それでもなぜ、トランプは支持されるのか―アメリカ地殻変動の思想史

それでもなぜ、トランプは支持されるのか―アメリカ地殻変動の思想史

2,640円 (税込)

13pt

南北戦争以来の「内戦」は起こるのか。
ウクライナは見放されるのか。
日米安保は破棄されるのか。

第一次トランプ政権の終焉、バイデン当選、「Qアノン」による連邦議事堂襲撃から約4年。
次期大統領選に向けた皮切りとなるアイオワ州共和党予備選(24年1月)で大差の勝利を得たトランプ。
日本から見ていると信じられないかもしれないが、アメリカ共和党内では依然として圧倒的支持を得ており、共和党大統領候補として選ばれることが確実視されている。
一方で前回大統領選後の議事堂襲撃を扇動した罪などで司法からは多数の刑事訴追をされており、このまま何事もなく選ばれていくのかを疑問視する声もある。
それでもなぜ、彼はこれだけ支持を集めているのだろうか。
トランプ現象の本質を最も早く見抜いたアメリカ・ウォッチャーの第一人者が、アメリカ政治に起きている地殻変動と、建国以来の保守思想がその源流にあることを明らかにしていく。

ゴジラはなぜ、何度も何度も、日本に戻ってくるのか。同じように問いかけてみるべきだろう。ドナルド・トランプはなぜ、またアメリカ大統領選に戻ってくるのか。なぜトランプのような破壊的存在が出現したのか、その「生命力」の不思議をわれわれは「研究」すべきだ。「トランプが民主主義を破壊している」というような単純な話ではなく、トランプを生み出したアメリカの病とその原因を探らなければ始まらない。トランプという怪物は繰り返し戻ってくる。それはどんな無念を抱く、数多くの戦死者の「亡霊」(再来)なのか。異様な格差を生む不平等の構造が変わらない限り、支配される側の怒りと怨嗟の「ゴジラ」であるトランプは、いくどでもアメリカの政治に登場することになるのだ。――序論より

トランプは病因ではない、病状なのだ。原因ではない、結果なのだ、というのはアメリカを観察する者にとっては、今ではほぼ常識となっているはずだ。少なくともアメリカの学識者の間では共通認識であろう。ところが、どうも日本ではそのことがよく理解されていない。――序論より

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それでもなぜ、トランプは支持されるのか―アメリカ地殻変動の思想史 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    トランプ以前の米国政治は民主共和両党の政策は大差なく、支配階層にとってはどちらの政権でも構わなかった。そして支配階層の望み通りに格差拡大していった。白人労働者階級は平均寿命が低下するほど困窮し、自暴自棄になっていた。
    そうした白人労働者階級の不満に応えたのがトランプであり、若者の支持を集めたのがサン

    1
    2024年09月02日

    Posted by ブクログ

    内容としては、タイトルのテーマに沿ったまとまりのある論評·分析ではなく、この数年の間に書かれた論文(評論)を寄せ集めたものなので、重複も多く、中にはトランプと無関係のものもあった。しかし、アメリカの二大政党の変遷と施策について、多くのことを知ることができ、大変興味深く読んだ。まさに自分が、「トランプ

    1
    2024年08月29日

    Posted by ブクログ

    「アメリカ政治は左右の分断ではなく上下の分断であり、文化戦争が上下の分断の偽装の道具につかわれている」

     アメリカでトランプが再選したのは、アメリカ国民のリベラル疲れと言われていた。そうなのか、程度に思っていたが、本書でアメリカの状況を知ると、想像以上にリベラル的状況になっていた。例えば、ポリコレ

    0
    2025年08月18日

    Posted by ブクログ

    著者は元共同通信の編集委員。
    題名となった問いに対しては、断定をする表現を避けこれまで見たことがない現象が現在進行系だとする。
    その現象、すなわちトランプ現象はトランプ自身が作り上げたものではない。アメリカの根底にある新自由主義(ネオリベラリズム)、つまり資本主義が途方もない経済的格差を生み出したこ

    0
    2025年08月04日

    Posted by ブクログ

    ちょっと右寄りな本。でも日本では破茶滅茶無鉄砲としか報道されてないトランプの裏側?(表側?)の思想とか、アメリカの政治と思想の歴史的な移り変わりとかとても新鮮で楽しかった。何よりアメリカの政治ニュースを見るのが面白くなった。

    0
    2025年07月02日

    Posted by ブクログ

     米国の政治はしばしば振り子のように揺れる。理想や多様性を掲げるリベラルが進めばその反動として保守が勢いづく。トランプ氏の言動は過激で分断を招くと批判されるがそれでもなお支持は根強い。
     背景には置き去りにされたと感じる人々の怒りと不安がある。グローバル化やIT化が進む中で失業や格差に直面した彼らは

    0
    2025年05月05日

    Posted by ブクログ

    感想、国破れて山河あり。

    元の杜甫の春望よりも、やはり芭蕉の感覚の方が、気持ちは近い。どこか旅先の余韻が、ピッタリだ。それでいて戦った自覚は全くないのに、負けていたと、感じてしまった。

    冷戦終結時、我々近代国家の数十億人は、負けたのだ、と。アメリカ人も含めて。

    世紀末に大転換が来るかと思ってい

    0
    2025年03月28日

    Posted by ブクログ

    トランプが最初に大統領に選ばれたときは、彼がどういう政策をやるのか、みんながわかっているわけではなかった。だが、彼の4年間をみて、さらに支持者が国会に傾れ込む姿を見て、これでトランプは終わったかと思ったら、再び大統領として復活した。

    となるとトランプは、なぜ選ばれたのかをちゃんと理解しないわけには

    0
    2025年02月06日

    Posted by ブクログ

    トランプは病因ではない、病状なのだ。原因ではない、結果なのだという。
    時代がトランプ大統領を生んだのか。

    何が真実かわからなくなっている現代、もしかしたら日本の報道が、トランプを悪人に仕立て上げているのかもしれない。

    0
    2025年01月28日

    Posted by ブクログ

    アメリカの保守層は、従来「小さい政府」と規制緩和を主張してきたが、このコロナ禍で「大きな政府」に傾き出している。「政府は解決をもたらすものではない。政府こそ問題だ」(レーガン大統領)「大きな政府の時代は終わった」(クリントン大統領)。共和・民主両党で近年最も人気がある二人の大統領の言葉にも象徴される

    0
    2024年12月27日

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