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科学の発達とともに、私たちは少しずつ地球の生い立ちを解明してきた。戦争や探検、数学の進歩や技術革新などのおかげで、未知の自然現象の謎は氷解したのだ。海面や海底、地層、地下、南極、塩や石油などを通して地球46億年の歴史を8つのストーリーで描く。講談社科学出版賞受賞のサイエンティストによる意欲作。※新潮選書に掲載の写真の一部は、電子版には収録しておりません。
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Posted by ブクログ
(確か青山ブックセンター本店の平台で見かけて興味を持ったような記憶) 地球を様々な観点から見る科学的な本。深海、海底、白亜紀、南極、塩、地中などを説明してくれる。 なんと言ったらいいか。ちょうど絶妙に知らない事と知ってる事の狭間を埋めてくれる、読んだ事のない面白本だった。物理とか化学とかの苦手でよ...続きを読むく分からない分野とはちがって興味はあるのが地学。そっち方面を、ど素人には分からないけれど、専門家に読ませるほどでもない、まさに自分のレベル程度に書かれていた。
自然科学の視点から、悠久の時の流れと地球環境の変化中で私たちが生きていることを、分かりやすく、時には詩的な物語のように教えてくれる本。序文で科学者がこのような一般書を書くことのジレンマが書かれているが、それを乗り越えてこのような一般層へのアウトリーチをしてくれたことに対して著者の大河内さんに感謝した...続きを読むい。 海底火山の上に成長する珊瑚礁がプレートと共に動きながら冷えていくプレート自身の厚みで沈んでいき削り取られた珊瑚礁の部分が地上の石灰岩の地層になる。白亜紀。 オントン・ジャワ海台を形成した超巨大海底火山の噴火によって気候が変動し、海の流れが止まり、海洋無酸素事変が起きた。海で分解されずに堆積した有機物が黒色頁岩となり、石油になった。 巨大火山の噴火は気候を変え、文明を変えた。1815年のタンボラ山の噴火がホラー小説を生み出した。 600万年ジブラルタル海峡が閉じて地中海は干上がり分厚い岩塩の層ができた。 有馬温泉はその水源がはるか離れた太平洋ではないかと考えられている。地下でウランの崩壊による熱せられラドンやラジウム、ヘリウムを含んだ高温の温泉になる。
「科学ってすごい。科学者はもっとすごい!」。 顕微鏡の世界と衛星軌道上からの視点を結びつけ、数十億年前の原初地球を想像しつつ、古代人の思考を読み解く。そして現代社会の問題を解決する糸口を提供する。 科学と科学者の価値を見にしみて感じた読書でした。 良いっ!
地球の成り立ちや活動のおはなし。おもしろい…浪漫があります。 自然現象の解説本かなと思ったら、いや、それだけでも十分「へぇ、そうなんだ」と読み進めてしまうのですが、歴史や文化、時代背景のことも書かれていたり、用語などもわかりやすく説明する内容が本文中に書かれていて「この本を書いてる方はどれだけ頭がい...続きを読むいんだろう…」と感動しきりでした。パタパタとドミノが気持ちよく倒れるように、こうで、こうで、こうだからこっちとつながってという様に「おぉぉぉぉなるほど」と笑みがこぼれました。 地球史(本の帯にそう書かれていたので)好きな方にとって情報量などが良いのかはわかりませんが、全くの素人、せいぜい聞きかじり程度の自分にはとても興味深い本でした!いろんなことがつながっていく。普段小説派の方とかにも、ぜひ読んでほしいです。
科学的な記述の中に、ときおり挿入されるエピソードに、心が踊った。例えば、南極の初到達を争った2人の、勇猛さと悲哀。どこを向いても、南がない不思議な地点への人類初到達を、命をかけて目指した。気温はマイナス40度。防寒具なしで人間が外に出たら、血液が凍るレベルだ。1人は、最初北極点に向かっていたが、他の...続きを読む人が到達したニュースを聞き、それならばと南極に向かった。しかも、情報統制のため、南極に向かっていると隊員が知ったのは、南極大陸への着陸直前だったという。それでも、隊員の士気は高かったという。人類未踏の地というものに、みな強い憧れを抱いていたのだろう。 結局、2人の争いは、途中から南極に向かっていた人が、戦略のうまさもあり勝ち、科学的調査も兼ねてゆっくりと進んでいた人が負けた。2人の気持ちはよくわかる。とにかく、ゴールにつき栄誉を手にしたいという思いと、科学的な発見をしたいという思い。どちらも人間らしい感情だ。極限状態になるからこそ、人間の生々しい考え方の違いが出てくるのだろう。 海底の話も面白かった。地球の内部には、コアがあり、マントルが流れている。そのエネルギーにより生まれた歪みが海底火山で、さらにそれが隆起したものが我々が目にする山だ。その山の地層を見ると、何千、何万年前の地球の気候の変化がわかる。 地球がどんな歴史を経て、いまに至っているのかを知るのは、純粋に面白い。人間がいかに、卑小な存在かがわかる。地球にとっては、人間は最近生えてきたカビのようなものかもしれない。最近メンテナンス怠っていたからなぁ、とか思われているかもしれない。共生ということを考えると、地球にとって役立つ存在でないと、いつか淘汰されてしまうような気がする。視点を人間視点から、地球視点に変えると、今までの自分とはちょっと発想を変えられるような気がする。
学校の授業がこんな切り口だったら、さぞ楽しかっただろうな。 読み進めるほどに、なんだか自分がすごい発見をしたような興奮を覚える。 特に、第4章の深海底での巨大な火山活動。 海底に突如巨大な裂け目が幾つも生じ溶岩が溢れ出す。マグマが尽きることなく100万年にわたって溢れ続けた。。。想像するだけで恐ろし...続きを読むいけれど、神にでもなって見守り続けたい。 一度は耳にする『白亜期』のすごさも見逃せない。今の私たちの生活は、この白亜期があるからこそ。 塩のすごさも地球の歴史でよく分かる。 何度でも読み返したい一冊。
地球の成り立ちから、主に海や地殻の事がとても分かりやすくまとめられている。 例えば、 その昔(約二万年前)、海面は今よりも130メートルも下にあったようだ。海底で見つかる遺跡のような巨大な石なども、実は当時の人々の営みが海面上昇により沈んだものなのかもしれない。また当時は黒海も干上がっており、その後...続きを読む約9400年ほど前に、海面上昇に伴いボスポラス海峡から黒海に海水が流れ込んで、周辺の人々にとっては恐ろしい洪水となり、これがノアの洪水の起源ではないかという話も、非常に説得力がある。 他にも、海水はなぜ塩分を含んでいるのか、有馬温泉は火山が無いのになぜ温泉なのか、など、面白そうな話がたくさん出てくる。
地球について知らないことを丁寧に教えてくれる好著だ.地表の7割を占める海については分かっていないことが非常に多いことを前半で述べている.海底に巨大な火山がある由.白亜紀が現代社会を支える資源を生み出した時代であったと強調しているが,正鵠を射ている.最新情報を含めた知見を分かりやすく解説しているのは,...続きを読む地球に関する著者の理解度が深いからだと感じた.
この数週間で、「生命の星の条件を探る」(阿部豊著)で数十億年にわたる宇宙の歴史の話を、「地球の履歴書」(大河内直彦著)で数億年前とか、数千万年前のレベルの地球の歴史を、「日本史の謎は「地形」で解ける 」(竹村公太郎著)で数万年前から数百年前の日本列島の話を読んだ。この3冊を買ったのはタマタマだけど、...続きを読む数週間の中で読む組み合わせとしては、すごく良かった。いずれも、わかりやすい文章・構成で、とても面白かった。「地球の履歴書」では、この数十年の調査技術の発展(調査の原理の発展とコンピュータのデータ処理能力の向上)により、とくに海底の細かな地形が詳細に把握できるようになったこと、それを用いてごく最近でもわかることが増えてきていること、に驚いた。
地球が誕生してから今日までの46憶年におよぶ地球の歴史を解説する自然科学書というのは数多く出版されています。ただ、私自身もそうですが、地学に興味がないとなかなか手に取ってまで読んでみようという気持ちになれないケースも多いのではないか、と思います。 本書は人類が地球の生い立ちを理解するプロセスを、いろ...続きを読むいろなサイドストーリーを交えて解説しているので、読者を飽きさせません。恐竜を絶滅させた隕石の衝突だったり、地球を寒冷化させた巨大噴火、氷期-間氷期にまたがる100m以上に及ぶ海面高度の変動、南極点発到達までの探検家たちのドラマ、アフリカのニオス湖で発生した謎の住民大量死亡事件など…。また2015年初版ということで最近のトピックスも盛り込まれ、古さも感じさせません。 そして本書を推す何よりの理由は、本書が日本人の著者によって書かれた本なので、文章が大変読みやすいという点につきます。海外の自然科学系の読み物は、どうしても訳者の技量によって、不自然な日本語と向き合わざるを得ない事が多いです。その点、本書は「チェンジングブルー(岩波現代文庫)」で講談社科学出版賞を受賞した経歴のある著者だけに、一般向けに読みやすいだけではなく、ちょっと文学的な匂いのする文章で書かれているので、教科書的で無機的な解説書というのではなく、”読み物”として十分に読み応えがあります。 中学生、高校生なんかに読んでもらえたら、自然科学、特に地学系への興味が掻き立てられる人が出てくるんではないかと思いました。
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地球の履歴書
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