山田J太のレビュー一覧
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昔流行った携帯小説のような語り口。
『恋空』とかにリアルを感じる層のほうが、ハルに共感が持てるかもしれない。
そういう層が異世界転生ものを、それもハヤカワの原作やバンチコミックスの本作を読むかは分からないけど……。
私が子供の頃から触れてきたファンタジー作品は男女関係なく平等に冒険者が活躍してて、むしろ強くてかっこいいヒロインも多かった印象なので、「よくあるファンタジー異世界=当然のように男尊女卑」っていうのはちょっと違和感(特にオタクの千葉くんがそれを当然としてるのは……)。
まぁでもそこは「典型的なファンタジー異世界ではない、ガチ中世寄りの男尊女卑世界」ということでオリジナリティを感じま -
Posted by ブクログ
"病み上がりらしく、白い顔がますます青白く思えた。
華奢な体には大きめのチェックのシャツ、そしてモコモコのパンツ。
ビーチサンダルをつっかけ、眠そうな目で元を見ている。
こんなに暑いというのに、夢羽のまわりだけ涼しそうに見えるから不思議だ。
「あ、あ、あの……さ。病欠なんて珍しいからお見舞いに来た」
元はしどろもどろになりながらもオレンジのことを思い出した。
「あ、えっと、これ!」
リュックからオレンジを取りだそうとした時、ラムセスがじゃれついて元の背中にジャンプした。"[p.35]
32巻目。
似ているようで別人の玄と霧雨の話が間にあったり。
山田J太さんの描き下ろし漫 -
Posted by ブクログ
“「よけいなことした……」
「え?」
聞き返してみると、彼女はもう一度、今度ははっきりと言った。
「わたし、よけいなことした」
「よけいなことって?」
夢羽は立ち上がり、元を見た。
元はハッと胸をつかまれたような感じがした。夢羽の大きな目が涙にぬれていたからだ。
「桂ばあちゃん……言ってたんだ。『これだけ思い出せたら、いつお迎えが来ても心残りはない』って。だから、あの歌は見つけないほうがよかったんだ」
元はその言葉を聞いたとたん、頭のなかがまっ白になった。
そして、気づけば夢羽の両肩をゆすっていた。”[P.188]
27巻目。
泣く夢羽に元と同じくどきっとしたり。 -
Posted by ブクログ
“「そうですか……」
ムウは冷たいほど美しい横顔に午後の光を受け、唇を結んだ。
あれから三年の月日が経ったが、未だ感情の解放とまでのことはできないでいる。お腹の底から笑い転げるとか、頭がまっ白になるほど怒るとか……。たぶん、そういうことなんだろうが。
おばばは別れ際に言った。
「あんたはだれかの助けが必要となるじゃろう。それがだれかはわからぬが、何、さほどむずかしいことでもない。ともかくその人物に出会うまでに常にだれかの助けになるんじゃ。わかったな?」
まるで謎解きのような言葉を胸に、ムウは伊我上野の里を後にしたのだった。”[P.121]
26巻目。
江戸時代メインで、前と後ろに現代がちょこ