あらすじ
なぜ、王権と議会は協調できたのか? 立憲君主制の確立は、「奇蹟」の革命であった。
イギリスには、どうして未だに国王がいるのか? 世界の今を解くカギは、すべて歴史の中にある――。誰もが一度は耳にしたことがある「歴史的事件」と、誰もが疑問を抱く一つの「問い」を軸に、各国史の第一人者が過去と現在をつないで未来を見通す新シリーズの第6弾! なぜイングランドは「立憲君主制」になったのか? なぜ「絶対君主制」にはならなかったのか? 〈国王は君臨すれども統治せず〉。「賢人会議」から議院内閣制の定着を経て現代へ。一千年以上の長きにわたる「王権」と「議会」の絶妙な関係を解き明かす。
【内容】
第1章 いかにしてイングランドに「立憲君主制」が確立されたのか?
第2章 イングランドはなぜ「絶対君主制」にならなかったのか?
第3章 「外人王」の登場で議院内閣制の定着と「財政=軍事国家」の形成へ
第4章 イギリスにはなぜ国王が必要なのか?
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Posted by ブクログ
女王陛下、もとい、君塚先生のイギリス史についての本。タイトルは「国王とは、なにか」ですが、内容は王権と議会の関係史になっています。
ヨーロッパのどこの国でも王権と議会の関係はどちらが優位に立つかの争いだと思うのですが、海外に拠点のある王が登場してイギリス国内の統治に王が力を入れられない時期が何度もあった中で絶対王権化ができず議会の権力が強まった感じなんでしょうか。
そういう状況だと日本だと戦国時代に突入してしまいそうに思いますが、そうはならず国として1つのままだった点に、今度は興味が出てきました。
Posted by ブクログ
ユーラシア大陸の
西と東にあるイギリスと日本
勝手に親近感があるし
似てる所もある
イギリスは大陸からの
あれやこれや干渉が強くて
したたかになり
日本は大陸からは
少し距離が置けたから
似てるようで似てない国に
なったのかな?
今でも政治にかかわる実務的な
イギリス国王と
あくまで象徴の天皇と...
やっぱり似てるようで似てない国
Posted by ブクログ
名誉革命とかクロムウェルとか、オレンジ公ウィリアムとか中学生の世界史で出てきたなあなんて懐かしく読んでいました。
メインテーマは、なぜイングランドは「絶対君主制」にならず「立憲君主制」にはならなかったのか?それは、王様たちが議会と相談して政治を進めていたから。そのままだね。
天皇陛下とイギリス国王の比較が興味深かったです。イギリス国王は、国軍の最高司令官であり、イングランド国教会の最高首長を兼ねている。 イギリスの君主は現実政治に関わる権限があり、首相と定期的な会見が開催されているとのこと。それは、サッチャー元首相によると、エリザベス女王とはかなり政治深い政治的議論であったと述べている。
任期や辞職のある大統領や首相と異なり、君主たちは自身の在位中はもとより、父や祖父、あるいは子や孫の世代に至るまで、長い期間にわたって海外と交友関係を結ぶことができる。そして、国家や国民にもたらす「継続性と安定性」を象徴する。これは、天皇陛下にも言えるのではないか。