ハーレクイン作品一覧

  • 過去からの誘惑者
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    忘れたい過去が、私を見つけだし、追いつめる。■ケータリングサービスを営むジェーンは、ある夜、ずっと避けてきた男、ガブリエルに出会った。三年前……ジェーンの夫とガブリエルの妻は不倫関係にあり、二人はともに交通事故で亡くなった。そして間もなく、ガブリエルがジェーンを捜しているという噂が立った。責めるべき唯一の人間がいなくなり、正気を失った彼が、どういうわけかジェーンに復讐を企んでいるらしい。それ以来彼女は、ヘアスタイルや髪の色ばかりでなく、名前まで変えて、世間の好奇の目からも逃れ、ひっそりと生きてきた。それほどまでに彼と顔を合わせることを恐れていたのに。ところが、彼はジェーンの正体に気づいていないようだった。花束を贈ったり食事に誘ったり、しきりに彼女に交際を求めてくる。必死に彼を遠ざけようとしながらも、ジェーンは……。
  • 夜明けのフーガ
    4.3
    休暇中のセラピスト、ディオンヌが新たに依頼を受けた患者は、海、空、山をこよなく愛し、どんな冒険にも勇敢に挑む男ブレイク・レミントンだった。登山中に大怪我を負い、再び歩くどころか食べる気力さえ失って衰弱の一途だという。渡されたレントゲンを見るかぎり、傷は癒えている。承諾を迷うディオンヌは添えられた写真を手に取った―鍛えあげた肢体をあらわにし、深いブルーの海をバックに生き生きと微笑む事故前の彼。ディオンヌの心がうずいた。
  • 入れ替わった花嫁 結婚への道 I
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    婚約者そっくりの美女!いったい彼女は誰なんだ?■母親の死を機に、サラは自分が本当の子供ではないことを知り、実の両親の手がかりを求めてテキサスの町にやってきた。町に着いた早々、いきなり見知らぬ男性に怒鳴りつけられた。その男性は地元の医師ルーカス・ダニエルズ。よく話を聞いてみると、今日は結婚式のリハーサル当日なのに、婚約者が姿を消してしまったという。サラが婚約者にうりふたつだったので間違えたらしい。もしかしたら私には双子のきょうだいがいるのかしら?ルーカスに頼まれて、サラは彼の婚約者をしばらく演じようと決めた。自分の出生の秘密を知ることができるかもしれないと期待して。しかし、事態は思いがけない方向に進む。
  • シンデレラは逃走中 ブルーベイカーの花嫁 III
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    結婚式の翌日、花嫁は逃げだした。彼女の身に何が起こったのか?■エラは、お菓子作りの腕を見込まれ、ブルーベイカー家のキッチンスタッフとして雇われた。初仕事の日、エラは一家の次男マックに出会って胸がときめいた。マックのほうも、青い瞳のエラに心を奪われた。大富豪の息子と、身よりのない使用人の関係を気にしながらも、だんだん二人の愛は燃え上がっていく。二カ月たったある日、とうとうエラはマックのプロポーズを受け入れ、二人はひそかに結婚式を挙げた。翌日、屋敷を訪れた客にお茶を出していたエラは、ふと耳にした会話に顔色を失った。マックは良家の令嬢と結婚することになっていたのだ。やはり、わたしは彼の妻にふさわしくないんだわ!妊娠していることも気づかずに、エラは屋敷を逃げだした。
  • 秘められた記憶 愛する人は他人? I
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    あなたがわたしの夫……。でも、なぜ冷たい目で見るの?■事故に遭って目覚めたとき、ジェニーのそばには見知らぬ男性がいた。上流階級の雰囲気を持つ彼は言った。「きみはぼくの妻だ」だがジェニーは記憶を失い、彼のこともまったく覚えていなかった。夫だと名乗るクリストファーのもとへ身を寄せたのはいいが、すべてを勝手に決めようとする彼に、ジェニーは我慢できなかった。「わたしはいままで、黙ってあなたの言葉に従っていたの?」以前とはまるで違う妻の言動に、クリストファーはとまどった。じつは、事故が起こる前、家には無言電話がかかるようになり、ジェニーは不審な態度を見せていたのだった。もしかしてジェニーはほかの男のもとへ行っていたのでは?クリストファーはこみ上げる疑念を抑えることができなかった。
  • 大富豪とシンデレラ
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    二人の住む世界は、あまりにも違いすぎた。■ケイトは、海辺の避暑地に住むアーティスト。だが、芸術だけで生活するのは難しく、パーティー会場に出張して余興を披露することで生計を立てている。ある日、ケイトは名門パリッシュ家の広大な別荘に出かけていった。別荘の庭で開かれるパーティーの余興に雇われたのだ。そこで、彼女は長身の魅力的な男性と出会い、ときめきを覚える。その男性は、別荘の持ち主ジェファーソン・パリッシュ三世だった。膨大な富と建築家としての名声にもかかわらず、過去の悲劇的な出来事のせいで、彼は空虚な日々を過ごしていた。そんなジェファーソンから交際を申し込まれ、ケイトは苦悩する。やっと本当に愛することのできる男性にめぐり合えたのに、わたしの手の届く相手ではないなんて!
  • ひそかな憧れ
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    彼女は偽りの結婚を承諾した。たとえ苦しむはめになろうとも。■美容院を営んでいるグレースのもとに、ある日、十年ぶりに少女のころからひそかに憧れていたジョニーが現れた。青い瞳と黒髪の彼は相変わらず魅力的だ。「僕と結婚してもらいたい」開口一番、ジョニーは言った。十代のころ、あれほど夢見ていた言葉を耳にして、グレースは今にも気を失いそうになった。昔からわたしを邪魔な妹ぐらいにしか思っていなかったのに、どういうつもりだろう?だが、詳しい話を聞いてグレースは納得した。亡き妹の遺児の養育権を手に入れるためには独身ではだめだと弁護士に言われ、ジョニーは彼女に見せかけの結婚を申し込んだのだった。
  • 宿命の再会 ロイヤル・ブライド II
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    熱い愛の日々を過ごしたあと、彼は去り、新しい命が残った。かつて、ドルーとアンダース王国の王子ウイットは、誰に知られることもなく、恋人の関係になった。輝く夏の日、二人は何度も愛を交わした。だが別れはやってきた。ウイットはドルーのもとを去り、彼女のおなかには小さな命が宿っていた。マスコミから“愛の王子”として騒がれている彼に―父親になるつもりのない男性に真実を告げるべきだろうか。悩み抜いた末、ドルーは一人で育てていく決心をする。それから七年―。ドルーとウイットは運命の再会をした。
  • 女神の誤算 愛は秘めやかに I
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    自ら仕掛けた罠にからめとられ、彼女は甘い苦悩の世界に足を踏み入れた。■戸口に立つ男性を見て、シーリアははっとした。リューク――母と愛人関係にあったライオネル・フリーマンの息子だ。ライオネルは二十年もの間、甘い言葉で母の人生を支配してきたが、先日、自動車事故でこの世を去った。彼の息子がいったいなぜ訪ねてきたのだろう?とにかく、母を罵るようなことだけは絶対にさせない。そう決心したとき、シーリアの頭にある考えが浮かんだ。母を守るために、私がライオネルの愛人のふりをしよう。父親に娘のような愛人がいたと知って、リュークは苦しむに違いない。だが、そのときシーリアはまったく予想していなかった。浅はかな芝居がリュークの欲望をあおり、二人を出口のない官能の世界へ引きずりこむことになるとは……。
  • プレイボーイの憂鬱
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    腰に絡みついてきた男性の腕の感触に、ジェシカは目を覚ました。恐怖に駆られ、ベッドを飛び出して振り向くと、ハンサムでセクシーな男性が裸で寝ていた。どことなく見覚えがある気がするが、知らない男性だ。昨夜、休暇を過ごすために、兄と共同で所有するこのキャビンにやってきたときは、ひどく疲れていたうえ、嵐のせいで停電していたので、明かりもつけずにベッドにもぐり込んだ。でも、このキャビンには私しかいないはずだ!慌ててTシャツを着たとき、男性が目を覚まして彼女を見た。「これはこれは、ジェシカ。ずいぶん成長したね」ディラン?兄の親友の?世界をまたにかけるプレイボーイの?いったい彼は、ここで…私のベッドで何をやっているの。
  • ほどけた絆
    -
    あれほどひどく傷つけられたのに、彼を見ると、いまだに胸が震えてしまう。■大学時代、キャサリンは最愛の恋人ジェイクとけんか別れをした。直後に妊娠が発覚し、彼女はジェイクに連絡を試みたが、そんな女性は知らない、とすげなく拒絶された。“いくらジェイクの愛を望んでも彼にとって私はもう過去の人間なのだ”そう悟ったキャサリンは、ジェイクには何も告げず、一人で子供を育てよう、と心に決めた。世間体を気にする両親に見放され、頼る人もなかったが、キャサリンは必死に働き、ようやく安定した生活を手に入れた。そんな矢先、ジェイクの存在を知った息子が父親に会いたい一心で彼の元へと家出してしまった。私を見捨てたジェイクが、今さら息子を受け入れるはずがない。なんとかしてあの子を連れ戻さなければ……。
  • レディの傷心
    3.0
    サンフランシスコに住むソフィー・コルトンは、ある夜ナイフを持った暴漢に路地裏で襲われ、顔にも心にも深い傷を負った。静養のため故郷へ戻ってきたものの、母に傷跡の醜さを罵られるつらい毎日が続いた。誰かにすがりつきたい。そんな思いで、ソフィーは初恋の相手リバーのもとへと向かう。だがリバーは以前彼女を拒んだときと同じ、冷たい口調で言った。「きみはしっぽを巻いて帰ってきたんだ」
  • 奪われた一夜
    -
    南イタリアのリゾートを訪れたメルは、海辺のカフェで男性から執拗な視線を向けられて困惑した。なぜこんなに平凡なわたしに興味を持つのだろう。サングラス越しの熱いまなざしに体が焼かれるようだ。物思いを破ったのは、海で溺れかけている娘ゾーイの姿だった。メルが叫び声をあげる間もなく、その男性が海に飛び込んだ。娘を抱きかかえて戻った彼の姿を見て、メルの心臓が止まった。ヴァン! かつて一夜をともにしたあとに捨てられた恋人で、娘の父親でもある人。彼はわたしに気づいたのかしら?メルは固唾をのんでヴァンの様子をうかがった。
  • プレイボーイのためらい ボスは最高! VI
    -
    父が独身重役の一人と結婚させようとするのを阻止するため、エミリーは候補の重役たちの縁結びに奔走した。努力が実り、五人の重役たちが花嫁を見つけた。これで安心して仕事に専念できる。だが、安堵したのもつかのまだった。なんと父は彼女に、最後に残った独身重役ジャックとリノへ出張するよう命じたのだ。しかもホテルではなく自分の別荘に泊まれとまで言う。怒りに打ち震えながらも、社長である父には逆らえず、エミリーはうなずくことしかできなかった。
  • 聖夜まで待って
    3.0
    クリスマスも間近だというのに、ソフィーは恋人もなく、仕事もくびになってしまった。職業紹介所に出向くと、犬の散歩のアルバイトを紹介された。さっそく飼い主ガブリエル・ヨークの瀟洒な家を訪れたものの、だれも呼び鈴に応えない。不審に思ってドアの郵便受けから中をのぞいたところ、ガブリエルと思われる男性が床に倒れていた。彼女は大急ぎで窓から侵入し、気を失っている彼に人工呼吸を試みた。唇を重ねて息を吹きこんだとき、彼は意識を取り戻して不意に尋ねた。「どうして僕にキスをしているんだい?」
  • 近くて遠い人
    2.0
    苦労して育ててくれた母親に楽をさせるため、 キャシーは有名なクォントラル産業の会長秘書に応募した。 会長が長期出張中のあいだに採用が決まり、 母にも喜ばれ、うきうきと働き始めた2週間後、 彼女は初めて会長のエリオット・クォントラルと顔を合わせる。 すると彼は若く可憐なキャシーが新しい秘書と知るや、 怒りをあらわにし、玉の輿狙いと決めつけてきた! そしていわれのない非難に青ざめる彼女に告げた―― もし少しでも僕に色目を使ったら、すぐに辞めてもらう、と
  • 愛するのが怖くて
    2.0
    久しぶりの休暇でエーゲ海のミコス島を訪れたクレシダは、すてきな地元男性ドレイコと電撃的な恋に落ちた。彼のことをろくに知らぬまま結婚の約束までするが、クレシダを現実に引き戻したのは、父が倒れたという知らせ。病状は深刻で、しかも多額の借金で破産寸前の状態だと聞き、彼女はドレイコには何も告げず、イギリスに帰国した――夢物語みたいなこの恋のことは忘れよう、と自分に言い聞かせて。だがまもなく、父の借金はある大富豪により肩代わりされる。その世界的企業の社長の正体を知り、クレシダは愕然とした……!
  • 記憶の扉が開いたら
    -
    叫び声がはじけ、路面をこするタイヤの音が響いた。そして一瞬の衝撃後、ナタリーは何もわからなくなった。やがて目を開けると、彼女は病院のベッドにいた。名前は覚えているが、名字は思い出せず、そばにいる心配そうなハンサムな男性が誰なのかもわからない。訝しむナタリーに、彼は恋人のデミアンだと名乗った。さらに彼は苦しげな表情で衝撃の事実を告げた。「ぼくたちはまだ結ばれていない。きみが結婚していたから」記憶がかすかに揺れた。いったいどういうことなの?
  • 大聖堂のある町
    2.0
    2年前に母を亡くし、兄夫婦と暮らし始めたキャサリンは、以来ずっと、使用人のようにこき使われていた。朝早くから子供たちの世話をし、食事を作り、掃除に追われ……だが、そんなキャサリンの灰色の日々は、ジェーソン・フィッツロイと知り合って変わった。ジェーソンは容姿端麗で高名な医師で、彼女の境遇を知るや、住みこみの仕事を紹介してくれたのだ。心優しいジェーソンに、キャサリンは惹かれていった――彼にはすでに美しい恋人がいることなど知らず。
  • 愛あれば
    1.7
    勤め先の会長、ライアン・マルホランドから葉書が届いた。〈帰国したら、また食事につきあってください〉ところが、彼は出張から戻ったことを知らせてくれなかった。思いきって自宅を訪ねたカシアにもそっけない。冷たく門前払いをされ、彼を愛し始めていたカシアは傷つく。ところがある日、カシアは会長室に呼び出されると、ライアンから、「きみを愛人にしたい」と驚愕の申し出を受ける。あまりの唐突さに困惑しながらも、断りの電話をした翌日、カシアは机の上にライアンからの手紙を見つけた。〈ただちにカシア・フィンを解雇する〉■引き寄せられては傷つけられて、罪作りなほど奇矯な求愛。得体のしれない独身主義者の謎めいた行動のわけは……? 伝説的な人気を誇る作家ジェシカ・スティールが描く、永遠の人気テーマ――大人げない大富豪と恋に不慣れな乙女との、切ない年の差ラブストーリー!
  • 明かされた秘密
    3.0
    オリヴィアは祖母の葬儀に参列するためイギリスに向かっていた。二度と戻らない決意を胸に、故国を離れて10年。生まれ育ったロワー・マイチェットに帰れば、きっと傷跡が疼く。18だったオリヴィアにとって、祖母の明かした秘密は残酷すぎた。人生でただひとり愛した人、マシューは腹違いの兄なのだと――。何も知らない周りの人々は、散々に彼女を非難したが、オリヴィアには、マシューの愛を捨てるしか道はなかった。飛行機はヒースロー空港に到着し、意外な人物が彼女を出迎えた。「オリヴィア」名前を呼んだのは、忘れもしないマシュー。地元の名家の娘と結婚したはずの彼が、いったいなぜ……?■愛した人は兄だった……! A・メイザーによる、あの伝説の衝撃作が 蘇ります。何も知らないマシュー。今もたまらなくオリヴィアの心を 惹きつける、唯一の人。彼に「まだ君に夢中だ。君を抱きたい」と抱き すくめられ、オリヴィアの心は千々に乱れるのですが……。
  • 愛情方程式
    3.0
    エレン・カニンガムは24歳の苦学生。同級生のデリックが住む高級住宅街キャピトル・ヒルの大邸宅に、掃除と料理を一手に担うという条件で安く住まわせてもらっている。ある日エレンが帰宅すると、すばらしくハンサムな男性がいた。実は彼こそデリックの兄リードで、この邸宅の持ち主だったのだ。リードは、弟が無断で部屋を貸していることを快く思っていなかった。下宿人に対しては、冴えない女という印象を持ったようで、エレンは急に惨めになった。リードに惹かれた自分が恥ずかしい……。彼はエレンを一瞥すると、さっさとポルシェに乗って、美人の恋人とのデートに出かけてしまったのだから。■この優しさが自分だけのものだったらどんなにいいだろう――苦手な 代数の勉強をみてもらったり、悩みを聞いてもらったり。でもリード には美人の恋人がいる。断ち切れない想いに揺れ動くエレンの苦悩が 切ない、デビー・マッコーマーが贈るイノセント・ワールド。
  • 八年の空白
    4.0
    早すぎる結婚がすべての過ちだったのかもしれない。夫は幼な妻のケイトにはばからず浮気を繰り返した。結婚したのは土地がほしかったからで、愛など元よりないというのだ。君は女としての魅力に欠け、夫婦生活をする気にもなれないと。愛を知らず、女としても未熟なまま2年ほど経ったとき、夫が連れてきたドミニクに、ケイトは強烈に心を奪われてしまう。けれど、それを見抜いたドミニクにふしだらな女と誤解され、生まれて初めて感じたときめきは残酷なまでに砕かれた。その後夫は亡くなり、ひっそりと暮らしていたケイトに、思いがけない再会が……いまだ彼女を蔑む、ドミニクだった。■偉大な作家ペニー・ジョーダンの名作を、ハーレクイン・ロマンスの 黎明期を支えた翻訳家、小林町子が訳した1988年のベストセラーです。 今日のハーレクインで活躍する後進の翻訳者も数多く育てた名訳者が贈る、珠玉のロマンスと愛の言葉を、どうぞご堪能ください。
  • 伯爵家のシンデレラ
    -
    どうして正直に言ってくれなかったの?僕は船乗りではなく、伯爵だ、と。■ああ、人生ってすばらしい!夏の太陽に輝く湖のほとりで、ケリーはつぶやいた。秋に就職を控えた彼女は、親友ジュディの一家に誘われ、イタリアのガルダ湖畔に立つ別荘に来ていた。ある日、ケリーは別荘に侵入しようとした男を捕まえる。だが、泥棒に見えた男はジュディの夫の友人で、ジャンニと名乗った。誤解がとけると、ケリーは船乗りらしい素朴な彼に惹かれ、楽しいデートを重ねたすえに、彼に身を捧げる。数日後、ジュディとオペラを見に出かけたケリーは、“結婚したい男性ナンバー・ワン”という伯爵を紹介された。彼こそ、ケリーをバイクに乗せて走り回っていたジャンニだった。わたしはイタリアの貴族にもてあそばれた……。ケリーは怒りに身を震わせた。
  • 恋は危険な賭
    3.0
    この男のもとに送りこまれたのは、花嫁候補として考えられているからだろうか。■母を看取ったあと、キャットには住むところも職もなかった。理学療法士をしていた病院には彼女の戻る場所がないうえ、家は、母の借金の返済にあてるため売らざるを得なかった。途方に暮れていた彼女は、ドルシラと名乗る女性の訪問を受ける。ドルシラは母と同窓生だと言い、住み込みの仕事を申し出た。事故で重傷を負った息子のマットが退院し、自宅でリハビリすることになったので、理学療法士が必要だという。引き受けたキャットは、さっそくドルシラの別荘に向かった。母親に療法士を探してもらうくらいだから、マットは気が弱い甘ったれの男性にちがいない。そう思っていたキャットは、彼を見て驚いた。ハンサムでたくましいマットは、理想の男性そのものだったのだ。だが彼は不機嫌そうにキャットをにらみ、契約打ち切りを宣言した。
  • 記憶のなかの真実
    3.5
    一夜の過ちの結果、彼女の人生は思わぬ方向に進みはじめた。■「そんなばかな! おなかの赤ちゃんはどうなるの!」ジョージーは婚約者チャールズの訃報を聞いて、顔面蒼白になった。軍人の彼は、ジープを運転中地雷を轢いて即死したという。婚約後、彼への愛はほんものでないと気づき、いずれ婚約を解消するつもりでいたけれど、まさかこんなことになるなんて。ジョージーはその晩、一睡もできずに朝を迎えた。次の日、チャールズの腹違いの弟コナンが、彼女に話があると言って訪ねてきた。コナンとは何回か顔を合わせているが、彼のことはほとんど何も知らない。葬儀の相談でもするのかと思っていると、コナンはとんでもないことを言い出した――子供のためにも、できるだけ早く自分と結婚するほうがいいと……。
  • 運命は裏切らない
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    妻にと心に決めた人。彼女の心が遠いところにあろうとも……。■亡き伯母から遺された古い館を目にしたナッシュは、とうとう腰を落ち着ける場所を見つけた、と思った。これこそ我が家、迎えるべき妻はただ一人――フェニックス。十年前、ひと目で恋に落ち、結ばれぬままに別れた女性だ。今、彼女が年月を経てナッシュの前にふたたび現れた。十八歳のころ、フェニックスは美しかった。二十八歳になった彼女は、目がくらむほど美しい。ナッシュの心は激しく揺さぶられた。美しさゆえにではない。この心の動きはそれ以上のものだ。彼女と一生をともにしたい。だがフェニックスは決して、かつて僕がしたことを許しはしないだろう。
  • 愛したのは別人
    3.0
    どうして? よりにもよって、別人を演じているときに、恋に落ちるなんて。■愚かなふるまいだった、とロザムンドは思う。義妹ジェイニーがすっぽかすというブラインド・デートの相手に同情し、一夜だけならと、ジェイニーのふりをして出かけたのだが、あろうことかデートの相手に恋してしまった。安手のスーツを着て変な髪型をした風采のあがらない男なのに。翌朝、彼が訪ねてきた。彼、サム・アレクサンダーもまた、彼女に興味を持ったらしい。二人はデートを重ねる。次第に惹かれ合いながら、しかし正体を明かさぬまま。本当のことを打ち明けようか?自分は本当はジェイニーではなく、ロザムンドなのだ、と。でも、もしそれですべてがだめになってしまったら?一方、サムも何事かを隠しているようで……。
  • 理想的な婚約者
    4.5
    結婚回避――共通の思いを抱く二人は、しばし見せかけの恋人同士になることに。■午前八時十五分発ロンドン行き列車の食堂車に座っていたベロニカは、発車間際にあわただしく列車に乗りこんできた男性に目を奪われた。ロンドンでも著名な大企業を率いる、実業家のファーガス・カバナだ。彼を見て、ベロニカはとっさに決断した。「どうぞおかけになって」さりげなく彼に相席を勧める。彼女の魅力に引きつけられたファーガスは、申し出を受けた。ベロニカは今日、いとこの結婚式に出席することになっていたが、花婿候補を押しつけてきそうな母親をかわすために、とりあえず結婚式にエスコートしてくれる男性を探していたのだ。独身で資産家のファーガスなら、母も納得するだろう。彼のほうも、妹たちに冴えない花嫁候補を挙げられ、閉口していた。互いの立場を理解した二人は、しばらく恋人役を演じることにする。
  • 悲しみの契約
    3.0
    愛情あふれる両親が育てるのでなければ、おなかの子供は絶対に渡せない。■ネイディーンは親友リーザの夫キャメロンと愛を交わした。不妊症に悩むリーザの代わりに、代理母として子供を産むためだ。時間の浪費を避けるためとはいえ、医学的処置によらず、実際に肉体関係を持ったことで、ネイディーンは罪の意識に苛まれた。でも私には、心臓を患う母の手術費用を工面するという目的がある。彼女はなんとか自分に言い聞かせようとした。だが、ネイディーンが代理出産を引き受けた本当の理由は別にあった。彼女にとって初恋の人キャメロンこそ、この世でただひとり抱かれたいと思う男性だったからなのだ。リーザの期待どおり、ネイディーンは妊娠した。ところがリーザが別の男性と情熱的にキスしている現場を偶然目撃し、ネイディーンは悩んだ末、子供は渡さないとキャメロンに告げる。
  • 抜け落ちた愛の記憶
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    あなたはわたしの夫だと言うけれど、二人の愛の生活を何も思い出せない。■カプリ・マッシーはオーストラリアを旅行中、列車事故に遭い、頭を強打して記憶喪失におちいった。駆けつけた夫のロルフと共にニュージーランドの自宅へ帰ったが、慣れ親しんだはずの環境に戻っても、記憶はよみがえらない。結婚したことさえ忘れてしまった今、ロルフはわたしにとってまったくの見知らぬ男性。ベッドを共にするなんて、とてもできない……。愛を交わすことに臆病なカプリを、ロルフはいぶかしんだ。カプリは性的に大胆な女性だったという。だが彼は、傷心の妻を思いやって必死で欲望を抑えていた。不安定な関係が続くうち、二人の間にさざ波が立ち始める。カプリの不倫疑惑、そして結婚生活は破綻していたらしい……。
  • 愛は苦しみの奥に パーフェクト・ファミリー IX
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    ケイティには大学生のときから思いを寄せている男性がいた。しかし彼が愛し結婚したのは、彼女の双子の姉だった。ケイティは失恋の痛みに耐えて慈善団体の仕事に打ちこんでいたが、妻子ある上司の誘惑を拒んだのがもとで、不本意ながら辞職し、故郷の町ヘーズルウィッチで父親の法律事務所を手伝うことになった。出勤第一日目、考え事をしながら歩いていたケイティは、あやうく車にはねられそうになる。運転していたセブ・クックは薬品の研究をする科学者で、この土地の国際的な薬品会社に引き抜かれて、やはり帰郷したばかり。二人はともに怒りを覚えるが、同時に互いの魅力に強い印象を受けた。後日、二人は偶然にも再会した――同じアパートメントの隣り合った部屋を買おうとして。★人間の愛と憎しみをあますことなく描くペニー・ジョーダンの傑作〈パーフェクト・ファミリー〉をお届けしています。続けて読んでも、一作だけ読んでも、どちらでも楽しめる作品です。★
  • 急ぎすぎた結婚
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    夫はいらないけれど、子供はほしい。そんなサバナの願いを、精子バンクに勤める兄が叶えてくれた。人工授精で首尾よく妊娠し、サバナの人生は薔薇色だった。だが幸せは長く続かなかった。精子を盗んだかどで兄が逮捕され、サバナのおなかの子の父親が判明したのだ。イーサン・マッケンジー。名門一族の御曹子でかつての上司。彼はサバナを訪ねてきて、驚くべき提案をした――スキャンダルを避けるため、半年間だけ結婚しよう。そうすれば兄への告訴も取り下げ、子供の親権も要求しない、と。まるでビジネスの話をするかのようなプロポーズに、サバナは動揺し困惑したが、イエスと答えるしかなかった。
  • 恋する花嫁
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    欲しいのは子供だけと知っていても、彼を愛さずにはいられない。■人工授精を行った病院のミスで、ゲイルが亡き夫の忘れ形見だと思っていたおなかの子の父親は、会ったこともないジャックという男性だとわかった。彼は子供を自分が育てると言い張り、ありとあらゆる方法でゲイルを懐柔しようと試みた。甘い言葉での説得に贈り物、そして共同生活による共同養育の提案。ゲイルはすべてにノーと答えた。愛しい我が子は渡せない。いくらジャックがたくましくセクシーな男性で、彼の望みをかなえてあげたいと思っても……。やがてベッドをともにしないという条件つきで、ジャックはゲイルにプロポーズした。
  • 花嫁に変身?
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    ボスと一緒のベッドで眠る。彼女の震えは止まらなかった。■「妻が必要なんだ。君ならうまくやれるだろう」アンジェラは聞き間違いかと思いながらボスを見つめた。プレイボーイで独身主義者のハンクが結婚ですって? 私と?どうやら大事な顧客がハンクを既婚者だと思いこみ、夫婦そろって自分の農場で過ごすよう、招待したらしい。地味なアンジェラは妻役に適任だと彼は言うのだ。破格のボーナスにつられて妻のふりをすると承諾したけれど、農場に着いたアンジェラは唖然とした。これから一週間、彼と同じ部屋で生活しなくてはいけないうえに、夫婦の絆を強めるためのセミナーに出席する予定だという。アンジェラは不安でたまらなくなった。ひそかに抱いている、ボスへの憧れを隠しておけるのだろうか?
  • サンレモ、運命の街
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    カサンドラの姉リズは、元恋人のカルロからひどく傷つけられた。彼はリズの妊娠を知ると、中絶費用として小切手を送ってきたのだ。姉はそれでも娘を出産したが、4年後、交通事故で亡くなった。カサンドラは、誰よりも慕っていた姉が侮辱され、不幸のうちに亡くなったことで、カルロへの怒りを募らせた。ところが、姪をひとりで育てていこうと決心した彼女のもとへ、突然カルロが娘を引き取りたいと連絡してきた。あんな男に、姉の大切な忘れ形見を渡すわけにはいかないわ。カサンドラはその日から、姪を連れて各地を転々とし始めた。けれど、ついに彼と出会う日が来てしまう――そこはイタリアのサンレモ、彼の地元だった。
  • 歓びの代償
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    めくるめく愛の歓びを知ったとき彼女の世界は崩れ去った……。■コートニーは母を亡くし、受け継いだ牧場の経営にあたっている。内情は苦しく、共同経営者を探すことが急務だと言われていた。共同経営者……。そんなものは欲しくもないが、仕方がない。会計士の口にした、もうひとつの解決策は問題外だから。“金めあての結婚”だなんて!今日、華やかな競馬場の会員席に足を運んだのも、投資家を探しだすためだった。なのに、彼女の心を引きつけたのは、投資家でも経営者でもなく、ハンサムな謎の男性ジャック・ファルコナーだった。確かに、彼に投資家探しを手伝ってほしいと頼んだが、まさか彼自身が牧場を見に来たいと言うとは思ってもいなかった。同じ屋根の下でジャックと過ごす――それはあまりに危険な行為だ。コートニーは、彼に身を任せたくなる衝動を抑える自信がなかった。
  • 目覚めたら花嫁
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    族長の花嫁は、海からやってくる――だれがそんな伝説を信じられるだろうか?■旅先で知り合った男性のクルーザーに乗っていたアヴァロンは、偶然、彼とその仲間たちが麻薬密輸人だと知ってしまい、無謀にも海に飛びこんで彼らのもとを逃げ出した。だが、冷たい海の中で気を失い、目覚めると、ある老女の家で寝かされていた。ここはスコットランドの小さな村らしい。アヴァロンはその老女から思いがけないことを聞かされた。「あなたは族長の妻となるために、ここに導かれてきたのです」なんですって? 私はたまたまこの村に流れついただけよ!必死で逃げ出す機会を狙うアヴァロンだったが、しだいに心が揺れはじめた。村の人々はみな親切でやさしく、おまけに、族長のフレイザーはとびきり魅力的な男性だった。
  • 愛のセカンド・チャンス
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    彼はアシュダウンの人気者。でも、わたしはだまされない。■ソフィの住むアシュダウンにグレゴリー・ウォレスが越してきた。彼は村の新興住宅地の開発業者で、経済の活性化に貢献したと、みんな諸手を上げての歓迎ムードだ。だが、ソフィは知っている。やりての実業家の真の姿を。もとの夫アランのように、うわべだけ魅力的で冷たく、田舎の人々を見下す人間に違いないのだ。アランの望まない妊娠をしたことで捨てられたソフィは、難聴の娘を抱え、ひとりで必死に生きてきた。もう男性とかかわりを持つつもりはいっさいない。ところが、アシュダウンにやってきたグレゴリーは、ソフィに興味を示し、なにかと会う機会を作ろうとする。狭い村では避け続けるわけにもいかず、顔を合わせているうちに、彼の開くパーティーのケータリングを頼まれた。そしてその夜、ソフィは彼の家に泊まらざるを得なくなり……。
  • 響けウエディングベル
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    彼と晴れて婚約――でも、二人の気持は大きくすれ違い……。■アンバーは左手の薬指に輝くダイヤモンドの指輪を見つめた。わたしはフィンと婚約したんだわ。熱愛する理想の男性と……。もっと有頂天になっていいはずなのに、なぜ、こんなに不安なの?モデル・エージェンシーの経営者フィンは、アンバーの上司。ハンサムでセクシーで、美人モデルたちの視線は彼に釘づけ。そんな男性と恋に落ち、指輪を贈られて喜んだアンバーだったが、婚約してからの彼は毎日仕事に明け暮れ、ろくに話もできず、二人で結婚式の日取りについて相談したことさえ一度もない。おまけに、ちょっとした口げんかがきっかけで、二人の間に溝ができてしまったような気がする……。アンバーは思った。ウエディングベルを鳴らしたい、絶対に。だけど、その夢は本当に実現するの?わたしとフィンが結婚式を挙げられるのは、いったいいつ?
  • 偽りの誘惑
    3.0
    財産目当ての愛人と誤解されて、いま、誘惑のゲームが始まる。■資産家アレグザンダー・ハリントンが亡くなり、その莫大な遺産は、遺言によって、意外な相続人ローラ・マクレーンに託された。世間は突然現れたこの謎の女性を財産目当ての愛人と噂する。真実は、若き日のアレグザンダーの恋が生んだ実の娘だったのだが、誤解はとかれぬまま数カ月が過ぎ、クリスマスを迎えようとしていた。残された家族に、いつか本当のことを告げたいと願うローラは、このクリスマスに、ハリントン家を訪問しようと思いつく。誤解をとき、家族として受け入れてもらえるなら……。しかし、そこにはひとつ問題があった――クイン・マニヨン。アレグザンダーを名付け親に持つ彼も、ハリントン家に招かれていた。クインがいるなんて……。彼は、ローラを名付け親の愛人と決めつけ、出会ったときから、悪意に満ちた言葉をあからさまに浴びせてきた。それなら、彼の望む“男を誘惑し、罠にかける悪女”を演じてやろう。ローラは自分を偽り、傲慢な彼に誘惑のゲームをしかけていった。
  • ばらの面影
    -
    運命に翻弄された祖母の恋。この出会いもまた前世の定め?■戸口に現れたユーイン・フレーザーを一目見たとたん、ロザンナは体の奥底に震えが走った。初めて会った見知らぬ人なのに、なぜ……。ユーインもまた、驚きの表情をあらわにしている。でもそれは、ロザンナが祖母のローズに生き写しだったからだ。祖母はかつて第一次大戦下の戦場に看護婦として赴き、少尉だった彼の大伯父のハリーと恋に落ちた。そのいきさつは、残された手紙や日記に詳しくつづられている。史実を題材にしてベストセラー小説を書いたユーインは、次作で戦下の二人を描く調査のためにロザンナの家を訪れたのだ。彼はただ、わたしの中にローズの面影を探しているだけ。わたしが動揺したのも、不意に彼の訪問を受けたからにすぎない。だってわたしには、デイヴィッドがいるのだから。ハンサムで前途有望な医師である、愛情深い婚約者が……。
  • プレイボーイ・ドクター 恋人はドクター
    -
    どうしてセブ・マコーレーがここに?診療所で働くジョアンナは、新しく赴任してきた同僚に愕然とした。同じ大学で学んだセブは、裕福な家の出身で、学生時代から女性関係の噂が絶えなかった。プレイボーイの彼に田舎の診療所の医者など勤まるわけがない。自分とは正反対のセブに、ジョアンナは反発を覚えた。しかし彼は腕の立つ医師で、患者の受けもよかった。自分が誤解していたと認めざるをえなくなったころ、彼女は気づいた。セブに見つめられると、胸がどきどきする。おまけに、彼もジョアンナに気があるらしく、日に日に誘惑の度合いが増していった。その一方で、セブには毎日のように女性たちから電話があったが、彼はそのことをジョアンナにひた隠しにするのだった。
  • 銀色の誘惑
    -
    銀色の瞳の美女。復讐には絶好のターゲットだ。■デックは、シルバー・ジェンセンに出会ったとたん、今までになく激しい欲望が体の中にわき起こるのを感じた。だが、その後すぐにショッキングな事実を知る。まさか彼女が、あの憎きキャル・マコールの異父妹だったとは……。いや、ショックを受けている場合ではない。かつてキャルは僕の双子の妹の命を奪った。今度は僕がキャルの妹の心を奪って復讐するいい機会ではないか。一方、シルバーはデックの存在を厄介に思っていた。婚約者に裏切られてから、もう男性とは関わらないと決めている。男性はみな私ではなく、私の受け継ぐ財産にしか興味がないのだ。でも、このハンサムで強引なカウボーイ、デックは、いつの間にか私のうつろな心の中に忍び込んできて……。
  • ひとりぼっちが怖くて
    -
    母も孤児院の仲間も、皆私を置いていった。そして、あなたまで……。■医者の言葉にジェイシーは青ざめ、必死に気を失うまいとした。妊娠……。両親の顔も知らない私が、母親になるなんて……。さらに医者は言った。「あなたの血液型がRhマイナスなので、胎児の父親の血液型やその他の情報を知る必要があるんです」ああ、トムに妊娠したことを話さなければならないなんて。一夜かぎりのできごとだったのだ。新聞記者の私にとって、警部補のトムは情報提供者であると同時に、いい友人だった。だがあの夜、なにかが起こり、二人は愛を交わした。そしてすべてが終わったあと、彼はたった一言、“間違いだったよ”と言い残して去っていった。あれから二カ月、トムは私に会おうともしない。自分が父親になると知ったら、彼はどんな顔をするだろう。
  • プリンセスの挑戦
    -
    ミシュリーナ王女は、単身アメリカに渡ることを決意した。何もできないお飾りのプリンセスではないと証明してみせる。万事順調だった、彼女のトラックが牧場の納屋へ突っ込むまでは。牧場主のジャレッドに請求された納屋の修理代を、ミシュリーナは家事をして返すことになってしまった。
  • 百万ドルの新妻 ある運命の物語 XVI
    -
    “きみの子供の父親は、トレント・クロスビーだ”レベッカはそう聞かされて、激しいショックを受けた。ある事情から精子提供を受けたものの、まさかこんな現実が待ち受けていようとは……。数日後、トレント本人から完璧な“提案”が持ちかけられる。
  • ラスベガスの熱い夜 都合のいい結婚
    -
    クレオは、母親と同じような生き方だけはしたくなかった。ダンサーだった母はカジノに集まる大物たちとの恋を繰り返し、奔放な一生を送った。だけど、私は母とはちがうわ……。平凡で真面目な男性との未来を描いていたクレオの前に、ある日突然、カジノの帝王フレッチャーが現れる。
  • 御曹子の求婚
    4.0
    ジョー・コルトンのバースデー・パーティが開かれた夏、マヤはコルトン家の次男ドレイクと結ばれた。ずっと憧れてきた人との夢のようなひとときは、ある朝突然終わりを告げた。“ぼくの人生に妻子の入る余地はない”そっけない手紙だけを残して、ドレイクは去っていったのだ。しょせんは身分違いの恋。かなうはずもない。そう自分に言い聞かせ、マヤは彼を忘れようとした。だが、甘い逢瀬がもたらしたものは、傷心だけではなかった。
  • 遅れてきた恋人
    4.5
    幼くして孤児となったジェシーは父の友人に引き取られ、富裕なマッキャンドレス家で成長した。ある日、長男キングへの恋心に気づいて愕然とする。兄妹のように育てられたとはいえ、彼はこの家の御曹子。あの冷たい態度からしても、彼と結ばれるわけがない……。思い悩んだ彼女はキングをあきらめるために屋敷を去り、街で職を見つけてひっそりと暮らしていた。だが先ごろ暴漢に襲われ、そのとき負ったけがの療養のためにキングの屋敷にしばらく身を寄せることになったのだ。相変わらず魅力的な彼とひとつ屋根の下で暮らす――わたしはこの想いを封じこめられるのかしら?■“年上の男性との恋物語”――裕福で世慣れていて、罪なほど強引な大人のヒーローの魅力がちりばめられている名作をお届けします。発売中のシャロン・サラの「小さな約束」は奇跡の再会物語。ぜひあわせてお楽しみください。
  • クリスマスに見た夢は…
    -
    リサは恋人の実家で開かれた晩餐会で、オリヴァー・ダヴェンポートの姿を見つけて愕然とした。先日、偶然出会った大富豪のオリヴァーは、リサを金目当ての女のように扱った傲慢な男だ。しかも彼のせいで二人の仲を誤解され、彼女は恋人に捨てられてしまう。屋敷を飛び出したリサは、その憎らしいオリヴァーに助けられるはめになり……。
  • 嘘つきな秘書
    -
    辣腕弁護士ランド・コルトンの元秘書だったおばに頼み込まれ、ルーシーは気が進まないながらも彼の臨時秘書を引き受けた。聞きしにまさる横暴さと人使いの荒さに辟易するものの、彼のセクシーさと、ときおり見せる優しさに、しだいに心を惹かれていく。そんなある日、ランドが背中を怪我して動けなくなり、治るまでの間、ルーシーは彼の自宅へ出勤することになった。バスローブ姿のランドのたくましい体を目にして、彼女の思いは危険なまでに募り……。
  • 誘惑の代償
    4.0
    母と姉が男性に裏切られて不幸の一途をたどったため、ベス・ヘイリーは男を毛嫌いしていた。とはいえ、子供だけはどうしても欲しい――思い悩んだベスは、あるパーティに紛れて誰かを誘惑するという大胆な計画を立て、大人の雰囲気を漂わせたアレックスなる人物に近づく。妊娠するためだけの一夜は意外なまでに燃えあがるが、ベスは素性を隠したまま、寝ている彼を残して姿を消した。まさかアレックスが、ギリシアに名を馳せる財閥の跡取りで、その権力を使って自分の行方を捜し回るとは夢にも思わずに。
  • 裁きは終わりぬ
    -
    狭くみすぼらしいアパートメントで暮らすレイは、昼間は会社秘書として働きながら、夜は寝る間を惜しんで学位を取るための勉強に励んでいる。貧しい生活を支えるために、エスコートサービスのアルバイトをしていたある晩、彼女は弁護士のジャイルズ・ブレークと再会する。8年前、レイの父を死に追いやった憎むべき男――ところが成功者となったはずのジャイルズの目に、苦悩の影を見つけて、レイは戸惑いをおぼえた。
  • 君はぜったい僕のもの
    -
    生真面目な大学院生スーザン・リーは、ボランティアとして働く病院で、トム・ブラウンに出会った。ハンサムで人懐っこい彼は、女性に不自由していなさそうな、成功をおさめたプロのカメラマン。どういうわけかトムはスーザン・リーに興味を持ったらしく、初対面から、直球すぎるアプローチを仕掛けてきた!恋愛経験の乏しいスーザン・リーは戸惑い、どぎまぎしながら、胸の高鳴りをなんとか抑えようとした――トムみたいな男性が本気のはずはないのだから、と。
  • 美しき夢破れ
    4.0
    それは誰の目にも、理想的な結婚に見えた。ザックはどんな女性をも虜にする容姿端麗な会社社長で、ヴィクトリアは美しくまだ初々しい、輝ける花嫁。二人は愛し合って結ばれたと、ヴィクトリアは信じていた――結婚の裏にはザックと父の会社との提携があり、さらに初夜の翌朝、彼が愛人のもとに駆けつけたと知るまでは。残酷な裏切りにヴィクトリアは深く傷つき、夫のもとを去った。おなかにザックの赤ちゃんが宿っているとわかったのは、それから間もなくのことだった……。
  • 愛に震えて
    4.0
    大好きな母が癌におかされ、余命幾ばくもないなんて……。故郷に舞い戻ったリーアンを空港で出迎えたのは、二度と顔を合わせたくなかった義兄のディミートリだった。母が彼の父と再婚してからずっと、彼女は血のつながらない兄に恋していた。だが、21歳を迎えた夜、彼女の淡い想いは冷たく拒まれ、傷ついたリーアンは彼を避け続けてきたのだ。そんな彼女にディミートリは思いがけない提案をする。死の床にいる母を安心させるために偽装結婚をしよう、と。
  • 野性の女
    -
    マンハッタン、コーデル・エンタープライズ社――。経営者スレイドは、うんざりしていた。重役会議なんていらいらするだけだ。退屈な報告ばかり延々と続く。そのとき会議室のドアを勢いよくあけて赤い服の女が入ってきた。なんて魅力的なんだ。しかもあの燃えるような、情熱的な瞳。彼女をベッドでてなずけられたら、どんなにすてきだろう。その女性レベッカは、干ばつに苦しむオーストラリアの牧場の牛をなんとかしてほしいと言いに来たのだ。なぜぼくに?いや、そんなことはどうでもいい。スレイドは決心した。オーストラリアへ行こう。そして彼女の心も身体も手に入れるのだ。■ハーレクインの世界は、翻訳家たちの紡ぎだす世界でもあります。 長きにわたって、ヒロインたちの切ない心を美しい日本語で私たちに 届けてくれる翻訳家、霜月 桂の傑作です。
  • 美しき詐欺師
    3.5
    わたしを詐欺師だというのね。彼が再び現れたのは復讐のため?■マイナは、重役秘書として働く会社のパーティで、大物の資金提供者だという男性を紹介されてはっとした。チェザーレ……。彼がどうしてこんなところに?四年前マイナは、一大財閥を率いるチェザーレの秘書に採用された。そしてある大口の取り引きの成功を祝う席で、シャンパンとともに自分自身を差し出し、翌朝、理由も告げられずに突然解雇されたのだ。紹介状も書いてもらえず、それからの日々は地獄のようだった。「君が僕を利用したように利用してやる」今マイナは、そう告げる彼の顔をぼんやりと見つめた。ずっと秘密にしてきたことが頭の中をかけめぐった。
  • 復讐は誰のため?
    -
    彼女を失いたくない。その思いが男を偽りの泥沼へ沈めていった。■出産時に最愛の妻を失い、忘れ形見の息子ライアムを男手一つで育てている画家のジョッシュ・プレンティス。妻の担当医グレアムが薬物依存だったことが明るみに出て、妻の死は薬物の影響だと医師を訴えたが、認められなかった。彼はグレアムの娘のフローラを誘惑して彼女を不幸に陥れることで、医師に復讐しようと考え、ロンドンからウェールズに向かったフローラを追っていく。しかし最初の接触で、勝手が違うことに気づいた。マスコミの報道では冷たい横柄な美女だと思ったのに、フローラはユーモアのあるかわいい女性だったのだ。二人はたがいに惹かれ、やがて愛しあうようになる。愛が深まるほどに、ますますジョッシュは本当のことを打ち明け難くなり……。
  • 届かなかったラブレター
    -
    ドーラはあまりに臆病すぎて、彼のような男性を好きになる勇気はなかった。■ドーラは十年前に母を亡くしてから大学進学もあきらめ、厳格で威圧的な父のために家事をこなし、書店を手伝ってきた。父の意にそうような男性と婚約もし、幸せな人生を送るはずだった。だが婚約者を事故で、父親を病気で相次いで失い、ドーラはひとりぼっちになってしまう。そんなとき、婚約者の弟、グリフィンが彼女を訪ねてきた。彼は地味な生活をしているドーラをあざけり、なかば強引に妹の結婚式に出るよう説き伏せた。しかも、自分のパートナーとして。兄の次は弟を狙っているなどと言われるのはいやだ。ドーラは気が進まなかったが断ることはできなかった。グリフィンとのあの夜が、今も彼女の心の中にあるからだった。
  • 誤解の果てに
    -
    こんなにひどい誤解を受けたのに、まだ彼をあきらめられないの?■初めて訪れたアイルランドの地に、エリーは魅せられた。昔、祖父のもとで働いていたある女性を捜しての旅だったが、行く先々で出会う人みんなが温かく迎えてくれる。ただ、有名な荘園領主で独身貴族のファーガルだけは違った。知り合った最初の日に、彼はいきなり誘いの言葉をかけてきた。領主らしい気品と危険な雰囲気をあわせ持つファーガルに、エリーは自分でもとまどうほど強く惹かれる。しかし、宿を探していたエリーが偶然彼の館に立ち寄ると、ファーガルは彼女を財産目当ての女として扱いはじめた。エリーはそんな仕打ちに傷つき、彼への思慕は忘れて、人捜しだけに専念しようと決心する。その直後に、ファーガルの母こそが捜していた女性だったとわかり……。
  • 招待状のない結婚式 ゴージャスな結婚 V
    3.5
    貧しい牧師の娘から、突然伯爵令嬢に。彼が面倒を見てくれると言うけれど……。■ソフィアは幼いときに母を事故で失った。父親も一年前に病気で亡くなり、ひとりで暮らしている。小さな村では仕事も見つからず、ずっと失業中だ。王子様と出会って結婚するのが夢だが、かないそうもない。ある日ソフィアは弁護士に呼ばれ、事務所を訪れた。そこで有名なベネチアの貴族、ロッツァーノを紹介される。彼がなぜここにいるのかといぶかるソフィアに、弁護士は驚くべき事実を告げた。彼女はベネチアの貴族、ダンティーガ家の相続人であり、ロッツァーノが捜していた人物だと。茫然とするソフィアに、ロッツァーノは優しく話しかけた。彼の頭には、ある計画が浮かんでいた。
  • 罪深い関係
    -
    見覚えのある広い肩に心がふるえた。あれはもう、遠い過去だと思っていたのに。■恋人のリチャードとオークションに出かけたエリザベスは、会場でかつての夫クインと再会した。五年前、エリザベスは結婚式の直後に、夫から財産目当ての欲深女と思われていたことを知り、結婚の無効申し立て書にサインして、無断で家を出たのだ。その後名前を変え、都会の雑踏にまぎれてたったひとりで生きてきた彼女にとって、クインとの再会は過去の傷口を開くようなものだった。しかもクインは結婚を解消した覚えはないと言い、リチャードとの仲は絶望的になった。だがエリザベスは、そんな夫を今でも愛していることに気づいた。彼に誤解され、軽蔑されていると知りながら。
  • 愛はかなわぬ夢に パーフェクト・ファミリー VIII
    -
    夢見てもかなわなかった愛――それを見つけるために彼女は旅立った。■「きみに子供を産ませたがる男がいると思うのか?」会社の同僚の男性からばかにした言葉を浴びせられ、笑って言い返したものの、サマンサの心は傷ついた。サマンサの長年の夢は、愛する人と結婚して子供を産むこと。でも、三十歳になった今もふさわしい男性が見つからない。もうこうなったら、双子の妹ボビーがしたように、イギリスに渡って愛する人を見つけよう。州知事をしている父親の補佐役として彼女の家に出入りし、ローティーンのころからサマンサを知るリーアムはそんな考えに批判的だったが、出発の日、空港まで送ってくれることになった。しかし空港で彼がしたのは……キス。それも恋人にするようなぞくぞくするほど悩ましい口づけだった!
  • 暗闇の妖精
    -
    会社が倒産寸前に追いこまれ、ニーナの父は心労で倒れた。父の会社を乗っ取ろうとしているのは、裕福なギリシア人投資家で黒髪にきりりとした顔立ちのアントン・ラキトス。ある夜、ニーナは父を苦しめないでほしいと懇願するために彼の家を訪れた。だが、酔った彼にベッドに引きずりこまれてしまう。暗闇の中でもつれ合ううち、ニーナは燃えるような刺激に体がしびれ、それまで知らなかった感覚を呼び覚まされた。憎んでいる男性に抱かれたいと思うなんて、私はどうしてしまったの?酔いがさめたアントンは、ニーナが誰だかわかると彼女の混乱をよそに、父の借金を持ち出して結婚を迫った。そんなことできるわけがない。私はほかの男性と婚約しているのよ。
  • ウエディングは裸足で
    -
    きっと、これからも愛しつづける。でも、このさよならは避けられない……。■クロゼットのウエディング・ドレスを、スカイは悲しい気分で眺めていた。結婚式を目前に婚約を破棄されたのだ。婚約者だったニックは大会社の跡継ぎとは思えない、野性の香りを漂わせる魅力的な男性。でも彼が結婚を申し込んだのは、テレビの料理番組に出ているスカイを、そのイメージどおりの、夫を束縛しない女性だと思っていたからだ。「結婚できなくても、恋人同士として続けられるよ」婚約破棄を申し出たとき、ニックが言った言葉が耳を離れない。でも、恋人には戻れない。彼を忘れられないのはわかっているけれど。本当のわたしは、子供も、いつもそばにいてくれる夫もほしいのだから。ところが三週間後、スカイは常夏の島でニックと再会する。ニックはすでに、いかにも彼を束縛しそうにない、美しいモデルの恋人を連れていた……。
  • 手なずけられた花嫁
    3.0
    セスナ機が墜落したロッキー山麓。あの森で私は生まれ変わった……。■「シートベルトをつけて、しっかりつかまっているんだ!」セスナ機の助手席で、浅い眠りから覚めたマディーは、操縦桿を握るリンクの緊迫した声に、身をこわばらせた。窓の外には鬱蒼とした森林がすぐそこまで迫っている。何が起きたのだろう? 墜落するのだろうか?母に会うため、アスペンへと向かっていたマディーは、リンクのセスナ機に無理を言って同乗させてもらっていた。どうしても母に会いたいのに……。不意に機体が大きく揺れる。マディーは、懸命に操縦を続けるリンクに目をやった。私はここで、このリンカン・コリエルと死ぬのだろうか?機体が急降下し草地が目に入ったのを最後に、彼女は意識を失った。
  • 傲慢なエスコート
    -
    安心できる男性と、どきどきさせる男。どちらを選べばいいの?■その夜、ジェニファーを迎えに現れたのは、圧倒的な存在感で彼女をたじろがせる、スティーヴンという男だった。恋人のデイヴィッドと喧嘩したジェニファーは、今夜開かれる企業家たちのパーティーに行くため、仕方なくエスコートを雇ったのだ。それでもパーティー会場にデイヴィッドが現れると、ジェニファーは我に返った。彼と仲直りをしなければ。誠実な彼との心安らぐ生活を望むなら……。パーティーの帰り、スティーヴンは強引に彼女の唇を奪って言う。「きみは一週間以内にぼくに連絡してくる。次のキスに賭けよう」いったい彼は何を言っているの? わたしは恋人とよりを戻すのに。ところが翌日の新聞には、スティーヴンとジェニファーの記事が、写真つきで大きく載っていた。大企業の重役と実業家の孫の一大ロマンスとして……。
  • 遅れてきた花嫁
    3.0
    理性的な結婚が幸せを約束する――そんな彼の言葉を信じていいの?■シドニーで将来有望な若手医師として働いていたジェイソンは、ふとしたことから都会の非人間的な医療活動に疑問を抱き、また、同じ医師である恋人アデルの冷酷さにいやけがさして、小さな田舎町ティンドリーにやってきた。そして、患者のアイヴィーの姪、エマに心を引かれた。結婚するなら、こういう清楚でういういしい女性がいい。強い愛情などなくても、結婚生活は営める。女性と深くかかわり合ってひどい目にあうのはもうたくさんだ。やがてアイヴィーが亡くなり、エマが天涯孤独の身となったとき、ジェイソンは突然、彼女の家を訪れ、切り出した。「僕は君に結婚を申し込みに来たんだ」エマは唖然とした。確かに彼のことは憎からず思っていたけれど、いきなり結婚だなんて……。とても私を愛しているとは思えない。それなら、彼はなぜこんなにも唐突にプロポーズを?
  • 誰よりも何よりも
    -
    彼との恋はまるで初恋のような気分。でも婚約者がいたなんて、どういうこと?■「ここはいったいどこなんだ?」男は目を覚ますと言った。彼は、オリヴィアが手伝う牧場で、倒れていたのを発見されたのだが、どうやら頭を強く打ったために、一時的に記憶を失っているらしい。思い出せたのはベンというファーストネームだけ。看病するうちに、オリヴィアは彼に強く興味を引かれるようになった。整った顔立ちにブルーの瞳、皮肉な冗談がうまくて、病人のくせにしきりに彼女の歓心を買おうとする。わがままで、でも優しくて……。だめよ。彼のことはまだ何も知らないのに、好きになるなんて。オリヴィアはベンといると、いつも幸せな気分になれた。まるで初恋のときのように。でも、そう思い始めたとたん、彼は牧場の買収に訪れた畜産会社の社長で、しかも、しばらく前から記憶が戻っていたと、オリヴィアに打ち明けた。やがてベンを飛行機で迎えに来たのは、華やかな魅力をたたえた女優のケイトリンだった。だが、オリヴィアは知るよしもなかった。ベンをいたわるように抱きしめる彼女が、まさか彼の婚約者だとは!
  • 封印された花嫁衣装
    -
    理想の男性が今、目の前にいる!ホリーがそう思った矢先……。■荒涼とした十一月のイギリス。だが、ホリーの心は温かかった。ラブレース・ブライダルショップ――ついに自分の店を開けるのだ。すべての女性を、まばゆいほど美しい花嫁に変身させる店。ホリーがデザインしたウエディングドレスはここで売られ、愛と希望を包みこんで花嫁から花嫁へと伝えられる……。店の前でぼんやりと夢の中を漂っていたホリーは、通りかかった男性を見てぽかんと口をあけた。これほど魅力的な男性は見たことがない!ひそかに夢見てきた人が、現実に目の前に現れたようにさえ思える。彼のほうも、催眠術にかかったように茫然とホリーを見つめている。ところが、彼はホリーが無断で不動産業者と店の賃貸契約を結んだと知り、敵意をむき出しにしてにらみつけてきた。ホリーは、彼が店の家主だと知り、とたんに警戒を強めた。彼はどういうつもり? まさか契約を認めないなんて言いだすのでは?
  • 十年目の初恋
    2.0
    十年前、何より大切にしていたものをあなたは忘れてしまったの?■フェイとガースは、結婚して十年目の夫婦。しかし、二年前から別居している。結婚当時、貧しかったガースは、今では大きな建設会社の経営者だが、仕事に夢中で家庭を顧みないことに、フェイは耐えられなかったのだ。別居後、恋人もできた彼女は、離婚を望んでいた。だが、そんな妻の気持を知って、ガースは取り引きを持ちかけてきた。新しい住宅シリーズの売り出し用の広告に、結婚十周年を迎えた自分たち夫婦を使いたいが、そのためには再び家族で暮らす必要がある、その代わり、PRの仕事が終わりしだい離婚に応じよう、と。フェイは離婚を前提に、子供たちと共に再びガースと暮らしはじめた。そして、改めてガースを身近に観察する機会を得た。離れてしまった家族の気持を取り戻そうと奮闘する彼に、やがてフェイは……。
  • 恋はハーレーに乗って
    -
    彼女は氷のプリンセス――いつか僕が溶かしてみせる。■JTは、彼女にキスをしたとたん、自分が困った状況に置かれたことに気づいた。金色の髪に黒い瞳の、美しい女性テイラー。だが彼女は、かつてJTを陥れた憎きボス・ダニエルズの娘。父親と同じ、非情なビジネスウーマンだ。テイラーは、JTの大切な故郷であるジャーメイン島のリゾートを次のビジネスのターゲットとして秘密裏に調査していた。それを知ったJTは、島を守るため、身分を偽って彼女に近づいたのだ。彼女の調査の目的を暴き、ボスに復讐するはずだった。それが、こんな氷のような女に欲望を覚えるなんて、いったい僕はどうしてしまったんだ?島の未来と、ボスへの復讐だけを考えなくては……。
  • 彼の求愛宣言
    3.0
    私にも未来がある――それを教えてくれたのはあなた。■ヘスター・コンウェイは、戸惑っていた。結婚一年目で愛する夫を亡くしたあと、家具店の経営に打ち込み、私生活のほうもなんとか充実させてきた。気軽につき合えるボーイフレンドも何人かいて、なんの約束もしない関係に満足していた。しかし一人の男性の出現によって、そんな平穏な毎日が崩れた。パトリック・ハザード。背が高く、知的でハンサムな作家。彼はヘスターの住む小さな町に突然越してきて以来、あっと言う間に彼女の心に入り込んできた。でも、私はまだ亡き夫を愛している。ほかの男性と深い関係になる心の準備はできていない……。だが、パトリックはヘスターの不安をよそに、彼女を強引に食事に誘うと、いきなりその唇を奪った。
  • 完璧な結婚
    -
    妻や母である前に一人の女だと、どうしたらわかってもらえるの?■はたから見れば、ジーナの結婚生活は完璧と言えた。ハンサムな夫、かわいい三人の子供たち、裕福な暮らし。しかし、そんな幸せそのものの日々の中で、ジーナは不満をつのらせつつあった。夫のリードは私のことを、家庭を守る妻、子供を育てる母親としてしか見ていない。そんなある日、平穏な生活の中に小さな疑惑が生じた。リードが出張の宿泊先を、いつものホテルから別のところに変えたのだ。しかも、そのホテルは出張に同行する秘書のペイジが選んだという。ジーナにはぴんときた。思えば、ペイジが働きだしてからだ。リードがどことなくよそよそしくなったのは。リードの出張についていこう。とっさにジーナは心を決めた。彼が浮気をしようと考えているなら、なんとしても阻止しなければ。そして、私を一人の女として見てもらえるようにするのだ。
  • ドクターの情熱
    -
    妊娠の責任を取るためだけに結婚式を挙げようとしていたなんて!■ヨーロッパを旅行中、ティアはイタリアで医師のルカと出会い、あっという間に恋に落ちて一緒に暮らしはじめた。やがてティアの妊娠がわかり、二人は結婚に踏み切る。ところが結婚式の当日になって、ティアは衝撃的な事実を知ってしまった。ルカには、ルイーザという名の愛する女性がいたのだ。彼とは結婚できない。これからは一人で生きていこう……。ティアは教会から逃げ出し、傷心のまま故郷のイギリスに戻った。しかし二週間後、突然ルカが現れ、一緒に住もうと言いだす。あの女性はどうなったの? すべては赤ちゃんのためなの?ティアはこぼれ落ちそうになる涙を懸命にこらえた。
  • トスカーナの花嫁 シンデレラに憧れて
    -
    大財閥の跡継ぎを産んだ彼女への周囲の目は冷たかった。■カフェで働いていたポーシャは、客のヴィトーに言い寄られ、熱意にほだされて結婚の約束をした。ところが、身ごもった直後、彼と連絡がつかなくなる。ヴィトーの身に何か起こったのだろうか――ポーシャは心配でたまらず、彼の仕事先のレストランに何度も手紙を出したが返事はなかった。数カ月後、ポーシャは新聞でヴィトーの事故死の記事を見て愕然とする。彼はイタリアの大財閥の次男坊で、妻までいた。レストラン開店を夢見て、貯金に励んでいる若者などではなかったのだ。かわいい男の子に恵まれたものの、祝福してくれる人もなく、両親の非難にさらされながら、つらい日々を送る彼女は、ある夜、冷たい目をした見知らぬ男の訪問を受けた。彼はヴィトーの義兄ルチェンゾと名乗り、軽蔑もあらわに言った。「きみと赤ん坊をイタリアに“招待”したい。父の意向だ」
  • 火花の中でダンス 最高のあなた
    -
    踊るたびに二人の間で散る火花。いつしかそれは情熱の炎となり……。■「どうして初めてだって言わなかったんだ?」ニックの怒ったような声に、ジーナはそれまでの幸せな気分が吹き飛んだ。なぜ彼とはこうなのだろう……。いつも口論になってしまう。海兵隊員のニックとは、社交ダンスのクラスで知り合った。彼とはダンスの息も合わなかったし、性格もまったく合わなかった。だが、競技会に出ることになり、クラス以外でも練習をしようとジーナのアパートメントで二人きりになったとたん、何かが起こり、二人は愛を交わしてしまったのだ。ジーナにとっては初めての経験だった。そして今、彼はそのことを怒っている。私がバージンを武器に彼に罠を仕掛け、わざと妊娠し、結婚を迫るのではとおびえているのだ!
  • シークと純真な秘書
    -
    カイリーは結婚式の直前に婚約者の裏切りを知った。式を即刻中止して婚約者に別れを告げたものの、衝撃はおさまらない。自暴自棄になった彼女は、職場の上司でありアラブの国のプリンスでもあるラフィクに懇願してしまった。“あなたの愛人にしてほしいの”と。
  • あの丘に登れば
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    愛する両親を交通事故で失ったエデンは、薄汚れた部屋を借り、残された義兄とどうにか生きてきた。そんなある日のこと、エデンの部屋に突然、裕福な身なりの長身の男が憤然と乗り込んできた。大企業の社長スターン・パーネルは、彼が後見人をしている若い娘を義兄が金目当てにたぶらかし、そそのかして駆け落ちしたというのだ。そして、エデンの体をじろじろと眺め回して決めつけた。彼女は詐欺師の仲間だと。
  • 背徳のキス
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    父の隣に寄りそう美女を、デメトリは鋭いまなざしで見据えた。67歳にもなった父がイギリスから若い愛人を連れ帰ったことで、海運業界に君臨するカストロ一族はいま大騒ぎだ。愛人の名はジョアンナ。おおかた一族の財産をくすねるため、天使のように清らかなあの微笑で、父に近づいたのだろう。長男としてどんな手を使っても、彼女を追い払わなくては。だが固い決意とは裏腹に、デメトリは密かに戸惑っていた――悪女には到底思えぬ、純真そうなジョアンナから目を離せず、そればかりか……父にほのかな嫉妬すら覚えてしまう自分に。
  • 潮騒
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    高名なピアニストだった祖父にピアノを教わりながら、マリナは海辺の山荘で、俗世間と隔たれた日々を送っている。ある日、祖父とひっそり暮らす山荘に、ギデオンと名乗るハンサムな旅行客が滞在することになった。初対面なのになぜか懐かしさを覚え、彼に惹かれるマリナだが、一方の祖父は冷淡な態度で、まるで彼を憎んでいるかのよう。いったいどうしてかしら……いぶかしむマリナは数日後、ふと美しいピアノの旋律を耳にする。弾いているのは……ギデオン?次の瞬間マリナは思い出した――心に封印していた残酷な記憶を。
  • そっとくちづけ
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    都会の上流階級で育ったマンダリンは、18歳のときにアリゾナの美しさに心打たれて引っ越してきた。近隣に住むカールソンとはそれ以来のつきあいだ。年の離れたカールソンは無骨で粗野な男だが、彼女にだけは優しさを見せる彼を、マンダリンは憎めずにいた。そんなある日、カールソンは唐突に、彼女にマナーを教えてほしいと切り出す。きっと故郷に帰ってきた美しい旧友の気を引くためだわ。しぶしぶ引き受けながら、マンダリンの胸が痛んだ。
  • いとしき異邦人
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    やせっぽちでそばかすだらけ、引っ込み思案のキャシーは20歳。イギリスの海辺の町に住む医師の娘だ。半年前、父が連れてきたオーストリア人医師ウルフの、いかにもやり手らしい威圧的な態度が気に入らないのだが、たった1人の親友で、すばらしい美人のティファニは、ひと目でウルフに夢中になり“絶対に彼を手に入れる”と息巻く。ところがある日、ウルフに近寄られたキャシーは激しく動揺し、鉛筆を削っていたナイフを、思わず彼の手に突き刺してしまう。以来ますます彼を避けようとするキャシーだが、ウルフのまなざしは、逃がしはしないとでも言うかのように、彼女の心を絡めとって離さないのだった。■思い悩むキャシーを親友ティファニの兄が抱きすくめ、求婚します。 ところがそれをウルフに見られてしまい、彼は嫉妬の炎を燃やし……。 ヴァイオレット・ウィンズピアが描く激しい初恋と、三角関係の愛。
  • 妻になる資格
    4.0
    いったい彼女は誰なのか?隠されてきた過去に彼は愕然とした。■マルコは、恋人との将来を考えあぐねていた。アントーニアとはすでに一年も同棲している。美しいが出生のあやしいアントーニアは、愛人としては理想の女でも、妻としてはふさわしくない。彼女は、画家ステファンの出世作《鏡の女》のヌード・モデルでもある。ミラノの名門一族とされるマルコの両親は、人前で裸をさらす女性との結婚を決して許さないだろう。「見ておいてほしいものがあるんです」あるパーティーで、偶然出くわしたステファンに、マルコは一枚の絵を見せられる。《鏡の女》とそっくりの絵――だが、モデルは間違いなく別人だ。アントーニアに瓜二つの女がいるというのか?そこには、マルコが知るはずもなかった真実が秘められていた。
  • あなたへの道のり
    3.0
    愛し方など知らなくてもいい。ただそばにいて手を握っていて。■エイミーがジェイクと出会ったのは、友人の赤ん坊の洗礼式だった。二人は一目で引かれ合い、一夜をともにしてしまう。そのとき彼女の家の玄関で、ジェイクは警告した。「責任はとらない」と。だからエイミーは妊娠がわかっても、一人で産み育てるつもりでいた。後日、彼女が身ごもっていることを知ったジェイクから、小切手が送られてきた。彼のお金ではなく、心がほしいのに。エイミーは小切手を細かく破いて送り返した。すると今度は、身の回りを世話する家政婦が派遣されてきた。ジェイクは父親にはなりたくないが、無視することもできないらしい。今度はさすがに、家政婦をびりびりに破いて送り返すのは不可能だ。何か手を考えなければ。そしてエイミーはある作戦を思いついた。
  • 誘惑の構図
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    気の毒なホームレスだと思って接した男性が、スーツ姿で彼女の職場に現れた。■ロンドンの法律事務所で働くシングルマザーのレイチェルは、ある夜、交際中の外科医とレストランで食事をしていた。そこへ娘が行方不明だという知らせが入り、大騒ぎになる。娘は無事に帰宅したが、髪と無精髭の伸びた男性と一緒だった。彼をホームレスだと思いこんだレイチェルは同情を覚え、家に入れてサンドイッチをふるまった。数日後、新しい上司ベネディクトと対面したとき、レイチェルはショックを受け、激しい怒りに駆られる。目の前にいるのは、まぎれもなく先日の男性だったからだ。彼はきっと、わたしをからかったに違いない。敵意もあらわなレイチェルに、ベネディクトは誘いの言葉をかけてきた。
  • 大人になった夜
    1.0
    あの夜二人は愛と情熱によって結ばれたはず。なのに、なぜ彼は一日で心変わりを?■レイチェルが母と暮らすロンドンの邸宅に、アメリカから四年半ぶりにガブリエルが帰ってきた。彼の父グレッグの葬儀のためだ。グレッグとレイチェルの母は長年愛人関係にあり、レイチェルは十六歳のとき、母とともにこの邸宅に移り住んだ。父親の宝石会社を手伝っていた八歳年上のハンサムなガブリエルに、レイチェルはひと目で夢中になり、彼もレイチェルには優しかった。そして彼女が十九歳になった次の日の夜、二人はついに結ばれた。だが翌日から、なぜかガブリエルはよそよそしくなり、数日後には、ほかのセクシーな女性とベッドをともにしていた。その直後ガブリエルはアメリカに発ち、今日まで帰らなかったのだ。裏切られた悲しみと怒りは、まだレイチェルの心に強く残っていた。
  • 愛するのは危険
    3.0
    「私は取り引きの道具なんかじゃないわ!」さげすみの目を向けられ、ビアンカは叫んだ。■輝くつややかなブロンド、大きなグリーンの目、抜群のスタイル、ビアンカ・ミルンは非の打ちどころのない美貌の持ち主だった。電子機器会社の特別開発企画部長として活躍する彼女にとって、比類ない外見はかえって仕事のさまたげになる。取り引きを有利にするために女の魅力を武器にする……、今のポストを手に入れたのは社長の愛人だから……。いつも不愉快なゴシップにさらされる。真実とほど遠い噂ばかりだ。今ビアンカの会社が乗っ取りを計画している会社の社長、マット・ハーンもその噂を信じているらしい。ビアンカはひと目で彼に激しく惹きつけられたというのに……。
  • 略奪結婚
    3.0
    なぜそれほどに私に固執するのだろう。私を愛してもいないのに。■カサンドラは胸騒ぎがしてならなかった。社長のラングに呼びつけられて、フィアンセのアランとともにアメリカまでやってきたが、なぜか不安が胸を去らない。着いた翌日には、昇進をほのめかすラングの指図に従い、アランは嬉々として出張に行ってしまった。その上、せっかくだから観光してはというラングの提案で、ラスベガスへ行くことになった。二人きりで……。向こうでアランと落ち合うというけれど、それまでのほんの二日がなぜこんなに不安なのかしら。何かを胸に秘めているようなラングにおびえながらも、カサンドラは正面から事態に立ち向かおうと決意した。一週間たてば、晴れてアランと幸せになれるのだから。
  • 封印された愛
    5.0
    義姉の恋人を奪うなんて私にはできない。たとえこの子が父親を欲しがっていても……。■ケンブリッジ大学で開かれたパーティの夜、ある事件を契機に、ポリーはイタリア人の従兄、マルコ・ダレッタと結ばれた。マルコはポリーが十三歳のときから憧れていた人だ。でも、彼は義姉の恋人。遠くから眺めているしかなかった。ポリーはこの一夜限りの愛の行為でマルコの子を身ごもるが、マルコへの不信感と義姉に対する罪悪感から彼のもとを去り、シングルマザーとなる決意をする。月日は流れ、息子のベンが三歳になった夏、ダレッタ家の洗礼命名式パーティに招かれたポリーは、単身でイタリアを訪れ、マルコと再会した。二人の心が通いだし、愛を交わそうとしたそのとき、偶然に落ちたベンの写真が、マルコの目に留まった……。
  • 恋人たちの岸辺
    -
    恋の痛手を癒すのは、新しい恋。でも、ほかのひとを踏み台にはできない。■タラは一流のリクルート・サービス会社に勤めるキャリアウーマン。恋人に裏切られたのがきっかけで、仕事に生きる決意をした。以来忙しさを口実に、男性とのかかわりを避け続けている。そんな彼女の休暇先は、静かな川辺に立つ古い田舎家だった。外国を旅行中の両親が帰ってくる前に、彼らの持ち家のこの屋敷をぴかぴかに磨き上げておく――タラはそのためにひとりで休暇を過ごすつもりだったのだが、一家の船着き場にはなぜか豪華なクルーザーがとまっており、その持ち主アダムはあつかましくも魅力的な男性だった。夕食に招待させられたり、強引にペンキ塗りを手伝われたり。腹の立つ隣人だったが、タラは次第にアダムに惹かれていく。彼には婚約者がいると、はっきり知らされているのに。
  • 永遠のイブ
    4.3
    アンジーの父は、雇主に忠実なだけの卑屈な執事だった。大きな屋敷の薄暗い地下の使用人部屋で暮らすアンジーにとって少女時代の憧れは、一直線に、屋敷の後継ぎ息子レオに向かっていた。結婚したレオが妻と娘を事故で亡くして半年後、彼が失意のうちに屋敷に戻ってきたのを機に、アンジーの思いは激しく一気に燃え上がった。どうにかしてレオを慰めたい、レオに新しい子供を与えなくては…。無我夢中でレオを誘惑し、二人は熱い週末を過ごしたのだった。ところが彼女は妊娠を知ったあと、屋敷を追い出された。誰の子かわからない子供を身ごもった女として、おまけに、泥棒の汚名まで着せられて、無一文で追い出されたとき、レオも、実の父も、誰もかばってはくれなかった。
  • 熱いファンタジー
    -
    一度だけの衝動的な行為のつけがこんな形でまわってくるなんて!■明日からクリスマス休暇。今日は会社でクリスマスパーティが開かれる。だが、社長秘書のオリヴィアの気分は少しも晴れなかった。昨夜、同棲していた恋人のニコラスが急に家を出ていってしまったのだ。堅実で地味なオリヴィアに飽きたのだと言って。未練がましくニコラスの職場に電話をかけたオリヴィアは、さらに落ちこむはめになった。電話を取った女性が、ニコラスとつき合っていることを告白したのだ。いいわ、こうなったらパーティに出て、彼のことなんか忘れてやる!酔って大胆になったオリヴィアは、社内のプレイボーイとダンスをし、あげくの果てに、オフィスにいた社長のルイスに誘いをかける。初めは拒絶していたルイスも、ついに彼女の誘惑に負けて……。酔いがさめたとき、オリヴィアは愕然とした。なんてことを!ルイスは自分のほうが悪かったのだと慰めてくれたが、一カ月後、オリヴィアは思いもよらない事実に直面することになった。
  • ニューヨークへ愛をこめて
    4.0
    ニューヨークからテキサスへ。都会の令嬢が牧場を訪れたとき…。■リリアンは両親を事故で失い、富豪の祖母のもと、妹のレイチェルとともに、ニューヨークの上流社会の令嬢として優雅に暮らしていた。わがままで意地の悪い妹と違い、リリアンはいつも優しく穏やかだった。けれど、祖母はなぜかリリアンに冷たく、レイチェルがお気に入りだった。そのレイチェルが、突然テキサスのカウボーイと駆け落ちした。「すぐに連れ戻して。できなければ勘当です。レイチェルも、あなたも」祖母の厳命で、リリアンはテキサスに向かった。自堕落な妹がいつかは道を踏みはずすのではと、リリアンは心配していた。でも結婚をきっかけに、妹も真剣に生きていくようになるかもしれない。とにかく、レイチェルと恋人のカウボーイに会わなければ。空港に降り立った彼女を、レイチェルの駆け落ち相手の兄が出迎えた。彼は尊大で、無愛想この上ないカウボーイ。しかもリリアンに、激しい敵意を燃やしていた。
  • 優しい誘拐犯
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    絶対逃げだしてみせる――そう誓ったのに心はまだあなたに囚われたまま……。■わたしは今、初めての出張でフランスにいる……。苦労してやっと就職した会社から、初めて責任ある仕事を任され、ローラは浮かれていた。決められた時間に公証人に会い、決められた書類にサインをする。それだけの仕事だったがローラは十分嬉しかった――ベルベットのような黒い瞳をした男性が現れるまでは。いきなり人を誘拐しておいて、「ビジネス上の都合で、ほんの二、三日きみをあずかっておきたいだけだ」ですって?わたしをいったいどうする気? わたしの仕事はどうなるの?書類にサインしなかったら、きっと会社はわたしを首にするわ。あなたがどんなに冷酷で、恐ろしく……魅力的な誘拐犯でも、わたしは絶対逃げだしてみせる。もしも会社を首になったら、一生あなたを許さないから!
  • 復讐という名の再会 バロン家の受難 II
    -
    最悪の別れ方をした二人の間に、復讐心と情熱が交錯する……。■兄の結婚披露宴の会場で、コリーンは衝撃に襲われた。彼女が修道女として過ごした長い月日にさえ、片時も忘れることのなかったギャヴィンの姿がそこにあった。“もう一度、あの笑顔を見てみたい”そう願ったが、冷徹なまでに無表情な彼に、コリーンは話しかける術を知らなかった。理由も言わずに関係を断ち切ったコリーン・バロンを見返すため、ギャヴィンは仕事に心血を注ぎ、ついにホテル王となった。私生活でも数々の女優やモデルたちと浮き名を流してきた。今の僕を見て彼女がどんな反応を示すか楽しみだ。彼は突如偽りの笑みを張りつけ、彼女に声をかけた。
  • 堕ちたエンジェル
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    墓石に“ここに永遠の処女眠る”なんて刻まれるような一生はいやだっただけ。■ぴったりした黒革に包まれた官能的な体、引き締まった長い脚。エンジェルはバーに入ってきた彼女を見て驚いた。話を聞いた限りでは、女学生のような女だとばかり思っていた。いや、中身は世間知らずな女学生そのものだ。こんな危険な場所に自ら飛び込んでくるのだから。くそっ、この仕事も楽ではなさそうだ。どうしよう、こんないやらしい酔っぱらいにからまれてしまうなんて。コーリーは窮地に陥っていた。このバーに入ったのは間違いだった。“いい子”でいる退屈な毎日から、抜け出したかっただけなのに。そのとき、背後で低い男の声がした。「彼女から離れろ」振り返ると、緑の冷酷な瞳、たくましい体、金のピアスが目に入った。どうみても救いの主には見えない……コーリーの不安はさらにつのった。
  • 売られた花嫁
    5.0
    まったく世間知らずの“妻”を競り落とすことになろうとは!■「次の出品は、ミス・レイチェル・ジョンソン……」競り市に来ていた牧場主リンクは、競売人の言葉に耳を疑った。人が競売にかけられる? まるで奴隷売買じゃないか!競売台に立つ美しい女性の姿が見え、リンクは怒りのあまり、彼女に自由を与えようと高額で競り落とした。だが彼女はなんと、現代社会から隔絶した環境で農業と信仰の日々を送る集団“コミュニティ”の人間だった。そして、“コミュニティ”のルールとして自分を競り落とした相手と結婚しないと、次の競売にかけられるという。今はひとまず結婚に応じ、彼女が自立できるようになったら解消しよう。そう考え、その場で彼女と結婚したリンクだったが、車の乗り方も、普通の生活の仕方も知らない純真無垢な新妻に、いつしか抑えようのない欲望を感じ始めていた。

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