無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
正直な所、環境問題に対して意識無かったのだが、若い世代のSDGs熱を感じつつ、満ち足りた世代の興味が行く先で、自分には関係無いとさえ思っていたが、最近読んだイーロンマスクの本で、彼が猛烈に環境問題への意識が高くて更にビジネスとして成立させている様をみて、環境に関する本をあたってみるかと検索してこの本を手に取ってみた。
読み始めると海の底に降り積もったプランクトンの死骸(有孔虫の殻)の成分に含まれる酸素同位体の比率から大昔の気温を調べるアイデアまで一気に述べられる。水温と殻に含まれる酸素同位体には実験の結果相関がある事が突き止められて、大昔に水温の大きく変動した時代が存在する事が証明されたと… そこからは巨大氷床、地球の自転と降り注ぐ太陽エネルギーとバランス、温室効果ガスとあって、気候変動のスイッチとして海洋深層水と氷河(主にグリーンランドをはじめとした北半球)、南極大陸での分析。
第11章の気候変動のスイッチの章では、2021年にノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎氏が、「大気と海洋を全地球スケールで小さな均質な箱に切り分けて気候変動を予測する方法論(大循環モデル)を確立したパイオニアとして紹介されている。
第12章の気候変動のクロニクルでは、中世温暖期と小氷期という文字や絵で記録が残る時代に起きた気候変動も触れられていて、とにかく内容の幅が広い。
一回読んだくらいでは、とても理解しきれない内容なので、そう言う点で何回も読むとより楽しめる部類の本だと思う。
気候変動と聞いて海洋深層水の話なんか絡んでくると今の自分達の世界が如何に絶妙なバランスの上で成立しているのかと思いながら、イーロンマスクが火星に行くしかねーって言う発想になるのも、なんとなくほんの少し分かる様な気がする??火星で生き延びる術が確立されれば、地球のバランスが崩れて氷河期になったとしても生き残れる可能性あるかも知れんし…
少し時が経ってからまた読みたい本。
Posted by ブクログ
地球温暖化、異常気象という単語は誰もが耳にしたことがあると思います。これらの現象を研究対象とする科学がどのように進歩してきたかを辿る科学ノンフィクションです。
誇大に危機感を煽るような書き方を一切廃し、気候変動をどのような方法で観測し、研究を積み重ねて来たのかを分かり易い文章で解説しています。取り扱うテーマは非常に広範で、地球の軌道や太陽活動に関する天文学、南極やグリーンランドの氷から過去の気候を研究する気候学、化石などの試料の年代を放射性同位体の性質を利用して特定する分析法、過去の気候を定量的に評価する古気候学などの基本的な考え方や過去の研究者の試行錯誤の様子の人間ドラマも交えて描いています。
このような科学読み物は海外で出版されたものが翻訳されるケースが多い中、本書は日本人の著者による作品だけあって文章が非常に読みやすく、その表現方法も教科書的な無味乾燥な文章ではなくて、小説を読むかのような印象を受けます。今の地球が抱えるリスクや、自然科学の研究とはどのようなものか、著者の言葉は端的に表現しており、以下に抜粋します。
「人類が放出した温室効果ガスが温暖化の原因であることが証明できないとしても、このまま放出を継続することは我々の気候に対して危険なロシアンルーレットで遊んでいるようなものだ」、「今年も去年と同じだけの雨が降り、3年前と同じような気温で、10年前と同じような海面の高さである事、これらのことに私たちはもっと感謝しなければならない」、「研究成果だけをつなげたストーリーは研究の本当の姿を物語っていない。自然科学の最先端とは、無数の袋小路に潜む立った一筋の抜け道を探り出す孤独な旅である」」
文庫本で約400ページの大作ですが、情報量、トピックスの掘り下げ度合いともに新書とは比較にならないほど充実しています。気候変動についてマスメディアで紹介されるよりもより本質的な真実を知りたい社会人、理系の大学を進路に考えている高校生などに特にお勧めしたい1冊です。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
試し読み
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用