戸部良一のレビュー一覧
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野中郁次郎先生の"本質"シリーズの4冊目です。
"戦略の本質への答えは「知略」である。これは日々変化する状況下のもとで組織員一人一人の実践知によって「いま・ここ」に相応しい行動を取らせる唯一の方法である。"
知略とは、マネジメント・リーダーシップ領域の概念だと言う説明が冒頭になされている事からもわかる通り、焦点の当て方がスターリン、チャーチル、ホー・チ・ミンのリーダーシップ論に比重を置いているように思えました。『戦略の本質』でも取り上げられていた独ソ戦、バトル・オブ・ブリテンベトナム戦争が題材です。
以下、章別の気付きのサマリーです。
■独ソ戦
国防 -
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知略とリーダーシップの本質に迫る失敗の本質シリーズの最終章。構成は前著群と変わらず、時系列かつ叙事的に戦闘展開を述べた後に、アナリシスを導出するというもの。
失敗の本質以上に、企業経営その他あらゆる勝負事に援用しやすいフレームワークにまとめてある点で、その有用性はシリーズ最終作に相応しいものと言える。
冒頭p7より引用。この部分こそが核心となる。
"軍事戦略をめぐっては従来、攻撃と防御、機動戦と消耗戦、直接アプローチと間接アプローチといったような二項対立的なとらえ方があるが、われわれは、そうしたとらえ方よりも「二項動態」的なとらえ方こそ、戦略の本質を洞察していると理解している。戦略現象を「 -
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ネタバレ失敗から学ぶことは多々あり、それが戦時のことであれば、生死をかけた戦略や行動であるために、更に学ぶべきことは多いと考える。ただし、完ぺきな人間などいるはずもなく、限られた情報の中で、限定合理的に行動した結果であることを念頭に置く必要がある。
・ウェーバーの価値自由原理である、ヒト/モノ/カネを効率的に利用できているかという効率性の問題と、価値の問題は分けて考えるべきというのはなるほど。そして、効率的なものが常に正当であるということにはならないというのも納得である。
・戦時において、成功した体験は、なかなか否定できない。実績が一度伴うと、それに寄りかかってしまう。必要な時には自己否定ができる -
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2012年7月に書かれた本で、1984年に書かれた「失敗の本質」に対して多面的な検証とさらなる考察が実施された本、「失敗の本質」はずっと読みたかった本なのですが、まだ読めておらず、先に新しい版を読むことになりました。
相応の歴史知識や、太平洋戦争時代の人物像に関する情報がもともとないと、やはり難解であるとは思うが、それなりに長い間勉強してきてから読んだので、僕にはさらに造詣が深まったと思う。
『戦場のリーダーシップ』という観点では、僕もこれまでいくつか勉強してきてましたが、「キスカ撤退の木村」や「組織人になれなかった天才参謀 石原莞爾」、「独断専行はなぜ止められなかったのか 辻 政信」など -
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満州事変後の外務省革新派とよばれる外交官の派閥について書かれたもの。緻密な調査研究に基づき論理的かつ学術的に話が進められており、説得力がある。太平洋戦争に至る我が国の政策決定に与えた影響についてよくわかった。印象に残る箇所を記す。
「政党は政争に明け暮れ、党利党略にかまけて国民の要望に応えず、最も重大な国防を軽視しているように、少壮軍人たちの目には映った」
「利潤本意の資本主義経済や政党主体の議会政治は、既得権擁護に傾きがちで国民の要望に応えないばかりでなく、時代の要請つまり「世界史的大変動」にも対応できない、と彼らは批判し、経済の計画化と効率化、国民の経済的・社会的平等の実現、それを基盤 -
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日本が大東亜戦争で敗戦したことは知っていても,なぜ負けたのかということまでは,なかなか歴史の授業で学ぶことはないと思います。
敗戦の原因はどこにあるのか,将来にいかすべき教訓は何かということを研究したのが本書です。
文章が読みにくいということはありませんが,出来事や人物に馴染みがないので,やや読み進めるのに苦労しました。
私は自分の仕事や生活にどう活かしていくかということを考えながら読みました。
本書を読んでの私なりに得た教訓ですが,
・成功体験ばかりでもそのことだけに囚われて,視野が狭くなってしまい,そのことが大きな失敗を招く。それゆえ,失敗も貴重な経験。
・帰納的思考を大切に。経験か -
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太平洋戦争における日本軍という組織の問題点をターニングポイントとなった戦い毎に解析し、問題を振り返るもの。
全般に、ほぼ「組織内融和」、「二重目的」という2つの要因に集約している。
① 「組織内融和」とは、是非の判断を行う際、人間の感情(特に「面目」や「恥」)を使用して実施する「優先度判定」である、ととらえた。例えば、ある進軍の是非をとらえる際、「あいつは関係が深い後輩だから『無条件に』後押ししてやろう」とか、そういうものであろう。
それが組織を運営する上で問題だったか、というと、「根拠なく後押ししたらいけない」、ということなのだと思う。信頼関係が構築できていれば、後押しすることはよくある。 -
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学術的な本なので難しい部分はあったけど、組織論に少しでも関心のある人は読むべきだと思う。組織論のバイブル的な扱いも受けているし、日経でもこの本を解説するコーナーがある。
日本軍がなぜ大東亜戦争(第二次世界大戦)で敗北したのかを組織論的な観点から論じている。読み進めていると、「こりゃあ、酷いな」と日本軍の実態に驚くはずだ。陸軍では奇妙な人情主義がまかり通り、作戦で大失敗した指揮官が「かたき討ちさせてくれ」と懇願すれば、重要な作戦に再び起用する。海軍は日露戦争での日本海海戦の大勝利の経験が忘れられず、古くなってしまった決戦思想に執着する。
単に日本軍を批判する本ではない。日本軍の失敗から、組