酉島伝法のレビュー一覧

  • 宿借りの星

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    ネタバレ

    ある星に移民した人類は、異星生物と意思疎通も不可能のまま交戦状態に入り滅亡。それから200戦。(年なのかな)人類は異性生物体内の寄生生物に形を変えて生き残っていた。すごい設定だ。
    人類(の成れの果て)に寄生された宿主は精神が変容し、やがて彼らの社会も変えていってしまう。人類は昆虫に寄生するハリガネムシのようだ。
    造語の嵐で当初は困惑しますが、非常に濃厚な読書体験でした。

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    2025年08月23日
  • 宿借りの星

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    奇妙な世界。文字通りならおぞましい世界。
    だけれど、途中からとても魅力的で、なぜか居心地の良さすら感じる。
    とても(語弊があるけど)素敵な、ずっと旅していたい世界だ。
    まったく異質な生態や文化が、そこに住む者たちの視点で次々描かれる。我々…卑徒(ひと)に向けた説明はない。
    あれはなんだこれはなんだ。
    けれど読み進めると、我々卑徒にもなんとなくこんなものかな?がわかってくる。
    事細かに詳細を説明しなくても、その文化がわかってくる。
    最初は面食らう異世界だけれど、主人公たちとめぐるうちに「身についてくる」。
    そう、語座跨ぎって本来はタブーだよね…。
    そうして、異質な世界、異様な生態で生きる者たちの

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    2025年03月02日
  • 宿借りの星

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    ネタバレ

    そこに広がるのは、虚空。黒々と深淵たる、虚空。

    カニとサソリを足して2で割ったようないかつい姿のズァングク蘇倶・マガンダラと、アリが直立したような姿のラホイ蘇倶・マナーゾの、異世界弥次喜多珍道中。
    ・・・と思いきや、最後の最後にとんでもなくスケールの大きいハードSFの芯がぶっ刺さり、文字通り世界がひっくり返る、壮大無比な作品です。

    作品の舞台となる惑星・御惑惺様<みほしさま>には、かつて卑徒<ひと>を滅ぼしたといわれる甲殻類めいた生き物たちが、様々な蘇倶<ぞく>に分かれ、ある時は闘い、ある時は協力し、ある時は捕食し捕食されながらも、独自の社会を形成し、巨大な甲殻類の御侃彌様<おかんみさ

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    2025年01月31日
  • 奏で手のヌフレツン

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    世界は球面で、その中を這い回る太陽と暮らすかなり過酷な世界の話。このファンタジー世界の真実を暴く的な話じゃなくてファンタジー世界の(読者から見たら変な)価値観の中でめちゃくちゃがんばる。そこがなんか身につまされたというか宇宙人から見たら自分もこうなんだろうなと思って共感できた。(でも真実を暴くパートも読みたかった!なんでジラァンゼが空の夢を見たんだ)
    めちゃくちゃがんばる中で仲間ができたり仕事がうまくいったり挫折したり家族ができたり世代交代したりの大河感も楽しめた。
    灌水役をやる前に親と喧嘩しちゃうジラァンゼとヌフレツン、君たち似たもの親子だよ……

    ラストで「地面掘るのが禁忌になってるのって

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    2025年01月02日
  • 皆勤の徒【創元SF文庫版】

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    ネタバレ

    すごく読み応えがあった。理解するためにたくさんメモを取った。奥深く作り込まれた世界は一度読んだだけでは把握しきれない感があり、解説を読んで驚くことがいくつかあった。
    やはり最初の『皆勤の徒』に抜群に惹かれた。ここから始まる未知の世界にじわじわと馴染んでいくのが楽しい。想像力を働かせる読書の楽しみを最大限得られた。
    今現在の人間とはかけ離れた者たちが登場するが、行動原理が意外にも理解できるところがポイントで、仕事があり暮らしがありここにもひとつの社会があると気づく。それがなければ本当に放り出されたような気持ちになったかもしれない。
    たくさん登場する造語も、つかわれている漢字や読みでなんとなく意味

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    2024年06月18日
  • 奏で手のヌフレツン

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    24/05/10
    実写化かアニメ化か漫画化かしてもらい、映像の答え合わせをお願いしたい…!!
    世界のイメージを朧げに掴んでからは一気でした。零號琴を読んだときのことを思い出した。

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    2024年05月12日
  • 皆勤の徒【創元SF文庫版】

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    ネタバレ

    面白い。同音異義語(?)がワラワラ出てきて言葉遊びが楽しい。
    描写が妙に生物的でグロテスクなので、耐性が無い人には辛いかもしれない。

    表題作が一番訳がわからない(といっても世界観がとてつもなくユニークで引き込まれる)話で、徐々にこの世界の仕組みが分かっていく構造になっている。解説を読まないと完全な理解はできないだろうが。

    解説には同じような世界観として『地球の長い午後』や『新世界より』など私にはイマイチな印象だった書籍が出てくるが、それらと共通するのは「空想の生態系が出てくる」という点だけだと思う。方向性も描写の仕方も異なる。
    …と思ったら、解説を読み進めていくとちゃんとそう書いてあった(

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    2024年03月24日
  • 奏で手のヌフレツン

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    ネタバレ

    この人の作品はいつも知らない世界へと連れて行ってくれる。最初は世界に中々馴染めないけども笑。世界観に慣れたら割とスラスラ読める。

    「思考は言葉に縛られる」と言う通り、自分の知ってる言葉以上の世界を見る事や理解する事は出来ないから、こういう造語の物語って全く自分の埒外の世界を見られるという意味では希少な作家だし作品。圧巻の一言。

    理解力が乏しくて、ラストの「起」かどの時点の記述がちょっと解らない。ヌグミレがいなくなるの少し切ない。

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    2024年01月28日
  • 奏で手のヌフレツン

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    「奏で手のヌフレツン 」(酉島伝法)を読んだ。
あゝ読み終わってしまった。
    
壮大なる新しき世界誕生神話出来!
    
浮揚感と高揚感とゾワゾワ感。稀に心拍数の上昇。
これが世に言う『酉島伝法酔い』なのか!
(嘘です。私が勝手に命名しました。)
    
他に類を見ない世界観と目眩く造語の数々がたった一人の頭の中から湧き出してくるってのが信じられないわ。
    
『 ''でょでょでぃ、でょでょ——"
隕星はときおり、鳴き声とも呼吸ともつかない音を洩らす。』(本文より)

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    2024年01月14日
  • 奏で手のヌフレツン

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    喃鵺粘《なんやねん》。前々忌若乱《ぜんぜんいみがわからん》。出毛転載《でも天才》。始終こんな調子で濃厚な文体だが、ずっと物語に浸ってぐいぐいと読んでしまった。純文学なんだけど、純文学を超えている。前衛ってこういうのを言うんだと思う。

    こういうの書いてみたいんだよなぁ俺も。夢裡鴨痴内《むりかもしれない》。霧鸝堕浪《むりだろう》。一価薗討《いつかそのうち》。

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    2024年01月13日
  • 旅書簡集 ゆきあってしあさって

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    おもしろーい!実際にはない場所だけどあるような感じがちゃんと出てて、すごい!
    3人とも違うところにいて文通してるって、なんか夢見る女の子の夢叶えた感じするー!

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    2024年01月06日
  • 旅書簡集 ゆきあってしあさって

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    ネタバレ

    面白かった!各々の先生が旅した様子すべて面白かったのですが、やはり酉島伝法先生の手紙には毎回吹き出してしまいました。
    そして何より、カッカ・ピィ(仮)……!
    あのキャラクター(神?)はすごいです。こんな風にお互いの旅でからみ合い、驚きをもたらしてくれるとは。大好きです。

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    2023年05月08日
  • 旅書簡集 ゆきあってしあさって

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    ネタバレ

    ほんタメで紹介されていたので、読んでみた(もちろんあかりん帯のものを購入)。

    最初は「なんだこれ?」という感想だったが、五通目の手紙を読んでこの小説の面白さに気づいた。まさかあの蟹頭がこの物語の主要メンバーに入るとは……。でも、ある物があるところでは人気者になっていて、あるところでは忌むべき存在とされていて、さらにあるところでは言ってはいけない言葉として扱われているなんて、結構あることなのかもしれない。


    「旅をして地図上のまったく同じ地点に立っても、見える景色はまったくちがったもので、それぞれの眺めは厳密なところ、まったく同じ景色として共有することは不可能なんです。(…)ただ逆を言えば、

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    2023年01月22日
  • 紙魚の手帖Vol.02

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    ネタバレ

    22/1/20 コラム
    22/4/12 沈黙のねうち
    言葉を失うってどういう気持ちなんだろう
    22/4/12 コラム
    22/10/13 羅馬ジェラート
    小市民シリーズを読み終え、やっと読めた
    小山内さんまたまた美味しく食べられず

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    2022年11月18日
  • BLAME! THE ANTHOLOGY

    購入済み

    実は初BLAME!でした。

    有名な作品なのに、初BLAME!がこの本でした。飛浩隆先生目当てで買いました。
    予備知識なしで読み始めたのですが、とても面白かったです。一番最初の「はぐれ者のブルー」を読むと、世界観を大まかに理解できるので、その後の話もスムーズに入って来ました。そして、その後の話も新しい情報を提供してくれるので、どんどん世界が広がります。
    どの話もワクワクするような世界観で、BLAME!の世界に引き込んでくれます。原作の漫画も読みたくなってしまいました。

    #ドキドキハラハラ #ダーク

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    2022年09月29日
  • 皆勤の徒【創元SF文庫版】

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    文体に慣れる必要があるけれど、独特な世界観がやみつきに!表題作「皆勤の徒」が一番好きになった。学園モノテイストな話もあったが、読者に媚びず、これからも作者の想像力を爆発させていって欲しい。

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    2021年06月10日
  • 皆勤の徒【創元SF文庫版】

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    異形の未来世界を描く連作短編集。とにかく漢字の造語に圧倒される。見た目、発音、文字自身の持つ意味が混然となって新たに作り上げられた「言葉」として頭に入ってくらくらする。絵にしてしまえば(本には作者自身の手による挿絵があるが)ペクシンスキーやギーガー、弐瓶勉らの描く世界の延長線上にあるものなだろうと貧困なイマジネーションの限界の中で感じてしまうのだが、それをオリジナルの言語で語られることで非イマジナルというか超イマジナルというか、具体的ではあるけれど像を結ばない世界が頭の中で出来上がっていく。読んだというより体験したという方が近い感覚(昔に読んだ筒井の「虚航船団」を思い出した)
    頭の中で音読しな

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    2021年01月27日
  • 皆勤の徒【創元SF文庫版】

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    全然意味分かんなかったけど、めちゃくちゃおもしろかった。意味は全く分かんないけど。
    「洞の街」が一番好き。ももんじ可愛い。外回り怖い。

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    2021年01月13日
  • 皆勤の徒【創元SF文庫版】

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    うーん用語が独特で難しい。話も頭に入ってこなかったので、飛ばしながら読みを使わざるを得なかった…。

    化物世界でブラック企業があればこんな風になるのかな。それでもイメージするのが相当困難だった。

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    2020年12月29日
  • 皆勤の徒【創元SF文庫版】

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    読者は1頁目から全てが異質、異形な世界に放り込まれる。
    SFというか、神話の域。
    言葉遊びの妙、漢字特有の酩酊感。
    クローネンバーグに映像化して欲しい。

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    2019年02月07日