君塚直隆のレビュー一覧
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15-16世紀のヘンリ8世(誰かと思ったら離婚したくてイギリス国教会ぶちあげたで有名なあの人だった)から現代(のちょっと古い)人ウィンストン・チャーチルまで、7人の人物にスポットライトを当てることで500年におよぶ歴史の波を語り出す。
ヘンリ8世は中世イメージど真ん中。クロムウェルの人生ではすでに近世が見えている。でもまだ宗教的なものの見方が支配しているか。それを言ったら「ヨーロッパ大陸のカトリック国がそれを理由にイングランドに攻めてくるって時代じゃない」と語られるのは18世紀のパーマストン子爵の章で、そのあたりで完全に近世という感じでしょうか。ジョージ3世だって議会政治始まっててだいぶ近世寄りだけど。イギリスって封建社会バリバリのいわゆる中世って早く終わってるのかしら?
近現代のデイヴィット・ロイド・ジョージとチャーチルは時代が重なっていて、そこで重層的な見え方をするのが面白い。庶民として生まれ特権階級と戦い叙爵されて終わるロイド・ジョージと公爵家に生まれ爵位なしの三男坊として終わるチャーチルとか。
労働者の味方として泥臭く戦ったロイド・ジョージの時代にロシア革命が起きて労働者の方が変節して支持が得られなくなったとか、それでもかれの薫陶があったからバリバリのお貴族チャーチルに社会福祉の目線がうまれているとか。人は繋がるなあと思う。そしてチャーチルが大英帝国の栄華の終わりを痛感する最終章も切ない。いや悪党たちみんなだいぶ苦労しててあんまり栄華感じないんだけども。
人を見ていくとそんなものなのかもな。おもしろかったです。 -
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大学の授業で読んだ本。
結局民主主義は良いものなのだろうかと疑問を思い起こさせてくれた。
本書はイギリス議会政治を例として、自由化の運動が民主化運動へと切り替わっていく過程を追いながらその問題点に切り込んでいく。
特に今の状況と符合しているなと感じたのは、選挙についての記述。所謂「大きな政府」化によって国家が果たす役割が拡大し、選挙制度も多様化する中、国民がそれら全てを理解した上で思考して投票できるかという点に疑問をなげかけるのは新鮮だった。
また、民主主義という体制は一度選択してしまうと後戻りが難しいという部分にも共感できる部分があった。
一方筆者は最終的な目標を教育によって「精神的貴族」を生み出すことと定めているが、現在のような教育格差が広がっている社会でそのような目標に進むことは平等性を損なうことになりかねないのではないか、とも感じた。 -
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近代ヨーロッパに生きた8人をピックアップして宗教と科学という視点からヨーロッパ近代史を説明した本。ダーウィンやヴォルテールなど、親の要望に答えなかった者たちが結果として歴史に名を残すことになったのは面白いと思った。また、キリスト教に支配されていたヨーロッパから人間個人を重視するヨーロッパに変わったという変化にも注目したい。最後に書いていた、責任としての選挙権から権利としての選挙権にいつの間にか変わったということにも注目したい。選挙に行かなくてもいい、という考えは権利という語がもたらす語弊である。選挙は個人としての責任として私たちが参加していくべきである。
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歴史学の権威と言えるであろうお二人(同じ著者であることに後から気づいたが、君塚先生の『物語イギリスの歴史』も面白く、かつ分かりやすかった)による対話形式なので、読みやすいが、話がどんどん展開していって情報量も多く、ページ数に比して非常に読み応えがあった。今流れているニュースだけではなかなか理解できない各国の意図を知れたのは大変有益だった。
また別の見方もあるのだろうが、たとえ浅くとも自分の理解をまとめておくと、、
・中国が台湾にこだわるのは、「ひとつの中国」を体現しないと元々多民族国家で本当はバラバラで示しがつかなるなるから
・ロシアがウクライナにこだわるのは、ナポレオンやヒトラーから攻め込まれたから
・アメリカはいつも極端に振れるので、トランプさんがやっているのも珍しいことではない!?(私見だが、二大政党制が過ぎるのかもしれない)
帯にある、国民国家=善では確かにないかもしれないが、帝国はやっぱり悪なような。。というより、建前上、国民国家なのだが、上記のような理由で権威主義的に振る舞わざるを得ず(と諦めてしまうのも良くないが)、帝国は現代でも生きているということか。 -
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「議会制民主主義」という、イギリスで誕生しその後世界中にウェストミンスターモデルとして広がり普及した政治体制は、成り立ちからして両立しえないというショッキングな声明から始まり、この体制がどのように構築されていったのかをノルマン=コンクエストの時代から解き明かす良書
単に成立したイギリスの政治史・法制史を解説するのみならず、著者は現代社会における「民主主義」の在り方までその優れた洞察力を拡大させて提言する
ホイッグ・トーリという政党の誕生、後の自由党・保守党になってまで続く対立とその同質性、グラッドストン・ディズレーリという二人の巨人によって実現された「奇蹟の十年間」など、読み手の目を引くトピックに溢れている
しかし、その歴史において「議会」が「自由」をどのように達成しようとしてきたか、その意図に反してどのようにしてイギリスに「民主政治(大衆政治)」が根付いたかといった重要な論点も、重苦しさを感じさせない文体で細かく書かれており、知的好奇心も満たせる
世界史を高校で履修している内に何となくは知っている「印紙法」や「教育における政教分離」「議会法・人民予算」なども、本書を読むことで大きな流れを背景として現れた特徴なのだと理解することができて楽しかった
「政治的自由」が概ね達成された現代において露呈する「議会」や「民主主義」の弱点や錯誤なども、日本における例などを交えながら書かれているため分かりやすく、そして我が身に染みる思いで読めた -
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岡本隆司、君塚直隆「帝国で読み解く近現代史」(中公新書ラクレ)
現代では国民国家=善、帝国=悪と捉えられがちだが、19世紀末の世界は帝国だらけだった。イギリスのように本国の中では国民国家だが、海外では帝国という存在もあった。本書では東洋の大帝国の清朝と西洋の帝国である英国との出会いに始まり、産業革命を経て強大化した英国が清にアヘン戦争を仕掛ける迄になること、それに触発された日本が大日本帝国になること、第一次世界大戦でドイツ、オーストリア・ハンガリー、ロシア、トルコ、清という従来の帝国が一掃されたこと、それらに変わりアメリカとソ連が新たな帝国になることなどについて語る。冷戦後の世界でのアメリカ、ロシア、中国の振る舞いをどう捉えるかなど、考えるべきことは多そうだ。
1. 欧州では16世紀に大航海時代を迎えスペインなどが新しい帝国を形成する。科学革命や軍事革命を経て産業革命が起こり、非ヨーロッパ地域への優位を確立する。中でもイギリスは中央銀行や国債のシステムで軍事費を賄う体制が整った。
2. 欧州の皇帝はローマ皇帝の後継者。西の神聖ローマ帝国と東のビザンチン帝国。オスマンはコンスタンチノープル占領後も東方教会の総主教座を保護し、東の皇帝でもあった。ロシアはイワン4世の時に皇帝を自称したが18世紀になって欧州から皇帝として認められた。その後、ナポレオンが皇帝を称し、皇帝のインフレが進んだ。
3. 東洋では中国の皇帝が天下全体をおさめる建前であったが、海を隔てた日本も天皇を称していた。朝鮮は中国(清)に朝貢する王国であったが、日清戦争後に大韓帝国皇帝を称した。清や日本より格下である訳にいかなかった。大韓帝国は北方異民族の清に対し、明の伝統を継ぐ中華の皇帝だと自らを位置付けた。
4. 皇帝が多民族を束ねるタイプの帝国は第一次世界大戦でほぼ没落した。変わって本国では国民国家であり、周囲に植民地を抱えるタイプの帝国が増えた。その中でアメリカ、ソ連、イギリスと日本、ドイツ、イタリアが第二次世界大戦を戦い、米ソ体制に至る。
5. 第一次大戦後、アメリカは日本を抑えようとするが、英仏はまだ日本に同情的であった。彼らは満洲国設立までは対ソ防衛の面で許容できたが、日本が上海を攻撃した時点で完全に敵となった。この頃から日本は外交的な勘を失い破滅へ向かった。 -
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物語 イギリスの歴史 下
清教徒・名誉革命からエリザベス2世まで
著:君塚 直隆
中公新書 2319
フランス・ドイツの干渉を受けて来た、イギリスはやがて、大陸との関係を分かち、グレートブリテンとしての歩みを進めていく。1801グレートブリテン及びアイルランド連合王国成立
中国の王朝とはちがって、英の王朝とは、議会も、その母体もかわらず、親戚に本家を譲っていくようなイメージであり、緩やかな一貫性があり、王朝間での断絶も対立もない。優秀な人物は、王朝を超えて連携を行っていく。名君には、名宰相あり、国運が傾くと、イギリスを救うべく政治家が現れる
遠くは、ローマや、ノルマン、フランスなどから絶えず侵攻を受けていて、英語の中には、多くのフランス語が含まれているほど、文化の影響もうけている
日本は、太古からその文化や制度はほぼ一貫した流れをもつが、イギリスはそうではない、侵略者や時の支配者によって、不連続に変わっている。そのことがいっそう歴史を複雑にしている
イギリスは、時代によって、その顔を変えるのである
下巻は、エリザベスⅠの死から、二つの大戦を通して、エリザベスⅡの統治、現代まで、に分れている
ヴィクトリア女王の時代に版図は最大となったが、エリザベス2世の統治下にそれまで獲得した植民地をほぼ失うこととなった。がコモンウェールズとして、今なお、形ではあるが、旧主国にて、国王の地位に留まっている
⑥エリザベス1世 (1558-1603) テューダ朝の終焉
■スチュアート王朝(1603-1714)
ジェームス1世の時代にパーフェクトユニオンという概念が生まれる。イングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランドの4つの王国を束ねる完全なる国家を目指すということである。
①ジェームズ1世(1603-25)哲人王
②チャールズ1世(1625-49)戦争王
★清教徒革命(1642-1660)クロムウェルの共和政(1649-1660) 国王殺し
③チャールズ2世(1660-85)王政復古
④ジェームズ2世(1685-88)
★1689 名誉革命メアリ・ウィリアムの共同統治
⑤メアリ2世(1689-94)
⑤ウィリアム3世(1689-1702)
★1701~14 スペイン継承戦争、ユトレヒト条約によるジブラルタル、ミノルカを獲得
⑥アン(1702-14)
★1707 グレートブリテン王国成立(イングランド、ウェールズ、スコットランドが合同)
■ハノーヴァ王朝(1714-1901)
①ジョージ1世(1714-27)
②ジョージ2世(1707-60)
③ジョージ3世(1760-1820)愛国王
★1786 英仏通商条約
★1787 プロイセンオランダ三国同盟 ピット首相による外交的孤立の解消
★1789 フランス革命
★1801 グレートブリテン及びアイルランド連合王国成立
★1805 トラファルガー海戦
④ジョージ4世(1820-1830)
⑤ウィリアム4世(1830-27)
★1830年代 産業革命
⑥ヴィクトリア(1837-1901)妖精女王
★1838 人民憲章
★1858 インド直接統治
グラッドストーンと、ディズレーリーの時代
■サクス=コバーグ・アンド・ゴータ朝(1901-10)
①エドワード7世
チェンバレン植民地相
■ウィンザー王朝(1910-)
①ジョージ5世(1910-36)
★第一次世界大戦(1914-1918)初の挙国一致内閣ロイドジョージ
★1927 グレートブリテン及び北アイルランド連合王国成立
★1929 世界恐慌 挙国一致内閣マクドナルド
②エドワード8世(1936)
③ジョージ6世(1936-52)
★第二次世界大戦(1939-1945)挙国一致内閣チャーチル
④エリザベス2世(1952-2022)
★植民地の独立と、コモンウェールズ(英連邦)形成
★サッチャー革命(1979-90首相)
★フォークランド紛争(1982)
⑤チャールズ3世(2022-)
ISBN:9784121023193
出版社:中央公論新社
判型:新書
ページ数:252ページ
定価:820円(本体)
2015年05月25日初版
2022年09月30日9版
目次
上巻
第1章 古代のブリテン島 ―― 先史時代?11世紀
石器時代から青銅器時代へ
「ブリタニア」の誕生 ―― ケルト文化の伝来
カエサルのブリタニア遠征
ローマン・ブリテンの始まり
長城の建設から協約締結へ
大帝の出現とローマからの離反
アングロ・サクソンの渡来
七王国の形成
オファ王の登場
デーン人の襲来とアルフレッド大王
最初の「イングランド王」の誕生と「賢人会議」
エドガー王の戴冠式
デーン人の再襲来
「征服王」カヌートの登場
強すぎる家臣たちの存在
証聖王の死と三つ巴の抗争
ノルマンディ公ギョーム=ウィリアム1世の戴冠式
第2章 ノルマン王朝のイングランド ―― 11?12世紀
ウィリアム征服王の登場 ―― フランス語による支配
祖法を守るウィリアム1世
ノルマンディ防衛のための供給源
「アングロ=ノルマン王国」の悲劇
征服王の死と赤顔王の即位
ロベールの十字軍参加と赤顔王の急死
ヘンリ1世即位とアングロ=ノルマンの再統合
イングランド統治構造の確立
御曹司ウィリアムの悲劇
「皇妃」マティルダの登場
ブーローニュ伯の上陸 ―― スティーヴンの即位
二〇年にわたる内乱へ
皇妃と王妃の抗争 ―― 二人のマティルダ
終息 ―― 皇妃マティルダから息子アンリへ
内乱が残したもの ―― 女性統治への疑問
第3章 アンジュー帝国の光と影 ―― 消えないフランスへの野心
西ヨーロッパ最大の領主の誕生
領土と王権の回復 ―― 臣従強要と遠征
カンタベリー大司教ベケットとの対立,そして暗殺
「諸侯よ,助言を与えたまえ」
軍役代納金の本格的導入
息子たちの叛乱
ヘンリ2世の反撃と死
獅子心王の即位と「帝国」の動揺
五男ジョンの登場
ノルマンディ諸侯の離反と「腰抜け王」
ローマ教皇との対決 ―― ジョンの破門
キリスト教支配下,ジョンの屈服
「在地化」した諸侯対「悪しき取り巻きたち」
マグナ・カルタ ―― イギリス国制の基本文書
イギリスに憲法はないのか?
ヘンリ3世と議会政治の始まり
大陸への野心と諸侯との対立
国王への覚書提出と大陸“放棄”
シモン・ド・モンフォールの議会
第4章 イングランド議会政治の確立 ―― 13?14世紀
長脛王の登場と議会制の強化
「税収」を求め続けた背景
行政府の整備 ―― 宮廷と国家の二重構造
「模範議会」をめぐる諸問題
議会の「休会」と戦局の好転
「ウェールズ大公」位の確保 ―― グウィネッズ君公国崩壊
スコットランドとの死闘
ガスコーニュ戦争と長脛王の死
ギャヴィストン溺愛とスコットランド放棄
エドワード2世の廃位
エドワード3世による親政
二院制の始まり ―― 貴族の登場
五つの「爵位」の成立
庶民院の拡充 ―― 騎士と市民
庶民院への「請願」と仏語から英語へ
「善良議会」 ―― 議会の地位確立
イングランド独自の道?
第5章 百年戦争からバラ戦争へ ―― フランスと王位をめぐって
英仏百年戦争の始まり
エドワード父子の栄光と死
一〇歳の少年王の登場
ワット・タイラーの乱と忠臣政治
ダービー伯爵への仕打ち
国王廃位からダービー伯爵即位へ
ランカスター王家と議会の協調
内乱の終息と皇太子ハリーの台頭
ヘンリ5世によるフランス進攻
連戦連勝,フランスの屈服
ヘンリ6世=「アンリ2世」の即位
百年戦争敗北からの神経性発作
ヨーク公の台頭から「バラ戦争」へ
エドワード4世の早世と混迷の時代
グロウスター侯爵の即位
ボズワースの戦い ―― ヨーク王朝滅亡
第6章 テューダー王朝と近代の夜明け ―― 国家疲弊下の宗教対立
ヘンリ7世 ―― 最も有能な実務家
弱小国化していたイングランド
ヘンリ7世の同盟戦略
「ルネサンス王」ヘンリ8世の登場
離婚問題からの宗教改革議会
教皇からの破門 ―― イングランド国教会の成立
「帝国」の拡張と王の死
少年王のはかない治世
「九日間」の女王
「血まみれメアリ」の登場
カトリックへの復帰宣言
スペイン王への反発とメアリへの憎悪
エリザベス1世の登場 ―― 妖精女王と国教会の復活
処女女王の外交政策 ―― ちらつかせる結婚
無敵艦隊撃破と女王の「手紙」
優柔不断 ―― 現実のエリザベス
エリザベス1世時代の議会
「グロリアーナ」の死
物語イギリスの歴史 上 関連年表
下巻
第7章 清教徒・名誉革命の時代 ―― 17世紀の変化
哲人王の即位と祖法の遵守
合邦の夢と宗教の「棲み分け」
浪費と議会への不信
三十年戦争と「平和王」の苦悩
チャールズ1世の登場 ―― 「平和王」から「戦争王」へ
議会不在の一一年 ―― 「絶対君主制」への信奉
内戦 ―― 国王と議会の武力衝突
首を斬られた国王 ―― 清教徒革命
共和制の始まり ―― 庶民院と国務会議
護国卿体制の光と影
クロムウェルの死と二院制復活
王政復古
改宗していた王弟ジェームズ
トーリとホイッグの登場
国王の反動化と名誉革命
名誉革命の意義
イングランド外交の転換期
スコットランド合邦と王朝の終焉
第8章 ハノーヴァー王朝下の議院内閣制確立 ―― 長い18世紀
ハノーファー選帝侯ゲオルク
ホイッグ優越時代の始まり
スタナップ国務大臣への過度な信頼
貴族法案をめぐる躓き
南海泡沫事件とウォルポールの復活
「ウォルポールの平和」の時代
ウォルポールの辞任と「首相」の登場
ペラム兄弟と「二重内閣」の終焉
度重なる戦争から「奇跡の年」へ
「愛国王」ジョージ3世の登場 ―― ビュート伯爵の重用
各派の台頭と国王の政治力
ノース政権とアメリカの独立
議会改革の要求
国王の頑なな抵抗
ピット政権下の摂政制危機
フランス革命と「ピット氏の黄金」
アイルランド合邦化 ―― カトリック問題とピット辞任
政党政治の混迷と摂政の登場
「長い一八世紀」とイギリスの勝利
第9章 イギリス帝国の黄金時代 ―― 19世紀の膨張
戦後不況と強圧政治の時代
キャロライン王妃事件 ―― 王権の弱体化
自由トーリ主義の時代
カトリック解放への道 ―― ピールの豹変
グレイ政権下の選挙法改正
貴族院の否決と民衆暴動
国王による最後の首相更迭
妖精女王の登場と民衆運動の勃興
国益と改革 ―― ピール政権下の穀物法廃止
二大政党制の確立 ―― 自由党の結成
二大政党と大衆民主政治の予兆
グラッドストンとディズレーリ
老大人の再起 ―― 大衆政治の深化
アイルランド自治問題の紛糾
二度のジュビリーと女王の死
第10章 第一次世界大戦 ―― いとこたちの戦争と貴族たちの黄昏
バーティによる王室外交の時代
自由貿易という「信仰」 ―― 保守党の分裂
「人民予算」を賭けた総選挙
貴族院改革と国王の死
新王の登場 ―― 貴族院権限の大幅縮小
アイルランド自治問題の再燃
第一次世界大戦の衝撃 ―― 徴兵制導入と「総力戦」
ロイド=ジョージ政権の光と影
総力戦後 ―― 貴族政治から大衆民主政治へ
アイルランド自由国の成立
自由党の没落,労働党の勃興
貴族院首相の終焉と労働党政権の成立
世界恐慌下の挙国一致政権
「英連邦諸国」の確立へ
第11章 第二次世界大戦と帝国の溶解
ジョージ5世の死
「王冠を賭けた恋」
脆弱な「ヴェルサイユ体制」
平和の崩壊と独裁者たちの台頭
チェンバレン首相の宥和政策とその破綻
ドイツへの宣戦布告 ―― 連合国の敗退
チャーチルの首相就任
「ブリテンの戦い」からアメリカ参戦へ
対独戦略とヤルタでの悲哀
チャーチルの敗北 ―― 一〇年ぶりの総選挙
アトリー政権下の戦後復興
社会福祉国家の確立
解体するイギリス帝国
米ソ冷戦のなかで
チャーチル再登板 ―― 合意政治の時代へ
ひとつの時代の終わり
第12章 エリザベス2世の時代 ―― 「英国病」からの蘇生
悲しい帰国と華やかな戴冠式
老臣チャーチルと「三つのサークル」
スエズ戦争の蹉跌 ―― 世界中からのイギリス批判
貴族制度の変容 ―― ヒューム首相就任の背景
保守党党首選の開始
英国病 ―― ポンド切り下げと「撤兵」
イギリス政治の迷走 ―― 国民投票の容認
サッチャー革命 ―― 「小さな政府」へ
サッチャー外交と女王との確執
ブレア政権の誕生 ―― 「第三の道」の提唱
地方分権化 ―― イングランド以外への権限委譲
「世襲議員」改革へ
ブレアの「大統領型」統治
ブレアの挫折 ―― イラク戦争参戦問題
議会政治と二大政党制のゆくえ
在位六〇周年記念式典の陰で
おわりに
主要参考映画一覧
イギリスの政党変遷略図
物語イギリスの歴史 下 関連年表 -
Posted by ブクログ
ギリシャ、ローマ帝国、中世ヨーロッパ、中国、そして日本の貴族の歴史について解説。特に、世界で唯一貴族院の残るイギリスについては、産業構造や戦争の在り方が大きく変わる時代を、貴族たちが強かに生き抜いた姿が描かれる。
フランスやドイツで貴族が衰亡する中、イギリスでは貴族政治が徐々に衰退しながらも、最後まで残り続けたが、トドメを刺したのは第一次世界大戦であった。貴族の「高貴なるものの義務(ノブレス・オブリージュ)」の筆頭として軍役があったが、国民全てが動員される総力戦を経た結果、貴族政治は大衆民主主義へと移行したのである。
最終章では、洋の東西を問わず貴族には特権と引き換えに「徳」が求められたが、特権的な貴族がいなくなった現在では、ひとりひとりの人間が「徳」を重んじ、精神的な「貴族」となることを求めてしめくくっている。 -
Posted by ブクログ
著者の専門であるイギリス王室を中心に欧州、アジアの王制について広く説明している。第二次世界大戦を機に王室を廃止する国もあれば、王室と国民の絆が強まり、王制が盤石なものとなった国もあり、王制をとる国によって歴史はさまざまである。
また、最終章では象徴天皇制を今後も維持できるかについて、考察しており、皇族の数の減少が大きな問題として指摘している。側室を前提としない現在の天皇制において、男系男子のみが天皇となる制度を維持するのは難しい思われる。世界の国々を見ても、女王を認める国が増えてきており、安定した象徴天皇制を維持するためには、皇室典範を改正し「女帝」の存在を認める必要があろう。 また、女性皇族が結婚に伴い、臣籍降下することで皇室の公務の担い手が減少し、天皇の負担が増大していることも問題点として挙げている。 -
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物語 イギリスの歴史 上
古代ブリテン島からエリザベス1世まで
著:君塚 直隆
中公新書 2318
日本は、外国からの侵攻を受けたことは、数えるほどであったが、イギリスは違う。
遠くは、ローマや、ノルマン、フランスなどから絶えず侵攻を受けていて、英語の中には、多くのフランス語が含まれているほど、文化の影響もうけている
日本は、太古からその文化や制度はほぼ一貫した流れをもつが、イギリスはそうではない、侵略者や時の支配者によって、不連続に変わっている。そのことがいっそう歴史を複雑にしている
イギリスは、時代によって、その顔を変えるのである
上巻は、古代から、エリザベスⅠの近代まで、下巻は、ピューリタン革命から、現代まで、に分れている
■ブリテン島 古代~AD11世紀
・ストーンヘンジ:巨石文化があった BC18世紀
・ケルト人の一部族が、イギリスに定住 BC6世紀
・ローマ帝国の侵攻 BC1世紀 ブリタニカ、街道や、長城を各地に建設した
・AD409 ローマ人撤退、そのあとに、ゲルマン系の民族が渡来
・AD7世紀 アングロサクソン系の民族が7王国を建国、
・AD803 北ゲルマン系のデーン人が侵攻、バイキング
・871 ウェセックスの王アルフレッド登場、孫のアゼルスタンの時代に、イングランド王を名乗る
・937 アゼルスタンは、支配を確立、甥エドガー王(959-975)のときに、統一王国へ
エドガー王は、習慣として、キリスト教を宮廷に持ち込んだ
・1016カヌートが全イングランド王に、征服王といわれた
・1066ノルマンディ公ギョームが賢人会議で王に推戴される 以後宮廷での公用語は英語ではなく、フランス語に
■ノルマン王朝 AD11~12世紀
・1066-1087 征服王ウィリアム イングランドの貴族の公用語はフランス語に
・このころは、イギリスとフランスに両方の領土をもつようになる(アングローノルマン王匡)
・1100ウィリアム2世急逝後、弟のアンリが即位:ヘンリー1世となる
・ヘンリー1世は、戴冠式で、イギリスの憲章を守ることを誓い、ここにイングランド統治構造が確立する
・ヘンリー1世の死後は、ローマ教皇を巻き込んだ内乱となり、二人のマティルダ、皇妃と王妃の戦いが続く
■アンジュ帝国
・1154 皇妃マティルダの息子アンリがヘンリー2世として即位、その後を継いだのが、獅子心王のリチャード1世である、その後も後継にめぐまれなかったためか、王室は弱体化していく
・1215王と諸侯との間にマグナ・カルタが結ばれ、王権と制限とともに、英国の政治に新しい制度が組み込まれていくことになる。
・憲法として、アメリカ憲法や、日本国憲法のように、まとまったものは、もっていないが、イギリスは、マグナ・カルタ、権利請願、権利憲章、王位継承法、議会法などが制定され、それらの集合体が、あたかも憲法のような扱いをうけていく。イギリスの憲法は成文化されていないのではなく、いくつかの成文化されたドキュメントから、憲法は構成されているのである。
・1295にウェストミンスター条款、パリ条約が、フランスのルイ9世と締結され、イギリス国王は、大陸に一切手が出せなくなった。これにより、ドーバー海峡をまたがる、アンジュー帝国の再建の望みは絶たれたのである
■イングランド議会政治 13-14世紀
・エドワード1世が課税を行うために諸侯と衝突していた
・1330エドワード3世の時代に、議会と妥協し、二院制となる、貴族院と、庶民院との2つに分けて、議会とコンセンサスを確立する、そして1498からは、これまでのフランス語から英語に公文書は切り替わり法令の草稿も英語になっていく
■百年戦争と、バラ戦争
・1327エドワード2世の廃位から、北のスコットランド、南のフランスの干渉をうけるようになる
・1339エドワード3世はフランスを攻めて、南フランスのアキテーヌと、アルマニャックの2つの地方を確保する
・ヘンリー5世の時代になると、1417に再び大陸へ遠征するも、34歳でなくなり、以後英仏戦争は泥濘化していく、1453年フランス軍はボルドーを陥落。100年戦争は終結す
・1453年ヘンリ6世のランカスター家(赤バラ)とヨーク家(白バラ)との内戦が勃発する、結果はヨーク家が勝ち、ヨーク朝が確立されることとなる
・1485にヘンリー7世により、テューダー朝が創設され、イギリスは新しい段階を迎えることとなる
■テューダー王朝と、近代
・ヘンリー7世後、ヘンリー8世、エドワード6世、メアリ1世などが即位した。当時は宗教改革の時代、
イギリスは国教会を含めて宗教に揺れ動いた。
・1559 エリザベス1世が即位、エリザベスは、宗教戦争に勝ち抜き、スペインの無敵艦隊をやぶって、イギリスの大英帝国への道を切り開いた。
ISBN:9784121023186
出版社:中央公論新社
判型:新書
ページ数:240ページ
定価:800円(本体)
2015年05月25日初版
2022年09月30日10版
目次
上巻
第1章 古代のブリテン島 ―― 先史時代?11世紀
石器時代から青銅器時代へ
「ブリタニア」の誕生 ―― ケルト文化の伝来
カエサルのブリタニア遠征
ローマン・ブリテンの始まり
長城の建設から協約締結へ
大帝の出現とローマからの離反
アングロ・サクソンの渡来
七王国の形成
オファ王の登場
デーン人の襲来とアルフレッド大王
最初の「イングランド王」の誕生と「賢人会議」
エドガー王の戴冠式
デーン人の再襲来
「征服王」カヌートの登場
強すぎる家臣たちの存在
証聖王の死と三つ巴の抗争
ノルマンディ公ギョーム=ウィリアム1世の戴冠式
第2章 ノルマン王朝のイングランド ―― 11?12世紀
ウィリアム征服王の登場 ―― フランス語による支配
祖法を守るウィリアム1世
ノルマンディ防衛のための供給源
「アングロ=ノルマン王国」の悲劇
征服王の死と赤顔王の即位
ロベールの十字軍参加と赤顔王の急死
ヘンリ1世即位とアングロ=ノルマンの再統合
イングランド統治構造の確立
御曹司ウィリアムの悲劇
「皇妃」マティルダの登場
ブーローニュ伯の上陸 ―― スティーヴンの即位
二〇年にわたる内乱へ
皇妃と王妃の抗争 ―― 二人のマティルダ
終息 ―― 皇妃マティルダから息子アンリへ
内乱が残したもの ―― 女性統治への疑問
第3章 アンジュー帝国の光と影 ―― 消えないフランスへの野心
西ヨーロッパ最大の領主の誕生
領土と王権の回復 ―― 臣従強要と遠征
カンタベリー大司教ベケットとの対立,そして暗殺
「諸侯よ,助言を与えたまえ」
軍役代納金の本格的導入
息子たちの叛乱
ヘンリ2世の反撃と死
獅子心王の即位と「帝国」の動揺
五男ジョンの登場
ノルマンディ諸侯の離反と「腰抜け王」
ローマ教皇との対決 ―― ジョンの破門
キリスト教支配下,ジョンの屈服
「在地化」した諸侯対「悪しき取り巻きたち」
マグナ・カルタ ―― イギリス国制の基本文書
イギリスに憲法はないのか?
ヘンリ3世と議会政治の始まり
大陸への野心と諸侯との対立
国王への覚書提出と大陸“放棄”
シモン・ド・モンフォールの議会
第4章 イングランド議会政治の確立 ―― 13?14世紀
長脛王の登場と議会制の強化
「税収」を求め続けた背景
行政府の整備 ―― 宮廷と国家の二重構造
「模範議会」をめぐる諸問題
議会の「休会」と戦局の好転
「ウェールズ大公」位の確保 ―― グウィネッズ君公国崩壊
スコットランドとの死闘
ガスコーニュ戦争と長脛王の死
ギャヴィストン溺愛とスコットランド放棄
エドワード2世の廃位
エドワード3世による親政
二院制の始まり ―― 貴族の登場
五つの「爵位」の成立
庶民院の拡充 ―― 騎士と市民
庶民院への「請願」と仏語から英語へ
「善良議会」 ―― 議会の地位確立
イングランド独自の道?
第5章 百年戦争からバラ戦争へ ―― フランスと王位をめぐって
英仏百年戦争の始まり
エドワード父子の栄光と死
一〇歳の少年王の登場
ワット・タイラーの乱と忠臣政治
ダービー伯爵への仕打ち
国王廃位からダービー伯爵即位へ
ランカスター王家と議会の協調
内乱の終息と皇太子ハリーの台頭
ヘンリ5世によるフランス進攻
連戦連勝,フランスの屈服
ヘンリ6世=「アンリ2世」の即位
百年戦争敗北からの神経性発作
ヨーク公の台頭から「バラ戦争」へ
エドワード4世の早世と混迷の時代
グロウスター侯爵の即位
ボズワースの戦い ―― ヨーク王朝滅亡
第6章 テューダー王朝と近代の夜明け ―― 国家疲弊下の宗教対立
ヘンリ7世 ―― 最も有能な実務家
弱小国化していたイングランド
ヘンリ7世の同盟戦略
「ルネサンス王」ヘンリ8世の登場
離婚問題からの宗教改革議会
教皇からの破門 ―― イングランド国教会の成立
「帝国」の拡張と王の死
少年王のはかない治世
「九日間」の女王
「血まみれメアリ」の登場
カトリックへの復帰宣言
スペイン王への反発とメアリへの憎悪
エリザベス1世の登場 ―― 妖精女王と国教会の復活
処女女王の外交政策 ―― ちらつかせる結婚
無敵艦隊撃破と女王の「手紙」
優柔不断 ―― 現実のエリザベス
エリザベス1世時代の議会
「グロリアーナ」の死
物語イギリスの歴史 上 関連年表
下巻
第7章 清教徒・名誉革命の時代 ―― 17世紀の変化
哲人王の即位と祖法の遵守
合邦の夢と宗教の「棲み分け」
浪費と議会への不信
三十年戦争と「平和王」の苦悩
チャールズ1世の登場 ―― 「平和王」から「戦争王」へ
議会不在の一一年 ―― 「絶対君主制」への信奉
内戦 ―― 国王と議会の武力衝突
首を斬られた国王 ―― 清教徒革命
共和制の始まり ―― 庶民院と国務会議
護国卿体制の光と影
クロムウェルの死と二院制復活
王政復古
改宗していた王弟ジェームズ
トーリとホイッグの登場
国王の反動化と名誉革命
名誉革命の意義
イングランド外交の転換期
スコットランド合邦と王朝の終焉
第8章 ハノーヴァー王朝下の議院内閣制確立 ―― 長い18世紀
ハノーファー選帝侯ゲオルク
ホイッグ優越時代の始まり
スタナップ国務大臣への過度な信頼
貴族法案をめぐる躓き
南海泡沫事件とウォルポールの復活
「ウォルポールの平和」の時代
ウォルポールの辞任と「首相」の登場
ペラム兄弟と「二重内閣」の終焉
度重なる戦争から「奇跡の年」へ
「愛国王」ジョージ3世の登場 ―― ビュート伯爵の重用
各派の台頭と国王の政治力
ノース政権とアメリカの独立
議会改革の要求
国王の頑なな抵抗
ピット政権下の摂政制危機
フランス革命と「ピット氏の黄金」
アイルランド合邦化 ―― カトリック問題とピット辞任
政党政治の混迷と摂政の登場
「長い一八世紀」とイギリスの勝利
第9章 イギリス帝国の黄金時代 ―― 19世紀の膨張
戦後不況と強圧政治の時代
キャロライン王妃事件 ―― 王権の弱体化
自由トーリ主義の時代
カトリック解放への道 ―― ピールの豹変
グレイ政権下の選挙法改正
貴族院の否決と民衆暴動
国王による最後の首相更迭
妖精女王の登場と民衆運動の勃興
国益と改革 ―― ピール政権下の穀物法廃止
二大政党制の確立 ―― 自由党の結成
二大政党と大衆民主政治の予兆
グラッドストンとディズレーリ
老大人の再起 ―― 大衆政治の深化
アイルランド自治問題の紛糾
二度のジュビリーと女王の死
第10章 第一次世界大戦 ―― いとこたちの戦争と貴族たちの黄昏
バーティによる王室外交の時代
自由貿易という「信仰」 ―― 保守党の分裂
「人民予算」を賭けた総選挙
貴族院改革と国王の死
新王の登場 ―― 貴族院権限の大幅縮小
アイルランド自治問題の再燃
第一次世界大戦の衝撃 ―― 徴兵制導入と「総力戦」
ロイド=ジョージ政権の光と影
総力戦後 ―― 貴族政治から大衆民主政治へ
アイルランド自由国の成立
自由党の没落,労働党の勃興
貴族院首相の終焉と労働党政権の成立
世界恐慌下の挙国一致政権
「英連邦諸国」の確立へ
第11章 第二次世界大戦と帝国の溶解
ジョージ5世の死
「王冠を賭けた恋」
脆弱な「ヴェルサイユ体制」
平和の崩壊と独裁者たちの台頭
チェンバレン首相の宥和政策とその破綻
ドイツへの宣戦布告 ―― 連合国の敗退
チャーチルの首相就任
「ブリテンの戦い」からアメリカ参戦へ
対独戦略とヤルタでの悲哀
チャーチルの敗北 ―― 一〇年ぶりの総選挙
アトリー政権下の戦後復興
社会福祉国家の確立
解体するイギリス帝国
米ソ冷戦のなかで
チャーチル再登板 ―― 合意政治の時代へ
ひとつの時代の終わり
第12章 エリザベス2世の時代 ―― 「英国病」からの蘇生
悲しい帰国と華やかな戴冠式
老臣チャーチルと「三つのサークル」
スエズ戦争の蹉跌 ―― 世界中からのイギリス批判
貴族制度の変容 ―― ヒューム首相就任の背景
保守党党首選の開始
英国病 ―― ポンド切り下げと「撤兵」
イギリス政治の迷走 ―― 国民投票の容認
サッチャー革命 ―― 「小さな政府」へ
サッチャー外交と女王との確執
ブレア政権の誕生 ―― 「第三の道」の提唱
地方分権化 ―― イングランド以外への権限委譲
「世襲議員」改革へ
ブレアの「大統領型」統治
ブレアの挫折 ―― イラク戦争参戦問題
議会政治と二大政党制のゆくえ
在位六〇周年記念式典の陰で
おわりに
主要参考映画一覧
イギリスの政党変遷略図
物語イギリスの歴史 下 関連年表 -
Posted by ブクログ
主にイギリスの「王権と議会」をキーワードとしたイギリス通史。
イングランドでは、アングロ・ノルマン王国やアンジュー朝では防衛する領域がブリテン島とフランス西部と広く、その防衛費用や戦費の捻出のための課税に地主貴族階級の力を借りざるを得なかった事、王位継承争いが絶えなかったため議会に頼らざるを得なかった。そのため議会があってこその王権という状況が続いた。一方フランスは治める領域が狭く防衛費用がそこまでかからない、かつてイングランドが領有していたフランス北西部を領有してからは収入が一気に上がった事、王位継承者に恵まれ継承がスムーズに行えたために王権が強く、議会に頼ることもイングランド程はなかった。