あらすじ
同心組頭の兄・田村菊太郎は公事宿(訴訟人専用旅籠)の居候。人を殺めた疑いで捕らえられた吉松の無実を鯉屋に訴え出た恋人の八重。彼女の心にうたれた菊太郎は、事件を洗い直す。そして事件の裏に親が無宿者だった吉松に対する偏見があることを知る。怒る菊太郎がとった行動とは? 「拷問蔵」ほか全六編収録の好評時代小説シリーズ第三作。
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Posted by ブクログ
公事宿事件書留帳シリーズ第三弾。
生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く、死に死に死に死んで死の終りに冥し。
弘法大師の言葉が、作品のなかで、紹介されている。
人はどこから生まれ、どこへ死んでいくのか。人は何度も生まれ変わっても、人間についても、生や死についても何もわからない。
菊太郎は、人間はある一面だけでない。良くも悪くも、明暗半々、と結んでいる。
この人間観がこの作品の良いところであり、肝でもあろう。
Posted by ブクログ
あとがきに、人間のすることは今も昔も変わらないとあったけど、今回はそう感じる話が多かった。
京の狐なんて、こんな男の人、たくさんいるんだろうなあ。
詐欺ギリギリなこの感じ。
こういうしたたかさが結構好きなので、この話は良かったな。
真夜中の口紅は、鬼平好きには物足りない。。
中秋十五夜は切なくて、でもよくやった!感で後味よし。
コレまでの三冊で一番良かったな。
拷問蔵
京の女狐
お岩の最期
かどわかし
真夜中の口紅
中秋十五夜