ディック・フランシスのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
強い男をとことん描くのがこの時期のフランシスの方向である。この作品の主人公も強い。強いから敵が現れ、強いから戦いがエスカレートし、結局強さで敵をねじ伏せてしまう。とても魅力的な主人公なのだけど、ちょっと息苦しくなってしまう。
強いと言っても、肉体的なことではない。逆に肩にハンディを持っていて、そこを敵につけ込まれたりもする。不正を許さず、自らの信念を曲げない強さだ。でも、こういう強さは孤独につながりがちで、たとえば小学生のいじめだって、この物語と同じ状況が起こりうる。単に強いだけではなく、ときどきチラリとのぞく折れそうな彼の姿が逆に魅力的だ。
毎回魅力的なヒロインが登場するのもこのシ -
Posted by ブクログ
あらすじ: 濃霧のなかで蹄鉄がぶつかりあう鋭い音が響く。騎手のビル・ディヴィットソンが、最後の障害を跳ぶべく馬の態勢を立て直していた。アドミラルは本命馬にふさわしくその力強い後半体の筋肉を盛りあげ、緊張し、跳んだ。完璧な跳躍。鳥のごとく宙に浮き、、、次の瞬間落ちた。そしてビルは死んだ。信じられない突発事故、いや、これは事故なのか? ビルの親友アラン・ヨークはその疑いに抗し切れず、ただひとり事件の謎を追う
英国の競馬のシステムがいまいち理解しがたいのと、ちょっと恋愛シーンがいまいち、、、かな。ただ、“競馬スリラー・シリーズ”第1作としてやはり読まねば♪ -
Posted by ブクログ
10−11
調教師の父親が入院し、素人の息子ニールが、一時的にあとを継がなければならなくなる。マフィアのボスの息子アレサンドロは騎手になりたがるが技量が不足。父親はどんな手を用いても息子の望みをかなえようとする。
アレサンドロは自立の道を選ぶが…
父と息子の葛藤二組。
「「父は、私に、すべてを与えた。」
アレサンドロが父親のことを言った。私なら、自分の父について、なにもあまり与えられなかった、というにちがいない。そして、私は、アレサンドロが愛や憎しみを通じて、一度として彼の父親に感じたことのない感情を、自分の父親に抱いた。
それは……冷淡な無関心であった。」
佳作です。