【感想・ネタバレ】霧惑い 古道具屋 皆塵堂のレビュー

あらすじ

宇右衛門が若い頃に修業に行った蝋燭屋で一緒に働いていた男。伝兵衛は後に自分の店を本所に持ったが、宇右衛門と同様、今は息子に継がせて隠居。やはり本所の中之郷横川町に家を借りて、気ままな暮らしをしていた。宇右衛門とはずっと交流があり、今回も一緒に酒を飲んだが、宇右衛門と別れた後、帰り道で何者かに殺されてしまった。
日本橋の室町にある木綿問屋・河内屋の一人娘で、かなり大事にされている箱入り娘。十六歳。実際に結構な美人と思われる。
日本橋の大伝馬町にある小間物問屋の息子。お雪に一目惚れし(ちらりと横顔を見ただけ)、縁談を申し込むが最上屋から相手にされない。お雪への想いが募り、知らず知らずのうちに生霊としてお雪の寝所に現れる。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

怪塵堂、もとい、皆塵堂周辺の人たちが、みんなあいかわらずで楽しいw
一部「困った、困った」のお方のように記憶からすっ飛んでいる方もいらっしゃいますが。
今回も、太一郎は大活躍だったねー。お磯さんの遺児のあの流れはぐっときたし。
茂蔵と生霊の流れは、笑ってしまった。いやー、そんなことになってしまった生霊が気の毒になるというかw
さて、峰吉もそいうことになったねぇ。ま、あとがきによると、実現するのは何作かあとのことのようだけど、どうなるか、わくわくする。早く読みたーい。

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2025年09月28日

Posted by ブクログ

〈古道具屋皆塵堂〉シリーズ第15作。

見たら死ぬと言われる、霧の中から現れる女の幽霊。
その幽霊の謎を解き明かし、出来るなら成仏してもらえるように説得したいという奇特な男・文作が皆塵堂にその手助けをして欲しいと相談にやって来る。

清左衛門は勿論、そんな危険なことは止めておきなさいと窘め、峰吉は商売にならない相手には興味なし、伊平次は誰にどんな役目をやらせれば面白くなるかを考え…といういつもの感じで始まる。

いざとなれば太一郎がいるから安心…と思っていたら、何故か太一郎は非協力的。仕方なく他の準レギュラーたちが入れ代わり手助けに来るのだが、そこは茂蔵やら連助やら円九郎やらで、頼りになるのか何なのか分からない面々との珍道中となる。

最初はこの文作がなぜそんなにこの霧の女の幽霊にのめりこむのか分からず、それも何かに取り憑かれているせいなのかと勘ぐってしまったが、なんのことはない、文作の『馬鹿真面目』な質によるものだった。

途中で久しぶり過ぎて忘れていた『困った』侍や、少しは覚えている刀をダメにする宮越など、さらなる準レギュラーが登場し、段々オールスターズのような豪華版になってきた。
真相の方は清左衛門が言うように『まとめてみると大したことない』シンプルな内容だった。
だがそれを解決するのは文作一人ではどうにもならないものであり、やはり準レギュラー陣の力があってこそなので、そこは良かった。

面白おかしく、最後はあっさりもしていたが、それもこのシリーズらしさだろうか。
振り返れば一番の山場は生霊退治だったような。

そしてもう一つ、いよいよ峰吉が前髪を落とすことになりそうだ。商売のために、なかなか切りたがらなかった峰吉だが、切り落としたあとのキャラクターはどうなるのかも楽しみだ。

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2025年11月27日

Posted by ブクログ

皆塵堂シリーズの最新作。霧の中の女の幽霊に出会うと命を落とすという噂の真相を探るわけなんですが。
いい意味でも悪い意味でもいつも通り。おもしろいんですけどね。相変わらずののんびりとしたホラーコメディ。いやホラー要素はわずか。ここ最近はのんびり要素が強すぎて、まあそれも魅力のシリーズなんですけど、ちょっと緊張感がなくなってきてるような。最初期は語り手くらいはもうちょっと真剣に怖がっていたので読み手側でも「どうなるんだろう?!」というはらはらした部分もあったんですが。
あと、登場人物がでるたびにバックボーンをいちいち説明が入るのがちょっとうっとうしい。今回はシリーズキャラクターの登場がちょい多めだったので特にそう感じたのかも。

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2025年10月27日

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