ディック・フランシスのレビュー一覧

  • 興奮

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    20131119 久しぶりに読んでみた。男らしさとは何か。読んでいてついもういいからと言いたくなってしまう。現実から逃げたくなった時にお勧め。

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    2013年11月19日
  • 本命

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    最後の最後のページまでハラハラさせてくれる。そして、最後の最後の一行までグッとくる。
    こんなカッコいい主人公、今のミステリー小説にいない。星を一つ減らしたのは、ヒロインがちょっと気になったから。

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    2013年09月01日
  • 大穴

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    ネタバレ

    家にある数少ない本のうちの一冊。父に進められて読んだら止まらなくなった。
    シッド・ハレーが超かっこいい。

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    2013年07月09日
  • 興奮

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    明らかにおかしな興奮を示して勝った馬が連続したが、薬がどうしても検出できない。

    このにひょんなきっかけから挑むことになった素人スパイの物語。

    スピード感はないかわりに、意外なトリックや、馬丁の暮らしぶりなど、実際に騎手だったという作家の経歴が生かされた、丁寧な描写が輝く。

    じっくり読ませる、なかなかの名作だと思った。

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    2013年07月23日
  • 密輸

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     馬を運送する会社の社長が主人公。といっても大きな会社ではなく、10人くらいの従業員を抱え、必要があれば自分でも運転をする男だ。彼は、元騎手で引退してこの会社を興した。業務は順調であるが、主人公自身の胸にはまた騎手である若い自分への「未練」が残っていて、そこがちょっと泣かせるところである。本当はもうひとつ泣かせる設定があって、とっくにそれが読後に大きな余韻を残すのだけど、それについてはここで書かない方がいいだろう。

     そういった要素もあり、使用人を雇っている立場であるということもあり、いつになく大人の雰囲気を漂わせている主人公である。それがなかなかの魅力で、恋愛シーンひとつにしても抑制が利い

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    2013年02月02日
  • 大穴

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    異色のヒロインが印象深い。...くっついて欲しかったな。にしても、あいかわらず登場人物がみんなカッコ良くて渋いねぇ!

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    2012年12月23日
  • 標的

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     以前読んだ時にはあまり印象に残らなかった作品。読み返してみるとなかなかの傑作でびっくりした。初読時を思い出してみると,サバイバルの専門家である作家が主人公ということなので,バグリイの「原生林の追撃」とか,フランシスなら「本命」のような,マンハントから逃げ回るような派手な設定を期待していたから,肩すかしをくらったような気持ちになったのではないかと思う。大間違いである。

     主人公は作家である。今までパンフレットのようなものを書いていたので,小説家としては駆け出しで,極貧の生活をしている。ある人物の伝記を住み込みで書くことになるのだが,その人物の周辺で巻き起こる愛憎にあふれた人間模様と犯罪が,こ

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    2012年11月15日
  • 直線

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     ずいぶん久し振りに読んだけれど、思った以上に充実した傑作で実は驚いてしまった。初読の時にあまり印象に残らなかったのはなぜだろう。

     急死した兄の事業の整理(それだけではないのだけれど)を心ならずもすることになった騎手の物語である。騎手自身は仕事上の事故で足を骨折していて、それが物語としても大きな陰影を与える。行動上のハンディであったり肉体的な弱点になると同時に、精神的な面でも印象的である。

     多くの謎が主人公の騎手の前に立ちふさがる。知っているはずのものが急に死んだことで結果的に謎になってしまったこともあれば(今僕が急死したら例えば僕のPCの起動はできなくなる)、犯罪に関係した謎もある。

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    2012年10月20日
  • 大穴

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    とにかく痛い!と叫びたくなるくらい主人公は受難の日々。落馬事故で騎手生命を断たれた主人公、シッド・ハレー。ずっしりと重いけど不思議と軽やかな読後感で、競馬好きの方も、競馬を知らない人も楽しめる競馬ミステリの金字塔。

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    2012年07月21日
  • 審判

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     ディック・フランシスが一度ぺンを折った、いやさ、折りかけたのは、メアリ夫人の逝去が、ディックの心に投げかけた痛手が重すぎ大きすぎたためだろうと思われていた。それ以上に、メアリ夫人はずっとディック作品に共著とされてもおかしくないほど作品に深く関わっていたと伝えられる。

     ディックの作品には、毎作毎に異なる職業の主人公が据えられるが、その職業に応じて作品世界は彩色される。いわば競馬界とミステリ界しか知らない(おっと、飛行機の世界も精通していたっけ!:「飛越」参照)ディックという作家が、世界の様々な職業、別の舞台に小説の題材を求められるのも、メアリのリサーチによるものだったと言われる。

     画家

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    2012年07月01日
  • 罰金

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    名作揃いのフランシス作品の中で、ベストとは思わないけれどもかなり気に入っている作品であった。今回本当に久しぶりに読み直してみて、頭の中にあったイメージよりもずっとずっと「異色作」であったことに驚いた。

    事件としては、そう珍しいものではない。主人公は清廉潔白とは言い難い新聞記者である。彼の友人が自殺し、その背景を主人公が探るうち深入りしてしまい、敵の執拗な攻撃に遭う、というプロットは、フランシスの場合むしろよくある話だ。敵の脅迫に屈しない主人公の闘志も、いかにもフランシスらしい。

    例外的なことのひとつは、主人公の「家庭環境」である。前シリーズの中でももっとも印象的と言っていい。そして、そのこ

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    2012年05月30日
  • 反射

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    久しぶりに読んで驚いたのだけど、なかなかの名作である。前作「利腕」があまりにも有名なので、その影に隠れていたきらいがある。

    主人公のフィリップ・ノアはプロの騎手であり、アマチュアのカメラマンである。友人の父親でプロのカメラマンが車で立木に激突して命を落とし、そのことに関わり合う中で、奇妙な出来事に巻き込まれていく、という物語と、母親から半ば見捨てられて孤独に育った彼が、敵対している祖母の依頼でまだ見ぬ妹を捜すという物語が、平行して進行する。

    家族環境とでたらめとしか思えない母親のおかげで、他人の間を転々としながら成長した主人公が、波風を立てぬように、他人と敵対しないように人の顔色ばかりをう

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    2012年01月09日
  • 侵入

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    互いに何世紀もにわたって対立し、時には殺し合ったふたつの家が背景にある。まるで「ロミオとジュリエット」そのままに、両家の男女が憎しみを超えて愛し合うようになり、やがて結婚する。主人公は、「ロミオ」でも「ジュリエット」でもなく、ジュリエットの兄で騎手である。

    かなり成功した騎手だ。名誉も名声も手に入れている。なんといっても王女の持ち馬に乗っているのだ。このあたりは、自身も「女王陛下の騎手」であった作者の経験が生かされているのだろう。なにせ、主人公であるキットは、あのシッド・ハレーをのぞけば唯一、2作に登場した人物なのだから。お気に入りのはずである。

    成功した騎手であるということは、失うものも

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    2011年11月06日
  • 興奮

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    障害レースで大穴が続くという波乱には、隠された意図と不正があるのではないか…
    一連の不正について証拠すら出てこない疑惑の解明を、障害レースの理事より依頼されたのは、牧場経営者のダニエル・ローク。

    ストイックに依頼を遂行するロークの所作と決して弱音を吐かずに困難に立ち向かう姿に、ハードボイルドな男の生き方を感じました。


    本作は、ハードボイルドでありながらミステリとしても一級です。いかにして競走馬に興奮剤を与えたのか、しかも一切の証拠の残らぬように…。

    思いもよらないトリックの着想と、不正を行う人間の残忍さと手強さを強烈なまでに印象づける描写が、本作の完成度の高さを物語っています。


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    2011年10月20日
  • 反射

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    この本も「読み返す本」「捨てられない1冊」。心から打ち解ける関係を必要とせず、求めもしなかったノアが、自分に妹がいると知らされ 天涯孤独だと思っていたのに 急遽親族の存在が出てくる。Dフランシスの小説は、裏表紙の説明や 紹介文を読んでも良さは伝わってきません。文と文の隙間にあふれる言葉のやり取りや 主人公の心の変化 周りを取り囲む人たち 推理への引導 駆け引きが面白いのです。でも「XX」という漢字二文字のタイトルは 読んだか読んでいないか 覚えられない私です

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    2011年10月08日
  • 興奮

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    個人的には久々の推理もの。
    前出の児玉清氏の対談本で名前がよく挙がってた、ディック・フランシスの本です。
    最初、競馬ものと聞いてあまり気が進まなかったのですが、
    読み始めたら、これが進む進む!
    競馬が全然わからなくても、普通の推理小説としてバッチリ楽しめます。

    最初の展開は、ありえねぇ!と思っちゃいますが、
    気づけば一緒にハラハラドキドキ。

    競馬シリーズとして、たくさん出されているようなので、
    ながーく読破していきたいシリーズです。

    気が早いが、秋の夜長におすすめ。

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    2011年09月02日
  • 興奮

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    ネタバレ

    最近イギリスの障害レースでは思いがけない大穴が十回以上も続出した。番狂わせを演じた馬には興奮剤投与の形跡が明白であったが、証拠が発見されなかった。そこにはどんなからくりがあるのか? 事件の解明を依頼された牧場経営者ロークは、厩務員に身をやつして、黒い霧の調査に乗り出した!


    薦められて読んだ本です。元が洋書でしかも結構前のものなので、ちょっとわかりにくい表現や、イメージしにくい物の描写等がありましたが、それを差し引いても面白かったです。

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    2011年08月14日
  • 審判

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    ディック・フランシスによる競馬シリーズの41作目で、息子であるフェリックス・フランシスとの共著2作目になります。
    一度は筆を置いたディック・フランシスが前々作の『再起』で復活しました。
    そして前作からは息子さんと共著となったようです。
    競馬シリーズは主人公の職業は毎回様々で、でも何がしか競馬界と関係をもっているというのがお約束で、今回の主人公は弁護士でアマチュア騎手です。
    この弁護士が仲間のプロ騎手の殺人事件の裁判に巻き込まれていきます。そして弁護を担当して必ず裁判に負けるように様々な圧力がかけられます。
    この圧力に屈するのか…それは、是非読んでみてください。
    今回の主人公はいまいちタフな感じ

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    2011年06月15日
  • 煙幕

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     主人公が映画俳優というのにはかなり意表をつかれた。相当売れっ子の俳優だけど、実に人間的で友達になりたいタイプの男である。スキャンダルを求めたり、広告塔として振る舞うことを求めたりする業界の人たちや、登場人物のキャラクターと俳優の人柄を混同する人たちのおかげで、主人公の魅力が引き立っている。わずかなシーンでしか登場しないのに存在感が大きな家族たちも、主人公人間像を魅力的なものにしていると思う。

    犯罪捜査の話でいうなら、途中の微妙などんでん返しが印象的だった。それがあるから犯人の邪悪さがはっきりと見える。このあたりは、さすがにうまいなあと唸る。

    主人公が俳優であることが大きく意味を持つのは、

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    2011年06月15日
  • 大穴

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    今作を最初に読んだのは大学生の頃。この「大穴」と「利腕」に登場する主人公、シッド・ハレーの生き様に痺れたものだった。

    20年近くディック・フランシス作品から離れていたが、気づくとシッド・ハレーは2008年までに4作品に登場しているとの事。これはイカンと読み返す。

    やはり面白い。何というか、隙の無い面白さだ。
    ストーリーや語り口に無駄が無く、登場人物も非常に魅力的だ。
    養父・上司・同僚・敵や情報提供者までもが生き生きと描かれている。
    そしてこの主人公。類まれな実力と、拭い切れない劣等感を同時に抱える男。彼が戦うのは、社会的な悪党だけではない。己の劣等感や恐怖心とも対決していく。
    ディック・フ

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    2011年04月05日