君塚直隆のレビュー一覧

  • 世界史のリテラシー イギリス国王とは、なにか 名誉革命

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    女王陛下、もとい、君塚先生のイギリス史についての本。タイトルは「国王とは、なにか」ですが、内容は王権と議会の関係史になっています。
    ヨーロッパのどこの国でも王権と議会の関係はどちらが優位に立つかの争いだと思うのですが、海外に拠点のある王が登場してイギリス国内の統治に王が力を入れられない時期が何度もあった中で絶対王権化ができず議会の権力が強まった感じなんでしょうか。
    そういう状況だと日本だと戦国時代に突入してしまいそうに思いますが、そうはならず国として1つのままだった点に、今度は興味が出てきました。

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    2025年06月23日
  • 物語 イギリスの歴史(下) 清教徒・名誉革命からエリザベス2世まで

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    イングランド王国の成立からフランスとの戦争、議会政治の発展と革命、そして帝国主義時代から二つの戦争へ。ヨーロッパ史のなかでもとりわけボリュームのあるイギリスの歴史が上下巻にすっきりとまとめられている。どこの国よりも早く国王の時代から議会政治・政党政治の時代に移行するも、やはり国王の存在というのはいつの時代もイギリス史において重要であることを再認識する。
    戦後はどうしても駆け足になるが、概説系の本の中でもかなり読みやすくわかりやすい。

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    2025年06月14日
  • 帝国で読み解く近現代史

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    国民国家が善で、帝国が悪という考え方は、スターウォーズや宇宙戦艦ヤマトなどの帝国の考え方も影響しているのでしょうか。

    かって戦前は日本も大日本帝国と呼ばれていたけど、それはかってのローマ帝国や漢や清朝の様な帝国とは異なる。
    帝国は多様な民主や文化を許容し、それを一つにまとめる存在。一方で、現代の中国のように、自らの考え方ややり方を押し付ける国も存在する。

    民主主義国家と呼ばれたドイツもナチスの様な政党を生み出す。確かに、国民主権が正義とは限らない。

    アメリカも帝国主義と呼ぶ人がいるのは、必要以上に多くのことに介入したと思えば、自国ファーストに拘る部分があり、多様に世界を混乱させた部分があ

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    2025年02月04日
  • 帝国で読み解く近現代史

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    主に中国とイギリスを中心とした「帝国」をキーワードに、アヘン戦争以降の近現代史を概観している。
    「帝国」と一口に言っても時代や地域によってその性質はさまざまである。清朝やオスマン帝国などの専制君主型は多民族を包摂し、緩やかに支配する旧来型の帝国。19世紀に登場した国民国家型は大英帝国をはじめとする植民地帝国。第二次世界大戦後の冷戦期における米ソ両国は皇帝が存在せず帝国主義を否定するがその行動は帝国的である。冷戦終結後、国民国家化、民主主義化の進まない現在の中国やロシアといった権威主義国家もまた帝国的である。

    全体を通して、「帝国」を悪だとひとくくりに理解するのではなくそれぞれの「帝国」の歴史

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    2025年01月13日
  • 君主制とはなんだろうか

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    君主制を切り口にすると、世界史が理解しやすいことに気付いた。著者の文体が読みやすいということもあるのかもしれない。

    日本はこの先どうするのか、どうあってほしいのか、みんなで考えていかなければならない。

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    2025年01月03日
  • 帝国で読み解く近現代史

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    帝国を視点に、近現代史を捉える本。岡本隆司先生の本を読んだ事があったので、この本を買ってみた。
    対談形式の読みやすさがあったけど、内容は多分深い(後書きにも筆者二人の自信が表れていた)。
    一番新鮮だったのは、清朝が元々ウルトラチープガバメントであり、人口増大しても財政・行政規模を拡大せず、秘密結社のような中間団体が増加した結果、アヘン流通を止められなかった、という、清朝側の社会構造にも言及していた点だった。広大な領土を統治する上で、近代以前の帝国は、ある程度地方の習慣・制度を温存するしかなく、清朝の姿勢も必然だったのかもしれない(それでも、人口増加に合わせて改革を怠っていたのは、清朝政府の怠慢

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    2024年12月29日
  • 君主制とはなんだろうか

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    人類の歴史が始まった頃から登場してきた君主たちの役割は、自身の民たちを外部の攻撃から守り、自身が支配する領域内で民に豊穣と平安を保証し、民にとっての社会正義の擁護者と振る舞うことだったが、近年になって君主制から共和制への移行が目立ってきた.本書では数多くの君主が登場してくるが、記憶にあるものがほとんだった.ただ、ヨーロッパでは立憲君主制が今も存在している.イギリスがその例だ.日本もそうである.しかし、ヨーロッパでは絶対的長子相続制を採用しており、ベルギー、オランダ、ノルウェー、スペインでは女王陛下の誕生が決まっている.日本はどうなるかな?

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    2024年12月01日
  • 物語 イギリスの歴史(下) 清教徒・名誉革命からエリザベス2世まで

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    女系の国王継承がある事がメリットにもデメリットにもなった。イギリス国王と血縁のある国王候補者の存在が王室の存続に繋がった反面、王位継承問題によって戦争も起こった。女系にも王位継承権があるのイングランドのルールによりフランスの王位継承を主張し、100年戦争の原因にもなった。

    今まで断片的にしか知らなかった英国の歴史の流れを大まかにではあるが知る事ができた。題名に「物語」と書いてあるだけあって、学術書臭くなく楽しく読めた。
    植民地支配による大英帝国の形成や産業革命に唐突感を覚えたが、「王権と議会を中心に据えた英国史」なので仕方がない。他の本で補完したい。

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    2024年11月22日
  • 物語 イギリスの歴史(上) 古代ブリテン島からエリザベス1世まで

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    世界の歴史を勉強するにあたって大変なのが、馴染みのない地名と人名のオンパレードにどうやって対応するかということだ。

    中世からは◯◯伯だとか◯◯公だとか、◯◯シャーとか似たような語句がたくさん出てきて、理解するのが大変だった。

    それに比べれば日本の歴史ってのは随分スッキリしてるようにも思うんですが、どうでしょうか?

    名前や地名の多さには辟易しますが、個々の物語やエピソードはとても興味深いものがあります。

    上巻はテューダー朝のエリザベス1世の死去までを扱っている。

    今回分かったのが、イギリスは途中まではフランスだって言っても間違いでないということ。

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    2024年11月20日
  • 君主制とはなんだろうか

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    王などが統治する「君主制」に焦点を当て、このシステムが人類の歴史の中でどのように現れ、どのような経緯をたどってきたのかを明らかにする。約5000年前にエジプトなどの古代文明の中から王が誕生してから、哲学や宗教を通して君主制が各地域で正統化されていき、絶対君主制を経て各地で革命が起こり君主制が次々と姿を消していく中で、21世紀の現代にも存続する君主制はどのように生き残っているのかについてまでをたどる。
    君主制という観点から世界史を振り返るような内容で、知的な面白さがあった。また、中高生向けの新書ということもありとてもわかりやすかった。
    肯定的に考えたいという立場から、天皇をはじめとする現代におけ

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    2024年10月06日
  • 物語 イギリスの歴史(上) 古代ブリテン島からエリザベス1世まで

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    国内の動乱、大陸ヨーロッパとの関係、また国王・議会の関係など現在のイギリスを形作ってきたプロセスを一通り把握できた。とても読みやすいです。

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    2024年09月12日
  • 世界史のリテラシー イギリス国王とは、なにか 名誉革命

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    ユーラシア大陸の
    西と東にあるイギリスと日本
    勝手に親近感があるし
    似てる所もある

    イギリスは大陸からの
    あれやこれや干渉が強くて
    したたかになり
    日本は大陸からは
    少し距離が置けたから
    似てるようで似てない国に
    なったのかな?

    今でも政治にかかわる実務的な
    イギリス国王と
    あくまで象徴の天皇と...
    やっぱり似てるようで似てない国

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    2024年07月27日
  • 物語 イギリスの歴史(下) 清教徒・名誉革命からエリザベス2世まで

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    エリザベス1世は後継を残さなかったためテューダー朝は断絶。開祖ヘンリ7世の子孫スコットランド王がジェームズ1世として即位、スチュアート朝はじまる。
    17世紀、チャールズ1世は議会を軽視し絶対君主を目指すが、抵抗を受け内戦に入る。議会側指導者に清教徒が多かったので清教徒革命と呼ばれる。クロムウェルの活躍で議会派が勝利し、国王は斬首された。共和制となる。クロムウェル死後、チャールズ2世が即位し王政復古。しかし次代ジェームズ2世の専制にオランダ総督ウィレムがイングランド上陸、国王は逃亡し名誉革命成る。
    スチュアート朝断絶後、ハノヴァー朝ジョージ1世が即位。ドイツ系であり18世紀の政治は政党の有力者に

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    2024年07月04日
  • 君主制とはなんだろうか

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    なんとなくわかった気でいた国の制度。共和制、立憲君主制、専制君主制などわかりやすく解説されており、非常に有意義であった。その制度を歴史的に追っていくことで、世界史もおさらいでき、一石二鳥の本であった。

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    2024年04月19日
  • 物語 イギリスの歴史(上) 古代ブリテン島からエリザベス1世まで

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    何時もわかりやすい文章を書く君塚先生ならイギリスの歴史も判りやすくなるだろうと読み始めました。上巻はエリザベス1世女王までですが、なんか南北朝ですか応仁の乱ですかというレベルでカオスしてますな……。さすがの君塚先生の文章でも混乱してしまいました。
    とりあえず、戦争継続のための財源が欲しい王と、税を取るなら意見させろという貴族市民の間に議会が出来たことが、その後の立憲君主制の足掛かりになったというのは、なんとなく判りました。

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    2024年03月04日
  • 悪党たちの大英帝国(新潮選書)

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    君塚先生お得意の人物を通して見るイギリス史、今回は悪党がテーマ。
    悪党と言っても悪人とは限らず常識から外れた改革児という感じで、日本史だと後醍醐天皇や織田信長を並べたような感じでしょうか。って、そう例えると日本もイギリスも変わらないように思えます。世の中が動く時には常識の範囲で動くような人では務まらないということなんでしょうかね。
    もしもこの本を改定することがあれば、その時にはジョンソン元首相を入れてほしいなどと思いました。

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    2023年12月05日
  • 女王陛下の影法師 ──秘書官からみた英国政治史

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    国王陛下・女王陛下と、政治と、秘書官。この歯車が噛み合わないと、国の運営が滞るイギリス。
    単なるスケジュールの管理や外遊の手配だけでなく、王室のありとあらゆることに目をむけ、心配れる秘書官が必要であることを、あらためて感じる一冊でした。

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    2023年06月25日
  • 貴族とは何か―ノブレス・オブリージュの光と影―(新潮選書)

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    ノブレス・オブリージェとは「高貴なるものの責務」のことである。
    本書は、世界中の貴族の歴史を解き明かしつつ、貴族が果たしてきた責務と最近のにわか貴族が公共の福祉よりも自身の快楽に重きをおく現状を痛烈に批判している。

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    2023年05月30日
  • 物語 イギリスの歴史(上) 古代ブリテン島からエリザベス1世まで

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    イギリスは歴史と伝統のある国であるのは論をまたないが、その前半はフランスの属国的立場にあったことを初めて知った。自国の王が常駐していなかったからなのか、14世紀以降急速に民主化が進んだことは興味深い。民主化と言っても貴族階層止まりだとは思うが。
    後半の展開が楽しみだ。

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    2023年04月07日
  • エリザベス女王 史上最長・最強のイギリス君主

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    亡くなる前に書かれたエリザベス2世の伝記。
    私の印象は、ダイアナ事件後のマスコミに叩かれていた悪いイメージだったが、この本に書かれているのは懸命にイギリスや他16ヶ国の女王として人生を捧げている姿だった。
    政治的か知識や経験があるので、口を出したくなることもあるが、「君臨しても統治せず」を体現しているのはすごいの一言。
    コモンウェルス(イギリスの旧植民地)に対する愛情、平等に接する態度は、首相ではできない、君主としてのみできると思うので、やはりなくてはならない存在だと思った。
    ダイアナ事件後に支持率がさがったのにも関わらず、時代にそくして改革を行い、支持率を上げてきたのは女王の手腕があったから

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    2023年03月02日