あらすじ
満州事変から始まり敗戦で終わる足掛け15年の戦争は、従来、「先の大戦」「あの戦争」などと曖昧な呼称で論じられてきた。しかし、本書のために集結した歴史家たちは今回、敢えて「大東亜戦争」の表現を選んでいる。イデオロギーを抜きにすれば、この呼称こそが「あの戦争」の全貌を最も的確に伝えるからだ。二分冊の上巻では、開戦後の戦略、米英ソ中など「敵国」の動向、戦時下の国民生活の内実などに迫る。
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Posted by ブクログ
冒頭が太平洋戦争ではなく大東亜戦争というのでイデオロギー色の強いものかと思えばさにあらず。太平洋という米軍相手のものではなく、英米中ソとのそれぞれにある程度独立したものが重なった複合戦争で広域で行われたことと、戦争目的が開戦時の自存自衛から大東亜新秩序建設に変容していったことを主な理由としている。
その前提の下、各章は別々の著者の下、オムニバス的に展開されるが、英米の戦争指導を概観した2章、中国国民党・共産党の戦争観や指導方針についての3章、財政金融面からの6章が、自分にとっては大東亜戦争を見る新たな視点として、特に面白かった。
Posted by ブクログ
そういう史観の本では無い。どちらかと言えば、下巻の方が読みやすかった印象。
太平洋での英国と表題に関わる呼称の話は、あまり目にしたことが無かったので興味深かった。
Posted by ブクログ
最初は「失敗の本質」のような戦略面からの日本の失敗を書いたものかと思いましたが、日本という立場だけでなく、アメリカやイギリス、そして中国から見た太平洋戦争と言うのが興味深かったです。
先進的なアメリカでも、海軍や陸軍で利益が異なり、一枚岩てなかったと言うのも始めてしりました。ヨーロッパと太平洋の2面同時に動けるのはアメリカぐらいかもしれませんが。ドイツこそが本丸と言うのも、納得出来ます。
中国もまた終戦間際に、日本からの和平を持ち込まれたりとした話もあったのですね。
今の政治家と、戦中の政治家は、そんなに変わらないのかなと想います。他人事のようですからね。