輪渡颯介のレビュー一覧
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古道具屋皆塵堂シリーズ、12作目。
前作のあとがきで、太一郎視点のストーリー作りが難しい点を作者が憂いておられましたが、今作はそれを踏まえて何とかストーリーを捻り出してくれた模様ww 太一郎のもはや万能ともいえる幽霊透視能力をもってしても、時空の捻れを越えることが出来ず、太一郎ひとりでの解決が難しそう。ということで、今作は、皆塵堂メンバーが揃い踏みで行方知れずの松助を探しだすこととなり、そのワチャワチャ具合が楽しかった。
しかしながら、突然知らぬところに飛ばされる念次郎や、先々代への恨みを勝手に引き継がされることになった松助がどうにも理不尽で気の毒だった。まぁ、人の恨みや呪いなんて大半はそんなものなのかもしれないけど。 -
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〈古道具屋皆塵堂〉シリーズ第12作。
安定の面白さでテンポよく読めた。
今回は、筆職人の念次郎が得意先の若旦那・松助と飲みに行った途中で奇妙な料理屋に迷い込んだところから始まる。
まるで迷い家のように誰もおらず、時間も季節もめちゃくちゃなその料理屋で松助が姿を消す。途端に火事が起きたのか煙に巻かれ気を失う念次郎。
その後道端で寝ていた念次郎は円九郎に起こされ、清左衛門に連れられ皆塵堂へ。
例によって皆塵堂に住み込むことになるのだが、これまでの話のようにここで怖い目に遭うということはない。
何しろ念次郎は松助探しに忙しいのだ。
しかも松助の実家・松葉屋に事の次第を知らせに行くと訳ありの様子で主である松助の叔父は自分たちで探すと言い、念次郎らを関わらせまいとする。
それで引き下がる念次郎と清左衛門ではなく、チーム皆塵堂が集結、必死の松助探しが始まる。
奇妙な料理屋の様子、松助と代わりに現れた巻物、松助が叔父に約束させられていたという様々な禁じ事。
手がかりはいくつもある。
それらを元に太一郎の霊能力に念次郎・伊平次の聞き込み、清左衛門の人海戦術、巳之助の力業、円九郎の…?、と様々な力を集めて捜索は続く。
そんな中、念次郎は毎夜おかしな建物に迷い込むという経験をしてしまうのだが、勿論それも松助探しの手がかりであり、徐々に松葉屋の真実が明かされていく。
どのような落としどころとなるのかと思いながら読み進めたが、最後は松助の人柄に救われた。だがその人柄を作ったのは叔父なのだろうから、この叔父も頑張ってきたのだろうなとも思う。
今回は巳之助の出番が少なく、それに伴い猫の出番も少なかった。シリーズが進むにつれて猫だらけになっていくのを心配していたので、ちょっと中休みとなって安心。
円九郎が相変わらずのへっぽこぶり。
驚いたのは峰吉。いつの間にそんな技まで。彼の技量は皆塵堂に収まらないような気がするが、でも彼はずっと皆塵堂にいるんだろうな。
シリーズ作品
シリーズ一覧 ※はレビュー登録あり
①古道具屋皆塵堂
②猫除け ※
③蔵盗み
④迎え猫 ※
⑤祟り婿 ※
⑥影憑き ※
⑦夢の猫 ※
⑧呪い禍 ※
⑨髪追い ※
⑩怨返し ※
⑪闇試し ※
⑫捻れ家 ※ 本作 -
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おなじみの皆塵堂シリーズ。前作から新たに加わった新キャラお縫ちゃんが・・・と思ったら、でないのかよ。いかにもこれからでますよ感が満載だったから・・いやまあいいんだけど。
今回は筆職人の念次郎と若旦那が奇妙な料亭に迷い込む。どうにか脱出できた念次郎だったが若旦那はその料亭にとらわれてしまった。おなじみの皆塵堂の面々で謎を解き、若旦那救出に挑む。
いつも通り面白かったです。例によって例のごとくな感じですが。しいて言えば語り手が念次郎ということでコメディ要素が控えめ。その辺は円九郎関連でほとんどが賄われている印象。これはこれでいいんだけど円九郎のダメっぷりが若干しつこい。茂蔵も似たような立ち位置で登場することもあるけど、こちらはなんだかんだ一生懸命にやってるから憎めないんだけどねえ。 -
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怪談飯屋古狸シリーズ、3部作のうちの2作目。
最近読んだ皆塵堂シリーズの新作の怖さが物足りなかったせいか、こちらは程良い怖さで面白く読めた。虎太に限らず、どのシリーズもキャラはほんわかとしていてとても良い分、怪異の怖さの匙加減が難しいところ。
で、このシリーズはやっぱり虎太のキャラが良き。阿呆というか、のん気というか、絶妙に聡いところもあって、キャラの好き度が増していってます。皆塵堂シリーズの魚屋との邂逅場面が「怨返し」だけでなくこちらでも読めたのもサプライズ。更に、あのお爺さんも。「怨返し」を結構最近読んでいたので、記憶に残っている人物だったのだけれど、分かる人には分かる、くらいのゲストキャラに気づくとなかなか嬉しいもの。輪渡ファン読者で良かった。 -
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古道具屋皆塵堂シリーズの第十弾。いつもながらの連作ホラーコメディ。というかもはやホラー感はほとんどないですねえ。ホラー苦手って人もこのシリーズは余裕なんじゃないですかねえ。
そしていつも通りの軽快な読み口でした。面白かったです。若干軽すぎな気持ちもないでもないですかね。最後がちょっと駆け足っぽいなと思いました。もっとじっくり読みたかったですが、いつも「これくらいのページ数で」って決められてるんですかね。本の厚さいつも同じくらいだし。そう考えるとシリーズおなじみの登場人物や皆塵堂の描写説明が人数増えてくにしたがって圧迫してしまってるんですかね。物語にがっつり絡む人以外の説明ははぶいちゃてもいいんじゃないですかね。まあ太一郎さんは能力がチートすぎてでてきた瞬間にお話が終わっちゃいかねないので取り扱いが難しそうですが。 -
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曰く品が集まる古道具屋皆塵堂シリーズ第9作。
あとがきにある通り、シリーズが『しれっと』再開してからは第二作となる。
今回はいつもと趣向を変えて、新規の登場人物はなし。
元遊び人の茂蔵が酔った勢いで祠にある木箱を開けると、中には長い髪の毛の束があり、それが襲って来た。慌てて元に戻し逃げ帰るも、翌朝祠からは木箱が消えている。
ホラー部分は怖いのだが、それを上回るコメディ要素とテンポの良さで楽しく読める。
最初、茂蔵と円九郎がごっちゃになっていた。二人とも小者感たっぷりだし『巳之助に逆らえない男』なのだが、茂蔵は聞き込みは上手くやっているしチーム皆塵堂に上手く溶け込んでいる。ちょっと外して巳之助に睨まれたり殴られそうになることもあるが、そこはご愛敬。
巳之助といえば、相変わらず猫好きは変態レベル。猫好きネットワークはますます拡がり、巳之助が知らない人は猫好きではないか、江戸にいないかのどちらかというほど。
そして巳之助が毎年楽しみにしている猫の赤ちゃん誕生の季節が近付き落ち着かない。
逆にそれを地獄のように恐れているのは巳之助の幼馴染みで銀杏屋若旦那の太一郎。こちらも相変わらず猫が苦手なのに猫には異常に懐かれている。
一方で彼の、幽霊やその手の物を見る力は更に強くなっているように見える。死神に憑かれた青年を『祟り婿』で出てきた曰く品で作ったもので救うという新しい技も見せている。
峰吉はいつも通り異常な五感と商売魂とシニカルさを見せているが、珍しく店主・伊平次に買付をやらせてくれと頼んでいて、彼も出世欲があったのだなと安心する。
また伊平次も怠け者の釣り好きではない顔を少し見せている。ご隠居の清左衛門は店番にお財布にと良いように使われているようで最後は上手く締めていた。
肝心のホラー部分については太一郎と同じように見守るのみ。むしろ髪の毛の思いを遂げさせてやりたい気分だった。
茂蔵が何故巻き込まれたのかは後に分かるが、そのせいで茂蔵は『けちな遊び人』ではなく『一段上の遊び人』を目指すことに。根が小者の茂蔵に出来るかどうかは分からないが、身近に目標が見つかったようだ。
再びあとがきにて、猫増えすぎ問題は作家さんも反省しているようだ。太一郎が猫に押し潰されないためにも、少しは抑えてくれるとありがたい。 -
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古道具屋皆塵堂シリーズ、8作目。
祝、シリーズ再開!!
輪渡さんの作品の中ではやっぱりこのシリーズが一番好き。ホラーとコミカルのバランスがちょうど良い。前作から間が空いたので、この人誰だっけ?状態の人もいたけど、概ねお馴染みのメンバーで嬉しいやら、懐かしいやら。欲を言えば、太一郎の出番がもう少し欲しかったかな。しかしながら、今作の主役、麻四郎さんも真面目でついつい応援したくなるキャラであるの間違いない。千右衛門さんの正体は分かりやすくて、ストーリーのオチ自体は意外性がほとんどなかったけど、麻四郎さんはまた何かしらで皆塵堂メンバーと絡んで欲しいな。