あらすじ
金貸しの老婆を絞殺し、百五十両を奪った廉で六角牢屋敷に送られた多吉。腕利きと評判の吟味役同心・太田宗兵衛から、凄惨な拷問を受けながらも頑として罪を認めない彼の様子に、菊太郎はある仮説を立てる。事件の真相を探るため、罪人になりすまして牢屋敷に潜入した菊太郎が見たものとは何だったのか? 感涙必至の人気シリーズ、第十九集。
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Posted by ブクログ
1年半振りにこのシリーズを読んだけど、安定した出来です。このシリーズのいいところは最後あっさり解決に持っていくところ。
しかし、何年経っても菊太郎はんが内藤剛さんのイメージから抜けないわ・・・
Posted by ブクログ
江戸時代の京都を舞台に、公事宿鯉屋の居候菊太郎が活躍するシリーズ第19集。収録されているのは、闇の蛍、雨月の賊、血は欲の色、あざなえる縄、贋の正宗、羅刹の女、の6編。
Posted by ブクログ
公事宿事件書留帳シリーズ第19作。
『あざなえる縄』
共に同じ村から出てきた仲の良い二人。一緒に同じ奉公先で働いていたが、ひとりは店の一人娘の婿となって店を継ぎ、もうひとりは暖簾分けをしてもらい、店を開いた。暖簾分けをしていた店が商いが出来ないようになったので、店を継いだ方が見かねて、四百両もの大金を、返済の期日も利子も書かずに証文を作り貸したという。
真剣に取り立てようとしない父を見て、息子が公事宿に相談にきたのである。
人間はあざなえる縄のように、好き合うた仲間が、絡み合うて助け合い、生きていかなければならない。そうすれば、どんな禍福にも耐えられる。
絶品の人情噺である。