【感想・ネタバレ】捻れ家 古道具屋 皆塵堂のレビュー

あらすじ

若い筆職人の念次郎が飲み仲間の取引先の若旦那松助と夜、迷い込んだ大きな料理屋。広い宴席には誰の姿もなく、二階にあがると、なぜか真っ昼間の明るさだった。いったい、ここはどこなのか? いつなのか? そして松助も「煙のように」姿を消した。外に出た念次郎はさんざんさまよったあげく、深川の皆塵堂の大家の清左衛門に救われる。
松助の祖父の亀松は、明和の大火のときに、目黒の料理屋で飲んでいて火事に巻き込まれた。その後金貸しとして儲けるが、十八年後に姿を消し、死体で発見された。松助の父の松蔵は、それから十八年後にやはり突然姿を消し、やはり死体で発見されている。松助は、祖父と父の死について、叔父の継右衛門からくわしくは聞かされていなかった。そして今年は、父の松蔵が死んで、十八年後にあたる。松助は大丈夫なのか?
清左衛門から曰くものを扱う古道具屋皆塵堂を教えてもらった念次郎は、皆塵堂を拠点に、姿を消した松助を探しはじめる。

幽霊の見える太一郎も、さすがに時空がねじれていると、気配が読めず、今回は役立ちそうにない。
料理屋、二階建ての長屋、湯屋、大店など建物にまつわる因縁のある屋敷で繰り広げられる幽霊譚。
大江戸版ホーンテッド・マンションに、皆塵堂の面々は、どう立ち向かうのか?

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

目覚めたら知らないところにいるって怖いねぇ。
念次郎が巻き込まれた呪い、なんてことだろう。
姿を消した松助は、いったいどこにいるのか。
太一郎の力をもってしても見えないとは。
ご隠居も伊平次も峰吉も、巳之助もあいかわらずで楽しい。
しかし、峰吉、そんな才能もあったのか。計り知れないねぇ。
次は、もっと猫たちの活躍する話がいいなー。
楽しみにしておこう。

0
2024年05月12日

Posted by ブクログ

古道具屋皆塵堂シリーズ、12作目。

前作のあとがきで、太一郎視点のストーリー作りが難しい点を作者が憂いておられましたが、今作はそれを踏まえて何とかストーリーを捻り出してくれた模様ww 太一郎のもはや万能ともいえる幽霊透視能力をもってしても、時空の捻れを越えることが出来ず、太一郎ひとりでの解決が難しそう。ということで、今作は、皆塵堂メンバーが揃い踏みで行方知れずの松助を探しだすこととなり、そのワチャワチャ具合が楽しかった。
しかしながら、突然知らぬところに飛ばされる念次郎や、先々代への恨みを勝手に引き継がされることになった松助がどうにも理不尽で気の毒だった。まぁ、人の恨みや呪いなんて大半はそんなものなのかもしれないけど。

0
2025年04月01日

Posted by ブクログ

〈古道具屋皆塵堂〉シリーズ第12作。
安定の面白さでテンポよく読めた。

今回は、筆職人の念次郎が得意先の若旦那・松助と飲みに行った途中で奇妙な料理屋に迷い込んだところから始まる。
まるで迷い家のように誰もおらず、時間も季節もめちゃくちゃなその料理屋で松助が姿を消す。途端に火事が起きたのか煙に巻かれ気を失う念次郎。
その後道端で寝ていた念次郎は円九郎に起こされ、清左衛門に連れられ皆塵堂へ。

例によって皆塵堂に住み込むことになるのだが、これまでの話のようにここで怖い目に遭うということはない。
何しろ念次郎は松助探しに忙しいのだ。
しかも松助の実家・松葉屋に事の次第を知らせに行くと訳ありの様子で主である松助の叔父は自分たちで探すと言い、念次郎らを関わらせまいとする。
それで引き下がる念次郎と清左衛門ではなく、チーム皆塵堂が集結、必死の松助探しが始まる。

奇妙な料理屋の様子、松助と代わりに現れた巻物、松助が叔父に約束させられていたという様々な禁じ事。
手がかりはいくつもある。
それらを元に太一郎の霊能力に念次郎・伊平次の聞き込み、清左衛門の人海戦術、巳之助の力業、円九郎の…?、と様々な力を集めて捜索は続く。
そんな中、念次郎は毎夜おかしな建物に迷い込むという経験をしてしまうのだが、勿論それも松助探しの手がかりであり、徐々に松葉屋の真実が明かされていく。

どのような落としどころとなるのかと思いながら読み進めたが、最後は松助の人柄に救われた。だがその人柄を作ったのは叔父なのだろうから、この叔父も頑張ってきたのだろうなとも思う。

今回は巳之助の出番が少なく、それに伴い猫の出番も少なかった。シリーズが進むにつれて猫だらけになっていくのを心配していたので、ちょっと中休みとなって安心。
円九郎が相変わらずのへっぽこぶり。
驚いたのは峰吉。いつの間にそんな技まで。彼の技量は皆塵堂に収まらないような気がするが、でも彼はずっと皆塵堂にいるんだろうな。

シリーズ作品
シリーズ一覧 ※はレビュー登録あり
①古道具屋皆塵堂
②猫除け ※
③蔵盗み
④迎え猫 ※
⑤祟り婿 ※
⑥影憑き ※
⑦夢の猫 ※
⑧呪い禍 ※
⑨髪追い ※
⑩怨返し ※
⑪闇試し ※
⑫捻れ家 ※ 本作

0
2024年07月17日

Posted by ブクログ

おなじみの皆塵堂シリーズ。前作から新たに加わった新キャラお縫ちゃんが・・・と思ったら、でないのかよ。いかにもこれからでますよ感が満載だったから・・いやまあいいんだけど。
今回は筆職人の念次郎と若旦那が奇妙な料亭に迷い込む。どうにか脱出できた念次郎だったが若旦那はその料亭にとらわれてしまった。おなじみの皆塵堂の面々で謎を解き、若旦那救出に挑む。

いつも通り面白かったです。例によって例のごとくな感じですが。しいて言えば語り手が念次郎ということでコメディ要素が控えめ。その辺は円九郎関連でほとんどが賄われている印象。これはこれでいいんだけど円九郎のダメっぷりが若干しつこい。茂蔵も似たような立ち位置で登場することもあるけど、こちらはなんだかんだ一生懸命にやってるから憎めないんだけどねえ。

0
2024年05月16日

Posted by ブクログ

最初の店が宮部みゆきの「黒武御神火御殿」を思い出した。
太一郎の力がますますパワーアップしてして、昔の宜保愛子のよう(笑
円九郎、なかなか好きになれず、登場人物たちの冷たい態度がまた面白い。
今回は休み休み読んでしまったので、誰が誰だかイマイチ理解できずに終わってしまった。

0
2024年12月03日

Posted by ブクログ

シリーズ第十二弾。

筆職人の念次郎は取引先〈松葉屋〉の若旦那・松助と飲み歩いているうちに、いつの間にか奇妙な料理屋に迷い込んでしまいます。
二人がその不思議な料理屋をウロチョロしていると、まるで火事が起きたかのような煙に巻き込まれて、気を失ってしまう念次郎。
目が覚めたら、念次郎は元の現実に戻っていたのですが、松助が行方不明になってしまい・・・。

今回は“消えた若旦那・松助を探せ!”ということで、目覚めるたびに知らない場所にワープしてしまう(汗)念次郎と、縁あって彼をサポートすることになった、お馴染み〈皆塵堂〉メンバーが東奔西走する展開でございます。

やっぱり太一郎が“ちゃんと活躍”してくれると嬉しいですね~。
松助が消失してしまった謎を、太一郎の霊視と念次郎の“無限ワープ”によって、過去に〈松葉屋〉の先々代がやらかした因縁を明らかにしてからの、松助の居場所を特定していくという(どうも異空間にいたらしく、さすがの太一郎もその場所は“視えなかった”ようです・・)、いつになくきちんと段階を踏んだ流れで、いつものユルグダ感(いや、これはこれで好きですけどw)は少な目な印象でした。
(あ、円九郎のところはいつものようにグダグダ&トホホでしたが・・汗)
過去の上の世代が原因の恨みで、閉じ込められてしまった松助は、とんだとばっちりでしたが(その間寝ていたらしいけど)彼がいいヤツだったことで救われて良かったです。

ところで「塵芥鮪峰」先生には笑いましたねー・・"いっそこれで商売しちゃえばよいのに"って感じです。
てか、峰吉のポテンシャルの底知れなさが恐ろしい・・。
で、峰吉といえば、前巻で鳴り物入りで(?)登場したお縫ちゃんが、本巻では出てこなかったのには、"新レギュラーではなかったんかい!"と若干拍子抜けでした。

因みに、あとがきで作者の方が本書の内容が江戸で実際に起こった火災を扱った関係で、太一郎と巳之助の年齢が(今更)確定した旨を描いておりましたね・・ふむ、思っていたより若かったな~笑

0
2024年09月22日

Posted by ブクログ

毎回思うのだけど、最後の作者のあとがきが読者との距離が寄り間近になり親しみが増してしまう。
相変らず作風に人それぞれの特徴が表れていて面白いです。

今回は捻じれ家入った途端にどこに行く?
読んでいて直ぐに迷子になり彷徨いました。
今回は猫の鮪助の出演が少なかったのが惜しかったな。

0
2024年06月30日

Posted by ブクログ

表紙の絵に吊られて手にしたけど、この作品の前に10作以上シリーズが書かれているので、登場人物の関係性がよく分からない部分があって、今一ピンと来なかった。でも、何となく面白そうだ。

0
2024年04月25日

「歴史・時代」ランキング