おかざきおかのレビュー一覧
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シリーズの5作目。
第一話 ぴっかり千両
第二話 墨流しと民藝
第三話 春霞の小箱
ふじさき記念館も残すところ半年ほどで閉館する。
そんな中、百花は夏休みにサークル遠足として東秩父へ和紙の紙漉き体験へと出かける。
古い町並みや趣きある鄙びた雰囲気を存分に楽しみながらも滲み出る歴史の厚み、時の流れの儚さを思い貴重な体験をする。
体験して得るものは、価値があり何ものにも代え難い貴重なものとして残るだろう。
この中で、「西本願寺本三十六人家集」を知る。
三十六歌仙の和歌を集めた装飾写本であり国宝だと。
歌を読み学ぶためのものであり、美しい筆跡を味わう。
初めて知り得ることが多くて勉強になる。
墨流し、これは水と墨と風だけで作り出す。
人間には作り出せない世界であり、一回だけの形。
いろいろな体験をすることにより、ふじさき記念館でのワークショップに活かすことができ、閉館へと向けて準備も順調に進んでいくのだが、年が明けてから世の中の雰囲気が変わってきつつあった。
2月まではなんとかワークショップもできたが、3月にはとうとう中止となる。
そして、先の見通しのないまま、閉館セレモニーもなく、記念館の最終日を静かに終えるのだった。
ラストが、寂しいのだが今回もものづくりをしている人たちの姿、ものに宿った手の跡に心惹かれる。
伝え続けることの難しさもあるが、けっして無くしてはならないものだと気づかせてくれた。
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葉二の実家にご挨拶に行ったり、関西に暮らし始めたり、就活が本格的に始まったりする巻。
リアルな就活生活に、あるある、わかるわかる、と共感する場面がいくつも出てくる。著者のリサーチ力はさすが。まもりちゃんと周りの子達もしっかり就活やら教育実習やらやっててえらいな...。
葉二も今回は無神経なことを言わず、前回のことはしっかり反省しているようで、まもりちゃんを労り、気遣ってくれる場面がところどころあってほっこり。いやーほんとにまもりちゃんよかったね。2人の関係がどんどん良くなって、どんどん深まっていって、これからどんなことがあっても2人なら大丈夫だろうなと安心しきっています。 -
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キャラクター小説風の表紙を見ていると、主人公の百花と館長の一成の間のラブストーリーなのかと思ってしまうが、少なくとも今のところはそうではない。
百花が、熱心さのあまり、一成に対抗意識さえ持ってしまうのが意外な展開。
持ち前のセンスと器用さで、和紙の記念館のバイトの範囲を超えて活躍する女子大生、百花のお話の三冊目。
割と若い読者を想定したシリーズのようだが、内容的にはもっと上の世代にも共感されそうな内容だ。
今回は、百花が母とその妹(叔母)とともに、信州飯田の祖母の家へ帰省するところから始まる。
母たちが育った田舎の家は、今は兄(主人公からは伯父)夫婦の家族が住んでいる。
その家が老朽化して、建て替えをするという話が出てくる。
主人公の百花より、懐かしい家がなくなってしまう寂しさを感じる祖母、実家を離れた母と叔母の方がクローズアップされていく。
実家の処分なんて話に直面する世代こそ、反応してしまいそうなところだ。
おばあちゃんのてるさんがとてもいい。
「誰かが困っているときは、自分のことは後に回してでも助けに行く」というあたたかい人物。
このおばあちゃんがSNSの使い方を学んで、どんどん発信していくようになるというのが、面白い。
それにしても、前の巻の蝋引きといい、このシリーズは今回の水引やガラスペンといい、次々と楽しそうなものを提示してくれる。
蝋引きはチャレンジできそうにないが、ガラスペンは、お試しだけでもいいから一度使ってみたい。 -
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第4弾。
百花も大学3年になり、新入生を迎える時期になる。
そこへ百花を訪ねてやってきた天野さんという新一年生。
彼女は、高校生の頃から三日月堂でアルバイトをしていた。
それが縁で、新入生歓迎遠足を川越市にする。
そして活版印刷の体験をすることとなる。
とにかく、百花も行動的になり、もはや1年前とは比べ物にならないほど。
いろいろなことに挑戦していく姿に応援したくなる。
それに付随して、むっつりと愛想のなかった記念館の館長もワークショップの講師もするようになる。
京都の染め工場の見学にも百花は付いて行き、今までにはない行動力なのである。
和紙の魅力に引き寄せられて、今まで眠っていたパワーを全開にした感じがした。
これからの記念館は、2人でどう盛り上げていくのだろう…か。
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第3弾。
百花は、年末年始に母の実家である飯田市へ…。
そこで祖母に水引きを教わる。
水引きとは、熨斗で使っているもの、としか印象になく一般的な紅白、黒白、黄白くらいだと思っていたが、最近では、カラーも豊富に使っている熨斗もある。
ただ小物を作るのは、かなり技術が必要だろう…と。
もちろん誰かの手解きがいるわけで。
1話から2話にかけては、水引きのワークショップを文字箱主催でやる〜そして、代理の講師で祖母が参加する。
この話も心が温かくなるのは、若い人や祖母まで年齢など関係なく、和気藹々とする雰囲気だろう。
水引きとは、「結ぶ」こと結び納めることから結納。
そして、助け合いの心。
水引きの雛飾りで…
そろそろお雛祭りの時期だ
3話は、ガラスペンとカラーインク。
百花の大学の後輩もインク集めの喜びを知り、どっぷりとインク沼にハマったらしい。
確かに文具大好き女子には、たまらないだろうと思う。
私ごとだが、やっぱり、ハマる。
特にインクの色など…。
ガラスペンは、持っていないが万年筆のインクは、色々使った。懐かしい。
今は、ボールペンの色にこだわってブルーブラックとオレンジとグリーンとゴールドを使い分けしているが…。
3話も文字箱が、ガラスペンとカラーインクをセット販売…ということで、インクのネームを考えるのに今回は、百花が苦悩する。
そして、またまた従兄弟の浩介による横槍が入って…と。
スムーズにはいかないところも一成と百花が親密になる要素かな…と思える。
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第2弾。
① ふじさき記念館、館長一成の美濃市行きに同行して百花と友人の莉子は、紙漉きを体験する。
美濃和紙の歴史、千三百年というのに驚き、紙の良さを伝えるだけでなく、和紙を使う文化や習慣自体も復活させなければならないと思う。
和紙の中に秘められた可能性を探り、和紙を今の世の中にふさわしい形で生かすことが、必要だと感じた。
かなり詳しく美濃和紙について書いてあるので、とても勉強になった。
一度、美濃市へ足を運んでみたいと感じた。
② 彫金デザイナーの雫のパッケージのアイデアやディスプレーなど百花の意気込みが、ジンジンと伝わってくるので、応援したくなる場面が盛りだくさん。
ここでは、一成の従兄弟が登場するのだが、彼の嫌味もサラリとかわす一成が男前である。
③ 一成の大学時代のゼミの先輩のお店、新刊と古書の両方を扱うセレクトショップ「文字箱」で記念館のグッズを扱ってもらう。
そこで、百花は亡き父の小説を見る。
これも何かの縁…なのかと思ってしまう。
記念館と文字箱とのコラボで、蝋引きしたペーパーに小説の一部を印刷することを思いつく。
それが、物語ペーパーになる。
この発想と直ぐに実行に移し、自分で見本を作ってみるというのが、とにかく凄い。
おとなしかった百花が、成長したなぁと感じる。
次々とアイデアが、湧いてくるのに、若さなのか…とも思いながら、ますます応援したくなる。
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ネタバレ「紙屋ふじさき記念館」その3。
前巻で百花の企画した「物語ペーパー」から、さらに新しい個性的な書店主たちとの出会いを呼び、また新たなコラボ企画が記念館に持ち込まれる。
第一巻で百香が初めて作った麻の葉紋様のカードのヒントとなった飯田の祖母の家で、水引細工の手仕事を讃美するエピソードを挟み、カラーインクとガラスペンの物語へ。
物語としては、またまたやたらとトントン拍子。
百香も一成も、本作では大きな人間的な成長も、恋愛的な進展も無かったような。うーん。
そして、またまた好みの問題かもしれないけど、表紙のイラストが…とにかくうるさい。色も素材も、とにかくうるさい。
そして、一成らしき男性の左腕の長さが変!
作風に、どうにも合ってないような…
巻末で、『キャラクター文芸』という言葉を見て…
少し前に読んだ「拝啓、本が売れません」の中で、ラノベはとにかく強烈なキャラを必要とする…というようなことが書いてあったんだけれど、どうやらこのシリーズはラノベと文芸書の中間狙いなのか…?
ラノベも読むし楽しめるけれど、ほしおさなえさんにはそれを期待していないので、どうもどこか物足りない。
もし、このシリーズを読んでほしおさなえさんのファンになった人がいたら、それはそれで結構。でも、次はぜひ、「三日月堂」を読んでもらいたい。
ところで…ガラスペンは、本当に美しいです。
インクが溜まっているところも美しいので、無色透明のガラスペンを持っているんだけど、幸い?あいにく?私がインク沼にそれほどハマらないのは、カラーインクを画材としてしか使わず、文字を綴ることにはそれほど執着が無いからか。 -
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久しぶりに読んだけど自然な形であらすじが物語に組み込まれていて
三日月堂の空気も自然に自分に戻ってくる
今回はPC関連も手作り感覚で描写されてる(^。^)
才能のある人 周りに与える影響はいろいろ
人目のことばかり考えていると、どうしたって人間は小さくなる
ありのままにふるまっている人間に魅力を感じる
身の丈のあった豊かさーかわいらしさや好み
高級じゃない
なにかを感じるためには、時間をかけなくちゃいけない
時間が節約されれば思いも減ってしまう
手のかかったものを持つことで、豊かな気持ちになる
そしてそこにある物語を知ることで、理解が深まったり惹かれたりする