【感想・ネタバレ】地球の履歴書のレビュー

あらすじ

科学の発達とともに、私たちは少しずつ地球の生い立ちを解明してきた。戦争や探検、数学の進歩や技術革新などのおかげで、未知の自然現象の謎は氷解したのだ。海面や海底、地層、地下、南極、塩や石油などを通して地球46億年の歴史を8つのストーリーで描く。講談社科学出版賞受賞のサイエンティストによる意欲作。※新潮選書に掲載の写真の一部は、電子版には収録しておりません。

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Posted by ブクログ

海、山、川、地球の生まれた経緯を詳しく教えてくれる
何故川はしょっぱくないのに海はしょっぱいの?フォッサマグナって?

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2025年09月17日

Posted by ブクログ

自然科学の視点から、悠久の時の流れと地球環境の変化中で私たちが生きていることを、分かりやすく、時には詩的な物語のように教えてくれる本。序文で科学者がこのような一般書を書くことのジレンマが書かれているが、それを乗り越えてこのような一般層へのアウトリーチをしてくれたことに対して著者の大河内さんに感謝したい。

海底火山の上に成長する珊瑚礁がプレートと共に動きながら冷えていくプレート自身の厚みで沈んでいき削り取られた珊瑚礁の部分が地上の石灰岩の地層になる。白亜紀。
オントン・ジャワ海台を形成した超巨大海底火山の噴火によって気候が変動し、海の流れが止まり、海洋無酸素事変が起きた。海で分解されずに堆積した有機物が黒色頁岩となり、石油になった。
巨大火山の噴火は気候を変え、文明を変えた。1815年のタンボラ山の噴火がホラー小説を生み出した。
600万年ジブラルタル海峡が閉じて地中海は干上がり分厚い岩塩の層ができた。
有馬温泉はその水源がはるか離れた太平洋ではないかと考えられている。地下でウランの崩壊による熱せられラドンやラジウム、ヘリウムを含んだ高温の温泉になる。

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2024年04月06日

Posted by ブクログ

(確か青山ブックセンター本店の平台で見かけて興味を持ったような記憶)
地球を様々な観点から見る科学的な本。深海、海底、白亜紀、南極、塩、地中などを説明してくれる。

なんと言ったらいいか。ちょうど絶妙に知らない事と知ってる事の狭間を埋めてくれる、読んだ事のない面白本だった。物理とか化学とかの苦手でよく分からない分野とはちがって興味はあるのが地学。そっち方面を、ど素人には分からないけれど、専門家に読ませるほどでもない、まさに自分のレベル程度に書かれていた。

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2020年04月11日

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「科学ってすごい。科学者はもっとすごい!」。
顕微鏡の世界と衛星軌道上からの視点を結びつけ、数十億年前の原初地球を想像しつつ、古代人の思考を読み解く。そして現代社会の問題を解決する糸口を提供する。
科学と科学者の価値を見にしみて感じた読書でした。
良いっ!

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2020年02月08日

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地球の成り立ちや活動のおはなし。おもしろい…浪漫があります。
自然現象の解説本かなと思ったら、いや、それだけでも十分「へぇ、そうなんだ」と読み進めてしまうのですが、歴史や文化、時代背景のことも書かれていたり、用語などもわかりやすく説明する内容が本文中に書かれていて「この本を書いてる方はどれだけ頭がいいんだろう…」と感動しきりでした。パタパタとドミノが気持ちよく倒れるように、こうで、こうで、こうだからこっちとつながってという様に「おぉぉぉぉなるほど」と笑みがこぼれました。

地球史(本の帯にそう書かれていたので)好きな方にとって情報量などが良いのかはわかりませんが、全くの素人、せいぜい聞きかじり程度の自分にはとても興味深い本でした!いろんなことがつながっていく。普段小説派の方とかにも、ぜひ読んでほしいです。

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2019年11月21日

Posted by ブクログ

科学的な記述の中に、ときおり挿入されるエピソードに、心が踊った。例えば、南極の初到達を争った2人の、勇猛さと悲哀。どこを向いても、南がない不思議な地点への人類初到達を、命をかけて目指した。気温はマイナス40度。防寒具なしで人間が外に出たら、血液が凍るレベルだ。1人は、最初北極点に向かっていたが、他の人が到達したニュースを聞き、それならばと南極に向かった。しかも、情報統制のため、南極に向かっていると隊員が知ったのは、南極大陸への着陸直前だったという。それでも、隊員の士気は高かったという。人類未踏の地というものに、みな強い憧れを抱いていたのだろう。
結局、2人の争いは、途中から南極に向かっていた人が、戦略のうまさもあり勝ち、科学的調査も兼ねてゆっくりと進んでいた人が負けた。2人の気持ちはよくわかる。とにかく、ゴールにつき栄誉を手にしたいという思いと、科学的な発見をしたいという思い。どちらも人間らしい感情だ。極限状態になるからこそ、人間の生々しい考え方の違いが出てくるのだろう。
海底の話も面白かった。地球の内部には、コアがあり、マントルが流れている。そのエネルギーにより生まれた歪みが海底火山で、さらにそれが隆起したものが我々が目にする山だ。その山の地層を見ると、何千、何万年前の地球の気候の変化がわかる。
地球がどんな歴史を経て、いまに至っているのかを知るのは、純粋に面白い。人間がいかに、卑小な存在かがわかる。地球にとっては、人間は最近生えてきたカビのようなものかもしれない。最近メンテナンス怠っていたからなぁ、とか思われているかもしれない。共生ということを考えると、地球にとって役立つ存在でないと、いつか淘汰されてしまうような気がする。視点を人間視点から、地球視点に変えると、今までの自分とはちょっと発想を変えられるような気がする。

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2019年08月13日

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学校の授業がこんな切り口だったら、さぞ楽しかっただろうな。
読み進めるほどに、なんだか自分がすごい発見をしたような興奮を覚える。
特に、第4章の深海底での巨大な火山活動。
海底に突如巨大な裂け目が幾つも生じ溶岩が溢れ出す。マグマが尽きることなく100万年にわたって溢れ続けた。。。想像するだけで恐ろしいけれど、神にでもなって見守り続けたい。
一度は耳にする『白亜期』のすごさも見逃せない。今の私たちの生活は、この白亜期があるからこそ。
塩のすごさも地球の歴史でよく分かる。

何度でも読み返したい一冊。

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2018年09月19日

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地球の成り立ちから、主に海や地殻の事がとても分かりやすくまとめられている。
例えば、
その昔(約二万年前)、海面は今よりも130メートルも下にあったようだ。海底で見つかる遺跡のような巨大な石なども、実は当時の人々の営みが海面上昇により沈んだものなのかもしれない。また当時は黒海も干上がっており、その後約9400年ほど前に、海面上昇に伴いボスポラス海峡から黒海に海水が流れ込んで、周辺の人々にとっては恐ろしい洪水となり、これがノアの洪水の起源ではないかという話も、非常に説得力がある。
他にも、海水はなぜ塩分を含んでいるのか、有馬温泉は火山が無いのになぜ温泉なのか、など、面白そうな話がたくさん出てくる。

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2017年09月20日

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地球について知らないことを丁寧に教えてくれる好著だ.地表の7割を占める海については分かっていないことが非常に多いことを前半で述べている.海底に巨大な火山がある由.白亜紀が現代社会を支える資源を生み出した時代であったと強調しているが,正鵠を射ている.最新情報を含めた知見を分かりやすく解説しているのは,地球に関する著者の理解度が深いからだと感じた.

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2016年05月11日

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ネタバレ

科学史と歴史から読み解く自然科学。
地球の成り立ちや自然現象を、日本書紀などの歴史書に書かれているエピソードや科学者たちの発見から読み解いて掘り下げていくという、まことに面白い視点の本でした。
科学も発展には懐疑的な方だけど、地球を破壊するのも科学の発展なら、破壊から食い止めるのも科学の力なのかもしれない、と感じさせてくれる一冊。

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2016年02月28日

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この数週間で、「生命の星の条件を探る」(阿部豊著)で数十億年にわたる宇宙の歴史の話を、「地球の履歴書」(大河内直彦著)で数億年前とか、数千万年前のレベルの地球の歴史を、「日本史の謎は「地形」で解ける 」(竹村公太郎著)で数万年前から数百年前の日本列島の話を読んだ。この3冊を買ったのはタマタマだけど、数週間の中で読む組み合わせとしては、すごく良かった。いずれも、わかりやすい文章・構成で、とても面白かった。「地球の履歴書」では、この数十年の調査技術の発展(調査の原理の発展とコンピュータのデータ処理能力の向上)により、とくに海底の細かな地形が詳細に把握できるようになったこと、それを用いてごく最近でもわかることが増えてきていること、に驚いた。

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2015年11月14日

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地球が誕生してから今日までの46憶年におよぶ地球の歴史を解説する自然科学書というのは数多く出版されています。ただ、私自身もそうですが、地学に興味がないとなかなか手に取ってまで読んでみようという気持ちになれないケースも多いのではないか、と思います。
本書は人類が地球の生い立ちを理解するプロセスを、いろいろなサイドストーリーを交えて解説しているので、読者を飽きさせません。恐竜を絶滅させた隕石の衝突だったり、地球を寒冷化させた巨大噴火、氷期-間氷期にまたがる100m以上に及ぶ海面高度の変動、南極点発到達までの探検家たちのドラマ、アフリカのニオス湖で発生した謎の住民大量死亡事件など…。また2015年初版ということで最近のトピックスも盛り込まれ、古さも感じさせません。
そして本書を推す何よりの理由は、本書が日本人の著者によって書かれた本なので、文章が大変読みやすいという点につきます。海外の自然科学系の読み物は、どうしても訳者の技量によって、不自然な日本語と向き合わざるを得ない事が多いです。その点、本書は「チェンジングブルー(岩波現代文庫)」で講談社科学出版賞を受賞した経歴のある著者だけに、一般向けに読みやすいだけではなく、ちょっと文学的な匂いのする文章で書かれているので、教科書的で無機的な解説書というのではなく、”読み物”として十分に読み応えがあります。
中学生、高校生なんかに読んでもらえたら、自然科学、特に地学系への興味が掻き立てられる人が出てくるんではないかと思いました。

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2023年11月20日

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地球46億年に対して科学が明らかにしてきたこと、その歴史、そしてそれに取り組んできた人々のドラマ。
有馬温泉に浸かって、思いを馳せたい。

途方もない年月の中で、今成り立っているバランスは永遠のものでないことを知る。

海水面、塩分濃度、地軸、地磁気の向きは全て移ろう。

地球の歴史3%の期間、白亜紀でのみ形成された石油に基づく文明は一瞬のものであり、また変わっていく。

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2022年03月06日

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大河内直彦(1966年~)氏は、東大大学院博士課程修了、京大、北大、米国ウッズホール海洋研究所などを経て、海洋研究開発機構生物地球化学研究分野・分野長。
本書は、季刊誌「考える人」の2013年春号~2015年冬号の連載をまとめ、2015年に出版されたものである。
著者は「まえがき」で、本書について、「紆余曲折を経て発展を遂げてきた科学を通して、私たちの暮らす星を覗いた短編を集めたものである。地球上の珍奇な場所や驚くべき出来事について、科学の視点を交えながら紹介する八つのストーリーである」と語っており、初出の連載の性格から、体系だった地球の地理・地形や歴史とはなっていないのだが、取り上げられた「珍奇な場所や驚くべき出来事」は実に幅広く、読み終えてみると、地球の地理・地形や歴史の見え方が、僅かながらも変わったような気さえする。
例えば、以下のような場所・出来事が取り上げられている。
第1章:How Deep Is The Ocean?・・・古代のエラトステネスとポセイドニウスの地球の大きさの測定、アレキサンダー大王やマゼランの海の深さの測定
第2章:謎を解く鍵は海底に落ちていた・・・ダーウィンが唱えたサンゴ礁の進化(裾礁→堡礁→環礁)、プレート・テクトニクス理論
第3章:海底が見える時代・・・サイドスキャン・ソナーを使った現代版トレジャー・ハンティング、鬼界カルデラと姶良カルデラ、ピナツボ火山の噴火
第4章:秋吉台、ミケランジェロ、石油・・・秋吉台の石灰岩地形、インド島のユーラシア大陸衝突とヒマラヤ山脈の形成、ユカタン半島への隕石の衝突
第5章:南極の不思議・・・南極点の移動、アムンセンとスコットの南極点到達競争
第6章:海が陸と出会う場所・・・地球で繰り返す温暖・寒冷化と海面の上下動、東京湾海底に残る巨大河川・古東京川、黒海の海面上昇とノアの洪水伝説、
第7章:塩の惑星・・・メッシニアン塩分危機(600万年前に、地殻変動でジブラルタル海峡が地続きとなり、地中海が干上がった出来事)
第8章:地下からの手紙・・・六甲山周辺で見られた阪神淡路大震災の前兆現象、カメルーンのニオス湖の悲劇(1986年に、湖底から湧き出た二酸化炭素で湖畔の住民の大半が死んだ出来事)
我々の住む地球についての知的好奇心を掻き立て、また、満たしてくれる一冊である。
(2021年6月了)

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2021年06月09日

Posted by ブクログ

文系な私にとって、科学だの物理だのと言われてもねーと思っていたが、ざっくり地球46億年の歴史を理解したつもりになれる。
パラリと興味ある項目だけ読んでも価値があると思う。
そして、本書に出てくる世界各地を旅したくなる。

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2020年06月14日

Posted by ブクログ

地球のマクロな歴史と、
それを科学の視点で覗いた8つのトピック。
一般読者向けダイジェストなので、
とても読みやすく面白く読める。
科学の発展が切り開いてきた人類社会の扉。
ワクワクします。

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2015年11月25日

Posted by ブクログ

著者の科学に対する信念がよく伝わってきた。僕も科学の価値を信じているので、同じような価値観を共有できたようでうれしい。地球はその物理的な大きさだけでなく、現在に至るまでの人間から見るととてつもなく偉大な歴史があり、それが今さまざまな形で目にできるということがよく理解できた。これまで、なぜ地球の内部が熱いのか不思議だったけど、この本を読んで少し分かったような気がする。

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2018年12月30日

Posted by ブクログ

文章といい、トピックの選定といい、引用といい、玄人はだしである。うますぎて鼻につくくらい。しかし地学ってやつにはそもそもロマンがあるし、これはよい読み物。数多のギヨーがプレートに乗っかって太平洋の端から端へ横切りながら沈みこんでいく様を想像した。ほかにも巨大噴火、頁岩から作る燃料、干上がった地中海、ニオス湖の湖水爆発など。

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2018年11月05日

Posted by ブクログ

45億年前の地球誕生から現在までの地球の来し方を8つのエピソードに絞って描く文字通り「地球の履歴書」
地球の歴史を語ると共にその解明をしてきた科学と技術の物語でもあるところがミソ。

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2015年11月09日

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