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累計43万部突破の超人気シリーズに、ついに文系でもわかる「実用書」が登場! 「ビジネス×統計学」の最前線で第一人者として活躍する著者が、日本人が知らない「リサーチデザイン」の基本を伝えたうえで、経営戦略・人事・マーケティング・オペレーションで統計学を使う知恵と方法を詳細に解説します。
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Posted by ブクログ
本書の結論は、企業の収益性を向上させるためには先人が積み重ねた理論を自社に適用できるようにカスタマイズする必要があり、そのために統計リテラシーを身につけようということである。本書では抜本的な幹となる活動の改善を最終目的とし、経営戦略、人的資源、マーケティング、オペレーションの4つの領域について理論と...続きを読む具体的な分析手順が詳しく解説されている。本感想では、なぜ先人の理論に加えて統計解析が必要となるのか、どのように統計解析をするのかという2点について述べる。 1. なぜ先人の理論に加えて統計解析が必要となるのか どのような状況にも適用できる万能な理論は発見されていないからである。例えば、経営戦略を考える際に有名なフレームワークとして外部環境に着目するSCP理論、内部環境に着目するRBVがあるが、これらはどちらかが間違っているのではなく、「状況次第」で使い分ける必要がある。そしてそのヒントは企業のデータを用いた統計解析によって得られるのである。 2.どのように統計解析をするのか 統計解析の手順は、分析対象の設定→説明変数とアウトカムの決定→データ収集→データ分析→分析結果の解釈とアクションである。各手順の詳細は本書に任せるが、最も重要なポイントは最終目的に沿ったアクションを起こせるように解析を行うことである。 企業の収益性を高めることはすべてのビジネスマンに求められる課題である。経営学の理論、データ分析の両方に精通することで、ビジネスマンとしての市場価値をより高めることができると感じた。
具体的な統計の使い方が書いてあるので、すぐにでも実行できそうなものもあった。特に人事とマーケティングに関しては簡単にできそうだという感触を受けた。 予測よりも洞察のための統計が重要視されているのは前著、前々著の精神を受け継いでいる。
センスと事例で分析をするなとして、先人がどこまでのことを明らかにしていて、どこまでのことか分かっていないかを把握して、まだ分かっていない重要なことを減らすためにはどのようにデータを集めて分析するかを考える「リサーチデザイン」の紹介を導入に、経営戦略、人事、マーケティング、オペレーションとリサーチデザ...続きを読むインのひな形を挙げて説明する。 それぞれに分かり易い事例などと合わせて陥り易い間違えなどにも言及されていて、理解が容易な構成になってます。 とにかく小さくでも分析を始めて、その結果を元に、実際に試してみる。そこから何をどう分析するかを増やし、更に試行を行う。その繰り返しで大きな分析と実践に繋げていくのが良さそうです。
経営戦略、人的資本管理、マーケティング、オペレーションの順にデータ分析と活用の手法を具体的に解説した良書。 共通するのは、適切なデータ分析対象範囲を決め、適切なアウトカム(=目的変数)を設定し、これに関係しそうな説明変数候補を決め(この時、先行研究で使えるものがあれば大いに参考にする)、ステップワイ...続きを読むズ法などで説明変数を適度な数に縮約し、重回帰分析やロジスティクス分析により有意な説明変数を特定し、これを変えることでアウトカムに良い効果が出るかをランダム化テストで検証して改善に繋げる、という流れ。 そのうえで、それぞれのデータ活用におけるポイントもしっかり解説されていた。 経営戦略に関するデータ活用では、アウトカムは総資本利益率が望ましい。必要な説明変数データを収集するのに、帝国データバンクのようなデータ会社のデータのほか、業界団体や、顧客からの評価が知りたければマクロミルなどの調査会社の活用や、営業マンの資質などであれば業界記者や取引先などが使えるとのこと。 人的資本管理については、パフォーマンスの3割程度はIQやSPIで明らかになる汎用的な知能で説明できるが、残りの7割は個別の特性が効いてくるということ。人事情報はアウトカムについても、適宜補正可能な指標を選んでおくことが大事。 マーケティングでは、ターゲットセグメントを決める段階では、重回帰分析やロジスティクス分析ではなく、クラスタリングを用いて有意なグループを見出だして選ぶべき。これは、マーケティングのターゲットセグメント選択は、すなわち他のセグメントを捨てるということであるため、少なくともその変数を満たせば良いという経営戦略や人的資本管理における重視すべき変数の特定とは異なるアプローチが必要であるということである。セグメントが決まれば、当該セグメントの顧客のデータを集め、何がアウトカムである購買行動に繋がっているのか、繋がっていないのかを特定し、どこを強化すべきかを見抜く。 オペレーションでは、どの工程がボトルネックであるかを見抜いたうえで、そこを重点的に強化するべきである。そして、当該ボトルネックのアウトカムと説明変数を明らかにして何を強化すればアウトカムが向上するのかを明らかにする分析とともに、適正な在庫や仕入れやリソース投下を行うための「予測」も必要になる。予測では、他の説明変数だけでなく、過去の目的変数の実績値(例えば過去の売上)を自己回帰的に説明変数として予測する手法も有効である。 経営の戦略や戦術への深い理解と洞察力を併せ持った統計学の専門家の著書として、非常に読みごたえがあった。
難しくて、具体的な説明になると、 ついていけなくなるんだけど。 それでも納得できる。 これはそうなんだ、やっぱり、そうなんだ、と。 だから、少しでも理解できるように頑張りたい。 そんなことを思ってしまった。
ただでさえ統計学のビジネス利用を主軸としたシリーズの「ビジネス編」ということで、どこまでビジネスに特化した内容なのかと期待と疑問を同時に抱きながらも手に取る。 前回までの内容と同じく統計学に関する前提知識はほとんど仮定されていないと言える。結果的にビジネスでどのように分析するのかの詳細な具体的な例...続きを読むがあるわけではないので実際に手を動かして勉強することを期待するとがっかりするかもしれない。 しかし、統計学をビジネスの場面で活用する上で「著者はここまで広範な知識を持っているのか」と驚かされる一冊だった。 「AI・データ分析プロジェクトのすべて[ビジネス力×技術力=価値創出]」などのデータ分析系の書籍ではよく述べられることだが、 データサイエンスや統計をビジネスに活用していくには統計知識・エンジニアリング知識・ビジネス知識のすべてが必要だといわれる。 少なくともビジネス知識に関しては、この著者はかなり広範で実践的な知識を有していると感じさせる一冊だった。 すなわち、実際にビジネスで統計を生かす人物の、 統計力 × ビジネス力 がどのようにして力を発揮するのかを知ることのできる本だと言える。 本気で統計を仕事に生かそうと思うのならば統計以外にどのような知識を学ぶべきかの指針を示してくれる一冊だった。
統計学を履修していたのと、前著を読んだことあったため、これらの知識を実践的にビジネスの場で活かすことができないかと思い読んでみた。 本書は統計学をビジネスに活かすというよりかは、統計学の視点を取り入れて経営・マネジメントを行うという印象だった。したがってマーケ、人事採用、経営戦略など経営学を勉強す...続きを読むる分には役に立ちそう。 自分はそのような立場にないので、実践活用のイメージは湧きづらかったが、理論的な意思決定や経営戦略を推進していく上では求められるスキルになりそう。
通常版、実践編に続いてビジネス編を読みましたが、タイトルの通り今までの本に比べると統計学よりはビジネスでの考え方が中心になっていた本でした。 ビジネスの分野も経営、人事、マーケティングと幅広くカバーできているので、データに基づいた意思決定をするための考え方を学べる内容でした。 ただ具体的な分析手...続きを読む法については詳しくは書かれていないので、その場合は実践編を読んだ方が良いなと思いました。また内容も統計学というよりはビジネスによっていたなと思います。
これはよかった! 「統計学が最強の学問である」のシリーズ第3作目。 1作目は途中から専門的過ぎて基礎知識もなかったこともありついていけなくなってしまいました。 なので、2作目の「実践編」を飛ばして3作目の「ビジネス編」を選んでみましたが、これは正解。 ビジネスでどのようにデータ分析していけばよいか...続きを読むのステップを具体的に解説してくれているので、そこそこついていくことができました。 本書では、4つの分野において、それぞれで分析の仕方を具体的にステップバイステップで解説してくれています。 ・経営戦略のための統計学 ・人事のための統計学 ・マーケティングのための統計学 ・オペレーションのための統計学 そして分析手法として出てくるのは主に2つ アウトカム(最大化または最小化したいもの)が定量的な数字の大小を表す場合には重回帰分析。定性的なものの場合はロジスティック分析。 と分析手法を2つに絞ってくれています。 まず、筆者が一番に上げていることは、リサーチデザインの考え方。どこまでが明らかになっていて、どこが未知なのかを明確にした上で分析すること。そして、枝葉よりも幹となるところの改善を行うことが重要とといています。 そして、4つのテーマについてです。 経営戦略についてですが、リサーチデザインを踏まえて、いままでの経営戦略論についての復習があります。プロダクトポートフォリオ、SWOTや5フォースなどなど。 その上で統計学的な戦略決定の手順を アウトカムを総資本利益率として以下のステップで分析していきます。 (1)競争する市場の範囲と分析対象企業の設定 (2)分析すべき変数の洗い出し (3)必要なデータの収集 (4)分析および結果の解釈 アウトカムが総資本利益率なので、重回帰分析で分析を行う事例を紹介しています。 人事については、同様のステップで分析していきますが、アウトカムの設定が難しく、分析手法も定性的になるのでロジスティック回帰分析を用いる例を紹介しています。 マーケティングも、コトラーや4P分析が復習で述べられています。 マーケティングの分析では、先のデータ分析の4ステップを最低3週回す必要があると述べています。 また誰に売るかといったセグメンテーションを分析するにあたり、その分析手法は、重回帰分析でもロジスティック回帰でもなく、決定樹によるクラスター分析がお勧めとのこと。 ポジショニングを分析するには重回帰分析やロジスティック回帰分析を用いるということで、セグメンテーションとポジショニングで分析手法が異なります。 最後、オペレーションの改善に当たっては、バリューチェーンをベースにそれぞれの活動のアウトカムを明確にして、解析単位を決めていくことを述べています。そして業務分析をするにあたっては、まずは今あるデータから分析すること。とにかくできる範囲で分析していき、ある程度作業が見えてきた段階で分析基盤をつくるということ。 ここちょっと耳が痛い.. さらに一番大変な作業はETLということで、これについては腹落ちします。 ということで、4つのテーマについて、何をアウトカムにして、何を説明変数として捕らえ、どのようにデータを集めて、どの分析手法で分析するかを具体的に説明してくれるので、理解が進みます。 今まで読んできた本は、あくまで統計学の説明や基礎でしかありませんでしたが、本書ではビジネスの現場でどのように統計学が利用されるかがイメージできるのがよいです。
実際にデータ分析して、分析した結果を活用する際の 事例に近いものを載せてくれている本。 細かく書いてくれていることもあって、 新しい発見とか自分自身の経験からそうだなって思うところとか、 いろんなことを見つけることが出来て面白かった。 マーケティングは外部の人をターゲットに、 人材育成は内部の人を...続きを読むターゲットにといった観点で書いてて、 データ分析の行き着く先はパーソナライズなのかな。 【勉強になったこと】 ・アウトカムの設定が不適切だと分析レポートはゴミ。 どういった顧客を重視するか?といった分析では、 「一度の購買単価ではなく、長期的・継続的に購買して くれる顧客かつ粗利をもたらしてくれる顧客」 と設定してから分析に臨むのが本来正しい。 ・企業の持つリソースが競争優位性を左右するかどうかを チェックするフレームワークとして、VRIOがある。 Value(顧客にとっての経済価値) Rarity(他社が手に入れにくい希少性) Imitability(他社が模倣しにくいものであるか) Organization(各資源を有効活用出来る組織か) ・分析変数として使うべきものが何かを アイデア出しをするにしても、ただ単にやるだけだと 意外と知れているアイデアしか生まれない。 まずは先人たちが考えたことに目を通すこと。 例えば、学者たちの先行研究を参考にしたうえで、 改めて説明変数について考えるのがよい。 ・競争相手の売り上げを知りたければ、 大手企業の場合は 公表されている過去数年分の総資本利益率の平均値 を使って、儲かっている度合いの指標とする。 中小企業の場合は 帝国データバンクから入手する のがよい。 ・重回帰分析では、分析対象数よりも説明変数の数は 少なくなければならない。 ・より説明変数として採用したほうがよいものを選択する方法として、 ステップワイズ法がある。 SAS, SPSSだけでなく、R等でも普通に使える。 ただし、ステップワイズ法を行ったあと、 当たり前すぎる変数が選択されていないかをチェックするのは人。 ・IQにしてもSPIにしても、一般認知能力が高いと 高いスコアが出る。そのため、上記指標が高いスコアの人は、 ある程度は優秀であるとみなすことは間違ってない。 ・性格特性を見る軸としてあげられるのが以下のビッグファイブ 外向性(社交性) 調和性 誠実性 感情の安定性 経験への開放性(感性や想像力) ・リーダーの分類 指示型リーダー 支援型リーダー 参加型リーダー 達成志向型リーダー どのタイプが優秀かという議論はなく、 どの環境だとどういったタイプがよいか? と環境とセットで考える必要がある。 ・一般的な分析の流れ 分析対象の設定 変数のアイデア出し 必要なデータの収集 得られたデータの分析 分析結果の解釈(考察) ・人の性格を分析するときは、アンケートを取って データを収集するのが一般的である。 そのときにどんな質問項目を作るか悩んだときは、 検索キーワードに、知りたい概念と"質問紙尺度"と 入れれば、心理学者が作った心理測定尺度が見つかる。 ・分析した結果、相関の強い説明変数が存在した場合、 縮約といった作業が必要になることがある。 ・心理検査において相関が高いとは、 0.3〜0.4を超えたか否かを目安にすることが多い。 ・人の分析をするときは、 非常に優秀な人材とそれ以外 普通以上の人材とダメな人材 を一緒に分析してはいけない。 なぜなら、判断する基準が変わるからだ。 ・企業の人的資源管理において、 ハイ・パフォーマンス・ワーク・プラクティス と呼ばれるやり方が注目されている。 ・マーケティングでは分析作業を3ステップに分けて 行うことが一般的。 1回目:セグメンテーションとターゲティング 2回目:ポジショニング 3回目:4P分析 ・マーケティングでは色んな分析情報を得ることが出来るが、 データの源泉は1箇所に絞ったほうがよい。 (シングルソースデータの分析) ・アンケートで情報を収集するときは1,000人程度、 最低でも400〜600人程度収集したい。 ・決定木分析は、1回1回の分岐については最適な判断が 出来るが、組み合わせた条件による識別は保証されない。 これを解決する手段として、ランダムフォレストという 学習アルゴリズムがあるが、こちらはこちらで分析結果を 相手に理解してもらうことが難しいといった欠点がある。 ・マネジメントの仕事とは、 バラツキの背後で何が影響しているかを考え、 その根本的な原因に対処する行為のことである。 ・業務のオペレーションを改善するためのデータ分析で 扱うデータは、業務に関わる情報システムに存在する データ。つまり、ノイズが多いというのが前提。 ・予測分析よりも洞察のための分析のほうが、 業務分析では圧倒的に活用しやすい。 何故なら暗黙知の見える化であるから。 ・何気に予測分析の精度は極めて低い。 実際、Googleのインフルエンザ患者数を予測する 計算式は実測値と大幅な乖離がある。 ・業務分析の結果に対して、どうアプローチするかを 分析だけを生業とする担当に考えさせるのは難しい。 ここに業務担当者の経験からくる考察を加えると、 より分析結果を有効に活用出来る。 ・自己回帰モデルで分析するときは、 月なら12ヶ月分、4半期なら8期分、というように、 周期性を1〜2周期捉えた状態で分析するのがよい。 ・過学習を避けるためにも検証は必要。 クロスバリデーション法による検証がオススメ。 ・どんな分析も100%の正解を出すものではない。 精度も重要だが、外れた場合にどんな問題・リスクが 生じるのかといったことと天秤にかけて精度を決めること。
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