エナミカツミのレビュー一覧
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“一歩下がるロニーを余所に、モルサは再びジャグジーに対して口を開く。
「さて……とはいえ、上納金ってもんは、なあなあで済ませていいもんじゃない……ってのは解るな、ジャグジー・スプロット」
「ひっ!?は、はい!」
「で、どうする気かな?君達の中で、誰がどういう落とし前を……」
「僕です」
あっさりと——
それまで涙目だった男が、モルサの言葉を遮り、あまりにもあっさりと答えた。
「全部の責任は僕にあります。だから、僕が全部償いますから、み、みんなには……手を出さないで……ください……。な、なるべく、死にたくはない……ですけど……」
言葉の後半は再び涙声になっていたが、モルサは一瞬だけ、ジャグジーの眼に強い決意を感じ取っていた。
「ふむ……」
少し表情を変え、興味深げにジャグジーの顔を見るモルサ。
彼とジャグジーのやり取りを眺めながら、アイザックとミリアはヒソヒソとささめき合う。
「なんだか難しい話してるなあ、ミリア」
「きっと、政治の話だね!」”[P.137]
Bで終わるってことはなさそうな気もするけど、どこまで続くかな。
1930年代の最後の大騒ぎ。
もう出てくるメンバーが!みんな好きで嬉しくて。
覚えてないとことかいくつかあって、前の巻を漁る羽目にもなりつつ。
『蜂の巣』に皆が個々の理由で集まってくる辺りから凄く好き。フィーロの友達(?)達が顔合わせしちゃうとことか。
ジャグジーとフィーロに会話してほしいなー。
騒ぎは大きくなる一方で、新キャラもちゃっかり出つつ、どう収束していくのか凄く楽しみ。
“「楽しい……楽しい話をしよう」
周囲からの注目などなんのその、青い作業着の男——グラハムは、階段の手すりにジャンプし、器用にその上に立って見せると、店中に響く声で高らかに謳い上げた。
「今日、俺は賭けをするべくこのカジノに踏み込んだ……カジノは人生の縮図であり、お互いの人生の一部をしのぎあう鉄火場だと聞いていたが……そしたら、なんと大当たりを引き当ててしまったぞ!俺の人生で避けては通れまいと思っていた宿命のライバル!別名、単になんとなくムカつく赤目野郎とこんな所で再会できるとは!」
グラハムは長い口上を述べると、腰に差していた通常サイズのレンチを取り出し、パシリパシリと音を立てながらジャグリングを開始する。
「再会が大当たりだとしたら、俺はラッドの兄貴との再会も含めて二連勝だ!……まさにラッキー7のカードを引き当てた心境だが……。これでもう一枚誰かと再会したら……そう、生き別れの俺の姉さんとでも再会してしまった日には、ラッキー7が三枚でスロットも大当たり、BJでも21で勝利にリーチだ!こんな楽しい話があるか?」
リズムに合わせて意味の解らない叫びを続けるグラハムは、そのレンチをパシリと双方の手に収め——
「つまり、チップとしてお前の歯を全部抜かせて貰おうと思うが宜しいか!」
と、階段から勢い良くクリストファーに向かって飛びかかった。
数メートルある距離を軽々と詰める驚異的な跳躍力。
体を回転させながら、グラハムはその勢いを殺さずに両手のレンチをクリストファーに叩き込もうとする。
しかし、クリストファーはそれを間一髪で避け、横に飛びながら言葉を返した。
「わお。感動的なまでに我が儘な意見だね!どうしようかなあ」
迷うように言いながら床を蹴り、体を斜めに回転させて回し蹴りを撃ち放つ。”[P.248] -
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これにて第1部は終わりです。
幼馴染との対決と言ういわばお約束シチュエーション。
でも、今回の話でいろいろと謎がちりばめられて居ます。
校長の寿命、特務隊、カービィちゃんの正体、ヴェクサシオンと魔王の関係、怪造学会、かたつりむの正体といろいろ。
今回は舞弓は序盤でさっくりやられてしまうので、最後の無駄にかっこいいシーンぐらいしか活躍の場はありません。
朧武朧がロケットランチャーに変形できるのがびっくりするぐらいで。
あと、桃子が無事復活、それも成長してってのがいいですね。
ネタそのものって、女神転生やポケモンなど魔物召喚系なので、ありきたりなのですが、登場人物が総じて変っていうのが、この物語の一番の面白さじゃないでしょうかね。
読んでいて非常にわくわくするし、楽しい限りです。 -
Posted by ブクログ
バッカーノ!のクライマックスに向けた三部作の序章にあたるストーリー。
ラブロがいつも通り好き勝手自分勝手に色々やらかしてますが、ラストではちょっとした『仕返し』というか、ラブロの思い通りにいかないことがちょっとずつ浮き彫りになって
また壮大でカオスな《馬鹿騒ぎ》の予感。
成田先生の文章は読みやすいですし(ただちょっと話が込み入ってるけど…)、エナミカツミ先生のイラストも素晴らしいです。
成田先生自身、数多の人気シリーズを抱えてる作家さんなので次の《馬鹿騒ぎ》が見れるのはいつになるか分かりませんが、気長に待ちたいと思います!
ヒューイとモニカには幸せになってもらいたい…! -
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この年代のヒューイはとことん主人公だなぁと思ってたけど、出番少ない今巻もまだまだ熱かった。エルマーといる時だけ昔ヒューイに戻るのは半分くらい意識的なのかな、とか。忘れないように。繋ぎ止めておくために。今までの実験が全てモニカに会うために繋がるのだったらそう変わってないのかもしれないけれど。表面どクールなのに内面熱いとかシャーネの父ちゃんだなぁなんてしみじみ。そういやモニカとの子供どうなった。こっそりフェルメが船に乗せてたりしたんだろうか。ルーキーが奴の手のひら上にある以上監視下にあったと思われるわけだがいかに。つーかそもそもヒューイ自分に子供いること知らないよな?愛した人との子供を手に抱けないどころか存在すら知らないなんて悲しすぎる。知ってたら死にものぐるいで探しただろうか。
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“「その頼みを聞くと……」
エルマーの望みは解りきっている為、ヒューイは先に答えを告げた。
「すぐには笑えないかもしれない。だが、俺が目的を果たしたら……一年前の約束を果たす」
一年前の約束。
——「君は、モニカを助けると嬉しいかい?」
——「……あたりまえだ」
——「モニカとまた会えたら、笑うかい?」
そうしたやり取りの後、ヒューイは、力強くエルマーと約束したのだ。
——「人生最高の笑顔を見せてやる」
過去のやりとりを思い出し、エルマーは確信した。
ヒューイが何を望んでいるのかを。
詳細は解らないが——確かに、彼はモニカにもう一度会うつもりなのだと。
降霊術でも学ぶつもりなのか、あるいは死者を生き返らせる科学が生まれるのを待つのか、黒魔術で死者を蘇らせるつもりなのか、具体的な方法は解らない。
だが、彼は確かに、モニカが最後に呟いた「また会おうね」という言葉を果たそうとしている。モニカにとっては死に際の別れの挨拶か、あるいは朦朧とした妄言だったかもしれないが——ヒューイ・ラフォレットにとっては、確かにそれは『約束』なのだ。
エルマーはヒューイの言葉の奥にある明確な決意を感じ取り、ニヤリと笑う。
「そう言われたら……俺が断れないの知ってるだろ?」”
ヒューイとエルマーの仲が凄く好きになった。
1934年辺りを読んでいた頃にヒューイに対するイメージがこの1700年代でがらりと変わった。
今までの本でのヒューイとエルマーがお互いに相手のことを語ってる場面とか読み返してみるとなんというかもう。ううう。
シルヴィの過去も意外だったー。
ただ、前の本でシルヴィ、錬金術師になった理由がちゃんとあったような気がしたんだけど…船に乗ってから決めたのか?
2003年がとても楽しみ。だって女性二人もちゃっかり不死者になっちゃってるし。
ヒューイとエルマーってまだ会ってないんだっけ?
楽しみ楽しみ。
“ヒューイはそれに頷くも、続けて小さく首を振った。
「モニカが良くても、俺が嫌なんだ。だから、これは、俺の個人的な我が儘だ」
そして、改めてエルマーに顔を向け、友人としての願いを告げる。
「だから、俺がどれだけ変わってしまっても……エルマー、お前は変わらないでくれ。残酷で、途方も無い願いをしているというのは解っているが……お前が変わらないでくれていたら、俺は、お前の存在を頼りに、モニカと愛し合っていた頃の俺に帰れるかもしれない」
対するエルマーの答えは、単純だった。
「一年前の約束、ちゃんと護れよ」
「ああ」
「モニカとまた会えたら……モニカと二人で、俺に最高の笑顔を見せに来てくれよ」
それを聞いて、ヒューイが苦笑する。
「条件が厳しくなってるぞ」
「そのぐらい、いいだろ?70年ぐらいの人生が永遠になっちゃったんだからね。永遠に変わらないようにするのって、きっと凄く大変だろうし」
「お前なら、できるさ」
ヒューイの微笑みを見て、エルマーは満足そうに頷いた。” -
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ネタバレ余章Bのインパクトが強すぎて・・・!!
チェスがかわいそうだけどかわいい萌える。
1931でミリアの「もう笑ってもいいんだよ」に救われて、2001でエルマーのおかげで(本人の前ではツンデレ発揮して笑わなかったけど)素直に笑えるようになって・・・と、ここまできての2002Bラストですか。
「嬉しいですか?笑っても良いんですよ?」って、よりにもよってその言葉でチェスを追い詰めるフェルメートさんまじ外道(褒め言葉)
きっと2003でエルマーが救ってハッピーエンドなんでしょってわかってるから、安心してフェルメートの悪党ぶりとチェスのかわいさに萌えられますね。フェルさんいいぞもっとやr(強制終了)
うん、2003が楽しみすぎる。 -
Posted by ブクログ
“エルマー、グラハム、シャフトの三人で構成されたこのチームにおいて、唯一の常識人であるシャフトは先刻から狂った会話を聞かされて何度も溜息をついている。
そんな中、ようやく『何故その少年を捜すのか』という確信に迫った事に、シャフトはようやく話が進むのかと顔をあげたのだが——
返ってきたのは、奇妙な答えだった。
「うん......俺はね、あの子が幸せになれるかどうか知りたいんだ」
「なに?どういう事だ」
レンチを頬に当てて首を傾げるグラハムに、エルマーは口を開き——
「そうだね、これから先は俺の推測も混じるから、誰にも言わないで欲しいんだけど」
淡々とした調子で、一つの『答え』を吐き出した。”
エルマー!!
狂気を感じるけど好きだよエルマー。
グラハムも大好きだからこの二人の絡みとかもう楽しすぎた。
展開がまた、毎回のごとく思わぬ方向へと進むし。
150ページの「エリータ」というのは伏線ですか違いますか。
“「そうだなって......」
「ラッドの兄貴と一緒にいた頃は、こんなの日常茶飯事だったろ?」
「その血塗れな日常が終わりを告げて喜んでた俺の気持ちを汲んでくれませんかねえ......?」
「解った、汲もう!」
言うが早いか、グラハムは雨に濡れた手をポンとシャフトの肩に置き、哀れむような目で、
「......大変だと思うが、まあ、なんだ、死ぬな」
と、ただそれだけを口にした。
「よし、行くか!」
「なんで俺、この人の舎弟なんかやってるんだろう」
傘を持たない方の手で頭を押さえるシャフト。
その肩に、今度はエルマーが手を乗せた。
「悩み事かい?じゃあ、とりあえず笑おう!笑顔ってのはジャンケンで言えば後出しなんだ。どんな悲しみも怒りも、後から笑顔になれば打ち消せるんだよ!笑顔は魔法さ。どれだけ不幸な生涯を送ってきても、最期の数秒、首切り役人の刃が振り上げられて落ちるまでの間に幸せに笑う事ができれば、その人の存在は祝福そのものさ」
「それができれば苦労しませんけどね?」
「苦労してでもやる価値はあるよ?」
自信満々に頷く男に、シャフトは不気味なものから目を逸らすように視線を動かし、呟く。
「......エルマーさん、会ったばかりでこんな事言うのもなんですけどねえ......。貴方のその底抜けに楽天的な人生観が、今はちょっと羨ましいです」
「はは、そんなに羨ましがられるようなもんじゃないよ」”