君塚直隆のレビュー一覧
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世界の歴史を勉強するにあたって大変なのが、馴染みのない地名と人名のオンパレードにどうやって対応するかということだ。
中世からは◯◯伯だとか◯◯公だとか、◯◯シャーとか似たような語句がたくさん出てきて、理解するのが大変だった。
それに比べれば日本の歴史ってのは随分スッキリしてるようにも思うんですが、どうでしょうか?
名前や地名の多さには辟易しますが、個々の物語やエピソードはとても興味深いものがあります。
上巻はテューダー朝のエリザベス1世の死去までを扱っている。
今回分かったのが、イギリスは途中まではフランスだって言っても間違いでないということ。 -
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王などが統治する「君主制」に焦点を当て、このシステムが人類の歴史の中でどのように現れ、どのような経緯をたどってきたのかを明らかにする。約5000年前にエジプトなどの古代文明の中から王が誕生してから、哲学や宗教を通して君主制が各地域で正統化されていき、絶対君主制を経て各地で革命が起こり君主制が次々と姿を消していく中で、21世紀の現代にも存続する君主制はどのように生き残っているのかについてまでをたどる。
君主制という観点から世界史を振り返るような内容で、知的な面白さがあった。また、中高生向けの新書ということもありとてもわかりやすかった。
肯定的に考えたいという立場から、天皇をはじめとする現代における立憲君主の意義・役割をどう考えるかは従来から自分の関心事であったのだが、本書では、主にイギリスを例として取り上げつつ、国家や国民に継続性と安定性を与えるという役割、政府を補完する形での社会的弱者に対する救済などについて触れられるとともに、現代の立憲君主制は国民からの支持が基盤となっており、時代の変化に応じて変えるべきところは変えていっていることが指摘されており、自分の考えを深めることができた。 -
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エリザベス1世は後継を残さなかったためテューダー朝は断絶。開祖ヘンリ7世の子孫スコットランド王がジェームズ1世として即位、スチュアート朝はじまる。
17世紀、チャールズ1世は議会を軽視し絶対君主を目指すが、抵抗を受け内戦に入る。議会側指導者に清教徒が多かったので清教徒革命と呼ばれる。クロムウェルの活躍で議会派が勝利し、国王は斬首された。共和制となる。クロムウェル死後、チャールズ2世が即位し王政復古。しかし次代ジェームズ2世の専制にオランダ総督ウィレムがイングランド上陸、国王は逃亡し名誉革命成る。
スチュアート朝断絶後、ハノヴァー朝ジョージ1世が即位。ドイツ系であり18世紀の政治は政党の有力者に任せられた。政党政治色が強まる。国王の信任のもと首相が政治の主役となった。
ルイ14世からナポレオンに至る長い18世紀はイギリスが勝利した。戦費調達のための長期国債が早く発達したことが勝因である。ヴィクトリア女王治世において黄金時代を迎える。
第一次大戦後、自由党が没落し労働党が躍進。保守党との二大政党を形成する。 -
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大英帝国を率いたリーダーシップの物語
歴史は人間によって創られる
1940年英国首相に選ばれるのがチャーチルではなく、ハリファクス外相であったら、英国は早々にヒトラーと講和し、ナチスドイツの世界覇権は実現していただろう。(282)
その英国も第二次大戦の勝利と引き換えに、世界の盟主の座を、アメリカとソ連に譲ることになる。
歴史は禍福の如し。
結局、技術・経済・社会システム・軍事により世界の覇権を手中にしても永遠には続かない。
心地よい勝利者の地位は、慢心と怠惰を生み、民衆はパンとサーカスをリーダーに求め、政治はポピュリズムに陥る。
その時に積み上がるのは、軍事費とエンタメ経費を賄うための「公的債務の積み上がり」。世界がその負担を追い切れなくなったとき、世界覇権の盟主の座は置き換わるのが世界史の必然。
現在、世界のリーダーである米国もまた歴史の必然に直面している。
近代と現代の英国史を、キーパーソンの視点で学べたのは良かった。
日本史ももっとリーダー個人の側面から描かれても良いと思うが、明治以降の天皇制下では皆臣下なので難しいか。
コロナ禍でリーダー不在の感がある日本社会の困難の大本がそこにあるようにも思う。 -
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ユーラシア大陸東西のそれぞれの端にある日本と英国。16世紀までの歴史の中で大陸からの様々な流入があった後者は国際色に富み、日本と異なるのは当然かなと思った。
聖職者イコール宗教(キリスト業務)のみという印象があったけど、かの昔は唯一ラテン語を使えた存在で政治の中心的役割であったと知ると、欧州諸国における宗教のプレゼンスの大きさを納得できた。さらには英国では庶民の勢力が増し、議会政治が進んでいった。
世界史で離婚ばかりしていた英国王がいたなぁーというのも思い出し懐かしい気持ちになったけど、それもテューダー朝の安泰のためとなると少し見方が変わった(それでもひどいけど)