あらすじ
姉から猫の世話を頼まれ、 見知らぬ町に滞在することになった翻訳家の宮原。ある日、 近づかないように忠告されていた商店街にうっかり足を踏み入れてしまう。常に景色が変容し、 重なりあった異界が垣間見える商店街の深淵から、アリアドネの伊藤と名乗る人物に救出されるも、姉が異界の町の御神体にされたという事実を知らされる。事態を打開するには、 来たる 「掌紋祭」 の 「踊り合い」 で異界に近づく必要があるという。宮原は祭りに参加するべく、 町のダンス教室で猛特訓を積むことに。言葉とイメージの奇術師・酉島伝法が贈る往(ゆ)きて踊りし物語!/【目次】無常商店街/蓋互山、葢互山/野辺浜の送り火/巻末特別対談 カシワイ×酉島伝法
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Posted by ブクログ
こうの類の、奇想天外が好きみたいで面白かった。
何故かSFを書く人は、理数系の人が多くて フレミングの法則でついていけない。あ~磁石のÙの字の、コアかースクリュー出来るなとか・・
宮沢賢治が「春と修羅」の冒頭で人間は、電磁波の様な物的なこと言ってなかったですか? 霊魂と実体があるならば、二又に分かれてもあり得るかと
最後お姉さんは生きているの?・・・・・
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Posted by ブクログ
酉島伝法の本がまたもや創元日本SF叢書から出た。皆勤、宿借りに続く3冊目となる。「金星の蟲」を読み終わった時に、もう酉島伝法の本は読みません!と宣言したものの、創元日本SF叢書から出るならば少しは改心したのかなと思ったが・・・全然改心していなかった、はぁ~~。とは言うものの、少し違和感がある。酉島伝法ってSFマガジンの最後に毎月毎月キモチワルいイラストを描く。だから新作の装画もキモチワルいと予想したが、この本の表紙は親しみやすい装画だった。作品の扉絵も同じ。作者は漫画家でイラストレーターの「カシワイ」さんだった。これで、この本へのハードルが一気に下がった。俄然読む気になったが、作品の内容は従来と同じだった・・・カシワイじゃなくてカナシイ。
さて、作品だが、いつも通り序盤は至って普通。だけど、いつ造語が来るのかと待ち構えていたら、来ました「ビー語」。英語(エー語)に対応する造語なのだが、一旦現れると堰を切ったように造語が押し寄せてきて、一気に読書速度が1/10以下に低下する。でもこれは既に織り込み済み。造語の意味を理解することをやめる、感覚的理解に切り替えて読み飛ばす。つっかかっていたら前に進めない。このスキルにより読書速度をアップできたが、余りの多さに心が折れそうだ、脳が確実に麻痺していくのが判る。
ジャンルとしては異世界もの。最近、アニメで流行っている異世界ではなく、強いて言えば宮澤伊織の「裏世界ピクニック」シリーズに近い。知らない間に(最近では行き方が判ってきた)異世界に入り込み、トラブルを解決して元の世界に戻る。そう考えると、本作品は正統派異世界SFとカテゴライズできる。
1作目の「無常商店街」をキッチリと時間をかけて読み込み、そのパターンをきちんと理解することで、2作目、3作目の作品の読書速度は著しく速くなり、理解度も高まる。特に中編の書き下ろし3作目「野辺浜の送り火」はエンディングに向けての大きな盛り上がり・高揚感を気持ち良く感じ取ることが出来た。
最後に、編集者を交えた酉島伝法とカシワイさんとの対談集がおまけで付いていた。造語の作り方が披露されていた。また、本作品を作るにあたってきちんと取材をしているとのこと。写真のイメージが作品の幅を広げる役割を担っている様だ。
これで、無常商店街シリーズの接し方を完全にマスターしたので、次作で長編が来ても大丈夫。でも、これで完結するかもしれないし、舞台を少し変えてまた会えるかもしれない。いずれにせよ、受け入れ態勢はもう万全なので、あとはワクワクしながら待つだけ。