深木章子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
気に入りの深木さんの新しい文庫本が発売されたので早速購入。
今回ははじめての海外、フランスが舞台。
交通事故で妻は亡くなり、生き残った夫は心を病む。セラピストによって心を癒し再婚する。新妻を伴い自身の領地へ戻る。
螺旋階段の底、地下に閉ざされた墓所のある邸で暮らすふたり。
都会から離れ思うところのある妻と、同じ頃、村では次々と少年が行方不明になる。
こういった物語。
サスペンスなので少年の行方不明事件の犯人はわかっている。
この作品の肝はそこではない。
物語全体をしっかり注意して読めばわかる仕掛けがある。
わたしは仕掛け自体には気づいていたのだけれど、読みが浅く混乱してしまった。
舞台が -
Posted by ブクログ
事件関係者の告白で成り立つミステリー
山荘で起きた会社経営者の妻と8歳の息子の転落死。
夫は無罪を主張するも、容疑者として拘束。
残されたのは、妻のマスコミ関係者に送っていた告発文
「自分は夫に殺される」
さらに、息子がおばあちゃんに送っていたメール
「おとうさんとおかあさんに殺される」
無実を訴える夫
事故なのか、事件なのか?
いったい、この家族に何があったのか?
事件関係者のそれぞれの告白から妻、息子、夫の人物像が浮かび上がってきます。
我々読者は、その告白からその事件の真相を一緒に考えていく展開です。
告白が進むにしたがって、人物像が変わっていきます。
事件の真相は?
なんとなく -
Posted by ブクログ
ネタバレ元刑事:君原が小説家志望の孫:樹来に昔あった事件を話して聞かせ、樹来が当時、警察が気づかなかった真相を推理するストーリー。
6編共に事件の真相はそれなりに練られていたし、意外性もあったが、設定がかなり前の事件であることを差し引いてもちょっと警察の捜査が杜撰な部分が目立ったのでそこが残念なところであった。
特に『殺人殺人はいかが?』では被害者が闇医者に中絶手術をしてもらった記述があるが、解剖で分かるのではなかろうか。
最終話の『天使の手鞠歌』も当時の現役警察官が5件もの見立て殺人を起こす設定には無理がある気がした。
それぞれの事件の背景はすごく良かったので随所で見られる結末の強引さが気になってし -
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4よりの⭐︎3です
老人ホームが舞台の小説は初めて
期待してた以上に興味深く読めました
犯人が、動機が、トリックが…
というのを楽しんだものとは違いましたが、
老人ホーム内の人間関係や、年老いた方達の気持ちが少しわかった気がしてなんとも言えない気持ちになりました。
驚いたのは、人間幾つになっても恋はするのか!!ということ
今の私よりよっぽどイキイキしてるように感じました笑
年老いても、イケメンとか、タイプ、モテる、とかあるんだなぁとなんだかそう言う面が面白かったです
そして幾つになっても,派閥みたいなのもあるし、意地悪な人は意地悪だし、見栄を張る人もいるし、
意識があるまま身体が老 -
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ネタバレ面白かった。「毒入りチョコレート事件」をモチーフにした作品。資産家の家で長女とその養子の息子が毒殺される。犯人として捕まった夫が、仮出所中に関係者である次女に手紙を送り、あの時の犯人を書簡上で追究するという話。
最初にあっさりと事件が起きて人が死に、逮捕までも終わる。そして無実の犯人である治重が燈子へと自分の推理を書簡で送るところから話が始まる。書簡上のやりとりを終えた後、二人は心中したかと思われる死を遂げる。
書簡上で犯人の推理が二転三転する様が面白かった。探偵の犯人指摘パートがずっと続いているような感覚だった。しかしそれぞれの説には無理があり、その無理な部分を除いていった先に見える結末がま -
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鬼畜の家というか、登場人物にまともな人皆無だった。インタビュー形式で読みやすくて、最後が気になってあっという間に読み切った。大謎はありきたりというか予想の範囲内といったところだったけど、そこは全然良かった。だけど動機とか真実の部分が思いのほかあっさり描かれていて、もう少し出し渋りとか一捻り欲しかったなぁと思った。
インタビュー形式のおかげで主観的に物事が描かれていて、なにが真実なのか見えずらくてとても面白かったから、主観なんて当てにならないのだ ということを最後まで活かして欲しかった。
内容的にもスッキリするような話ではないですが、もう一回読みたくなる作品でした。 -
Posted by ブクログ
地方の資産家・楡家の当主が逝去。屋敷で親族だけの法要が行われるが、そこで長女と孫が死亡する殺人事件が起き、殺された長女の婿養子の弁護士のポケットから、ヒ素の付着したチョコレートの銀紙が発見された。
自白し、無期懲役となったその弁護士は、事件関係者と「往復書簡」を交わすことに。
「わたしは犯人ではありません」。
往復書簡の中で繰り広げられる「毒入りチョコレート」の真犯人をめぐる推理合戦の行方と真相は……。
A.バークリーの『毒入りチョコレート事件』オマージュの、往復書簡×多重解決ミステリです。
往復書簡で推理合戦を繰り広げながら、少しずつ明らかになっていく真相は、いたるところに伏線が散りばめ