渡会圭子のレビュー一覧
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習慣の力
著:チャールズ・デュヒッグ
訳:渡会 圭子
ハヤカワ文庫 NF542
良書 本書は、「習慣」とは何かを解説した書です
習慣は、【きっかけ】⇒【ルーチン】⇒【報酬】のループからなる。これが本書のメッセージである。
気になったのは、以下です。
■習慣を変えるためには
・習慣とは、大脳基底核に保存された、一連の行動のパッケージ(手順リスト、定跡集)である
だから、習慣のきっかけが発動すれば、その行動のパッケージを考えることなく実行ができる
・脳を損傷した患者は、基底核さえ破壊されていなければ、習慣を獲得、行動できるが、それがなぜなのかはわからない。
・習慣とは、考えなくても自動 -
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習慣の力というテーマは、人間の営みにおいて大きな影響力のあるものの一つだろう。どうして我々は自分でコントロールできずに毎食後にドーナツを追加し、寝る前にカフェインの効いたコーヒーを飲み、ギャンブル中毒になり、誤った判断繰り返すのだろう?そこには「きっかけ」と「報酬」が明確に関わっており、人間の脳神経回路の営みで科学的に説明ができるようになった。科学的な視点から行動をコントロールすることで、歴史的な商品となったファブリーズや、ロンドンのキングス・クロス駅の大火災、アルコア社の業績回復に至るまでの大きな社会的影響を与えうる人間の営みを理解することが出来る。結果の裏にある習慣を理解することで、我々は
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狩猟採集中心の原始時代は余剰の蓄積という考え方がなく、豊かな自然の恵みがある前提で、今必要な食糧を短時間労働で得て、他の時間は儀式や創作活動などに使っていたらしい。
現代でも狩猟採集型の伝統を守って生活している部族では、力が強いものや狩りのスキルが高い者が権力を持たないように、食糧を分けることを「恥」と感じるようにする文化があるそうだ。また、自分のモノという所有の概念が我々と異なり、自分が持っていない者を、余剰を持っている者に要求することが当たり前ととらえられている。
気候変動とともに?、農業を行いはじめた人間は未来のための食糧生産や天候不順等に備えて余剰の生産を行う必要がでてきた。また、 -
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1997〜2000年にかけて行われた調査にも関わらず、現代にも通じるものが多くあった。
(逆に言えば、企業の人材戦略/人材ニーズは、20年以上前から変わっていないとも考えられる)
実際にお客様からも、「人材不足」という観点でお悩みを何度かお伺いしたことがあり、ヒントを与えてくれる1冊だと感じた。
以下、メモ。
・企業の業績向上には、その企業にとって戦略的に重要な事業を構築/運営できる「マネジメント人材」が必要不可欠である。
→有能なマネジメント人材をどれだけ自社内に抱えているかが、企業の競争力の根源である
→希少性の高いマネジメント人材の発掘/育成に関して、経営層も含めて全社的にコミットし -
Posted by ブクログ
読み応え十分の本でした。ロボットそしてインターネットが人間をどう変えていくのか、について著者の長年の研究を元に書かれた本です。著者はもともとこれらの影響を楽観的に見ていたところ、徐々に悲観主義的になってきたとのことで、そのあたりのトーンは本書全体から伝わってきました。本書を読んで私なりに解釈した内容は以下の通りです。
ロボットやネットへの依存症は、その背景に「人間不信」もしくは「全てを制御したい」欲求がある。人間が相手だと裏切られるかもしれない、悪態をつかれるかもしれない、自分の思い通りに相手が振る舞ってくれないことも多い、という感覚。そうなると、本書でもたびたび書かれているように、ロボット -