体験格差

体験格差

935円 (税込)

4pt

習い事や家族旅行は贅沢?
子どもたちから何が奪われているのか?
この社会で連鎖する「もうひとつの貧困」の実態とは?
日本初の全国調査が明かす「体験ゼロ」の衝撃!

【本書のおもな内容】
●低所得家庭の子どもの約3人に1人が「体験ゼロ」
●小4までは「学習」より「体験」
●体験は贅沢品か? 必需品か?
●「サッカーがしたい」「うちは無理だよね」
●なぜ体験をあきらめなければいけないのか
●人気の水泳と音楽で生じる格差
●近所のお祭りにすら格差がある
●障害児や外国ルーツを持つ家庭が直面する壁
●子どもは親の苦しみを想像する
●体験は想像力と選択肢の幅を広げる

「昨年の夏、あるシングルマザーの方から、こんなお話を聞いた。
息子が突然正座になって、泣きながら「サッカーがしたいです」と言ったんです。
それは、まだ小学生の一人息子が、幼いなりに自分の家庭の状況を理解し、ようやく口にできた願いだった。たった一人で悩んだ末、正座をして、涙を流しながら。私が本書で考えたい「体験格差」というテーマが、この場面に凝縮しているように思える。
(中略)
私たちが暮らす日本社会には、様々なスポーツや文化的な活動、休日の旅行や楽しいアクティビティなど、子どもの成長に大きな影響を与え得る多種多様な「体験」を、「したいと思えば自由にできる(させてもらえる)子どもたち」と、「したいと思ってもできない(させてもらえない)子どもたち」がいる。そこには明らかに大きな「格差」がある。
その格差は、直接的には「生まれ」に、特に親の経済的な状況に関係している。年齢を重ねるにつれ、大人に近づくにつれ、低所得家庭の子どもたちは、してみたいと思ったこと、やってみたいと思ったことを、そのまままっすぐには言えなくなっていく。
私たちは、数多くの子どもたちが直面してきたこうした「体験」の格差について、どれほど真剣に考えてきただろうか。「サッカーがしたいです」と声をしぼり出す子どもたちの姿を、どれくらい想像し、理解し、対策を考え、実行してきただろうか。」――「はじめに」より

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体験格差 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    健康で文化的な最低限度の生活の難しさを実感する
    子どもの頃は何も思わなかったが憲法に文化的って入ってる事の重みに気がつく

    そして今さらながら小さい頃に色々な体験をさせてもらった事を思い出した
    親に感謝

    終盤の考察がかなり興味深かった
    切り詰めて教育にお金をかける事はありそうだが、体験にかける事は

    0
    2024年11月06日

    Posted by ブクログ

    体験は贅沢品なのではなく、必需品であるとして体験格差に抗う方法を提示。日本の貧困、物価の上昇、格差、シングルマザー、生活保護等様々な社会的な課題にまたがると感じた。データの分析も納得で、説得力があった。

    0
    2024年09月01日

    Posted by ブクログ

    やっぱり勉強とかそういうのがとにかく大事!って思っちゃうけど、体験って大事だなあって思った。
    けどやっぱりお金のことだったり、今の時代共働きだと送り迎えやお手伝いってほぼ不可能じゃない!?って思った。
    どの子供もやりたいって思ったことを後ろめたさもなくできる世の中になってほしい

    0
    2024年07月09日

    Posted by ブクログ

    だいぶ前から理念に共感して協力させていただいてきたチャンス・フォー・チルドレンの今井さんの本です。
    体験格差は僕の中で大きな問題ではなかったです。
    僕自身は体験にそれほど価値を感じてなかったので。
    ただこの本を読んで「体験しない選択」ができるのは贅沢なことなんやなと思いました。
    やっぱりたくさんの子

    0
    2024年06月23日

    Posted by ブクログ

    海水浴、潮干狩り、動物園、美術館、音楽、読書、映画。楽しい体験の思い出はいっぱい。普通の勤め人だったが、私の親はふんだんに私たち姉妹に与えてくれた。それが最近は特に難しくなっているそうだ。単に低収入というだけでなく、親自身も遊びなどの体験が乏しい。そのため学校以外の体験の重要性が軽視されてしまう。子

    0
    2024年06月19日

    Posted by ブクログ

     家庭の経済状況による体験格差という、今まであまり注目されることのなかった現象について、おそらくは初めての全国調査を行い、分析を行ったことは評価に値する。そして単なる数値やグラフだけでなく、代表的な個別事例についてインタビューを行い、親と子ども双方の困難を描き出していて、読み応えもあった。格差が拡大

    0
    2024年11月15日

    Posted by ブクログ

    自分の子供時代を思い返しながら、親になってからの考えをふり返りながら読む。
    「体験」は一時的な娯楽ではなく、長期にわたりさまざまな効果をもたらし人生を豊かにする。体験は子供はもちろん、大人にとっても大事なこと。「体験格差」はまさに社会全体で取り組む問題なんだな…

    ちなみに私自身は「習い事」としての

    0
    2024年11月10日

    Posted by ブクログ

    体験の貧困、予想した通りの状況であることが詳細にデータやインタビューを織り交ぜて綴られていた。

    最近は学校の部活動もなくなり、スポーツひとつとっても、お金と時間がある家庭にしかさせてあげられないものになっている。

    結局、地域で支えるしかないのかな…

    0
    2024年11月03日

    Posted by ブクログ

    これまで「子どもの貧困」という文脈においても見過ごされがちであった、子どもたちの間での様々なスポーツや文化的な活動、休日の旅行などの「体験格差」に焦点を当て、著者が代表理事を務めるNPO法人が実施した全国調査や低所得家庭の保護者たちへのインタビュー調査をもとに、体験格差の実態を明らかにし、それに抗う

    0
    2024年10月06日

    Posted by ブクログ

    第2部の個別のケースに胸を打たれた。
    著者の今井さんが触れられている通り、国で実態調査する必要性を感じる。
    併せて国だけに頼らず、社会全体でサポート体制を作っていけるのが理想的だなと思った。
    世代連鎖の根深さを感じた一冊。

    0
    2024年09月05日

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