ディック・フランシスのレビュー一覧

  • 利腕
    片手の元騎手探偵シッド・ハレー。
    大規模な不正行為や巧妙な詐欺事件を調査する彼を待ち構えるは恐るべき脅迫だった。

    いや、もうラストかっこよすぎ!
    たまらん!
  • 本命
    友人が落馬事故で命を落とした。
    アマチュア騎手のアランはその死に不審なところがあるころを見つけ真相を解明しようとする。

    ラストのレースシーンが秀逸!
    燃えた。
    はらはらどきどきした。

    全体的によくできた小説で、恋あり友情ありサスペンスあり冒険あり。
    とても楽しめるよ。
  • 出走
    ディック・フランシスの短編集。
    13篇収録。

    全部が全部面白いわけではないし、訳文に引っかかるところもあるけれど、時々はっとするものがある。
    『キングダム・ヒル競馬場の略奪』『特種』『ブラインド・チャンス』あたりが好き。
  • 障害
    仕事場の方にすすめていただいて読みました。
    競馬の話と聞き少し身構えましたが、読んでみたら意外とハマるものですね。

    会計士として働く傍らアマチュア騎士の活動を続ける主人公は、夢だった多舞台のレースに出場し奇跡の大勝利をおさめた直後、何者かに誘拐されてしまう。
    何とか逃げ出したものの、自分に迫る影に...続きを読む
  • 度胸
    下積みの障害飛越騎手フィン。
    ふとしたきっかけで有力馬の鞍を与えられ頭角を現すが、彼を待っていたのは嫉妬と怨嗟に凝り固まった男の陰謀だった。
    しかしフィンは自らの力で真相を探り出していく。

    ミステリというよりフィンの冒険譚。
    過不足ない文章で削り出されるそのタフな姿。
    カッコいいなー。
    ラストの同...続きを読む
  • 矜持
    競馬シリーズ、ついに最終巻。よりによって、非常に感じの悪い連中しか出てこない話になっていて、これで最後なのは本当に残念極まりないが、仕方が無い。
    ただ、ここまできたシリーズに敬意を評して、なんとか星3つ。縁があるところからバラバラに読み進めているので、菊池訳ではない作品を読んだのはこれが初めて。地の...続きを読む
  • 帰還
     外交官の休暇中の冒険ということで、少し盛り上がりに欠けるような気がした。外交官という職業にあるやや皮肉な職業上の能力や、前任地が日本であったことから、日本人やその文化に関する言及があったりで、興味深い面もたくさんある。が、仕込みが多いわりには全体としてそれらが妙に細かくて、迫力がないのである。

    ...続きを読む
  • 拮抗
    大好きなのは初期の作品のいくつかなんだけど、やっぱり買ってしまうフランシス。息子との共著になって何となく違うよな〜と思いながらも…。責任感があってストイックな大人の男の魅力に惹かれてって、そうかイギリスの健さんなんだ!
  • 黄金
    フランシスの作品としては、どちらかというと地味である。スタンダードな犯人捜しミステリなんだけど、その方法が、容疑者たちの心理分析、特に現在の人格がどのように形成されていったかを検証することとなっている。地味ではあるけれど、人間ドラマとして深みがある。

    大金持ちの父親がいて、何人もの母、たくさんの兄...続きを読む
  • 暴走
    読み終わって驚いたのは、実にシンプルでオーソドックスな犯罪捜査の物語であることだ。事件が起き、犯罪の専門家が呼ばれ、粘り強い捜査の結果的、真相と犯人を探り出す。まさに王道で、どちらかといえば、探偵ものというより、警察小説のような雰囲気がある。フランシスのファンとしてはそのあたりに物足りなさが残るのか...続きを読む
  • 証拠
    談話室で紹介されていたので読んだ.ディック•フランシスははじめて.以前海外ミステリをたくさん読んでいたときにも読む機会がなかった.
    ワイン商の主人公がウィスキーとワインを巡る不正に巻き込まれていくというストーリー.32歳の主人公のトニー•ビーチ,事件解決のパートナーとなるジェラード•マクレガーがとて...続きを読む
  • 重賞
    「競馬シリーズ」と一言で言っても、全作品にまたがる共通点は、競馬がテーマであることと主人公の性格くらいだろうか。あるいは、水準以上の作品揃いであることも共通点のひとつといってもいい。でも、共通点がそのくらいであるといいたいくらい、多様な物語が展開されている。

    この作品は、なんとコンゲームである。敵...続きを読む
  • 試走
    共産主義国家ソ連が地図から消えてずいぶん経つ。冷戦を背景にしたスパイ小説を今読むと、なんとなく現実のことのような気がしなくて不思議だ。むしろ、ファンタジーのような気さえしてくる。

    フランシスの小説のいくつかには情報小説的な一面もあって、共産主義国家というものを一般人の視点からレポートしてくれていて...続きを読む
  • 大穴
    嚇かしでなく本気だと気が付いた時は既に手遅れだった。
    相手は慣れない手つきで上着のポケットから拳銃を引き出すと、おっかなびっくり両手を使って引き金を引いた。彼・・・元チャンピオンジョッキーで今はラドナー探偵社の 競馬課の調査員シッド・ハレーは、夜の夜中、探偵社に忍び込んで餌をかじりに来たのがチンピラ...続きを読む
  • 追込
    ミステリーというよりも冒険小説。まさにその通りだと思う。主人公が犯罪者と戦う理由が、理不尽に妻を殺された従兄の精神を守るためというのも象徴的である。あるいは、冒険小説というよりもマンハントの物語と言いたくなるけど、敵の反撃に傷つきながらも決してあきらめない主人公の意志の力は、やはり冒険小説と呼ぶべき...続きを読む
  • 名門
     ミステリーではあるのだけど、どちらかというと普通小説的な要素が強い作品であると言われている。実際に読んでみると、確かにフランシスの作品の中では異色であると言っていい。

     事件らしい事件が起きるまでが長い。じっくりと主人公やその周辺の人間模様を描いてから、事件というより主人公の職業上のトラブルとい...続きを読む
  • 試走
    競馬シリーズ第17作。モスクワ・オリンピック直前の作品。謎の言葉を残して急死した騎手。彼は、オリンピック優勝をめざす英国の王子の義弟と同性愛の噂があった。スキャンダルを恐れた王室は、元騎手ドルーに密かにモスクワでの調査を依頼した。しかし・・・。別に諜報部員でもなく、視力の低下や気管支の既往症をもつ元...続きを読む
  • 敵手
    「大穴」「利腕」に続き、シッド・ハレーが何と3度目の登場。今作ではデジタル携帯電話やコンピュータ通信なども扱い、時代の流れを感じさせる。
    もっとも、作品内では「利腕」の1年後ということになっており、老いさらばえた主人公に幻滅する恐れはない。

    ハードボイルド・ミステリに区分されるディック・フランシス...続きを読む
  • 反射
    競馬シリーズ第19作。競馬写真家のジョージが交通事故で世を去った。騎手にとって屈辱的なシーンばかりを撮り続けた彼の死を悼む者は、少ない…そのジョージの家に2日連続で正体不明の男たちが押し入り、室内を物色していく。果して彼らの目的は?ひょんな事からジョージの隠し持っていた一見失敗作に見える大量のフィル...続きを読む
  • 配当
    ディック・フランシスの競馬シリーズ。先日、亡くなられた俳優の児玉清氏が、初めて原書で読んだ作品だと知り、追悼の意をこめて読んでみました。三回に一回は当たるという確率の勝ち馬予想システムをめぐる戦い。それはそれで面白いのだが、主役(多分息子のフェリックスがモデル)の視点が途中で変わる。その間十数年経過...続きを読む