【感想・ネタバレ】体験格差のレビュー

あらすじ

習い事や家族旅行は贅沢?
子どもたちから何が奪われているのか?
この社会で連鎖する「もうひとつの貧困」の実態とは?
日本初の全国調査が明かす「体験ゼロ」の衝撃!

【本書のおもな内容】
●低所得家庭の子どもの約3人に1人が「体験ゼロ」
●小4までは「学習」より「体験」
●体験は贅沢品か? 必需品か?
●「サッカーがしたい」「うちは無理だよね」
●なぜ体験をあきらめなければいけないのか
●人気の水泳と音楽で生じる格差
●近所のお祭りにすら格差がある
●障害児や外国ルーツを持つ家庭が直面する壁
●子どもは親の苦しみを想像する
●体験は想像力と選択肢の幅を広げる

「昨年の夏、あるシングルマザーの方から、こんなお話を聞いた。
息子が突然正座になって、泣きながら「サッカーがしたいです」と言ったんです。
それは、まだ小学生の一人息子が、幼いなりに自分の家庭の状況を理解し、ようやく口にできた願いだった。たった一人で悩んだ末、正座をして、涙を流しながら。私が本書で考えたい「体験格差」というテーマが、この場面に凝縮しているように思える。
(中略)
私たちが暮らす日本社会には、様々なスポーツや文化的な活動、休日の旅行や楽しいアクティビティなど、子どもの成長に大きな影響を与え得る多種多様な「体験」を、「したいと思えば自由にできる(させてもらえる)子どもたち」と、「したいと思ってもできない(させてもらえない)子どもたち」がいる。そこには明らかに大きな「格差」がある。
その格差は、直接的には「生まれ」に、特に親の経済的な状況に関係している。年齢を重ねるにつれ、大人に近づくにつれ、低所得家庭の子どもたちは、してみたいと思ったこと、やってみたいと思ったことを、そのまままっすぐには言えなくなっていく。
私たちは、数多くの子どもたちが直面してきたこうした「体験」の格差について、どれほど真剣に考えてきただろうか。「サッカーがしたいです」と声をしぼり出す子どもたちの姿を、どれくらい想像し、理解し、対策を考え、実行してきただろうか。」――「はじめに」より

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Posted by ブクログ

体験格差

この観点を持ち合わせていないわけでは無かったが、体験格差についてとても分かりやすく書いている本。

子育て世代の保護者は、一度読むべき本である。

また、親の体験の量は子供に伝わる。
つまり大変を不足している親の家庭では、その子も体験不足になりやすい。

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2025年08月30日

Posted by ブクログ

こんな現状があるなんて、きっと、こういう本を読まないと分からないと思う。対談形式の章は、とても読みやすく心に入ってきた。最後の最後で、印税を子供たちの体験活動のために使います、と明記してあるところに著者の強い意志を感じた。

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2025年03月06日

Posted by ブクログ

まず著者の真っ直ぐな姿勢に感動した。
体験ゼロ(地域イベントにすら参加できない)子供たち、そしてその親たちをどうにか救おうと現状調査から対策までびっちり書かれている。

私としても、自分が恵まれていることを自覚しているからこそ、読みたかった内容。本屋で見た時は、すぐ「知らないといけない」という衝動に駆られた。

実際内容を見ると想像していたよりかなり過酷。
経済的理由だけでなく、送迎・付き添いがでっkない問題。
体験ゼロで育った大人たちの苦悩も描写されている。

著者が言うように、体験の価値=必需品だと私も思う。『DIE WITH ZERO』という私のお気に入り本にもあるように、結局人は辛い時や死に際で思い出すことは「体験」なのだから。

そして思い出だけにとどまらず、自分を構成するものもまた体験。それをよく理解している著者。

だからこそその価値をまず世の中に理解してもらうことが大切。これは当事者だけでなく、一般家庭でなんとなく仕事に打ち込んで人生を若干無駄にしている人々にも周知してほしい。

全体的に論文のような語り口調&構成で私は結構気に入った。

最後にはきちんと対策が提案されていて、個人的には「クーポンの提供」と「交通機関との連携」が興味深かった。

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2025年02月14日

Posted by ブクログ

スポーツや習い事の体験に格差がある、という子供からの視点で問題提起した新書。
しかし、要は親の貧困格差の問題。
出産、夫の裏切り、離婚、お金を入れず女性が非正規でぎりぎりの生活、、
その中で子供はやりたいことを我慢。
だから女性も正規の仕事を持つべき、という社会になる。
どこかの政党が理想とする専業主婦家庭などありえない世の中。

私はこの新書、別の視点で読んだ。
著者自身も提起していた、親の体験経験の差が子供に影響すると。金の問題以外で。
振り返ると私もあまり体験はさせてもらえなかった。
自営業で、決して貧しい家庭ではなかったが、金には厳しかった。
妹はピアノを習っていたが、小学校で通ったのは進学塾だけ。
旅行も親の里帰りのおまけが中心。
「体験」は進学塾を経て入った一貫校のカリキュラムの中でさせてもらった。
それとて公式のものばかり。私的なものはバイトして行った。
その影響か自分の子供にもあまりさせようとしなかったかも。
妻が闘ってピアノやら通ってはいたが、少なかったかも、、、
自営業でお金の心配があったのか、、

著者は貧困格差からくる体験格差に対し、クーポンなどを提案している。
ベーシックサービスの変形だろう。
それを考える時代ではあろう。

第1部 体験格差の実態(「お金」と体験格差;「放課後」の体験格差;「休日」の体験格差;「地域」と体験格差;「親」の体験格差;体験格差の「現在地」から)
第2部 それぞれの体験格差(ひとり親家庭の子ども;私が子どもだった頃;マイノリティの子ども;体験の少ない子ども時代の意味)
第3部 体験格差に抗う(社会で体験を支える;誰が体験を担うのか)

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2025年01月04日

Posted by ブクログ

教育格差と比べると軽視されがちな、体験格差について書かれた本。
個人的にタメになった点は3つ。

1つ目は、体験格差は親による要因が大きいということ。
親世代の金銭状況や、体験を軽視をする考え方が、子供の体験経験の少なさに繋がるというのを再確認できた。
昨今、昔よりも学歴や教養が重要視されている中、金銭的に余裕のある家庭は、子供の習い事や塾にこれでもかとお金を注ぎ込み力を入れている。それに対し、困窮している家庭では、やらせてあげたくてもできないといったことが往々にして起こっている。どんな子供もやりたいことをやれる、格差をなくすには一筋縄ではいかないようだ。

2つ目は、片親やハンデを持つ家庭の苦しさは"体験"に関しても表れているということ。
生活するにあたり最低限の水準ギリギリといった観点で、困窮している家庭に焦点が当てられることをニュースやテレビで目にすることはよくある。
しかし、"体験格差"という観点で家庭の苦しさを語ることはなかなかない。
そんな中、本書ではデータや数字を用いた客観的な説明だけでなく、それぞれの家庭が持つ困難・苦悩をインタビューから"体験格差"を読み取ることができる貴重な本である。

3つ目は、体験格差をなくすために動いている人たちがいるということ。
体験格差をなくすために、困窮した親への経済的な補助や公的な働きかけは少なからず効果的である。しかし、教育に比べ体験はまだまだ軽視されがちであり、自治体からの援助だけでは賄いきれていないというのが現状であろう。
公的な支援だけでは格差解消がなされないという中、民間で格差を無くすために動いている個人・組織がいるのだという。
体験を提供する側、体験を提供する方々を支援する側、どちらの人も崇高な思想のもと活動をなさっているのだなと感銘を受けた。

まとめると、体験格差という課題を他人事ではなく自分事で考えるようになれる本であったと言えます。

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2025年11月02日

Posted by ブクログ

親の収入いかんにより体験格差が現れるというのが骨子。各々の体験談が読んでいて興味深い。世にいう氷河期世代の子ども時代は日本も上向きだったので体験機会が多い、というより人口が多かった最後の世代だから体験環境も整いやすかったと見られる。日本が落魄してからその世代が子供達に体験を与える収入が減り…という事だろう。サッカーをさせてあげられない母親の話からすると納得はできる。ただ、全部が頷ける話でもない。習い事が出来なくなったのはそうだろうが、代理体験とか工夫といったものがあるだろう。もちろん選択肢が多い方が望ましいが。寧ろ昨今だと動画を視聴する事で体験した気になり体験意欲が減る(実際にあるかは分からんけど)ほうが杞憂かもしれないが気になる。

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2025年10月11日

Posted by ブクログ

ありがたいことに私の両親は、習い事や旅行など、数々の「体験」を与えてくれた。習い事の中には夢中になれなかったものもあるけど(ピアノとか)、それでも何かしらのかたちで自分の糧になっている。
「体験格差」の実態にショックを受けながらも、両親から最高のプレゼントを貰っていたことに、今更ながら感謝する読書となった。

ここで言う「体験」とは、主に子どもたちが放課後に習う習い事やクラブ活動、週末・長期休みに参加するキャンプや旅行、お祭りなど地域での様々な行事、スポーツ観戦や芸術鑑賞、博物館や動物園といった社会教育施設でのアクティビティなどを指す。(まえがきより引用)

私の周りでも、水泳や英語教室など、小さい時分から習い事に通わせているご家庭についてよく耳にする。
しかし、各家庭の年収の差、あるいはお迎えなどの時間的拘束によって、子どもに「体験」をさせてあげられないご家庭があるのも実情だ。
このようなギャップを著者は「体験格差」と呼ぶ。

著者の今井氏は、公益社団法人チャンス・フォー・チルドレンの代表理事。東日本大震災で「体験する」機会を失った子どもたちのためにチャンス・フォー・チルドレンを設立し、今日に至るまで「体験格差」の根絶を目指されている。
ご本人は言及されていなかったけど、小学生の頃に阪神淡路大震災を経験され、恐らく金銭や食料と同じくらい「体験」に飢えられていたのではないかと思う。その虚しさを知らなければ、ピンポイントで「体験」への支援を買って出ないはずだ。

「かつての『楽しい思い出』が、つらいことに直面したときに心の支えとなることがある。子どもだけではない。大人にとってもそうだろう」(P 59)

日本政府のお偉いさんは、「体験」というものを軽視しているのではないか…?読んでいるうちにそんな疑念が湧いてきた。(実際、イギリスやドイツと比べて「子どもが最低限にこれだけは享受すべきであるという生活の期待値が低い」という調査結果が出ている…)
著者も、「体験は子どもたちにとって『贅沢品』ではなく、『必需品』だ」と説かれている。近年の物価高騰に加え、母子家庭など経済的に厳しいご家庭では、「体験」に割ける余裕がなかなかない。

無料で参加できる地域のイベントを必死で探す、兄弟のうち一人にしか「体験」の費用を充てられない、障害があると決まった場所にしか連れて行けない…胸が締め付けられるような話が噴出する。
「サッカーがしたいです」と、正座をして涙ながらに訴える小学生の話には、ただただ絶句した。

同時に、親の幼少期が「体験ゼロ」だと、子どもにも「体験」の機会を与えない傾向があるという。
何に興味があるのか、何をしたいのか。何かを始める原点すら子どもから奪ってしまうというのだ。
「体験」は様々な年代の人と繋がれたり、ゆくゆくは楽しい思い出へと変換されていく。私自身ピアノの練習は億劫だったけど、頑張った成果が発表会の拍手で報われた瞬間は、本当に何ものにも代え難かった。

「子どもは社会が育てる」というのは、遠い昔の話ではない。子どもたちに最高のプレゼントを届ける社会で在れないものか。

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2025年08月08日

Posted by ブクログ

スマートニュースでよく見ていた記事だったので、興味を持ちました。
体験格差は非常に重要な問題なのはわかりました。ただ、昔より選択肢が増えてそれを職業化するとコストは増えて。基本的に日本は奉仕活動として行なってきた部分が大多数で、自治会などやる意味がない→外注→コスト上がるって感じですかね。でも昔のように助け合う近所の関係でもないのも確か。自治会で本当に無料に近いイベントやっても大して子供は集まらないし。

我が家も普通の共働き家庭なので、やりたいものをなんでもさせてあげることは経済的にも時間的にもできないし。それでもなんとか楽しく成長できれば、と思います。

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2025年07月26日

Posted by ブクログ

これは…なかなか重い話…
小さい頃の思い出ってほんと大事ですよね…大人がそんなところが面白かったの?ってところをずっと覚えてる…そんな体験をさせてあげれるかどうか…
子持ちの人皆に読んで欲しい一冊ですね〜

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2025年07月26日

Posted by ブクログ

【なぜ】子供の体験を大切にしたいなと思っていたため。

【ここだけ】
体験が、子供の将来の壁を乗り越えるのに一役買うかもしれないこと。これを信じて与えて続けよう。そして、いつ辞めたっていいと言ってあげられる親でありたい。(ただし、辞めたいが自分の本心なのかはしっかりと確かめた上で)

【感想】
まずは、想像とは違う視点(収入の違い)での体験格差だった。地方と都会の差、もう少し言うと体験=自然体験のことを勝手に妄想してた。
普段感じられない、考えつかない視点で世界を見ることができた。これが読書の価値だ

【メモ】
・北海道旅行に行った際、全国的にあるお店へ行きたがる。これは体験したことがないがために北海道ならではへの興味を持てない

・27 相対的貧困のリアルを理解できないから、より具体的な数値でイメージしてみることが大事


p59 楽しい思い出が辛いことに直面した時に心の支えとなることがある

p93 情報弱者故に、こんなに必死にしなくてもいいかどうかがわからない。それを調べる時間さえない。

p119 元気で自由時間のない親に子供を預けるより、お金を払ってシッターを雇った方が心理的に楽→なんか似た構図見たことあるなー

p154 一環した思考、感情、行動のパタンに発言し、学校教育またはインフォーマルな学習によって発達させることができ、個人の意思を通じて、社会、経済的成果に重要な影響与えるような個人の能力。社会情動的スキル=目標達成する力、他者と共同する力、情動を制御する力
p165 何かの施策をする際、効果を見極めるためには継続的な調査が必要となる

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2025年07月06日

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子どもに豊かな体験をさせるために、今の日本ではお金だけでなくスポーツクラブの当番など時間的にも親のサポートが必要となってしまう。筆者のような取り組みが社会全体に広がるために一人でも多くの人に読んでほしい。

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2025年06月01日

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こどもの体験は、贅沢品ではなく、必需品である。

社会が共通認識をもたいないとならない。

お金だけの問題で、体験格差が生まれている訳では無い。

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2025年04月14日

Posted by ブクログ

幼少期にいろんな「体験」が遠かった自分。「体験格差」という見えづらい問題を見える化してくれた本。自分の仕事にも「体験」という機会を提供する使命があるのではないだろうか?と思わせてくれた。

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2025年03月15日

Posted by ブクログ

少し前に巷で話題だった本。
親という立場上気になるトピックである。読む前は経済格差との相関で、体験の多寡に着目しているという浅い推測でしたが、その他にも学びが多い。

特に、課外活動への親による貢献が必須という事態が足かせとなっている点。送迎、活動中の同伴といった内容が、生活に問題を抱えている親には想像以上の負担となっている。これに対する一つの解決策を、著者は「コーディネーター」に期待を寄せている。それぞれの家庭・子どもたちに合った体験と提供場所を結びつける役割。
繋がりを発現させるという点では、矢田 明子さんの株式会社CNCの「コミュニティーナース」という取り組みが目指す目標になるのではないかと感じる。

自分語りになってしまうが、私は幼少期色々な体験をする機会を親から提供してもらった。今思うとありがたいことだと重々承知しているが、林間学校やヨット体験など他人との協働作業に対して不得手であった当時の私は、現在小さな挫折体験として蓄積されている節がある。いわゆるグリット(社会情動的スキル)が体験により育まれるというのはその通りだと思うが、反面自分の性格と不一致な活動への参加は自尊心を傷つけるだけになることも意識しておくべき。
著者も述べているが、親から押し付けるのではなく子どもの意欲を尊重することが、体験への過剰な信仰へと偏重することを防げるのではないかと思う。

経済格差=体験格差では終始しない、考える機会を与えてくれた読書体験でした。わが子への考え方と一方で大人の役割を今一度考えてみよう。

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2025年02月06日

Posted by ブクログ

親の経済力の差、親の体験の差が子どもにも連鎖する。そんな差が埋められるように、担い手や社会的な受け皿、機会を提供していくことが大切。
お金がなくても、知恵を絞る

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2025年01月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

阿部彩(2008)『子どもの貧困』「日本の一般市民においては、イギリスやオーストラリアといった他の社会に比べて、子どもが最低限にこれだけは享受すべきという生活の期待値が低い。」

体験は「楽しい」という短期的影響に加え、「社会情動的スキル」という長期的な影響に関係する。

NPO法人ちゅらゆい代表理事金城隆一「体験したことがないから、選択肢がそもそも頭に思い浮かばない。貧困とは選択肢がないこと。子どもの貧困問題の中心にあるのが体験格差。」

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2025年01月02日

Posted by ブクログ

調査結果とインタビューの構成。大変、趣深いテーマではあったが、読み物としては味気ない感がした。
全体的には、低所得層の親の子どもは、中から高所得層の親の子どもに比べて「体験」いわゆる習い事などの経験が圧倒的に足りていないということを言いたいようだ。負の連載というか、低所得層の親で育った子どもは将来も非認知能力を養うことができなく、結局は自分の子どもに対しても同じ教育をしてしまうという印象を持ってしまう。ただ、これは事実の側面はある一方で、結局は個々の事情によると考えている。
自分が体験できなかったからこそ、子どもにはさせないという親も多数いるはず。

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

タイトルが気になって読んだ。
体験が如何に重要か、どんな体験を子供にさせるべきか、みたいな子育てに対するアドバイス的な話が主体かと思っていたが違った。
体験格差は収入だけに起因するものではない。送迎などの親の時間の確保が出来ないことや、そもそも体験が必要と感じていない意識の差などが原因としてあるのは納得。本の中では時間の確保ができないパターンとしてシングルマザーの例があったが、我が家の場合共働きで両家実家は遠方のため頼れる身内もおらず放課後の習い事をさせたくても送迎する大人がいない。このパターンも結構多いのでは。話は逸れるが女性の社会進出と育児の両立については本当に悩むし共働きでなければ収入が不安すぎるこの社会に対して思うことがたくさんある。
また親の意識という点については、自分がどう親に育てられてきたかが子育てに少なからず影響していると思う。自分も子育てをしながら、私はこうだった、こんなことを習ってきた、みたいなことが頭に浮かびがち。
この本の良いところは問題提議しつつ、最後にちゃんと対策案が出てくるところ。

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2025年08月21日

Posted by ブクログ

子どもの体験格差がこれほど顕著に広がっていることに驚いた。自然に触れる・異なる年齢の人と関わるなどなるべく体験を多くさせることはどの親も感じているだろう。
しかし、経済的な理由から体験をさせてあげられない。もちろん、体験にかかる費用を安くしたりなど、運営側が配慮する部分もある。ただ、世帯の所得に関わる改善もしていくべきだと考えた。行政からの支援金などでなんとか自由に使えるお金を捻出している家庭もある。
たかが体験に政府や行政が手厚くサポートするのは無駄な歳出になるのではという考えもあるだろう。それでも少しは支援の手を伸ばす必要があるのではないのか。

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2025年07月31日

Posted by ブクログ

体験格差の原因は貧困だと思っていたが、時間や、親自身の体験の有無が大きく影響することがデータからわかり、興味深い。
自身や夫の体験への価値観の違いから、お互いの子供時代の体験の話、今後子供達にどういう体験を提供したいか、などこの本を元に話し合うきっかけになった。

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2025年07月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

問題として非常に難しい。
色々調べてもらってますけども ただの貧困問題について のレポートみたいに 受け取られかねないかな っていうのがちょっと懸念でした
子供の体験というものについて お金で買える体験だけで測ってしまうと、星を見たことがないとか、兄弟を持っている、親戚付き合いがある、近所付き合いある、親としっかりコミュニケーションが取れている、そういったところでやはり 意味合いが違うところが出てくるんじゃないかなと思いました。
例えばお金で買える体験がたくさんあっても一人っ子でカギっ子、 それと 公立学校だけれども 兄弟がいるって、体験の価値としてどう評価すべきなの?タワマンから出ないでゲームしてる子と、川でいつも魚釣りしてる子は?
体験について大人がどうやって向き合っていくのか お金で計れるだけじゃないっていうところを考えないとまずいのかも。単純にお金で買える体験のクーポンを配ってしまうと それが 体験をしたがゆえに自分はこれが1回しかできないけれども 隣の子は3回 できる 、 そうすると自分の親や環境や 最悪 自分自身を も恨んだり 低く評価してしまったり そういった 危険性がありそう。体験のサービス化が増えていて値段が高くもなっている
でもそれって全部が全部 準備されていて自分で考える力ってそれでできるの ?
暇だなと思って 何とか自分で遊ぶ力ってなくて大丈夫なの?
体験という一つのものを掘り下げるだけでも難しい問題だなと思いました
いろんなことを書きたかったんだと思うんですけれども その視点の広がりみたいなのが感じられると素晴らしいんじゃないかなと思います
問題提起としては優れていると思うので 評価としては3です
中身としてはもっともっと やって欲しいので おまけって感じ

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2025年07月24日

Posted by ブクログ

近いうちに所感はブログにしようかなと思う。

読み終えた直後の今自分が考えていることは
「いったい何ができるだろう?」

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2025年06月06日

Posted by ブクログ

題名から、社会学的(ディスタンクシオン等)な部分の内容を期待していましたが、思っていた内容とは異なりました。

低所得者層・シングルマザーのインタビューが書かれていることで、当事者の苦しい状況や食べることや学習に重きを置かざる負えない、「体験」の優先度が下がることは致し方ないことだと、理解することができました。

低所得者層(主にシングルマザー)にフォーカスし、本の4割ほどはインタビューの内容が記載されていました。シングルマザーの場合、経済的・体力的・精神的、時間的にも限界があり、「体験」を子どもに諦めさせざる負えない、公共の比較的費用が安い「体験」があったとしても情報収集を行う余裕がない実情がある。地域のクラブ等、民間の習い事よりも月謝が低いものでも、親御さんのお迎えやクラブへのボランティア協力が求められる。だがフルタイムの勤務では、地域のクラブ活動のボランティア参加に時間を割けない。勤務時間が減れば、その分収入に直結するため、生活が成り立たなくなる可能性がある。子どもに「体験」をさせることは、片親の自助努力ではどうにもならない。体験格差を生まないために制度や地域の協力が必要と述べている。

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2025年04月30日

Posted by ブクログ

学校外の活動、体験が家庭の収入によって左右される……という話。
本書で書かれているように、ひとり親で忙しければ、無料のイベントの情報に触れるヒマも、活動に子どもを送り迎えする余裕もない。
限られた財源で、子どもの体験のためにどれだけ資金を割けるかは難しい問題。また、支える人手もどうするのか。豊富な聞き取り例で各家庭の苦しい事情はよくわかったが、解が見あたらないのでモヤモヤばかりが残る。

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2025年04月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前半が小学生2000人以上の調査から見た、年収と体験(習い事)の差でり、後半がそれぞれの具体例の紹介である。
 調査を元にしたのでしょうがないことではあるのだが、いままで、学校の教師が無理して体験をさせてきたということは書かれておらず、中学生、高校生ならばなおさらである。
 自治体あるいは政府がどうすべきかということをかんがえさせる本である。
 教育社会学の概念がないので、スッキリとはわかりにくい構成になっているのが残念。

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2025年03月24日

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生まれ、中でも親の経済状況によって、子ども同士の間でも大きな体験格差が存在しているということを、豊富な統計やインタビューにより明らかにしていた。

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2025年03月23日

Posted by ブクログ

現代において、習い事や旅行等の「体験」について、子どもの間に格差が生まれていることの実情と問題点について提示している本。
親の収入等の問題だけでなく、親自体の過去の体験有無によって、子どもに体験格差が生まれていることは、格差が連鎖していくと言われる貧困と同じ問題だと感じた。
また、自分で選べない「生まれ」によって、子どもに格差が生じてしまう点は、社会として解決すべき問題だということも共感出来た。

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2025年03月15日

Posted by ブクログ

体験格差については、20代を経て強く実感した感覚だ。本書を通じて、自分は明らかに恵まれてる側だったと再認識した。

「体験格差」という言葉はもっと浸透して欲しい。ただ、誰が格差を補填するのか。(一般的には)必需品ではない分、学力格差より解消が難しいと思った。

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2025年03月01日

Posted by ブクログ

仕事絡みで子供のためのフードドライブをやっているが、かなり世の中に浸透してきたので、次に自分達がやるべきは子供の体験かな、と思い、学びのために手に取った本。
読むと心が苦しくなるような内容で、今まで自分がそういった環境にいなかったのは、体験にもエネルギーを割いてくれる親がいてくれたことも含めて自分の運によるところが大きいんだろうな、と実感。だからこそ、そういった環境にいられない子供を支援することは自己責任論と矛盾しない(運だから)し、巡り巡って経済や治安の面で自分に返ってくる。
親と子供は同じようになってしまう傾向があるのであれば、その負の連鎖を断ち切るお手伝いをしてみたい、と思った。

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2025年02月24日

Posted by ブクログ

子供の頃の体験があったからと言って、人生が必ずしも豊かになるとは限らない。
しかし、自分の可能性を知って、自分の世界を広げていくために、体験はとても大きな意味を持っている。

それが、親の貧困や家庭の事情で制限されてしまうのは、たしかに不公平で悲しいことだなと感じた。

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2025年02月03日

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