酉島伝法のレビュー一覧

  • 旅書簡集 ゆきあってしあさって

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    エッセイを読んでいるような、旅行記や冒険譚を読んでいるような、と思えばSFの世界に投げ込まれるような、不思議な気分にさせてくれる本でした。

    架空と分かっていながらそこに書かれるお手紙にワクワクしたり困惑したり、妙な現実味を持って読ませるのは流石作家の技術だと思います。個人的に終わり方もとても好きでした。

    私は本を読みながら頭で映像化するタイプでカタカナ語が苦手なタイプなので一気に読むのが辛く途中から1日1通と決めて読みましたが、自分にも手紙が届いているような感覚があって良かったです。

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    2023年02月11日
  • 皆勤の徒【創元SF文庫版】

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    凄かった。いまは存在しない、でもいまとは独立でもない、そんな概念、存在で一冊の本が埋め尽くされていた。馴染みのない概念が多すぎてとにかく読むのに骨が折れた。でも、ここに一つの世界があるように思えて、まずはようやく一回通読することができた。積んでいるものを進めたいけれど、早いうちに二回目を読まないといけない気がする。
    解説を読まなければ、一体この小説は何だったんだ、というところで終わっていた気がして、解説が解説の役割を果たしている、解説に求められるハードルのとにかく高い小説だった。解説は星5だと思う。
    221029

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    2022年10月30日
  • 旅書簡集 ゆきあってしあさって

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    リレー式書簡集、のていをした架空旅行記、とは思えないほどスケッチも写真も呪いの人形もリアル。秘境旅モノの書棚にしれっと紛れていてほしい。
    異国情緒を楽しむ趣向もあれど、ところどころ不穏。うっかりすると夢に出てきそうな蟹男の気配におののく。

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    2022年04月26日
  • 旅書簡集 ゆきあってしあさって

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    どなたの作品も未読
    帯に岸本佐知子さんのお名前があっただけで手に取る

    なんとまあ、どうしましょうというところから入る旅路に、行きつく先はあるのかしらとやり取りを覗き見る
    途中、呪われたのか膠着状態になるも、なんとか打破
    夢の中の出来事のような、なさそうでやっぱりないのだけど、微かな現実味にやっぱりあるんじゃないかとドキドキする頃には、もうすでに取り込まれているんだな

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    2022年03月14日
  • BLAME! THE ANTHOLOGY

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    原作の続きでキリイのその後を描いた作品も期待していたのですが、それはなかったですね。私は飛浩隆作品が気に入りました。BLAME!ファンにおすすめ。?

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    2021年11月18日
  • 皆勤の徒【創元SF文庫版】

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    全然意味がわからなかった。
    解説を書いている人はなんでそんなに意味がわかっているのか。

    意味がわからないなりに楽しく読めた。
    なんというか、グルーヴ感だけで楽しい。
    意味やストーリーを理解しようとするのでなく、変なものを読むことそのものを楽しむ感じ。
    その意味ではヌーヴォーロマンの作品を読んでいるようなノリ。

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    2019年11月01日
  • 皆勤の徒-Sogen SF Short Story Prize Edition-

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    毎回全編読み終えてから感想を書いているが
    最後の解説を読み終えるころには
    最初のほうに何が書かれていたか既に忘れている
    覚えているふりをして思い出して感想を書く先行馬と
    読み終えたばかりで印象強い追い込み馬はどちらが有利か
    もともとの感想ていどを思えばどちらでもわりとどうでも良い

    今回はSF度合いでなくタグ付けのような分類形式で測る


    沖方丁 『メトセラとプラスチックと太陽の臓器』
    ★*4 分類:未来予想随筆
    SFマガジン2011年7月号の東日本大震災に対する特集での
    「10万年後のSF」は印象深かった
    小川一水、長谷敏司お二方も並び書かれていたが個性の違いが
    短い同じ主題にも文章でなく切

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    2018年12月09日
  • 皆勤の徒-Sogen SF Short Story Prize Edition-

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    2010年度のSF傑作選
    半分近くは作家名で本を買っちゃてる作家の作品だったが、『皆勤の徒』を読んでみたくて購入。
    なんとまぁ悍ましくも、グロテスクな世界でしょ。^^;
    酉島伝法はイラストレーターでデザイナーでもあるってことで、絵本で読んでみたいな。

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    2018年03月30日
  • BLAME! THE ANTHOLOGY

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    鴨が偏愛するコミック・アーティスト、弐瓶勉氏の代表作「BLAME!」を元ネタに、現代日本を代表するSF作家が腕を振るった二次創作アンソロジー。
    「BLAME!」を読んだことのある方ならお分かりの通り、あの作品は世界設定が全てです。その世界の中で、どれだけ物語を展開できるかが腕の見せ所なわけで、プロのSF作家としても面白いお題だったんじゃないかと思いますねー。収録された5作品は、どれも全く異なるテイストの作品でありながら、ちゃんと「BLAME!」の世界の中で展開しており、なおかつ幅広いイメージを読者の眼前に提示します。「BLAME!」の世界観の揺るぎなさ(換言すると、細かいところは各自の想像に委

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    2017年06月20日
  • 皆勤の徒【創元SF文庫版】

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    2017/6/14
    SFを読みなれていない私。最初は造語とおどろおどろしい世界に頭が疲れる。そのうち世界に慣れてくると物語が入ってくる。面白いのは面白いのだが疲れる。想像力をフル回転させるために頭が疲れるのだ。楽しめる人に楽しんでもらえばいいやという感じなのかなー。

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    2017年06月14日
  • BLAME! THE ANTHOLOGY

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    原作を知らないのに作家陣に興味があって購入。
    原作未読でも十分楽しめる作品もあったが、漫画も読んでみたい!

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    2017年05月13日
  • 皆勤の徒【創元SF文庫版】

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    さっぱり意味が分からなかった。
    分からないなりにも読み続ければどこかでブレイクスルーが訪れるはずだ、そう期待してページを捲るも、その瞬間は訪れず。しかしそれでもページを捲ってしまうというこの不思議。
    主人公(がそもそも誰なのかさえよく分からない)に感情移入して物語に没入してしまう、というよりも、
    この世界は何なのか? 何が起きているのか? 何が描かれているのか? という、いわば「知的好奇心」によってページを捲っていたように思う。
    分かんなさすぎて面白い、というか。
    それだけ世界観が緻密で、盤石で、何よりも魅力的だったということだろう。

    円城塔氏が激賞なのだそうだけれど、氏の近著『エピローグ』

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    2015年12月15日
  • 皆勤の徒【創元SF文庫版】

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    開幕でラスボスに殺されるRPGみたいな構成になっているけど、最初の一篇をなんとか読み切った後はグロテスクで切ない物語の世界にひたすら身を委ねることができた。ただ一本筋の通った本格SFというよりは、たまたま筋の通っちゃった幻想小説と言われた方がしっくりくるような、それくらい作者の想像力の果てのなさを叩き付けられた感じ。あと「遮断胞人」の字面が最高。

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    2015年11月11日
  • 皆勤の徒-Sogen SF Short Story Prize Edition-

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    「結晶銀河 年刊日本SF傑作選」大森望、日下三蔵/編
    SFアンソロジー。色々。
    2010年刊。第四集。

    アツいですね、単純に冊子の厚さも厚いけど、非常に充実した読み応えたっぷりの2010年刊です。
    本編に加え、大森さんと日下さんの解説、付録類の充実も特筆です。
    全13編。

    「メトセラとプラスチックと太陽の臓器」冲方丁…新たな臓器を獲得したことで、超長命社会が実現しようとしている世界の前夜譚。エッセイの形式が読みやすい、冲方丁の印象変わりました。
    「完全なる脳髄」上田早夕里…サイボーグスペクタクル?もっと大きなストーリーから切り取った一章という感じ。正統派な娯楽小説、もっと読みたいなあ。

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    2012年03月28日
  • 皆勤の徒-Sogen SF Short Story Prize Edition-

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    2010年のSF短編傑作選。どの話も面白いけど、のめり込めるような傑作はなかったかな。お気に入りは3編。瀬名秀明「光の栞」、生きた本を創る話。SFとしての理論はしっかりしていても幻想的な空気が流れているのが素敵です。小川一水「アリスマ王の愛した魔物」、人を消費する万能演算機を造り出した数学の天才の王の一生の物語。おとぎ話風の語り口と最後の余韻が好き。上田早夕里「完全なる脳髄」、「華竜の宮」の同一世界観の話。この世界観の話が広げられるのか楽しみにしています。

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    2011年12月29日
  • 皆勤の徒-Sogen SF Short Story Prize Edition-

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    冲方丁目当てで購入。

    冲方丁は短編駄目かもしんない。ホラー物も以前書いてたけど別段目立つ出来でもなかったし、今作も…うーん。


    「ゼロ年代の臨界点」が面白。
    嘘に情報を肉付けして説得力を出すのが上手い。思わず登場人物名ググったよ。

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    2011年11月25日
  • 皆勤の徒-Sogen SF Short Story Prize Edition-

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    ネタバレ

    SF短編集。短編ではあるが、結構、背景も読みごたえもある作品が多く、その終わりは中途半端な感じが残り、長編のプロローグのように思われるものが多い。もう少し続きがあってもよいのではと思うものが多々あるが、短編は短編として切りよく終わるのもありかとは思う。

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    2011年09月21日
  • 皆勤の徒-Sogen SF Short Story Prize Edition-

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    最近のSFアンソロジーは当たり続きだ。これも。メモとしてお気に入りの題名列挙。

    冲方丁「メトセラとプラスチックと太陽の臓器」自分の寿命は普通(80歳かそこら)のままなのに、我が子(とその世代)は300歳まで生きられるようになったら・・・? 妊娠中の妻とその夫の日常の呟き。子どもからしたら、人生の2/3、200年以上は親がいないんだな。これは忘れちゃうよな。そう思ったら親は悲しくなるわな。

    小川一水「アリスマ王の愛した魔物」森羅万象を計算しつくす算廠と、それを手にした王子様(ただしブサメン)のお伽話。

    上田早夕里「完全なる脳髄」フランケンシュタインハードボイルド

    津原泰水「五色の舟」未来

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    2011年09月19日
  • 皆勤の徒-Sogen SF Short Story Prize Edition-

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    はじめの方の数編が大変面白かった。

    冲方丁「メトセラとプラスチックと太陽の臓器」
    小川一水「アリスマ王の愛した魔物」
    二編とも「物語ること」とSFの相性の良さをよく示している。楽しい。

    上田早夕里「完全なる脳髄」
    私は、世評の高い「華竜の宮」をどうにも面白いと思えなかったのだが(よくできているとは思った)、同じ設定の本作はとても良かった。こういう人造人間モノは大好き。

    津原泰水「五色の舟」
    先日「11(イレブン)」の巻頭作として読んだときにはそんなにいいと思わなかったのに、今回は素晴らしい!と唸ってしまった。SFのラインで読んだからかな。(以前「バレエ・メカニック」を読んだときも、SFが

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    2011年09月18日
  • 皆勤の徒-Sogen SF Short Story Prize Edition-

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    高級チョコレートの詰め合わせを開けたような気分。一粒一粒、じっくり堪能。大好きな小川一水、上野早夕里はもちろん面白かった。印象的だったのは酉島伝法の「皆勤の徒」。独特の表現が異様な世界観を演出。気持ちの悪い映像が頭に浮かんできて、それが癖になる感じだった。

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    2011年09月11日