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競走馬輸送会社を経営するフレディは、自社の運転手がヒッチハイカーを乗せることを禁じていた。が、一台の馬運車がその鉄則を破りある男を乗せたところ、男は急死した―これが一連の事件の発端だった。夜その車に何者かが侵入し、翌日修理工が調べると、車体の下から携帯用金庫が発見された。車は密輸に利用されているらしい。やがて、修理工が謎の言葉を残し不審な死を遂げた。謎が深まる中、フレディは陰謀に迫る。
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Posted by ブクログ
馬を運送する会社の社長が主人公。といっても大きな会社ではなく、10人くらいの従業員を抱え、必要があれば自分でも運転をする男だ。彼は、元騎手で引退してこの会社を興した。業務は順調であるが、主人公自身の胸にはまた騎手である若い自分への「未練」が残っていて、そこがちょっと泣かせるところである。本当はもう...続きを読むひとつ泣かせる設定があって、とっくにそれが読後に大きな余韻を残すのだけど、それについてはここで書かない方がいいだろう。 そういった要素もあり、使用人を雇っている立場であるということもあり、いつになく大人の雰囲気を漂わせている主人公である。それがなかなかの魅力で、恋愛シーンひとつにしても抑制が利いていて味わいが深い。それでいて、犯人を追いかける部分や自分の生き方に対するこだわりなどは、いつものフランシスの主人公らしく、秘めた情熱のようなものが感じられて、いつも以上に魅力的な主人公像だと思う。 物語はまさにタイトルどおりで、誰が、何を、どうやって密輸しているかが次第に明らかになっていく。それにつけても、フランシスという作家の勉強熱心なことには頭が下がる。時代を丁寧にふまえながら、新しい要素を丁寧に勉強し、これしかないという形で物語に生かしている。元騎手という作者のプロフィールをみれば、競馬の世界に造詣が深いのは当然だが、それと同じようにまったく別のジャンルの知識を組み込んでいて、驚くしかない。 それほど派手な作品ではないけれど、じっくりと読ませる傑作である。
初めて読んだ時には地味な印象でしたが、再読した時にすごく感情移入してしまいました。 大人ならではの味わいのある作品です。 馬匹運送の会社を経営する主人公。 自分の会社で起きた謎めいた事件を探るために、運転手として雇った女性は…? 運転手や地元の人間達の個性も豊かに描き分けられています。
31―32 今いち… 「競走馬輸送会社を経営するフレディは、自社の運転手がヒッチハイカーを乗せることを禁じていた。が、一台の馬運車がその鉄則を破りある男を乗せたところ、男は急死した―これが一連の事件の発端だった。夜その車に何者かが侵入し、翌日修理工が調べると、車体の下から携帯用金庫が発見された。車...続きを読むは密輸に利用されているらしい。やがて、修理工が謎の言葉を残し不審な死を遂げた。謎が深まる中、フレディは陰謀に迫る。」書評より
競馬シリーズ31作目。 元騎手で現在は競走馬の運送業を営んでいる男の話で、 タイトルが密輸とくれば 馬の輸送で何かを運ぶ話だと何となく見えてくるが、 それでもありきたりな麻薬とか盗品とか宝石とかではなく、 面白いのはさすが。 小さな村だというのに、 実の父親と、自分の娘として育てている父親がいる...続きを読む緊張状態が、 事件を引き起こすのかと思ったら違った。 ジョッキイ・クラブの保安部から送り込まれてきた、 8歳半年上の女性調査員との恋愛が 宙ぶらりんで終わったしまったのは残念。
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