戸部良一のレビュー一覧

  • 失敗の本質

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    本書は歴史の専門家と組織論、社会学の専門家6名がそれぞれの英知を結集し、組織論の側面から数々の無謀とも思える勝算の低い作戦がどのようにして策定、意思決定され、そして実施されていったかを検証したものである。ケーススタディとして、ノモンハン事件、ミッドウェー海戦、ガダルカナル、インパール、沖縄戦 の6つの事例を抽出し、それぞれから導き出される共通性と、その背後にある組織としての普遍的な行動原理をあぶりだし、一般化を試みている。日本国民のみならず周辺各国にあれだけの多大な犠牲を強いた戦争からなにかを学び生かしていくことは、後世に生き、平和を教授しているる我々にとって責務であろう。

    情緒的な人間関係

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    2018年10月08日
  • 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

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    真実はいずれとしても、いろんな角度で意見が出されているところが面白い。特に、バンザイ突撃の日本軍とアメリカ軍の双方の捉え方の相違が、興味をそそった。

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    2017年12月03日
  • 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

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    野中教授が主張されている「現場感覚」「大局観」「判断力」を有した「フロネティック・リーダー」を裏付けるための、戦時の事実・将校の行動を通じて各専門家が論じている。
    自分は、「石原莞爾」「辻政信」「山口多聞」の考察が大変深く印象に残った。
    天才肌故か、組織に目配せする能力が欠落していた石原。
    軍の基本ポリシーに忠実すぎるが故に数々の失策に対し誰も苦言を呈すことができず、結果的に独走を許してしまった辻。
    組織や上官への抜群の目配せと溢れる程の愛国心故に自らの不利をあえて飲み込み率先して殉職した山口。
    ヒューマニズムに偏った感想になってしまい、申し訳ありませんが、私にとっては非常に参考になりました。

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    2017年05月07日
  • 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

    購入済み

    素晴らしい

    名著「失敗の本質」の続編です。野中先生の理論が醸成させ、より判り易く書かれています。心あるビジネスリーダー必携の書です。

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    2014年08月16日
  • 外務省革新派 世界新秩序の幻影

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    まずは改めて満州事変の同時代における衝撃の大きさを痛感する。
    幣原外交の寵児と言われた白鳥であったが、
    満州事変を引き起こした者達の理念や理想をダイレクトに体感するこで
    それまでの価値観がふっとんだことであろう。
    理解を超えた事変の展開の中で、理想は実現可能なのだ、
    世界は変革することができるのだと思ったことであろう。
    それがどんどんエスカレートし敗戦前についに「世界維新」という
    発想に至るとはなんて極端に突き詰めたのだとびっくりする。

    これは革新派の性格にもよるのかもしれないが、
    事変が勃発したり敗戦が濃厚となったときに従前の論理を覆し、
    新秩序建設なり神懸り的言説なりが発信されているよう

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    2014年01月23日
  • 失敗の本質

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    失敗は成功のもとである。そして同時に失敗は、更なるドツボへの始まりにすぎない場合もある。
    本著では太平洋戦争で米国に破れた数々の局所戦(レイテ海戦、沖縄、ミッドウェー等)を振り返り、次に組織、戦略における日本軍の失敗について総括する。結局日本は局地戦での失敗を次にフィードバックする事なく、戦いに敗れてしまう。
    30年も前の本のようで、パッと見難解そうな印象を与えるが読み物としても面白い。
    失敗をとらえ、自己修復する力。組織でも個人でも、この能力の有無は大きい。

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    2013年09月11日
  • 失敗の本質

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    日本軍がなぜ負けたかを組織論から、明解に解説した名著。

    ノモンハン、ミッドウェー、ガダルカナル、インパール、レイテ、沖縄戦の戦闘を分析して、①戦略上の要因分析 と ②組織上の要因分析 から分析をしている。

    ①戦略上の要因分析では、戦略がなくなんとなくいきあたりばったりの戦略性のなさから、失敗につながったと分析している。

    ②組織上の要因分析では、空気が支配しているように、ロジックではなく、その場の雰囲気で組織が進んでいったことが明らかにされている。

    日本文化の以心伝心の文化では、言葉に出してロジックで表現することがないために、いろいろな意味で今の日本社会の病理をも的確に言い表していると思

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    2011年06月29日
  • 失敗の本質

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    本書は歴史の専門家と組織論、社会学の専門家6名がそれぞれの英知を結集し、組織論の側面から数々の無謀とも思える勝算の低い作戦がどのようにして策定、意思決定され、そして実施されていったかを検証したものである。ケーススタディとして、ノモンハン事件、ミッドウェー海戦、ガダルカナル、インパール、沖縄戦 の6つの事例を抽出し、それぞれから導き出される共通性と、その背後にある組織としての普遍的な行動原理をあぶりだし、一般化を試みている。日本国民のみならず周辺各国にあれだけの多大な犠牲を強いた戦争からなにかを学び生かしていくことは、後世に生き、平和を教授しているる我々にとって責務であろう。情緒的な人間関係が入

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    2011年03月16日
  • 失敗の本質

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    最初読んだときはどこかで読んだようなお約束の失敗パターンかと思ったがこちらが大元かな。
    伝言ゲームも人数いくと質も落ちることも多々あるので基本のこの本に戻って今度は
    インテリジェンスの観点から探ってみたい。絶対処分しない本。

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    2009年10月04日
  • 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

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    戦争の大局観や是非を語るのではなく、其々の戦いの戦術戦略をリーダーの資質から解説したもの。負け戦には理由があることがよく理解できる。失敗だけでなく成功例も挙げている。現代の政治や企業の組織と照らし合わせると面白い。

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    2025年11月06日
  • 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

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    リーダーシップの本質は、フロネシス(賢慮)ないし実践知と定義している。
    "フロネシスの中身を一言で言えば、個別具体の物事や背後にある複雑な関係性を見極めながら、社会の共通善の実現のために、適切な判断を素早く下しつつ、自らも的確な行動を取れる「実践知」のことを言う。そうした知を備えたリーダーがフロネスティック・リーダー"
    フロネスティック・リーダーの能力
    ①善い目的を作る能力
    ②場をタイムリーにつくる能力
    ③ありのまま現実を直観する能力
    ④直観の本質を概念化する能力
    ⑤概念を実現する政治力
    ⑥実践知を組織化する能力
    典型はチャーチル、目的が共有できなければミッドウェイのように

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    2025年09月13日
  • 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

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    野中郁次郎
    リーダーの条件
    フロシネスに求められるのも           現場感覚 大局観 判断力
    タスクフォース
    パラパラでなく重要な課題を集中させる
    サイロの反対

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    2025年08月24日
  • 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

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    日本の戦時期のリーダーを元にリーダー層の分析を行う。
    戦争だけで忌避感出るなら避けたほうが良いですが、それがなければ一読はありかと。
    ただ難しいなと思うのは、結局人的資質(その人による)になりかねない所でしょうか。
    時代的に仕方ありませんが。
    どちらかと言うと社会や組織論として、「抜擢」の重要性を認識すべきかもしれません。

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    2025年04月03日
  • 失敗の本質

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    大東亜戦争の失敗事例を組織論の観点から分析している内容だが、現代でも当てはまることが多く学びの多い本。
    自分の読解力だと難易度が高かったこともあり、読み終わるのに時間がかかったが面白かった。

    失敗の本質は何個か挙げられていたが個人的には特に3つのことが考えさせられた。
    ①情報の軽視
    会社でも他の部署が何を考え何をやってるかわからないことも。結果組織として一貫性のない仕事となっていることが多い。
    ②過去の成功事例に過度に適応しすぎた組織体
    これは大企業の方があるのでは?という気がした。適応しすぎて硬直化し、いざ環境が変わっても変化できない。最終的には外圧でしか変われていないというのが悲しい。

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    2025年01月31日
  • 失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

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    2024/07/05読破 
    一言 リーダーとしての戦績

    感想 戦争時代のリーダー達の良かった点、悪かった点を根拠を基に記載してあり、とても面白かったです。

    下記は印象に残った点
    「暗黙知」思っていること
    「形式知」思っていることを言葉にすること
    「実践知」言葉を形にしていくこと

    フロネシス=実践知

    リーダーに求める能力
    ①「大局観」②「現場感覚」③「判断力」

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    2024年07月06日
  • 失敗の本質

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    太平洋戦争での失敗とされる6つの作戦について、前半でその経緯、後半で論理的な分解と分析が記されている。

    ガダルカナル島やインパールで多数の犠牲者が出たということはなんとなく聞いたことがある程度の知識で読み始めたが、書き手の思想を排除して、ひたすら淡々と当時の事実が述べられている前半が特に面白かった。戦後すぐの文献が使われてたりして言葉が難しかったり、史実が気になったりする度にググって確認しながら夢中で読んだ。
    前半部を読むだけでも、日本軍という組織の良くないところが分かるんだけど、後半の分析部を読んで前半で自分なりに感じた感想の答え合わせをし、さらに理解が深まるという感じ。

    負けると分かっ

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    2022年06月04日
  • 決定版 日中戦争(新潮新書)

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    有識者5人により日中戦争について書かれた本。3部10章から成り、5人で各章を担当している。特に、戸部先生と庄司氏の内容が素晴らしく、勉強になった。

    「(日中専門家による共同研究)太平洋戦争の勃発によって中国は、世界大の「反ファシズム統一戦線」の重要局面である中国戦線を一手に担い、日本軍を消耗させたがゆえに、連合国の「世界反ファシズム戦争」の勝利も実現した、という第二次世界大戦像は動かしがたいことを確認することになった。中国以外の連合国が抗日戦争の勝利に貢献したという側面が入る余地は少ないのである。以上のような傾向は、現在の習近平政権になって、さらに強まりつつある」p5
    「(リットン報告書)報

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    2022年05月08日
  • 決定版 大東亜戦争(上)(新潮新書)

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    冒頭が太平洋戦争ではなく大東亜戦争というのでイデオロギー色の強いものかと思えばさにあらず。太平洋という米軍相手のものではなく、英米中ソとのそれぞれにある程度独立したものが重なった複合戦争で広域で行われたことと、戦争目的が開戦時の自存自衛から大東亜新秩序建設に変容していったことを主な理由としている。

    その前提の下、各章は別々の著者の下、オムニバス的に展開されるが、英米の戦争指導を概観した2章、中国国民党・共産党の戦争観や指導方針についての3章、財政金融面からの6章が、自分にとっては大東亜戦争を見る新たな視点として、特に面白かった。

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    2022年04月10日
  • 決定版 大東亜戦争(下)(新潮新書)

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    特に第7章戦争指導体制、第9章戦争終結、第11章賠償問題が勉強になる。個人的には下巻の方が面白かった。
    ・日本は統帥権を実務レベルで調整する仕組みを最後まで持たず、大本営会議は報告の場に過ぎなかった。これは、デモクラシーのイギリスが戦時独裁を許容したこととの対比で興味深い。
    ・日米間に存在した信頼関係のためポツダム宣言を受諾することができた。

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    2022年01月10日
  • 決定版 大東亜戦争(下)(新潮新書)

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    上巻に続いて、下巻では大東亜戦争や太平洋戦争と言う名前付けや、戦後の皇族のアジア諸国に対する慰霊の旅や戦争終結に向けての動きなどが書かれています。
    大本営と言う存在が上手く機能せず、軍部が勝手に動いて、中国での戦争の場を広めていく。政治家である民が軍をコントロールしないといけないが、それが出来ない国は滅びていく。

    今回印象的だったのが、外交の大切さではないかと思いました。長い目で見て、譲るべき所は譲り、機が熟したら、果敢に攻める。しかし、軍隊は短期的な視点でしか見れない、目の前の利益を手に入れないといけないから、譲ることはないという。人の本能の様なものかもしれませんが、戦争ほど非効率的なもの

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    2021年10月27日