輪渡颯介のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
左門シリーズ4作目です。
ひょうひょうとした左門と生真面目な甚十郎が、
相変わらず楽しいやり取りをしてます。
ただここまで来ると流石に幽霊話の裏が読めてしまいますね。
このシリーズは毎回幽霊話が随所に挿入されて、
事件や一見不思議に思われる出来事の重要な伏線になっています。
読む方もそれが分かっているので、
幽霊話を聞きつけては裏に隠された事情を探り、
それをお金に換える左門と同じ立場から事件を見てしまいます。
かたや甚十郎は極度の怖がりという設定なので、
幽霊だ狐憑きだといちいち大騒ぎですが、
なにもそこまで幽霊だと決めつけなくても・・・。
これだけ左門と行動を共にしているんだからちょっとは疑おうよ、
と思ってしまいました。
そうやって考えてみると、
前回までに比べて幽霊話の割合が減って怖さも薄まったような。
もともと何か作者の意図があったんでしょうか。 -
Posted by ブクログ
シリーズ第十六弾。
材木問屋〈鳴海屋〉のご隠居で〈皆塵堂〉の家主・清左衛門から〈皆塵堂〉の看板猫である鮪助の縄張り調査を依頼された元遊び人の茂蔵。
一日百文の手当を貰い、五日間にわたって気ままで傍若無人(傍若無“猫”?)な鮪助の後を追いかけることになりますが・・。
今回の“受難者”は茂蔵。
清左衛門から、「“粋な大人の遊び人”に通ずるため(←?)」と丸めこまれて気ままな猫の後をストーキングする茂蔵ですが、そこは当シリーズ、ただの猫の散歩で終わるはずがありません。
鮪助が立ち寄る先々で曰く付きの匕首が見つかるわ、怪異や事件に巻き込まれるわで、やっぱり茂蔵は今回も安定の「エラい目」に遭うポジションでした。
(ただ、成り行きで施した善行(?)のおかげで、漬物婆さん等に“粋な兄さん”と感謝されていたので、良かったね!)
そんな茂蔵がトホホな目に遭っている横で、前髪を落とす前の“商機”を逃すまいと、せっせと古道具の仕入れや商売に励んでいる峰吉・・w
そのブレないちゃっかり具合と、相変わらずの肝の据わりっぷりにはニヤニヤが止まりませんでしたね。
ということで、猫の気まぐれさに振り回されるいつもの〈皆塵堂〉らしい楽しさを満喫させて頂きました。
ところで、前から引っ張り続けている峰吉の前髪問題ですが、あとがきによると、
「年が明けて桜が咲くと、いよいよ峰吉の前髪を落とすことになるわけですが・・その前にもう一作くらい書けますかね。」
・・との事で、輪渡さん的には小僧としての峰吉の活躍をまだ書きたいようですね。
そんなわけで、まぁ気長に「その時」を待ちたいと思います~。 -
Posted by ブクログ
〈古道具屋 皆塵堂〉シリーズ最新作。
いつもお気の毒な扱いの茂蔵(自業自得なところもあるけれど)が頑張る回。
『鮪助の縄張りがどこまであるのか知りたい』という好奇心を満たすために、清左衛門から鮪助の後を追いかけることを命じられた茂蔵。渋る彼を『粋な大人の遊び人』になる道に通じると無理やり納得させて、五日間鮪助の後を追いまわすことに。
だが、そこは皆塵堂シリーズ、勿論ただの『猫追い』とは行かず…。
男から刺されそうになる夢を見せる、匕首
決まった店の鰻を毎日食べたくさせる老人の霊
何かを訴える老婆の霊
天井裏に括りつけられていた少女の人形
皆塵堂始め巳之助らから散々な扱いと言われようをしているせいで、鮪助を追う最中にも笑われる茂蔵だったのだが、途中からは彼の親切に感謝され『粋なお兄さん』と言われるシーンもある。
伊佐次は納得いかないようだが、これまでの散々な扱われようを思えば、頑張っている茂蔵を応援したくなる。
茂蔵と似たようなキャラクターの円九郎もまた蕎麦打ちとして頑張っているようでホッとする。
それにしても峰吉は相変わらずのしたたかさ。
もうすぐ前髪を落とすらしいが、そのまえに『小僧』であることを生かして仕入に売り上げにと力を入れるらしい。
彼のような算盤勘定しか頭にない小僧だと、幽霊の方も力を出せないのか。
忘れてはいけない、鮪助。彼には一体何が見えているのか、怖いような知りたいような。
優しさもあるのだが、人を見ておちょくったり先回りしたり、導いてあげたりと俯瞰する能力がすごい。
次回は誰にスポットが当たるのか。楽しみ。 -
Posted by ブクログ
皆塵堂シリーズ第16作。ずいぶん続いてますね。
今回は第一作から登場のおなじみ猫の鮪助がどれくらいまで縄張り広げてるのか気になるので後を追って調べようという本当にどうでもいいテーマ。登場人物がみんな暇そうっていう落語みたいな物語だからなあ。そしてシリーズ的にはホラーであったはずですが、もはやそれを覚えている人も少なくなっているのではないかと。
面白かったですけどね。毎回思うんですが、登場人物の説明がシリーズ読んでるものからするとちょっとくどい。過去に登場した人物が出るたびにいちいち挟まるのでテンポが悪く感じてしまう。まあ本作から読み始めた人もいるかもだし・・とは思うけど、だとすると「過去に盗賊の手引きのために店に入って真面目に働いて」「今は小間物屋で」とかそれはそれで過去作のネタバレといえなくもないのであろうか?逆に気になって読んでみようってなるのかな?どうなんだろう?でも新作出るたびに毎回毎回なので。。。
あとは毎度のことですが、円九郎茂蔵の扱いが毎回悪すぎる。円九郎はともかく茂蔵はなんだかんだそれなりに真面目に一生懸命やってるからもうちょっと報われてもよさそうなもんだな、と。ちょっと気の毒に思えてしまう。 -
Posted by ブクログ
古道具屋皆塵堂シリーズ第14作。
皆塵堂の小僧峰吉は店にほとんどいない店主の代わりに店を切り盛りしているしっかり者で、幽霊が見えない。そんな峰吉に幽霊を見せて怖がらせてやりたい、と向かいの店の小僧参太が企んだことがきっかけで、ご隠居の清左衛門たちも幽霊話を仕入れて来ることに…
幽霊は見えないけど頭のキレは抜群な峰吉が活躍する話である。いつも以上にホラー色はないが、巳之助をはじめいつもの面々が活躍するのが楽しい。ご隠居の清左衛門が参太の成長を気にかけるところもほっこり。伊平次は相変わらず空気なので、そろそろ彼が活躍する話も読みたいところだ。 -
Posted by ブクログ
〈古道具屋皆塵堂〉シリーズ第15作。
見たら死ぬと言われる、霧の中から現れる女の幽霊。
その幽霊の謎を解き明かし、出来るなら成仏してもらえるように説得したいという奇特な男・文作が皆塵堂にその手助けをして欲しいと相談にやって来る。
清左衛門は勿論、そんな危険なことは止めておきなさいと窘め、峰吉は商売にならない相手には興味なし、伊平次は誰にどんな役目をやらせれば面白くなるかを考え…といういつもの感じで始まる。
いざとなれば太一郎がいるから安心…と思っていたら、何故か太一郎は非協力的。仕方なく他の準レギュラーたちが入れ代わり手助けに来るのだが、そこは茂蔵やら連助やら円九郎やらで、頼りになるのか何なのか分からない面々との珍道中となる。
最初はこの文作がなぜそんなにこの霧の女の幽霊にのめりこむのか分からず、それも何かに取り憑かれているせいなのかと勘ぐってしまったが、なんのことはない、文作の『馬鹿真面目』な質によるものだった。
途中で久しぶり過ぎて忘れていた『困った』侍や、少しは覚えている刀をダメにする宮越など、さらなる準レギュラーが登場し、段々オールスターズのような豪華版になってきた。
真相の方は清左衛門が言うように『まとめてみると大したことない』シンプルな内容だった。
だがそれを解決するのは文作一人ではどうにもならないものであり、やはり準レギュラー陣の力があってこそなので、そこは良かった。
面白おかしく、最後はあっさりもしていたが、それもこのシリーズらしさだろうか。
振り返れば一番の山場は生霊退治だったような。
そしてもう一つ、いよいよ峰吉が前髪を落とすことになりそうだ。商売のために、なかなか切りたがらなかった峰吉だが、切り落としたあとのキャラクターはどうなるのかも楽しみだ。 -
Posted by ブクログ
皆塵堂シリーズの最新作。霧の中の女の幽霊に出会うと命を落とすという噂の真相を探るわけなんですが。
いい意味でも悪い意味でもいつも通り。おもしろいんですけどね。相変わらずののんびりとしたホラーコメディ。いやホラー要素はわずか。ここ最近はのんびり要素が強すぎて、まあそれも魅力のシリーズなんですけど、ちょっと緊張感がなくなってきてるような。最初期は語り手くらいはもうちょっと真剣に怖がっていたので読み手側でも「どうなるんだろう?!」というはらはらした部分もあったんですが。
あと、登場人物がでるたびにバックボーンをいちいち説明が入るのがちょっとうっとうしい。今回はシリーズキャラクターの登場がちょい多めだったので特にそう感じたのかも。