【感想・ネタバレ】物語 イギリスの歴史(下) 清教徒・名誉革命からエリザベス2世までのレビュー

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Posted by ブクログ 2015年06月17日

本書は「王権と議会」を中心に据えた通史であり、下巻では清教徒革命以後を扱う。社会経済文化といった点では「イギリス史10講」や「イギリス近現代史講義」といった新書の方が詳しく、面白い。そういう意味で物語系の著作の中では、教科書的とも言える。つまり読みやすい。
しかし、淡白ではない。「王権と議会」故に王...続きを読む族と政治家の個人的関係については詳細である。帝国の落日も面白い。また、各首相の思想の方向性やその当時の議会対立などが分かり易く議会政治の深化やあり方を考える上で示唆に富む一冊である。
首相官邸強化の道を辿る昨今、彼の国の歴史に学ぶことは多い。そして、文人チャーチルや読書家アトリーといった知識人宰相を生み出したイギリス議会政治を羨ましく思うとともに、若槻礼次郎を輩出したかつての帝国議会を懐かしみつつ、学者に侮蔑の言葉を投げかける現在の政治の貧困を悲しむのである。とはいえ彼の国でも暴力的な言論が幅を利かせつつあるようだが。

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Posted by ブクログ 2019年08月29日

近代以降は登場する政治家も多く、有名どころの政治家や王族をわずかに知っているだけでは読み飛ばすしかなかった箇所も。

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Posted by ブクログ 2019年06月22日

上巻に続いて、エリザベス一世から現代まで。流石にこの辺は、資料が豊富なので、著者の視点が表れてくる。本書は王権と議会を中心に据えているので、外交や文化、経済といったところは必要最小限にとどめられている。その点で、少しわかりにくいが、参考文献も挙げられているので、それを参考にしたい。文献にとどまらず、...続きを読む映画にも触れられていて、知らないものも多く、いつか見てみたい。

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Posted by ブクログ 2015年12月05日

17世紀の清教徒革命から、2つの世界大戦を通じて、現代までのイギリスの歴史が語られています。物語として書かれていますので、イギリスに視点が固定されており、全世界の歴史と並行しての見方はできませんが、イギリスという国がどのようにして出来上がったのかを知ることができます。イギリスには、各時代に主人公がい...続きを読むるのですが、それが代々の国王だというところ。国王と議会が協力しあって政治が動かされているということがよくわかりました。ヨーロッパの中でも、そういう意味で特殊さがあり、それに誇りも持った国民性が伺えまして、この国にとても興味を持つことができました。

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Posted by ブクログ 2022年07月18日

上下巻読んだ感想。イギリスの歴史はもっと時間をかけて学ぶようにしたい。
イギリス王家はヨーロッパ大陸の皇帝や王家と婚姻関係にあったことはなんと無く知っていたけど、どうも主従関係や相続などが複雑。
スコットランド·ウェールズ·イングランドとアイスランドの関係も掘り下げて学んでみたいかな。
あと、議会...続きを読むが成立してからの変遷も気になる。随分と歴史があるようだし終身の貴族院というのももしかしたら人気投票的な民主主義にいくらか歯止めをかけるよいシステムなのかも知れない。

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Posted by ブクログ 2021年06月30日

どうも全体として「物語シリーズ」の割には物語性に欠けるという感じ。通史の流れを追っただけ、という印象。

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Posted by ブクログ 2021年06月23日

下巻は、清教徒革命から2012年のエリザベス2世在位60周年まで(キャメロン政権)。

小学校のとき、イギリスの正式名称が「グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国」だと知って、その名前の長さにテンション上がったが(今になって思うと日本語で議論してもしょうがない話題…)、どうして「連合王国」なの...続きを読むかよく分かる。

清教徒革命で一時は共和制になったものの、すぐに王室が復活するので、フランスや日本と違ってこれぞというイベントがないまま、本を読んでいてもどこが転換点か分からない感じで議会が発展していったのはイギリス特有のように思う。

著者自身が言っているように、本国中心に書かれているので、植民地の話がほとんど出てこないのは違和感あった。また、この後のBrexitのドタバタや新型コロナの話も読みたいが、それは現在進行形だからな。。

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Posted by ブクログ 2019年02月06日

EU離脱問題を巡って英国が揺れています。メイ首相がEU側とまとめた離脱合意案は先月、下院で歴史的大差で否決されました。来月末の「合意なき離脱」が現実のものとなる可能性が高まり、どのような影響が生じるのか誰も予測がつきません。

本書は、イギリスの歴史を議会と王権の関わりを中心に論じた概説書。下巻はエ...続きを読むリザベス1世の死去、ジェームズ1世の即位から、21世紀初頭のキャメロン政権成立まで。
私たち日本人からは、彼の国は同じ島国、アングロサクソンで大陸諸国とは一定の距離を置くジェントルマンの国、といった印象しかありませんが、本書を読むとその内実は様々な対立を抱えていたことがわかります。

一つ目は宗教上の対立。長らく英国国教会が国の宗教として位置づけられ、カトリックは認められていない中、17世紀初頭のヨーク公(後のジェームズ2世)がカトリック教徒だったことから、国王擁護派と反国王派の対立が激化。イングランド史上最初の政党、トーリとホイッグ登場の背景になりました。カトリック教徒は長らく公職に就くことができず、解消されたのはようやく18世紀後半になってからでした。
次に、アイルランド問題。グレートブリテンを構成するイングランド、スコットランド、ウェールズと比べて、アイルランドは自治が制限され、経済的にも劣位に置かれていました。そうしたことが背景にあって1845年に飢饉が発生。人口は820万人から19世紀末に440万人まで落ち込みます。100万人が餓死し、20世紀半ばまでに400万人が英国本島、北アメリカやオーストラリアに移住。その後も独立を主張する武装集団IRAのテロに悩まされ続けるなど、アイルランドの自治権付与は歴代政権にとって最大の問題であり続けました。
最後に国内の身分制度。人口のわずか5%のジェントルマン階級(地主貴族)がその他95%を支配する構造が長らく続いていました。が、第一次大戦がその構造を破壊します。大戦勃発後、騎士道精神に基づく「ノーブレス・オブリージュ(高貴なる者の責務)」から戦場に駆け付けた地主階級の若者の大半が犠牲になりました。1914年だけで彼らの19%が戦死するなど、将来の指導者層が大きな打撃を被ったことで、貴族階級と庶民の対立が政治上の課題となり、第二次大戦後の労働党政権につながっていきます。

これほどまで社会的対立を抱えながら、大英帝国を築き上げパックスブリタニカを実現できたことのほうが不思議なくらい。
英国の衰退はもちろん重要な研究テーマですが、多くの課題を抱えながら成功した要因は何かもそれに劣らず重要なテーマだと思います。
本書ではそこまで触れられていないので星は3つ。EU離脱問題を注視しつつ、他書で彼の国の来し方行く末を探りたいと思います。

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Posted by ブクログ 2018年06月03日

上巻はあっという間に読んだんだけど下巻がきつかった。
下巻の中盤からほぼ政治史。筆者の専攻が政治外交史らしいので然もありなん。通史を謳ってる割に配分の偏りが大きいのだが、はじめから「王権と議会」がテーマだと言ってるので仕方ない。
巻末に、参考文献と同様にして関連映画を紹介しているのが好ましい。

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Posted by ブクログ 2016年07月19日

これを読むと、この前の国民投票は、何というかサッチャーの亡霊のようなものが表面化してしまったのかなと考えさせられた。

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