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Posted by ブクログ
「無があっての有」とか「木鶏」は高校の漢文でやった記憶があった。
全体的に「儒教を嫌ってる」ということ、「取り繕うこと(意識して振る舞うこと)を嫌っている」ということはわかった。いい人間になりたければ、自分を磨き、勉学に努め、意識して他人に優しくしようとするというのはごく自然に感じるが、これは理想の状態ではないということだろう。
例えば、「腹黒いことを考えているが、人前では絶対悪口を言わない人」と「心が完全に澄んでいるが故に人前では絶対に悪口を言わない人」がいたとして、出力されるパフォーマンスとしては両者同じだが、前者は持続性・再現性がない(誰でもできることではない)。より多くの人に教えを実践してもらうことを考えると、後者になれるように導けるなら理想である。
厳密には上記の例は違う話だと思うが、読みながらそんなことを思ったりした。
Posted by ブクログ
技術、知識に捕らわれない、もう一歩進んだ価値観を持つために必読の書です。
論語、中庸、大学と、孔子に連なる本を読んでいたところ、友人から「バランスを取るために老子も読んでおいた方がいい」と薦められました。
読んでみて納得です。
万物斉同(すべてのものはすべて1つである)という万物一元論を基に、孔子の考え方を「表層的」と暗に批判する姿勢に、孔子との違いを比較せずにはいられませんでした。
孔子が唯一であるよりも、比較対象があってこそお互いの意見にもっと寄り添うことができます。孔子が現実的、具体的であるとすれば、老子は、非現実的、抽象的です。そして、現実的である孔子の言を以て、まだ浅いと指摘しているのです。
どちらが良いか?と言われると、迷います。
老子、荘子の言葉がより深遠に読み取れますが、深すぎて、明日の仕事に換言できません。
孔子が説く、恕(「じょ」:思いやりの心)や、富国、楽しむ力の方が、より自分の生活に言い換える事ができます。
孔子の言葉が25メートルプールで泳ぐ助言だとすると、
老子はの哲学は潜水専用プールで役立つヒントのようです。
深い、万人に通じるイデアだけれど、万人の理解は難しい。泳ぐというよりは、思考を深く潜る意識が必要でした。
最後に、印象的な言葉を3つほど引用させてください。
・無用の用
ソクラテスの無知の知を彷彿とさせる、常識を覆すような言葉。
・無為にして民自ら化す
トップダウンであれこれ言うと、民衆は反発する。無理な改革、新技術のおしつけをやめれば、おのずから人は変わる。
・足るを知るの足るは、常に足る
満足していることを知っている人は、常に満足できる。
最後の一文は自分の座右の銘だったのですが、実は語源を知りませんでした。
こういう出会いがあるから古典は辞められません。
論語と同じく、「早く読んでおけば良かった」と思える1冊です。
2021年ベストブック認定です。
Posted by ブクログ
中国古典は読もうと思いながらもなかなか読めずにいました。
現代語訳もついて有名な老子、荘子の文を厳選したのが本書です。ビギナーズクラシックというシリーズの名の通り初心者向けでとっつきやすい
無為自然を説き人間のありのままの姿で生きるべきであると説いた老子
善悪、生死などの価値はどちらがよりよいとか悪いとか絶対的なものはなく、それぞれに意味があると説いた荘子
かれらの考えがその『老子』『荘子』の中から伝わってきます。
やっぱり1000年以上日本人にも読まれてきた古典です。このように世の中、人間というものを洞察してきた老子、荘子にはただただ敬服するのみです。
Posted by ブクログ
禅や文人画家の考え方の根底には老荘思想がありそうだな、としばらく前から関心を持っていたので、まずは入門書から…。「老子」「荘子」の成立した時代背景の説明などが最初にあったおかげで、すんなり本文に入れました。解説がとても親切でわかりやすい。
老子は教訓的な短い言葉で書き表されている一方、荘子は他の事象に仮託した説話のような語り口。どちらかといえば荘子の方がわたし好みです。「混沌の死」とか、イメージ的にも鮮烈でとても好きだなあ。
大事なことは言葉では伝えられない、という言葉への不信感があちこちに露わになっていて、ここが「不立文字」を旨とする禅宗とつながっているのですね。次は、こうした老荘の考え方がすでに存在する中国に、仏教(禅宗)が流入してきた時の相剋と受容について書かれた本が読みたいです。いや、その前に抄訳ではない老子・荘子を読むべきかな?
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