深木章子のレビュー一覧

  • 螺旋の底

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    気に入りの深木さんの新しい文庫本が発売されたので早速購入。
    今回ははじめての海外、フランスが舞台。

    交通事故で妻は亡くなり、生き残った夫は心を病む。セラピストによって心を癒し再婚する。新妻を伴い自身の領地へ戻る。
    螺旋階段の底、地下に閉ざされた墓所のある邸で暮らすふたり。
    都会から離れ思うところのある妻と、同じ頃、村では次々と少年が行方不明になる。

    こういった物語。
    サスペンスなので少年の行方不明事件の犯人はわかっている。
    この作品の肝はそこではない。
    物語全体をしっかり注意して読めばわかる仕掛けがある。
    わたしは仕掛け自体には気づいていたのだけれど、読みが浅く混乱してしまった。

    舞台が

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    2016年04月14日
  • 鬼畜の家

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    読めば読むほど謎が深まって誰もが疑わしい。
    理解不能な狂った動機じゃなかったことが意外だったが、犯行の冷静かつ残虐な内容とのアンバランスさは歪んでいて十分に鬼畜。兄妹たちそれぞれが愛に飢えていて、読後は怖さより哀れさが残る。
    物語に絡んだ動物に言及せず終わってしまう作品が多い中、真相に迫る探偵の「動物虐待をする奴は許せないんだ」というセリフに作者の弱者に寄せる深い優しさを感じた。

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    2022年08月20日
  • 罠【電子特典付き】

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    心の隙に忍び寄るように届く、便利屋からのダイレクトメール。
    「極上の罠をあなたに」を改題文庫化。書き下ろし4編を追加。

    単行本を既読でしたが、書き下ろしが4編もあるってことで再びの便利屋。
    本の半分くらい書き下ろしでボリュームがある!
    短編というより、もう長編のようなもの。
    謎は謎のままな感の単行本と、きっちりケリのついた感の文庫本。好みが別れるのかも。

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    2025年11月20日
  • 猫には推理がよく似合う

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    猫のミステリーといえば、『三毛猫ホームズ』
    最近読んでないなぁ~と思い出した。
    思ったけど、三毛猫ホームズって、もしかして最近の人たちは知らないのかな。

    今回は、猫が喋るミステリー。
    と、思いきやそれは…。
    意外な展開で、なんだそういう展開か・・・と少し残念に思ったら、え!?と驚く展開に。

    なんとも不思議な感じの話でした。
    初めて深木さんの作品を読んだけれど、また機会があったら読んでみようかな。

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    2025年11月01日
  • 敗者の告白

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    事件関係者の告白で成り立つミステリー

    山荘で起きた会社経営者の妻と8歳の息子の転落死。
    夫は無罪を主張するも、容疑者として拘束。
    残されたのは、妻のマスコミ関係者に送っていた告発文
    「自分は夫に殺される」
    さらに、息子がおばあちゃんに送っていたメール
    「おとうさんとおかあさんに殺される」
    無実を訴える夫

    事故なのか、事件なのか?
    いったい、この家族に何があったのか?

    事件関係者のそれぞれの告白から妻、息子、夫の人物像が浮かび上がってきます。
    我々読者は、その告白からその事件の真相を一緒に考えていく展開です。
    告白が進むにしたがって、人物像が変わっていきます。
    事件の真相は?

    なんとなく

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    2025年10月25日
  • 鬼畜の家

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    新人賞なのに文章は熟達の域(?)深夜に一気読み。物語全体に漂う陰鬱としたこの読み味に近いものとしては連城三紀彦『白光』や東野圭吾『悪意』が思い浮かんだ(中身は別物)。個人的には得体の知れない探偵に何かあるのだとばかり疑い、そちらの違和感には気づけなかった。かなり難易度は高いと思う。"鬼畜"が忌み嫌う人物像に首尾一貫性があり、エリート志向ほど陥りがちな優生思想に説得力があった。

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    2025年10月07日
  • 罠【電子特典付き】

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    面白かったのは面白かったけど、なんか社会派を目論んだだろうけど都合良すぎじゃない感はね。

    3023冊
    今年251冊目

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    2025年09月29日
  • 交換殺人はいかが?

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    ネタバレ

    元刑事:君原が小説家志望の孫:樹来に昔あった事件を話して聞かせ、樹来が当時、警察が気づかなかった真相を推理するストーリー。
    6編共に事件の真相はそれなりに練られていたし、意外性もあったが、設定がかなり前の事件であることを差し引いてもちょっと警察の捜査が杜撰な部分が目立ったのでそこが残念なところであった。
    特に『殺人殺人はいかが?』では被害者が闇医者に中絶手術をしてもらった記述があるが、解剖で分かるのではなかろうか。
    最終話の『天使の手鞠歌』も当時の現役警察官が5件もの見立て殺人を起こす設定には無理がある気がした。
    それぞれの事件の背景はすごく良かったので随所で見られる結末の強引さが気になってし

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    2025年09月20日
  • 灰色の家

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    4よりの⭐︎3です

    老人ホームが舞台の小説は初めて
    期待してた以上に興味深く読めました
    犯人が、動機が、トリックが…
    というのを楽しんだものとは違いましたが、
    老人ホーム内の人間関係や、年老いた方達の気持ちが少しわかった気がしてなんとも言えない気持ちになりました。
    驚いたのは、人間幾つになっても恋はするのか!!ということ

    今の私よりよっぽどイキイキしてるように感じました笑

    年老いても、イケメンとか、タイプ、モテる、とかあるんだなぁとなんだかそう言う面が面白かったです


    そして幾つになっても,派閥みたいなのもあるし、意地悪な人は意地悪だし、見栄を張る人もいるし、

    意識があるまま身体が老

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    2025年08月30日
  • 欺瞞の殺意

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    ネタバレ

    面白かった。「毒入りチョコレート事件」をモチーフにした作品。資産家の家で長女とその養子の息子が毒殺される。犯人として捕まった夫が、仮出所中に関係者である次女に手紙を送り、あの時の犯人を書簡上で追究するという話。
    最初にあっさりと事件が起きて人が死に、逮捕までも終わる。そして無実の犯人である治重が燈子へと自分の推理を書簡で送るところから話が始まる。書簡上のやりとりを終えた後、二人は心中したかと思われる死を遂げる。
    書簡上で犯人の推理が二転三転する様が面白かった。探偵の犯人指摘パートがずっと続いているような感覚だった。しかしそれぞれの説には無理があり、その無理な部分を除いていった先に見える結末がま

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    2025年08月11日
  • 鬼畜の家

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    鬼畜の家というか、登場人物にまともな人皆無だった。インタビュー形式で読みやすくて、最後が気になってあっという間に読み切った。大謎はありきたりというか予想の範囲内といったところだったけど、そこは全然良かった。だけど動機とか真実の部分が思いのほかあっさり描かれていて、もう少し出し渋りとか一捻り欲しかったなぁと思った。
    インタビュー形式のおかげで主観的に物事が描かれていて、なにが真実なのか見えずらくてとても面白かったから、主観なんて当てにならないのだ ということを最後まで活かして欲しかった。

    内容的にもスッキリするような話ではないですが、もう一回読みたくなる作品でした。

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    2025年08月09日
  • 闇に消えた男 フリーライター・新城誠の事件簿

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    ノンフィクション作家の失踪。調査すると不可思議な点が幾つもあり…
    途中までは面白く読んでいたけど最後がイマイチ納得感がなかった。流石に無理があると思う。

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    2025年07月19日
  • 鬼畜の家

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    元弁護士だけあって、法律についてかなり詳しく書かれていた。そんなルールあるんだ、、と学んでしまいました。
    郁子が鬼畜なのかと思ったけど、登場人物ほとんどまともな人いなくて笑ってしまった。
    最後もまさかの恋愛模様があっての事件で、思いつかない角度の展開で良かった。

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    2025年05月06日
  • 欺瞞の殺意

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    地方の資産家・楡家の当主が逝去。屋敷で親族だけの法要が行われるが、そこで長女と孫が死亡する殺人事件が起き、殺された長女の婿養子の弁護士のポケットから、ヒ素の付着したチョコレートの銀紙が発見された。
    自白し、無期懲役となったその弁護士は、事件関係者と「往復書簡」を交わすことに。
    「わたしは犯人ではありません」。
    往復書簡の中で繰り広げられる「毒入りチョコレート」の真犯人をめぐる推理合戦の行方と真相は……。


    A.バークリーの『毒入りチョコレート事件』オマージュの、往復書簡×多重解決ミステリです。
    往復書簡で推理合戦を繰り広げながら、少しずつ明らかになっていく真相は、いたるところに伏線が散りばめ

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    2025年03月19日
  • 闇に消えた男 フリーライター・新城誠の事件簿

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    フリーライター新城誠シリーズもの。人の内面を捉えるのはさすがとは思うが、今回はトリックに走り過ぎて感情的に入り込めなかった。

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    2025年02月23日
  • 消人屋敷の殺人(新潮文庫)

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    ありきたりな展開だがまだそんな表現方法があったかと驚かされた作品。

    タイトルはミステリーファンはたまらないですね!?

    展開が既視感あったのが悔やまれる・・・。
    ただもう1度気になった点読み返す程には楽しめました!!

    本当は星3.5ぐらいの評価です(笑)

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    2025年02月08日
  • 闇に消えた男 フリーライター・新城誠の事件簿

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    「消失屋敷」を読んだのがだいぶ前だったので、すっかり忘れていたなー。
    フリーライターの新城と恋人の好美のコンビが、消えたノンフィクション作家を探す話。このコンビは大人でもやつかないから、読みやすかったなー

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    2024年12月17日
  • 猫には推理がよく似合う

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    ネタバレ

    法律事務所で働く主人公と喋る猫がミステリーについて語り合う話。

    個人的にはスコティは謎の喋る猫のままであって欲しかった。
    統失の影響で〜はまあ現実的だし一番しっくりくるオチのはずなんだけどね…。

    急に事件起きたと思ったら妄想だったしそれも全部妄想だったという入れ子構造。面白かった。

    最後はちょっと失速ぎみ?
    犯人とか真相もあくまで仮定なわけでもっと詳しく知りたかった。

    猫好きに読んで欲しい。途中キツイかもだけど…笑

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    2024年12月08日
  • 鬼畜の家

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    途中までは凄く面白かったけど、種明かしというか、探偵が推理を話す場面で少し興醒め。

    だけど、全体を通すとよく出来たお話かな。
    結末を先に決めて、そこに向けて話しを肉付けしたような感じ。

    読み応えはあった。

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    2024年11月26日
  • 灰色の家

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    以前、高級老人ホームにちょっとだけ携わったことがあるので、そうそう!とか思いながら読んだ。
    入居者が立て続けに亡くなる謎は、読んでてとても面白くて先が気になっていた。
    でも結末はちょっとアッサリしすぎているような……そして唐突な印象が。
    私は主人公の栗子が頼りにしていたあの人が、有能すぎてなんかアヤシー!と思っていたのだが、ほんとにただの有能な人だった。
    物語としてはご老人方のあれやこれやのトラブルも興味深いので、推理モノというよりは介護現場の悲喜交々として読むと面白いかも。

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    2024年11月13日