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1974年、ドラッカーは本書において、独自の経営論を体系化し、ドラッカー経営学というべき大著に仕上げた。本書では、マネジメントが成し遂げるべきミッションと実際の仕事の方法、そして組織が果たすべき社会的責任の本質を述べる。
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Posted by ブクログ
本書はマネジメント書の中でもバイブル級に位置づけられるが、これまであえて積読状態にしていた。しかし、自分の中でようやく読むべき時がきたのを感じたので、手に取ってみた。まだ上巻を読んだだけだが、考えさせられる点が多々ある。以前にエッセンシャル版を読んでいたが、やはり原典の重みは違う。 ドラッカーの...続きを読む他の著作を読んでいるので既視感の高い章も多かったが、この本ならではの記述として印象に残ったのは第18章「仕事を生産的なものにする-管理手段とツール」と第25章「社会に与えるインパクトの処理と社会への貢献」だ。第18章はITが発達して様々なツールがビジネスに利用される中で、管理・ツールとはどうあるべきかを改めて考えさせられた。おそらく多くの企業で現場の生産性を落としている管理やツールが横行していると思われるが、もう一度、ドラッカーの言葉に立ち返る価値がある。また、第25章はSDGsがブームとなりつつある現代で企業が本当に何をすべきか、何をすべきでないのかを考える視点を提供している。 ドラッカーは日本についてもよく研究しているため、本書には日本の事例も多数紹介されている。その中には現代では失われてしまった旧き良きマネジメント慣行も多い。原著は1973年に出版されたものであるが、古臭いと思わずに温故知新ととらえて、組織のマネージャークラス以上の方には是非、読んでいただきたい。
多くの人に読まれているだけあって、非常に示唆に富んだ本。抽象的な内容であるため、どうとでも解釈ができ、わかった気になる度合いは非常に高いので、注意が必要。 特に印象に残ったのは、マネジメントの意義のうち、 ・マネジメントは人を使って成果を上げさせるもの ・組織に社会貢献させるためにマネジメントがある...続きを読む という考え方。 マネジメントを担う人間に対する示唆はもちろんのこと、現代の社会における組織の中でどう振る舞うか、という個人の問題としても捉えられる。
この本は何度も読み返して頭の中に叩き込むしかないだろうと思う。圧巻。時々、こんな事まで予見、あるいは事実として捕らえているのか・・・と感心して、感心の涙を流すこともあるくらい素晴らしい。
この本を教科書にした勉強会に参加して、1ヶ月に1章ずつ読み進めていたが、細切れ過ぎてあまり深く読めていなかった。 このたび、5日間の出張に携行してやっと読み切ることができた。 企業の目的とは、利潤追求ではなく、「顧客の創造」であるというところに感銘を受けた。
ドラッカー名著シリーズ、氏が63歳のときのマネジメント集大成! 上中下巻と、上巻だけでも400頁強とかなりのボリュームですが、読み応えがあって、40年近くも前に書かれたとは思えない文章には、いつも新たな気付きをもらえます。ではマネジメントって一体何?数100?はあったと思われる表現の中から、今回腹落...続きを読むち感があったのは、次のフレーズ。 「われわれの次の世代の課題は、個人、コミュニティ、社会のために組織を役立たせることである。それがマネジメントの役割である。」今、本当に必要なことは、マネジメントという原則に立ち返ることなのではないでしょうか。
マネジメント 課題・責任・実践 の上巻。 上巻は第Ⅰ部、マネジメントの役割について。 マネジメントの役割とは 1.自らの組織に特有の目的とミッションを果たす。 2.仕事を生産的なものとし、働く者に成果をあげさせる。 3.自らが社会に与えるインパクトを処理するとともに、社会的な貢献を行う。 この...続きを読む3つについて、企業および公共サービス機関での 適用について論じている。 具体的な方法についての言及は少なく、 マネジメントに必要とされることを中心に書いてある。 読む人の仕事や立場によって、よくわかる部分、よくわからない部分、 役に立つ部分、すぐには役に立たない部分が違うと思う。 しかしながら、本書の内容は 組織に属する人全てに必要な知識、実践すべき活動であると思う。 顧客は誰か、事業は何か、自らの仕事は生産的か・・・ 自らに、また自らの属する組織に問い続けるべき課題の提言が数多い。
前書きで専制に対抗するものとしてマネジメントを位置づけるあたりからして気合が違う。1970年代前半という時代背景もあろうが。マネジメントの技術よりも、何をなすべきかを中心に置くとも。「組織の構造は戦略に従う」。 全体的にきわめて明晰な書きぶりで、内容も説得力に富む。箴言の連発。 ある意味、オーソド...続きを読むックスというか当たり前に感じるところも。それも、いかにドラッカーの言説に後の世代が影響を受けているかの現われかも。 今後の課題として予想されている、イノベーションのマネジメントや、知識労働者のマネジメントは今もって課題だ。生産性の測定が大事と言っても、マクロ指標ではいまだ生産性は残余概念でしかない。さらにイノベーションに関しては、この本以後の目ぼしいイノベーションであるITでは、大きな部分がガレージから興ったことを考えると、イノベーションに関してはマネジメントの旗色は悪いか。 顧客あっての企業。よってマーケティングが重要。販売とマーケティングは違う。販売を不要にするのがマーケ。プラス、イノベーションが第二の企業家的機能。 事業の目的とミッションについての明確な定義→目標→実行 「われわれの事業は何か」の問いは、しばしばマネジメント間での根本的なことでの考えの違いを明るみに出す。だからこそミッションの問いかけは大事。 「われわれの事業は何になるか」は、別個の問いとしてある。イノベーションの領分。そのためには新規分野だけでなく、既存の事業の廃棄も必要。 目標は複数あるべき。目標間のトレードオフを意識する。短期と長期など。 戦略計画。予測でもなければ、未来の意思決定を計画することでもない。明日のために現在の意思決定を行うことである。 企業内サービス部門(俺らか!)も公的サービス機関と同じく、顧客から得る利益ではなく、予算からコストを賄っている。これらの抱える最大の問題は効率性ではない。予算から支払を受けるために適切な方向づけがされないことに問題がある。おのれの事業を定義して成果志向にマネジメントしなければならない。 →ドラッカーによる問題点の指摘はもっとも。しかし、解決策のほうは、成功している公的サービス機関の例を挙げたりするが、企業編での切れ味に比べるとどうにもボンヤリしている。 公的サービス機関においては非生産的な仕事をやめることが、企業に比べてはるかに難しい。それだけ意識的にやらないといけない。 公的サービス機関の種類&マネジメント手法 1.自然独占・・・民間にやらせて規制の下に置くのがベター。電力などか。 →ドラッカーは企業内研究所をこの自然独占にグルーピングしているが、2番目の類型の方が当てはまりそう。複数組織による競争が有効。アメリカの宇宙開発は意図してかどうかは知らぬが、この時代にはまだ複数競争の形になっていた気がする。 2.予算から支払を受けて事業を行う公的サービス機関(学校、病院)・・・複数のサービス機関による競争が有効。 消費財のマーケティングを事業と定義している会社の事例が興味深い。本社にマーケティング支援専門部隊がいるが、それを使うかどうかは事業部の裁量。外部リソースを使っても、自前で抱え込んでも良い。各部の業績と、内外のマーケティング専門化利用状況とには相関を見出せないそう。 3.伝統的な政府活動(司法、国防)・・・独立した機関による監査 仕事は客観的なものであって、物と同じアプローチで対処できる。しかし、働くのは人間であり、仕事の論理とはことなる労働の力学がある。 アメとムチは機能しなくなった。働く人間に仕事への責任を持たせること。 →日本企業褒め、しかし労働力の移動が困難なのは欠点だと。ラインでの流れ作業の困難を指摘し、セル生産を思わせる箇所も。 社会的責任も主体的にやらないと痛い目にあうと。しかしできもしない責任を取ろうとするのはまずい。 規制について、抜け駆けの防止として、企業にとってもありがたいものだと。
エッセンシャル版と違い、3冊の分かれているものの1冊目。マネジメントの焦点は成果にあるべきで、何をやるかにあるべき。事業の目的は何かが究極的に大切である。仕事を生産的なものとして、ヒトに成果を上げさせるようにするのがマネジメントである。これは、企業に留まらず、公的機関も同様である。
マネジメントとは何か。 マネジメントは組織のための機関である。組織がなければマネジメントはありえない。その組織は社会のための機関である。機関とは何を行うかによって定義されるものではない。何を貢献するかによって定義される。 マネジメントには3つのポイントがある。 自らの組織に特有の目的とミッションを...続きを読む果たす 仕事を生産的なものとし、働く人達に成果をあげさせる。 仕事が社会に与えるインパクトを処理するとともに、社会的な貢献を与える。 大事な事は 顧客は誰か 顧客にとっての価値は何かを常に考えること。 戦略計画の重要性についても触れている。 戦略計画は予測ではない。予測は可能性の範囲内、戦略は可能性を変えること。 昨日を廃棄し何をいつ行うか、それが戦略計画である。 20110604
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