あらすじ
桜の木の下で、花びらを握り締めた男の死体が発見された。中学生の桑原崇(くわばらたかし)が想いを寄せる、女教師・五十嵐弥生(いがらしやよい)は事件に関係があるのか? 崇の淡い失恋、棚旗奈々(たなはたなな)のファーストキス……小松崎、御名形らの学生時代が綴られ、いつしか複雑な糸は、1本の美しい「縁」となる。切なくも眩しい、QED青春編! (講談社文庫)
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Posted by ブクログ
QEDシリーズのお馴染みのキャラクター達の青春時代の話であるばかりでなく、最終的には、全ての話がどこかで「繋がっている」ことがスゴイと思った。
この後も彼らは、互いに出会っていくことになるのだから、「繋がり続けていく」とも言える。
タタルのエピソード「九段坂の春」にも出てきたが、まさに「縁」だなと考えていたら、解説中のインタビューで、作者ご本人が本作のトータルテーマとして「縁」を挙げておられて納得した。
Posted by ブクログ
目次
・九段坂の春
・北鎌倉の夏
・浅草寺の秋
・那智瀧の冬
QEDメンバーの、それぞれの学生時代に起きた事件とその解明。
単純にそれだけ、のはずがない。
年代も場所も違うそれぞれの事件が、読み進めると見え隠れする共通する人物。
偶然というにはあまりに重なり合いすれ違う人々。
これが「縁」というものなのだろう。
そして解説を読むともう一つ仕掛けがあったらしい。
三島由紀夫の『豊饒の海』の構造をモチーフにした、オマージュになっているらしい。
残念ながら私は『春の雪』までしか読んでいないのでわからなかったし、今もピンとは来ていないのだけど。
Posted by ブクログ
再読。 各章バラバラに独立してると思いきや、誰かが誰かと繋がっていて縁が紡ぐ一つの華麗な絵巻物を見ているよう。縁あればまたどこかで出会うという思いを見事に再現している。
十代の彼らの口調が大人と変わらないのはやや違和感でそこがちょっと残念。
Posted by ブクログ
2011/4/16 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2020/11/2〜11/4
QEDシリーズでお馴染みのメンバーたちの青春時代を描く連作短編集。それぞれの後のキャラがしっかりと芽生えている。相当工夫を凝らした作品らしく、解説にある本人の解説が興味深かった。