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Posted by ブクログ
競馬シリーズ12作目。
今回も危機的なオープニング。
ジョッキークラブの調査員ディヴィットは、
ノルウェーにイギリス人騎手が起こした売上金盗難事件を調査に行く。
盗聴を避けるために、現地の調査員とボートで話し合っていると、
船にぶつかられ極寒の海にほりだされてしまう。
なんとか、二人とも助かるが、
騎手の死体が見つかった後に、乗っていた車が爆発する。
皆が騎手が金をもって逃走したと思っているところに、
死体を探すべきだと爆弾発言をするところや、
現地調査員を罠にはめるところ、
子供の目撃者から犯人の情報を聞き出すところと、
かなり探偵っぽい。
でも、かなり命を狙われていることにビビっていたので、
危険を覚悟で事件の目撃者であり、犯人の息子である青年を助けに行く
展開になるとは思ってなかった。
たんたんとした感じではあったが、面白かったかな。
Posted by ブクログ
読み終わって驚いたのは、実にシンプルでオーソドックスな犯罪捜査の物語であることだ。事件が起き、犯罪の専門家が呼ばれ、粘り強い捜査の結果的、真相と犯人を探り出す。まさに王道で、どちらかといえば、探偵ものというより、警察小説のような雰囲気がある。フランシスのファンとしてはそのあたりに物足りなさが残るのか、シリーズの中では評価が高くない作品だけど、なかなかどうして、すっきりしていて悪くない。
ただし「よい」と言えるかと言えばやっぱり言いづらく、いろいろな要素が軽く流れていってしまっている感は否めない。北欧が舞台ということで寒さが大きな要素になるんだけど、たとえばモスクアの話には迫力でかなわない。何人かのステキな女性が現れ彼女らに対する主人公の眼差しに身を乗り出すのだけど、「名門」のような切なさには届かない。友情も父子関係の相克も名誉や権力や名声の話も、つまりフランシスがシリーズで取り上げる様々なテーマがあふれているのだけど、全部が「ちょいみせ」という感じで物足りない。もうひとつつっこんでくれれば、名作になる要素はたくさんあるのにな。
だけど、犯罪捜査小説としては、十分水準に達しているし、最後の方の話の運びは、あとからじーんと心の奥にしみてくるような趣きで、正直言ってちょっと見直したのである。
Posted by ブクログ
競馬シリーズ第13作。招待された騎手の売上金横領事件を調査するためにノルウェイにやってきたジョッキィ・クラブの調査員デイヴィッド・クリーヴランド。物語の冒頭、乗っていたボートが謎の快速艇に襲われ、フィヨルドに投げ出される。あくまでもストイックな主人公に二重丸。あまり長くないのがよいですね。すぐに読み終わるので。ただし、活字は目に優しくないサイズ。