酉島伝法のレビュー一覧

  • 皆勤の徒-Sogen SF Short Story Prize Edition-

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    アンソロジーの醍醐味をたっぷり堪能。
    「完全なる脳髄」「光の栞」「メデューサ複合体」「allo,toi,toi」・・・気に入った作品を挙げるときりがないってくらい内容が濃い。
    軽く読みはじめたので、ガツンと殴られた。

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    2011年08月31日
  • 皆勤の徒-Sogen SF Short Story Prize Edition-

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    『皆勤の徒』を読んでいて、なぜか民明書房が頭に浮かんだ (。A。)

    半分以上は読んでいた作品でしたが、SFSFしている谷甲州と、幻想と量子論が融合昇華された津原泰水が既読の中では双璧。

    上田早夕里のハードボイルドな文体で描かれる世界、長谷敏司の意識と認識と脳と内心と表層に現れる行動・感情を真っ向から描く作品。
    このふたりはやはり凄い。

    もちろん傑作選だから、自分の好みの作品・作家を探す楽しみもある。

    堪能しました。

    冲方があんな話をかけるとは思わなかったのも拾いもの。

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    2011年08月28日
  • 皆勤の徒-Sogen SF Short Story Prize Edition-

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    2010年の日本SF傑作選。大半が既読作だったものの、それでも楽しめるのはさすがだね。何度目だよと思いつつも、津原泰水「五色の舟」にやられてしまう。未読作では、小川一水「アリスマ王の愛した魔物」、伴名練「ゼロ年代の臨界点」がお気に入り。

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    2011年08月11日
  • 皆勤の徒-Sogen SF Short Story Prize Edition-

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    読み応えのある、濃ゆい作品ばかりだった!!
    『光の栞』が一番、効いた。
    本好きならドキドキするんじゃないのかしら。

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    2011年08月04日
  • るん(笑)

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    全3篇、連作短編集

    不安な気持ちになるタイトルと装幀だが
    まさに気味の悪い瞬間があり読後は禍々しさすら感じる

    著者の中では1番読みやすいくらいなのだけども、この人の作品を読むといつもグッタリ疲れる
    異形の社会と言語のはずなのにだんだん知っていると認識できる。独創的で万人向ではないけれど
    テーマというか、価値観が徹底していて類似もないなと思う

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    2025年10月20日
  • 皆勤の徒【創元SF文庫版】

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    夢を見てるような感覚。人に勧められるかと聞かれたら即座に首を横に振るが、熱狂的なファンがいると言われても全然納得できる。
    読むならあまり気合を入れずに読めばいいと思う。何回か読んで、なんとなーくわかったようなわからないような。でも不思議と本を閉じた後には心地よい余韻が広がる。まさに不思議な夢を見た翌日の朝みたいな感じ。
    もはや小説じゃなくて絵に近いかも。

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    2025年06月13日
  • 金星の蟲

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    造語や見慣れない漢字が多いこともあり、難解な作品だった。表題作である「金星の蟲」の、徐々に主人公の日常が自然な流れで侵食されていく様と、「ブロッコリー神殿」の、人類に調査される惑星に棲む生物から語られる視点が印象に残った。

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    2025年03月08日
  • 金星の蟲

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    早川書房さん公式Xの紹介を見て予約購入したものの、しばらく積んでしまっていた一冊(全然珍しくもない!)。ようやく崩すことに。

    初・酉島伝法ということで、どんな作風かも全く知らずに読み始めたのだが・・・これはなかなかにクセが強い。難解・独特な世界観、それを補強するために多用される造語や難読漢字・・・もう読み進めるのだけでも一苦労よ。(ハードSF等の難解テキスト・設定に耐性がないとギブアップ請け合いかと。)

    一番目に収録されている表題作「金星の蟲」。一見普通の日常。しかし、「金星サナダムシ」という謎の単語が登場してから、徐々に明らかになっていく吐き気を催すような異常な世界。それを"常

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    2025年02月24日
  • るん(笑)

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    星2.5相当

    設定自体はかなり面白い、がマージでなんもわからんかった

    分からなさすぎて自分が今どこを読んでいたのかを見失ってしまう

    作中の言葉遊びはかなり上手でした

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    2025年02月05日
  • 旅書簡集 ゆきあってしあさって

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    3人とも初めての著者。
    それぞれの個性が発揮された、どれも楽しそうな旅でした。
    そっか!本を開いて想像をする、それも旅なんだ!

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    2024年03月16日
  • 金星の蟲

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    ほぼすべて再読、再再読。
    でも覚えていたのは『環刑錮』のみ。
    印象深かったのは
    『環刑錮』『彗星狩り』『クリプトプラズム』
    『クリプトプラズム』は特有の造語があまり無く普通のSFっぽく読めた。

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    2024年02月29日
  • るん(笑)

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    解熱剤を使用すると「どうして自分の体を信じてあげないの!」と怒鳴られる、スピリチュアルが常識となった世界の話です。
    電波防止シールはもちろん、盗聴防止かぶせ付ランドセルも当たり前。病気という言葉は波長が悪いので、やまいだれを取って丙気と呼ぶという表現は上手いなあと唸りました。

    序盤は世界観を楽しみ、民間療法の極めっぷりに笑う流れでしたが、3話目終盤、普通や常識はひたすらに脆いと感じられるような深さもありました。

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    2024年02月04日
  • 奏で手のヌフレツン

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    世界観を楽しめるかどうかだけど、執拗なまでに細部まで構築されたアナザーワールド、『球地(たまつち)』の世界観には圧倒的なものがある。ただ、当て字の漢字表現が濫用されているため、脳内変換する手間がかかかり、読むのに時間がかかるのにはまいった。もう少し純粋に物語が楽しめれば尚良かったが、内容を吟味して味わうというより、語感含めて読んでいるライブ感を楽しむ作品と思いたい。世界観が受け入れられて、じっくり取り組める方にはかなり有意義な作品と思われる。

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    2024年01月13日
  • るん(笑)

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    ネタバレ

    集英社文庫で酉島伝法作品出すのね・・・という感想はさておき、うーん、これはレビューが難しいなぁ。

    鴨は氏のデビュー作「皆勤の徒」が大好きで、何度も読んで、その度に感動しています。あの独特な造語の本流、軽く流し読みするだけでは全く理解できない分厚く不可解な世界観、作品全体に漂う切切とした哀感、そして不穏な空気・・・唯一無二の作風だと、鴨は思っています。
    他方、本作「るん(笑)」は、科学とスピリチュアリズムが逆転した日本(おそらく現代とほぼ変わらないでしょう)を舞台に、38度を「平熱」としたりホメオパシーで病気を治そうとしたり、猫が人を誑かす害獣と見做されて殺された死骸の山が存在していたりと、価

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    2023年12月29日
  • るん(笑)

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    スピリチュアルが科学を駆逐した日本の日常。タイトルが軽快な感じだったけど読むとねっちりした文体で、読み終わるのに少し時間がかかったが、現実でもよく見るスピリチュアルあるある(ホメオパシー、マコモ風呂など)の描写が多いため、他の酉島作品より分かりやすくて最後まで読めた

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    2023年12月06日
  • 旅書簡集 ゆきあってしあさって

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     高山羽根子、酉島伝法、倉田タカシの三人の作家が、架空の国を旅しながら(どうやってかはともかく)手紙を送り合うという設定の「旅書簡集」。そして巻末エッセイ(あとがきのようなもの)は宮内悠介。お、東京創元社のSFアンソロジーシリーズ『GENESIS』で見かけるような作家たちだぞ、と思って手に取った。
     読んでみると、GENESISを読むときに似た幻想浮遊感に見舞われる。そして、時折り「わかる」地平に降り立つのだが、そこもどこかしらなにかしらずれている。私が「わかる」と思っていることなんて世界の中のほんの一部なのだなあなどと思っていると、突然、人生哲学とか人間の本質みたいなことを考えさせるようなフ

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    2023年04月07日
  • 旅書簡集 ゆきあってしあさって

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    よく知った世界から枝分かれて進化の袋小路に辿り着いたかのような、何故にどうしてこうなった?と言わずにはいられない強烈な風習、建築、祝祭(と呪い)をくぐり抜けて旅は続く。
    土地のパワーに負けそうなところを、好奇心と一種の鈍感力で三者三様にサバイブしていく訳だが、何より敬服するのは食に対する許容値の広さ。現地の食べ物を探すのは旅の醍醐味だけれども、さすがにこれを食べますか…。
    旅行に行きたいが、まずは己れの胃袋を鍛え直さねば。

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    2023年03月25日
  • 旅書簡集 ゆきあってしあさって

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    SF作家3名がそれぞれの旅行先で見聞きしたことを報告しあうという設定で書かれた、書簡体のリレー小説。世界のどこかにあるかもしれない不思議な土地をめぐる空想旅行記。


    東アジアを思わせる日常的な風景が徐々におかしな方向へズレていく高山さん、旅行先の土地にとって旅人は常に"異分子"であることをホラー的に演出する酉島さん、一番純粋に観念的な幻想の国を組み立てる倉田さん、三者三様の作風の違いが楽しい。そんな三人の旅を、カニ頭の謎の人物と郵便局員シュヴァルが繋いでいく。
    酉島さんはどれも不条理小説のようでゾクッとする面白さがあったけど、特に"外国人がイメージするニッポン&

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    2022年08月30日
  • 紙魚の手帖Vol.02

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    ★★★『羅馬ジェラートの謎』米澤穂信
    小鳩くんと小山内さんの掛け合いが楽しい。テンポが私と友達の会話に似てて少し親近感。
    だんだんと気がつくのだが、手がかりは、あちこちに散りばめられている。
    それも?え?それも?そうつながる?
    ハラハラドキドキはないが、納得できる結末と…ちょっとした余韻が、癖になるのかな。。

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    2022年02月25日
  • 宙を数える 書き下ろし宇宙SFアンソロジー

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     欠損と拡充、
     リンクする力? 絶妙にズレているのが、また面白い。
     ひらめき。


     宇宙冒険譚からSFファンタジーから宇宙船密室モノまで、なかなか読み応えのあるアンソロジーでした。
     平均すると☆3…だけど気に入ったのはとことん気に入ってる。

     濁流のような情報の中に閃く、深化して進化したアイデアこそがSFの真髄なんだろなぁ。

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    2020年10月30日