ディック・フランシスのレビュー一覧

  • 横断
    ディック・フランシスのエンタテインメント「競馬ミステリ・シリーズ」
    後期の充実した一作といえるでしょう。

    今回の主人公は、英国ジョッキー・クラブの保安員トー・ケルジイ。
    まだ29歳のイギリス人だが、18で財産を継いだと同時に天涯孤独となった大金持ちで、世界中を放浪し、馬に関係のある仕事を転々として...続きを読む
  • 興奮
    フランシス作品で初めて読んだもの。
    馬に携わっていたので、とてもリアリティを感じました。

    また読み返してみようかな。
  • 重賞
    ディックフランシスの本は、やはり主人公がカッコいい。
    おもちゃの発明で資産家の主人公ですが、気取った所が無く、イギリス人的なユーモアが読んでて「うふふ」である。
    個人的には友人で銀行家のチャーリーが好き。

    最後、スコットが名誉挽回できてよかった。恋人のアリィも感じが良くて文句無しです。
  • 興奮
    個人的には文句無し!
    今の日本のミステリーは、8割型が女性の登場人物に「美しい」と描写して、何の変哲もない男性主人公とくっつき、肝心の謎もイマイチだったりして「何か薄っぺらい設定だな〜」って事が多いと感じてるのですが・・・この人の本は、人物の所作や言葉遣い、考えている事などから「素敵な女性なんだろう...続きを読む
  • 連闘
    フランシスの小説はすべて好きだけど、その中でも、この時期の作品とがもっともすばらしいと思う(初期の作品も傑作が多いが)。多少スランプ気味だったフランシスが「利腕」で再起を果たし、新たなテーマを明確にして書いている頃だ。

    新たなテーマとは、「内なる敵」である。「利腕」や「証拠」において、それは「恐怖...続きを読む
  • 審判
    長年にわたり、ともにヒット作を生み出すパートナーであった最愛の妻メアリーさんの死後、5、6年の沈黙を破って、2006年に復活したディック・フランシスの、復活後、3作目。

    主人公は、弁護士であり、かつアマチュア騎手。
    仕事に誇りを持ち、なおかつレースに出ることを心から愛している。
    「これぞ、ディック...続きを読む
  • 度胸
    フランシスの数ある傑作の中でも、個人的にはもっとも好きな作品のひとつ。もしかしたらベスト1かもしれない。

    もちろんミステリなのだけど、それ以上に強く感じるのは、若者が戦い、挫折し、困難を乗り越え、そして栄光をつかむ物語としての魅力である。最初から最後まで、僕は主人公を応援しながら読んでいた。口の悪...続きを読む
  • 興奮
    名作ばかりを続けて読むのは案外疲れるものだ。疲れるほどに、引き込まれてしまう傑作のひとつである。

    フランシスの作品の特徴のひとつは、主人公の持つ極めて硬い意志にある。この作品の主人公が時に率直に語る「曲げられないもの」は、なんというか、まぶしすぎる感じがする。

    それでありながら、敵を打ち負かす為...続きを読む
  • 祝宴
    文庫が出たので、再読。
    読むものに困ったときにはディック・フランシス!
    ニューマーケットで、レストランのオーナーシェフをしているマックス・モアトン。
    伝統あるレースの前夜祭で料理を担当するが、腹痛に苦しむ。
    客が何人も食中毒に倒れていたとわかり、料理に問題があったと疑われ、レストラン閉鎖の危機に。
    ...続きを読む
  • 飛越
     何度目かの読み直しを経て、そして作者の全長編を読み終えた目で見て思うのだが、この作品は非常にレベルの高い、この作者らしい傑作なのではないだろうか。

     それは、犯人という名の敵と戦うと同時に(いや、それ以上に)、自分との戦いがテーマとなっているからだ。フランシスといえば「内なる敵との戦い」というイ...続きを読む
  • 本命
     数あるディック・フランシスの作品の中で、5本の指に入る傑作だと思うのは、主人公の若さによるものが大きいのではないかと思う。20代前半の主人公は、若く、無鉄砲で、ロマンチックである。

     だからこそ、自分の命を賭け物にしたようなことができるのだし、それをしたくなるような情熱のほとばしりが素直に納得で...続きを読む
  • 利腕
     競馬シリーズっていう名前に腰が引けてしまう人もいるかもしれないけれど、競馬にまったく興味のない人も楽しめる。食わず嫌いは損だっていう代表みたいな本だ。

     ミステリに分類されるから、事件があって探偵がいて、犯人を突き止めるって話なわけだけど、この本の魅力はそんなことにはない(もちろん推理小説として...続きを読む
  • 黄金
    結婚と離婚を繰り返す父親と只今喧嘩中の息子。
    フランシスの話にはこのテーマが時々出てくるけど、この話では二人は和解できました。
    そのせいか、けっこうお気に入り。
  • 利腕
    ディック・フランシスの小説にはかつては同じ主人公が出てこないことになっていたが、シッド・ハレーだけが例外だった。初期の作品『大穴』に出てきたあと、この『利腕』に登場した。
    その後、キット・フィールディング君が二作続けて登場したが、そのあと『好敵手』でシッド君が三度目の登場となり、やはりフランシス作品...続きを読む
  • 利腕
    元花形ジョッキーだったシッド・ハレー。
    事故で左腕を失い義肢となり、今は競馬界の不正を暴く調査員として生計を立てている。
    新たな依頼でも核心に迫っていたのだが、「残った利腕を吹き飛ばす」という脅迫に屈し、言われるがまま逃避する。
    そこに元妻ジェニーも絡み、物語は進行していく。
    徐々にこの選択...続きを読む
  • 興奮
    競馬の話題で意気投合した知人から頂いた。
    三十年以上前の作品だが、今読んでも新鮮。
    特に、不正のトリックは驚きだった。
    タイトル通り興奮する事間違いなし。(10/31)
  • 再起
    主人公の男性がストイックで、謙虚で、意志が強く、何ともカッコイイのです。
    若い頃には競馬騎手として成功した経験のある~ベテラン作家フランシス。
    確かな観察眼と気配りに満ちた独特なミステリ作品群を生み出しました。
    フランシスはよき協力者であった妻が亡くなった後に絶筆していましたが。
    息子の協力を得て再...続きを読む
  • 標的
    サヴァイヴァルの専門家・ケンドルは作家デビューが決まっていた。
    発行までの手持ちぶさたな時期に、家に滞在して伝記を書いて欲しいという有名な調教師トレメインの依頼を引き受ける。
    雪の中、横転した車の中でさっそくにサヴァイヴァルの知識を生かし、みんなの信頼を受けることになります。
    ところが殺人事件が…
    ...続きを読む
  • 告解
    見舞いに通っていた老人が最後に告白した言葉の意味は…?
    新進の映画監督トマスが主人公。
    まわりに睨みをきかせるには若く見えて、気持ちも優しいが、才能溢れる若者なのです。
    白馬を走らせて幻想的なシーンを撮ろうとする工夫や、競馬界を舞台にした映画の撮影が面白い。
  • 大穴
    シッド・ハレー登場の作品。
    元チャンピオンジョッキーのシッドが落馬事故で片手に重傷を負い、探偵社に籍を置いてはいるものの失意のまま無気力に日を送っていたのが、競馬場の存続を巡る事件をきっかけに闘志を取り戻します。
    離婚した後も続く妻の父親との信頼関係、探偵社のパートナーで柔道の達人チコの生き生きとし...続きを読む