君塚直隆のレビュー一覧

  • 女王陛下の影法師 ──秘書官からみた英国政治史

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     2007年の単行本を文庫化。19世紀のヴィクトリア女王からエリザベス女王までの君主に仕えた秘書官の話。文庫化にあたっては、現・チャールズ国王の戴冠式のTV解説を行った筆者だけに、あとがきにて「今」を追記。君主に対しては中正公平に意見を述べ、政府との仲介にもあたった秘書官の動きを通して、自然と近現代の英国政治史が学べるお得な本。文章も読みやすく、別の視点から見た歴史書としても秀逸。

     初版当時、英国連邦(コモンウェルス)には、14か国に25億人もおり、世界人口の30%を占めていたとあり、英国の君主の大変さがよくわかる(エリザベス女王の日課も書かれているが、自分にはとても無理)。とは言いつつ、

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    2023年06月10日
  • ヨーロッパ近代史

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    ヨーロッパ近代、すなわちルネサンスから第一次世界大戦までのヨーロッパの歴史を扱う。各章で、一人の偉人に焦点を当て、彼らの生涯を追いながら同時代のヨーロッパを振り返る、という構成。ある章から次の章へのバトンタッチがなんとも形容しがたいほど美しい。偉人の生涯に重点が置かれていることから、ページ数の割に政治史や外交史のウェイトは軽め。同著者による『近代ヨーロッパ国際政治史』で補いたい。

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    2021年11月10日
  • 悪党たちの大英帝国(新潮選書)

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    著名人の多い英国史の中から七人の悪党を選んだオムニバスストーリー。

    悪党とはワルではなく、出身階級に関わらず主流派ではなくアウトサイダーだった人達を指す。アウトサイダーだけに、毀誉褒貶が激しい人々で、ヘンリー八世、クロムウェル、ウィリアム3世、ジョージ3世、パーマストン、ロイド・ジョージ、チャーチルが本書の対象。

    筆者は、それぞれの悪党についての毀誉褒貶を冒頭に掲げ、その人物の生い立ちや活躍を著述し、最後に些細な悪事はあっても大英帝国の歴史に大きく貢献した事績を簡潔にまとめて章を終える。ロイド・ジョージとチャーチルのように章と章の間の繋ぎもよく、オムニバスなるも完全独立ではなく連続性がある

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    2021年07月18日
  • 悪党たちの大英帝国(新潮選書)

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    大英帝国を築いてきた「七人の悪党」として取り上げられているのは、ヘンリ八世、クロムウェル、ウィリアム三世、ジョージ三世、パーマストン子爵、デイヴィッド・ロイド=ジョージ、ウィンストン・チャーチルの七人である。

    本書の「はしがき」でも「おわりに」でも述べられているが、英国では評伝(伝記)が重んじられ、今でも街中の書店には必ず伝記コーナーに多くのスペースが割かれている(評者が在外研究で英国に滞在したのはもう17年も前の話だが、そのとき書店で一番印象的だったのもそのことであった)。それはマルクス主義史学やフランスの社会史、あるいは最近流行のグローバル・ヒストリーとも違う、「歴史を動かすのはあくまで

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    2021年06月22日
  • ヨーロッパ近代史

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     宗教と科学という両輪によって世界を席巻したヨーロッパをその次代を大きく動かした人物に着目して解説。
    短くまとめていながらも歴史のドラマや人々の関係を描かれており読んでいて楽しいものとなっている。
     

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    2019年06月14日
  • 物語 イギリスの歴史(上) 古代ブリテン島からエリザベス1世まで

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    [バランス、バランス、バランス]多くの人を惹きつけるイギリスの歴史を、「王権と議会」という概念をキーワードに読み解いていく作品。なぜイギリスで議会制度が発展したのか、なぜイギリスは世界の海を統べる大国になったのかといった疑問に答えるための糧を与えてくれる一冊でもあります。著者は、オックスフォード大学にも留学され、イギリス政治外交史を専門とする君塚直隆。


    ときに複雑に見えてしまうイギリスの歴史を、極めてわかりやすく俯瞰してくれているため、大まかな全体像を頭に入れたい人にとっては打ってつけの概説書です。参考文献や映画一覧も充実しているため、本著を頼りとしながらイギリスに関しての知識や見方を深め

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    2016年06月10日
  • 肖像画で読み解く イギリス王室の物語

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    ネタバレ

    ナポレオン戦争のときには、「戦争」はプロの軍人同士が遠い戦場で行うものと相場が決まっていた。しかし今や隣のおじさん、向こうのお兄さん、そして自らの父や夫や息子たちが、戦場で機関銃や毒ガスの餌食にされたていたのである。

    著者は中野京子の『名画で読み解くハプスブルク家12の物語』に触発されて書いたとのことだが、こちらは歴史寄りの視点から書かれており、私にとっては『名画で~』よりも興味を持った。びっくりしたのは、今でも王室の方々の肖像画が描かれているということ。しかも、エリザベス2世とチャールズ皇太子がやや元気のない姿で描かれている肖像画まである(これはダイアナ妃が亡くなった直後だったから)。写真

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    2015年07月17日
  • 物語 イギリスの歴史(下) 清教徒・名誉革命からエリザベス2世まで

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    本書は「王権と議会」を中心に据えた通史であり、下巻では清教徒革命以後を扱う。社会経済文化といった点では「イギリス史10講」や「イギリス近現代史講義」といった新書の方が詳しく、面白い。そういう意味で物語系の著作の中では、教科書的とも言える。つまり読みやすい。
    しかし、淡白ではない。「王権と議会」故に王族と政治家の個人的関係については詳細である。帝国の落日も面白い。また、各首相の思想の方向性やその当時の議会対立などが分かり易く議会政治の深化やあり方を考える上で示唆に富む一冊である。
    首相官邸強化の道を辿る昨今、彼の国の歴史に学ぶことは多い。そして、文人チャーチルや読書家アトリーといった知識人宰相を

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    2015年06月17日
  • ヴィクトリア女王 大英帝国の“戦う女王”

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    ヴィクトリア女王が19世紀イギリスにおいて
    政権や外交に対し役割を果たしたかを解説する評伝。
    読み物として非常に面白く、読みやすい。
    外交に多大な関心を示す一方で、
    彼女が「何をしなかったのか」については記載が薄いが、
    新書にそこまで求めるのは酷か。

    見方によっては明治政府や明治天皇と対比して
    読むこともでき、示唆に飛んでいる。
    幕末、明治期にイギリスがどのような状態にあったのかを
    知る意味でもオススメしたい一冊。

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    2014年05月18日
  • ヴィクトリア女王 大英帝国の“戦う女王”

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    ヴィクトリア女王の人生を追いながらイギリス,ヨーロッパ,それを取り囲む歴史もみることができて面白い.ヴィクトリア女王に愛着が湧いてくるところが他の歴史書と比べて読みやすくなっている要因かも.同時代の世界史を学ぶときにも,この本を読んでからだと随分とっつきやすくなるだろう.

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    2012年02月04日
  • ヴィクトリア女王 大英帝国の“戦う女王”

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    神奈川県立外語短期大学准教授(イギリス政治外交史)の君塚直隆によるヴィクトリア女王の評伝

    【構成】
     第Ⅰ章 「暗黒時代」の女王即位
     第Ⅱ章 戦う女王への変貌
     第Ⅲ章 アルバートの死と王室の危機
     第Ⅳ章 女王から「女帝」へ
     第Ⅴ章 二大政党の確執と女王の憂鬱
     第Ⅵ章 大英帝国の女王として

     連合王国が海洋支配の拠点を広げ、大英帝国へと成長する「パクス・ブリタニカ」の19世紀はまさにヴィクトリア女王(生没1819-1901、在位1837-1901)の時代であった。ジョージ3世の四男の娘という王位継承からは程遠かったはずの少女が、次第に継承順位を上げて18歳の若さで玉座に座ることにな

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    2011年06月20日
  • ヴィクトリア女王 大英帝国の“戦う女王”

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    昨年、ケンジントン宮殿でヴィクトリア女王の喪服やジュエリーの展示見たのがきっかけで読んでみました。エリザベス1世は映画なども多く、日本でもよく知られていますが、ヴィクトリア女王もドラマチックな人生で、偉大な女王だなと思います。だんだん強い女王になっていくのは、立場が人を育てるというがよくあらわれてるなと感じました。

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    2026年01月12日
  • 物語 イギリスの歴史(上) 古代ブリテン島からエリザベス1世まで

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    イギリスの歴史を概観する上巻。
    古代文明からエリザベス女王まで。

    語り口が非常にフラットで読みやすい。

    プランタジネット朝からヨーク朝あたりの諸侯と国王の主導権のせめぎ合い、フランスや教皇との不利めなパワーバランスが楽しい。ヘンリー2世は一番好きなイギリス国王です。かっけー。

    一つの国家の歴史を通しで知る機会は意外と少ないが、中公の物語シリーズはマニアックになりすぎず教養の範囲で学べてよい。

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    2025年11月10日
  • 君主制とはなんだろうか

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    君主制という切り口から世界史を見るという視点が面白かった。
    高校の世界史では「点」を学習するから、既習者はこれを読むとその「点」が「線」になって、歴史の解像度が上がるんじゃないのかなと。
    逆に未習でも歴史の大まかな流れをこれで追えるから、おすすめ。

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    2025年09月15日
  • 君主制とはなんだろうか

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    君主制の解説というより、世界の王朝史概略、といった内容。世界に君主制が生まれる、少しずつ変化する、革命で殆どが姿を消す、の流れをざっくり追っていく。日本の君主制についての解説はほぼない。後半、エリザベス女王の記述は、著者の熱の入り用に少し慄いてしまう程だった。中学生が、世界史を習う前の予習として、2,3回通して読んでおく本、といった印象。

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    2025年08月29日
  • 世界史のリテラシー イギリス国王とは、なにか 名誉革命

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    女王陛下、もとい、君塚先生のイギリス史についての本。タイトルは「国王とは、なにか」ですが、内容は王権と議会の関係史になっています。
    ヨーロッパのどこの国でも王権と議会の関係はどちらが優位に立つかの争いだと思うのですが、海外に拠点のある王が登場してイギリス国内の統治に王が力を入れられない時期が何度もあった中で絶対王権化ができず議会の権力が強まった感じなんでしょうか。
    そういう状況だと日本だと戦国時代に突入してしまいそうに思いますが、そうはならず国として1つのままだった点に、今度は興味が出てきました。

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    2025年06月23日
  • 物語 イギリスの歴史(下) 清教徒・名誉革命からエリザベス2世まで

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    イングランド王国の成立からフランスとの戦争、議会政治の発展と革命、そして帝国主義時代から二つの戦争へ。ヨーロッパ史のなかでもとりわけボリュームのあるイギリスの歴史が上下巻にすっきりとまとめられている。どこの国よりも早く国王の時代から議会政治・政党政治の時代に移行するも、やはり国王の存在というのはいつの時代もイギリス史において重要であることを再認識する。
    戦後はどうしても駆け足になるが、概説系の本の中でもかなり読みやすくわかりやすい。

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    2025年06月14日
  • 帝国で読み解く近現代史

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    国民国家が善で、帝国が悪という考え方は、スターウォーズや宇宙戦艦ヤマトなどの帝国の考え方も影響しているのでしょうか。

    かって戦前は日本も大日本帝国と呼ばれていたけど、それはかってのローマ帝国や漢や清朝の様な帝国とは異なる。
    帝国は多様な民主や文化を許容し、それを一つにまとめる存在。一方で、現代の中国のように、自らの考え方ややり方を押し付ける国も存在する。

    民主主義国家と呼ばれたドイツもナチスの様な政党を生み出す。確かに、国民主権が正義とは限らない。

    アメリカも帝国主義と呼ぶ人がいるのは、必要以上に多くのことに介入したと思えば、自国ファーストに拘る部分があり、多様に世界を混乱させた部分があ

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    2025年02月04日
  • 帝国で読み解く近現代史

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    主に中国とイギリスを中心とした「帝国」をキーワードに、アヘン戦争以降の近現代史を概観している。
    「帝国」と一口に言っても時代や地域によってその性質はさまざまである。清朝やオスマン帝国などの専制君主型は多民族を包摂し、緩やかに支配する旧来型の帝国。19世紀に登場した国民国家型は大英帝国をはじめとする植民地帝国。第二次世界大戦後の冷戦期における米ソ両国は皇帝が存在せず帝国主義を否定するがその行動は帝国的である。冷戦終結後、国民国家化、民主主義化の進まない現在の中国やロシアといった権威主義国家もまた帝国的である。

    全体を通して、「帝国」を悪だとひとくくりに理解するのではなくそれぞれの「帝国」の歴史

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    2025年01月13日
  • 君主制とはなんだろうか

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    君主制を切り口にすると、世界史が理解しやすいことに気付いた。著者の文体が読みやすいということもあるのかもしれない。

    日本はこの先どうするのか、どうあってほしいのか、みんなで考えていかなければならない。

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    2025年01月03日