あらすじ
博打の賽の目を読む天稟に恵まれた街道人足の多吉は、妻のお里から賭場への出入りをきつく諫められていた。だが、愛妻の死を契機に賭場へ通いつめ、ならず者に睨まれるほどの荒稼ぎを始める。そんな父の身を案ずる独り息子の蓑助に、多吉は「思うてるだけの金を貯めたら博打は止める」と話していたのだが……。傑作人情譚、シリーズ第十八集。
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Posted by ブクログ
公事宿事件書留帳シリーズ18巻。かたりの絵図・暗がりの糸・奇妙な賽銭・まんまんちゃんあん・虹の末期・転生の餅・6話。表題作『奇妙な賽銭』最近、夜毎どこかの貧乏長屋に銭が投げ込まれるという事件が京の町で起きていた。東町奉行所同心が夜見廻りをしていると、犬に吼えられている笠を被った小男を助けた。懐に大金を抱えていたが、外出していた理由を聞くだけで家に送ったが見張りをしていると…。『まんまんちゃんあん』島流しになった過去がある男に付きまとう、西町奉行所の同心を懲らしめる菊太郎。読んでスッキリする話だった。
Posted by ブクログ
公事宿事件書留帳シリーズ第19作。
『まんまんちゃんあん』若気の過ちで島送りとなったが、心を入れ替え、残された娘のためにも、必死で働く弥助。そんなとき、島帰りの男たちから金品をせびり取っている悪徳同心の市川平十郎に、弥助は目をつけられ、働く先々で嫌がらせを受けて、何度も職探しをする羽目となる。しかし、弥助は、自分のためにお祈りをしてくれる幼い娘に支えられて、嫌がらせにもめげずに、働き続ける。