読む
  • 混戦
     再読シリーズである。

     今ひとつ印象が強くないのは、フランシスにはまったばかりで1日1冊ペースで既刊本を読んでいた頃に読んだからだろう。飛行機の話、というくらいの印象しかなかった。

     再読して、思いがけないほど派手な話であることにびっくりした。最初の爆破事件、中盤の山場である迷子の飛行機を探す...続きを読む
  • 度胸
    最初は、この訳文に慣れなかったけど、今じゃ病みつき。
    一般的には、シッド・ハレーが主人公の話がお勧めですが。
  • 利腕
    調査員になった元ジョッキー、義手のシド・ハーレーの元に依頼がよせられる。本命馬が続々と敗れていく。彼の元妻が罪を被せられ詐欺で訴えられそうだ。レースで不正が行われているのではと考える馬主。調べていく内に彼と相棒のチコは脅迫と暴力の中に巻き込まれていく。

    おもしろいんだけど重いんだよね。このシリーズ...続きを読む
  • 大穴
    競馬シリーズ。落馬事故で騎手生命を断たれたシッドが探偵となり、乗っ取りされかけている競馬場を救う。

    痛快、軽妙、おもしろい。以前からディック・フランシスの競馬シリーズを読んでみたかったから、丁度借りられて良かった。このシリーズ読み始めよっと。
  • 祝宴
    シェフがすごく受難な1週間でいろいろ痛そうでした。
    追悼コメントを読みながら、あらためて残念な気持ちに・・・
  • 決着
    建築家のモリスのもとに、男爵家の遺産の管財人が訪れてくる。
    男爵家所有の競馬場の再生のために力を貸して欲しいというのだ。
    モリスの母がかって男爵と結婚していたのだが、モリス自身は次の結婚の子で血のつながりはない。
    古い建築を改築しては売るというユニークな仕事なので、そのへんも面白い。
    いやみな一族の...続きを読む
  • 血統
    うつ状態の主人公が次第に立ち直っていく。
    渋い話なので、普通の時に読むと、え~っと思う。
    落ち込んでいるときに読むと、一緒にだんだん引っ張り上げて貰えます。
    可愛い女の子との出会いもあります。
  • 奪回
    中期の好評作。
    才能ある女性騎手が誘拐され、誘拐対策担当の専門家・アンドルーが派遣される。
    後に同じ手口での誘拐が発生し…
    スリルあります。
  • 査問
    若い主人公の騎手が、不名誉な査問にかけられることに。
    高慢な一家の娘とケンカしつつ、恋に落ちる。
    懐かしい…
  • 障害
    会計士でアマチュア騎手のローランド・ブリトンが主人公。突然、何者かに誘拐され…
    女校長先生が素敵。
    フランシスのファンなら必読の一冊。
  • 再起
    シッド・ハレー4度目の登場。読まないでいられません。
    今回注目したのはチャールズ・ロランド卿。
    この人は主人公シッドが最初に結婚した妻のお父さんで、退役した海軍将校で、ずっと主人公を友情で支えてくれている人です。
    のはずなんですが。

    なんですかね……あの人はあんなに……
    ……
    ホモっぽかったでした...続きを読む
  • 帰還
    競馬シリーズ…読みたいときは一気に読みたくなります。今回の主人公は、予期しない出来事からかつての故郷に一時的に帰ることになった外交官という設定。
    いろいろな場面で機転が利き、頭をめぐらす主人公に、ちょっと出来すぎやしませんかー?とも思いますが、まあいいか(笑)。ともかく競馬シリーズは主人公のいい男っ...続きを読む
  • 興奮
    高校生の頃、人に勧められて読んだのだが、海外ミステリにつきものの名前がよく覚えられないのと、本書の特色である競馬という競技の背景を理解していなかったので、内容が全然頭に入ってこなかった。もちろん面白さも理解できなかった。
    今は海外ミステリを好んで読むようになったので、面白かった。ディック・フランシス...続きを読む
  • 興奮
    競馬好きの友達は今までいくらすすめても本は読まないので話してもいいかと思い、この本のトリックを話したら、笑われてしまった。読めば面白いいんだけど残念。
  • 密輸
    初めて読んだ時には地味な印象でしたが、再読した時にすごく感情移入してしまいました。
    大人ならではの味わいのある作品です。
    馬匹運送の会社を経営する主人公。
    自分の会社で起きた謎めいた事件を探るために、運転手として雇った女性は…?
    運転手や地元の人間達の個性も豊かに描き分けられています。